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脱炭素経営支援を展開 宮崎県産業振興機構(宮崎県)

From: 中小企業応援サイト

2026年01月26日 06:00

この記事に書いてあること

制作協力

産経ニュース エディトリアルチーム

産経新聞公式サイト「産経ニュース」のエディトリアルチームが制作協力。経営者やビジネスパーソンの皆様に、ビジネスの成長に役立つ情報やヒントをお伝えしてまいります。

公益財団法人宮崎県産業振興機構(以下「機構」という)は、県内中小企業における経営基盤強化、技術の高度化、新事業の創出に向け、関係機関・団体と連携を図りながら事業を推進し、宮崎県における中小企業の振興と産業の活性化に取り組む支援機関である。2024年度には、リコージャパン株式会社 宮崎支社とGX(グリーン・トランスフォーメーション)の推進に関する連携協定を締結。世界的な脱炭素の動きの中で、地域の中小企業にも脱炭素経営の重要性が高まっていることに対応し、県内製造業を対象に脱炭素の推進を支援する事業を始めた。(TOP写真:脱炭素支援事業を行っている企業成長促進室のメンバー)

県内中小企業支援の中核的役割を担う組織として2000年4月に設立

宮崎テクノリサーチパーク 宮崎県工業技術センター2階

宮崎テクノリサーチパーク 宮崎県工業技術センター2階

県内中小企業に設備貸与や取引支援を行っていた財団法人宮崎県中小企業振興公社と、経営・技術などの情報提供を行っていた財団法人宮崎県産業技術情報センターが2000年4月に統合し、財団法人宮崎県産業支援財団(現公益財団法人宮崎県産業振興機構)として設立された。

2013年4月の公益財団法人への移行に伴い、名称を宮崎県産業振興機構に変更。宮崎県工業技術センター内に本部事務所を置くほか、宮崎駅前のKITENビル内にも事務所を置いている。

2024年4月に、地域経済と密着しているリコージャパン株式会社 宮崎支社とGXの推進に関する連携協定を締結

GXの推進に関する連携協定を結んだ機構の丸山裕太郎理事長(右)とリコージャパンの岡田哲也宮崎支社長

GXの推進に関する連携協定を結んだ機構の丸山裕太郎理事長(右)とリコージャパンの岡田哲也宮崎支社長

機構が2024年4月にリコージャパン宮崎支社と「GXの推進に関する連携協定」を結んだのは、宮崎県内の中小企業の脱炭素経営を支援・推進するのが狙いだ。
この事業を担当する機構企業成長促進室の長友室長は、「政府目標である2050年のカーボンニュートラル(CN)実現に向けて、大手企業を中心に脱炭素経営への取り組みが急速に拡大しています。この流れは、県内中小企業にも及んでおり、取引の維持・拡大を図る上で、脱炭素経営の重要性は非常に高まっています」と述べ、宮崎県の中小企業における脱炭素経営への取り組みの重要性を強調。同時に、宮崎県が進める「2050年ゼロカーボン社会づくり」の実現のためにも、「県内製造業における脱炭素化への取り組みを促進する必要がありました」(長友室長)と説明する。

「県内中小企業においても脱炭素経営の重要性は非常に高まっています」と語る長友室長

「県内中小企業においても脱炭素経営の重要性は非常に高まっています」と語る長友室長

リコージャパンは、「地域脱炭素を、皆様と共に!」として、顧客と共に進化する環境経営を掲げており、エネルギー使用状況の分析による温室効果ガス排出量の把握や、施設の問題点の調査・解明など、企業の脱炭素経営について多くの技術や知見、ノウハウを有している。こうしたGXに関する技術や高度な専門知識に加えて、宮崎県の地域経済とも深いつながりを持つリコージャパン宮崎支社に機構は着目し、連携協定の締結に繋がった。

2024年度から「脱炭素社会に向けたモデル企業育成事業」がスタート、これまでに脱炭素推進モデル企業7社を選定

省エネ診断の様子

省エネ診断の様子

機構は県からの委託を受け、2024年度から、「脱炭素社会に向けたモデル企業育成事業」をスタート。県内中小企業の製造業者を対象に、2024年度に3社、2025年度に4社の脱炭素推進モデル企業(以下「モデル企業」という)を選定し、伴走支援を進めている。

支援チームは、脱炭素に向けた企業経営に係る助言・指導、情報発信等を行う脱炭素経営プロジェクトマネージャー(機構委嘱の中小企業診断士)と、省エネ診断や実行計画策定等を行う脱炭素推進プロジェクトマネージャー(リコージャパン宮崎支社の専門家)で構成されている。この支援チームが、モデル企業のエネルギー使用に係わる現状を把握し、その結果を基に実行計画を策定。さらに、その計画に基づく具体的な取り組みを伴走支援している。支援の主な流れは、①事前調査 ②省エネ診断 ③結果報告 ④省エネ施策の実行計画策定 ⑤実行――となる。
2024年度のモデル企業に対しては、すでに省エネ診断を実施し、その結果から、モデル企業と支援チーム協議の上で実行計画を策定、現在は⑤の実行フェーズにある。また、2025年度のモデル企業は選定を終え、事前調査から省エネ診断を進めているところだ。

省エネ対策の実行段階に入ったモデル企業では、年間数百万円の効果が見込まれている

すでに支援活動が進んでいる2024年度モデル企業の具体例を見ると、実行すれば大きな効果が見込まれることがわかる。

宮崎市に本社を置き、金型製造、樹脂成形から組立検査、品質管理、物流や部品調達までの一貫体制を整え、自動車や航空機の部品製造を手掛ける「株式会社モリタ」。そこでは、事前調査、省エネ診断を終え29項目の改善提案が出された。

