流通業(小売)

高い技術を持つ花の専門店 SNS発信と、顧客対応力向上のためCTIとノーコードアプリ積極活用 桂花園(京都府) 生花販売

From: 中小企業応援サイト

2026年01月05日 06:00

この記事に書いてあること

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京都府京都市西京区に本社を置く株式会社桂花園(けいかえん)は、生花と切り花を扱う花の専門店を営んでいる。約半世紀の歴史の中で、品質管理とフラワーアレンジメントに高い技術力を蓄積し、人生の門出や生活を彩る四季折々の花々を地域の幅広い顧客に届けている。美しくアレンジした花の画像や動画をSNSで積極的に発信する一方、電話とコンピューターを統合する技術であるCTI(Computer Telephony Integration)の活用により、顧客情報を連携して電話注文の受付業務を効率化するなど、働きやすい環境づくりにもデジタル技術を活用している。(TOP写真:桂花園の本社内に設けられている生花と切り花を扱う専門店)

花の品質やフラワーアレンジメントの技術に定評があり、地域の顧客との間で長期的な信頼関係を構築

店舗内のショーケースでは四季折々の花が飾られている

店舗内のショーケースでは四季折々の花が飾られている

桂花園の本社兼店舗は、京都市西京区の阪急桂駅に近い住宅街の中にある。1977年の設立以来、京都市内と周辺地域の結婚式場、ホテル、冠婚葬祭業を営む企業などに花を納入する法人ビジネスで事業を拡大し、約20年前から個人向けの販売にも力を入れている。地元の京都市花き地方卸売市場をはじめとする、全国の卸売市場や卸売業者を中心に豊富な仕入先を持ち、扱っている花の種類・品種(バラ、チューリップなどの花の種類の中で色や形など細かな違いのあるものが品種)は3000以上を数える。花の品質やフラワーアレンジメントの技術に定評があり、顧客との間で長期的な信頼関係を構築している。京都府綾部市と滋賀県大津市にも事業所を構える。

桂花園の小林謙次相談役

桂花園の小林謙次相談役

「花は空間を華やかにするだけでなく、人の心も豊かにしてくれます。花を届けることで、地域の皆さんの日々の生活を素晴らしいものにしたい。その思いに真心をこめて事業に取り組んでいます。時代の変化に合わせて新しい技術を活用しながら、お客様に満足いただける商品とサービスをこれからも提供し続けていきたいと考えています」。桂花園の本社兼店舗で取材に応じた小林謙次相談役は、地域に根差しながら事業に取り組んでいる思いをこのように話した。

結婚式を彩るブライダルフラワーの製作に強みを持つ 京都市東山区のホテルでウェディング部門の専属フローリストを務める

桂花園は、京都市東山区のラグジュアリーホテルでウェディング部門の専属フローリストを務めるなど、結婚式を彩るブライダルフラワーの製作に強みを持っている。結婚式の花は式全体のイメージを左右する重要な役割を担っていることから、フローリストには豊富な実績と高い技術が求められる。桂花園は、新郎新婦をはじめとする結婚式に参加する人たちの視点に立って、ブーケ、高砂席装花、卓上装花、ウェルカムフラワー、キャンドルフラワーなど、会場を彩る花々を総合的に提案することを大事にしている。

SNSは若者を中心に新規の顧客を開拓する上でなくてはならない広報宣伝ツール いかに画像として映えるかを工夫して撮影している オンラインショップも運営

桂花園がアカウントを開設しているSNS

桂花園がアカウントを開設しているSNS

桂花園がフラワーアレンジメントの技術力をアピールする上で力を入れているのが、ホームページやSNSを活用した情報発信だ。SNSについてはフェイスブック、LINE、インスタグラムにアカウントを開設し、それぞれの特徴を把握した上で使い分けている。「コストと手間をかけずに情報を高頻度に発信できるのがSNSの最大の利点です。実際に製作したフラワーアレンジメントの画像を通じて技術をアピールするだけでなく、見ていただいた人たちの気持ちを明るくすることを心掛けて投稿しています。いかに画像として映えるかを工夫して撮影するようにしています」と企画営業課の山中信哉課長は話した。投稿した画像は、フォロワーを通じて拡散してもらうことも期待できる。SNSは若者を中心に新規の顧客を開拓する上で、なくてはならない広報宣伝ツールになっているという。

企画営業課の山中信哉課長

企画営業課の山中信哉課長

桂花園は「けいかえんネットショップ」を運営し、オンライン販売にも取り組んでいる。ネットショップでは、誕生日、開店祝い、お見舞い、発表会、お供えといった用途や、アレンジメント、花束といった商品ごとにカテゴリーを設けて、商品の写真と価格を掲載している。ネットショップを通じた販売件数が年々増加する中、更に勢いをつけて集客と販売の拡大につなげるために、今後はSNSとの連動を強化していきたいという。