投資が伴う改善として、エアコンの更新や照明のLED化、空調室外機の遮光対策、空調のEMS(エネルギー・マネジメント・システム)制御化による省エネ運転管理の自動化など。運用面の改善では、空調温度の最適化や自動販売機の照明消灯、圧縮エア装置の配管エア漏れの定期的チェックなどが提案された。

この診断結果に基づき、初年度は運用面の改善を中心に、2年目以降は資金が必要な投資面の対策を中心にした実行計画案を提示。実行の可否を検討した上で計画を策定し、一部施策が実行に移されている。全ての施策を実施した場合、効果は年間数百万円が見込まれている。

実際の成果が見え始め、県内の中小企業にも関心が広がる

「脱炭素に積極的に取り組まれる中小企業も増えてきました」と語る児玉主任主事

「脱炭素に積極的に取り組まれる中小企業も増えてきました」と語る児玉主任主事

「企業で脱炭素を進めるには、『何から始めたら良いのか』といった声もありましたが、脱炭素に関心を持ち、積極的に取り組まれる中小企業も増えてきています」。機構企業成長促進室の児玉主任主事はこう話し、企業側の意識の変化を実感する。事業による伴走支援が具体的に進み、その成果をセミナーや機構HPなどでPRしてきたことも好影響を及ぼし始めているといえる。

宮崎県産業振興機構とリコージャパンが共同で開催した「脱炭素セミナー」

宮崎県産業振興機構とリコージャパンが共同で開催した「脱炭素セミナー」

事業では、県内企業への波及を目的に、脱炭素に関するセミナーを開催。また、モデル企業の取り組みを定期的にホームページにも掲載することで、モデル企業以外の企業の方にも取り組んでみようと思ってもらえるようなきっかけ作りを行っている。「中小企業は人材の確保・育成など多くの課題を抱えており、脱炭素に関する優先順位は低い印象がありましたが、取り組みを通じて脱炭素への関心を持っていただける企業が増えてきました」(長友室長)という。

シミュレーションゲームに参加した従業員は「一人ひとりの行動が重要」と意識が変化

「シミュレーションゲームが従業員の意識向上に貢献しています」と語る鳥越脱炭素経営プロジェクトマネージャー

「シミュレーションゲームが従業員の意識向上に貢献しています」と語る鳥越脱炭素経営プロジェクトマネージャー

「『脱炭素化と言っても、何から手を付け、どのような効果検証をすれば良いのかわからない』とおっしゃっていた企業から、『具体的な取り組み内容や方向性に目途がついた』といった評価もいただいています」。長友室長はこう言って、事業の効果を感じている。

そこには、この事業を通して従業員の脱炭素に関する意識が向上していることも見逃せない。事業では、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)であるリコージャパン宮崎支社のオフィスツアーや、株式会社リコーの環境ビジネスのシンボル的施設であるリコー環境事業開発センター(静岡県御殿場市)の見学に加えて、モデル企業の従業員を対象にしたビジネスゲーム体験型研修「2050カーボンニュートラル」(GXカードゲーム)を実施している。
GXカードゲームは、参加者が電力会社、自動車メーカー、環境NPOなど12の立場に分かれ、過去から現在にかけてゲームの中で自分たちが行った経済活動の結果、地球環境にどのような影響を与えているのかを可視化し、その疑似体験から参加者自身の価値観や考え方に、気づきや行動変容を働きかけるシミュレーションゲーム。実際にGXカードゲーム実施に携わった鳥越脱炭素経営プロジェクトマネージャーは、「GXカードゲームは非常に好評で、モデル企業の従業員の意識向上に貢献しています」と話す。参加者も「一人ひとりの行動が重要になることを体験した」と、自らの意識変化を語っている。

中小企業の経営環境が厳しさを増す中、機構の役割はますます大きくなる

オープニングセレモニー

オープニングセレモニー

2025年8月、宮崎駅前KITENビルに県内の中小企業に対する国、宮崎県の支援拠点がオープン。3階にはチームによる伴走支援事業等を実施する「企業成長促進室」と、フードビジネスの相談窓口である「みやざきフードビジネス相談ステーション」が併設、1階には各種経営相談に専門家が対応する「宮崎県よろず支援拠点」宮崎駅前サテライトも開設した。1階と3階に集約された支援機関はもちろん、同ビル内の県商工会議所連合会等の各支援機関との連携強化や利便性向上により、さらに効果・効率的な企業支援が期待される。

機構はこれまでも、県内中小企業の経営支援を積極的に行ってきた。しかし、エネルギーや原材料価格の高騰、人手不足など、県内中小企業の経営環境は厳しさを増している。最近はDX化や経営の脱炭素化など新たな課題への対応にも迫られているが、「県内中小企業・小規模事業者の新たな経営環境の変化にも迅速に対応しながら、『みやざきの次代を担う企業』の成長を後押ししていきます」と、長友室長は力強く語る。宮崎県経済の未来に向けて、機構が果たすべき役割はますます大きくなる。

企業成長促進室が入居する宮崎駅前のビル

企業成長促進室が入居する宮崎駅前のビル

企業概要

法人名

公益財団法人宮崎県産業振興機構

本社

宮崎県宮崎市佐土原町東上那珂16500番地2
(企業成長促進室)宮崎県宮崎市錦町1番10号 KITENビル3階

HP

https://www.mepo.or.jp/

電話

0985-74-3850
(企業成長促進室)0985-77-5563

設立

2000年4月

職員数

35名(このほか、委嘱PM・CO等44名)

事業内容

県内中小企業における、経営基盤強化、経営の革新、技術の高度化及び新事業の創出並びに関係組織・機関との連携の推進等

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