従業員の負担軽減と顧客対応力向上のため、電話着信と同時に顧客名と購入履歴をパソコン画面に表示するCTIを導入

画面で顧客の情報を確認しながら電話応対する様子

画面で顧客の情報を確認しながら電話応対する様子

桂花園は、情報発信だけでなく業務効率化にもデジタル技術を活用している。十数年にわたって顧客管理システムを活用し、定期的に取引している法人や、購入実績のある個人の情報を販売実績と合わせて記録しており、その件数は約1万件を数える。5月の母の日や、8月から9月にかけてのお盆・お彼岸といった繁忙期には、来店・電話・メールを通じて1日あたり100件近い注文が寄せられることもある。近年は年間を通じて、電話での注文が増加傾向にあるという。

顧客からの電話に応対する4人の従業員の負担を軽減するために、桂花園は2024年、電話とコンピューターシステムを統合するCTIを導入した。実際の開発では、顧客管理システムのデータをノーコードの業務作成システムを経由してCTIへ転送。電話が着信した時点で、顧客管理システムから顧客の社名や氏名、コード番号、購入履歴などの必要な情報をディスプレイに表示できるようにしている。アプリケーションの作成や複数のシステムの連携は、長年取引のあるシステム支援会社が担当した。

システムを導入する以前は、電話応対の担当者は電話がかかってきた際、最初に顧客の名前を口頭で確認。手作業で顧客管理システムを操作して、顧客情報を見つけた上で応対しなければならなかった。注文内容をメモする作業も加わるため、手間と時間がかかり、不慣れな若い従業員は、プレッシャーや不安を感じながら電話応対していたという。

電話応対の時間が1件あたり平均で15分程度短くなるなど、業務負担が劇的に改善。顧客対応の質向上により顧客満足度も向上した

小林慶行常務取締役

小林慶行常務取締役

CTIを活用した新しいシステムを導入したことで、電話応対の時間が、1件あたり平均で15分程度短くなるなど、業務負担は劇的に軽くなった。オフィス全体で情報を共有して若い従業員をフォローし、重要な取引先からの電話の場合は、最初から役職者や取引内容に詳しいベテランに任せるといった臨機応変な対応もできるようになった。

「着信と同時にパソコン画面でお客様の名前を確認して心構えができるので、その後のやり取りがスムーズに進むようになりました。業務の属人化解消にも役立っています。コード番号を入力すると過去の購入履歴などの情報がすぐに表示できるので、経験が浅い人材でもベテランのように応対できるようになりました」と山中課長。「デジタル技術が、顧客満足度の向上と、従業員の物心両面での負担軽減に大きな効果を発揮していることを実感しています。業務のデジタル化に対応した職場環境を、これからも充実させていきたい」と小林慶行常務取締役はうれしそうに話した。

ノーコード型の業務作成システムを活用して、更なる業務のデジタル化を進める

花のアレンジメントに取り組む様子

花のアレンジメントに取り組む様子

冷蔵庫では様々な花をストックしている

冷蔵庫では様々な花をストックしている

桂花園はプログラムの専門知識がなくても業務アプリを作成できる、業務改善プラットフォームの機能を活用して、更なるデジタル化を進めていこうとしている。これまでに、現金出納の業務アプリを作成して紙ベースだった出入金記録をデジタル化したほか、本社と各事業所の発注情報や仕入れ情報を取りまとめる業務アプリの作成にも取り組んでいる。来店された顧客に手書きで記入してもらっている紙の注文票も、今後タブレット入力などにデジタル化し、情報を他の帳票でも活用できるようにしたいという。

顧客からの要望に迅速に対応できる販売体制の強化に取り組む 課題解決にデジタル技術を積極的に活用していく

桂花園の本社兼店舗の外観

桂花園の本社兼店舗の外観

最近、生成AIなど新しいデジタル技術の進化に伴って、花きについての情報を集めやすくなったこともあって、花の種類や色を細かく指定して注文する顧客が増えているという。「これまでは提案型の販売が中心でしたが、これからはお客様からの要望に迅速に対応できる販売体制を早急に整えていかなければならないと考えています」と小林常務は表情を引き締めた。「デジタル技術やICTを活用してデータを分析することで、顧客ニーズの把握と新しいトレンドの予測に役立てることも検討していきたい」と小林相談役は抱負を語った。

花き販売業界は、冠婚葬祭の簡素化といったライフスタイルの変化、仕入先の多様化、需要の喚起、人材の確保・育成といった様々な課題に直面している。その中で桂花園は顧客管理、顧客サービスの向上、新規顧客の開拓、仕入、発注業務の効率化、人材活用、情報発信にデジタル技術を効果的に活用している。その取り組みは近い将来、大きく花開くはずだ。

企業概要

会社名

株式会社桂花園

本社

京都府京都市西京区川島玉頭町41

HP

http://www.keikaen.com

電話

075-392-4587

設立

1977年4月

従業員数

76人

事業内容

生花販売、冠婚葬祭

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