会員顧客との絆で成長する健康食品販売会社 ICTを活用し「リアルとデジタルの二刀流販売」も目指す ウエルネスプラザ(京都府)
2026年02月18日 06:00
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京都府京都市伏見区に本社を置く自然食品・健康食品販売会社の株式会社ウエルネスプラザは、東海地区から本州西日本地域のホテルや公営施設を利用した移動店舗販売を主力に事業を拡大してきた。地域ごとに会員組織を設け、インターネット通販が主流となった現在でも、約3万人の会員を対象とするフェイス・ツー・フェイスによる双方向コミュニケーションを強みに販売を伸ばしている。オンデマンドプリンターの導入によってチラシや販促物を内製化し、経営の効率化を図る一方、EC(電子商取引)にも進出して「リアル(実店舗)とデジタル(ネット店舗)の二刀流販売」を目指す方針だ。(TOP写真 ウエルネスプラザの移動店舗では友の会会員を主な対象として健康に関するイベントを開催している)
1998年に健康食品販売会社の京都支店が独立してスタート
ウエルネスプラザの主な健康食品
ウエルネスプラザは、1996年2月に営業を開始した自然・健康食品販売の株式会社ウエルネスムーブメント京都支店が前身となる。その後、ウエルネスムーブメント京都支店は、1998年11月に株式会社ウエルネスプラザとして独立。現在、顧問に就いている寺田淳一氏を初代社長として、新たなスタートを切った。
「当時の支店トップの理念が個人主義なのか、組織全体を見ているかによって支店の経営状態には格差が生まれました。個人主義の支店は淘汰されましたが、京都支店は社員からの信頼を得て独立したということです」。その頃、移動店舗部門の店長を務めていた山川聖史第一営業部部長は当時を振り返る。
移動店舗販売主体に事業を拡大、会員顧客との双方向コミュニケーションが最大の強み
「お客さまとの双方向コミュニケーションによる信頼関係が当社の最大の強みです」と語る堀田裕次代表取締役
独立後は、従来の支店業務を引き継ぎ、移動店舗販売主体で顧客を増やしてきた。その後、京都のほか、愛知県名古屋市や京都府舞鶴市、滋賀県長浜市などに固定店舗を開設したが、固定店舗は新しい需要地域開発が狙いであり、販売活動の主体はあくまでも移動店舗が担っている。
2015年8月に就任した堀田裕次代表取締役は、「お客さまに移動店舗の会場に来ていただき、講師を招くなどして開く健康に関するセミナーや講習会で、健康への理解を深めていただいてから、商品の購入を決めてもらいます。あくまでも双方向のコミュニケーションを前提とした商売によってお客さまからの厚い信頼を得ていることが、当社の強みになっていると思います」と強調する。その最前線となるのが、顧客の住む地域に出向いて販売会とともに講演会などの各種イベントを開く移動店舗というわけだ。
静岡県以西の本州西日本で移動店舗を開設。顧客との信頼関係重視の商売で信用度を高めてきた
3ヶ月ごとに開設する移動販売店舗
現在、移動店舗を定期的に開催している会場は、静岡県から山口県までの本州西日本地域に約160ヶ所ある。ホテルや公民館などの公共施設が中心だ。
ウエルネスプラザでは、複数の移動店舗グループが3ヶ月に1度、それらの会場に店舗を開設し、約2週間営業する。顧客は東海地区以西の本州西日本地域に在住する約3万人の「ウエルネスプラザ友の会」の会員が中心となるが、既存会員だけを対象にしていたのでは発展性がない。移動店舗を開設する際には、開設する地域周辺に大量の案内チラシを配布して、会員以外の健康に関心の高い消費者を誘引する。健康に関するセミナーや講演会に参加し、ウエルネスプラザの商品に納得していただいた顧客に購入してもらう。会場に来てくれた顧客との信頼関係を構築し、その関係性を重視した商売を実践してきたことが、同社の信用を高め、安定した経営につながってきたといえよう。
訪問販売とは一線を画す「お客さまとの深いつながりに基づく営業活動は他社にはまねできません」
「お客さまとの深いつながりに基づく当社ならではの営業活動は他社にはまねできない」と語る山川聖史第一営業部部長
過去には訪問販売が社会的に問題になった時代もあった。ウエルネスプラザは移動店舗での販売を主体としながらも、新たに会員組織に入会した顧客を中心に個別に訪問して、商品を届けたり、新たな注文をもらうことがある。だが、販売目的だけでの戸別訪問はしない。訪問販売事業者とは明確に差別化するためだ。
「商品の配達などの際に、当社の担当者に自分の家族の話を聞いてもらう。これはネット販売ではできません。色々な話を親身に聞いてくれる人がいる。その中から、単に商品の売買だけの関係ではない、『この人なら』という信頼関係も生まれます。こうしたお客さまとの深いつながりに基づく営業活動は他社にはまねできないと思っています」。山川第一営業部部長はこう言って、訪問販売とは一線を画すウエルネスプラザ独自の顧客との関係性を強調する。こうした強い信頼関係のある顧客を中心としてきたため、世の中の景気に左右されない商売を展開できたという。
オンデマンドプリンターを導入し、外注していたチラシや販促物の制作を内製化
チラシやPOPを自社で制作するために導入したオンデマンドプリンター
移動店舗の開設にあたっては、集客用のチラシを1回の出店ごとに約1万枚用意するほか、セミナーや講演用の健康に関する資料を数百部制作する。店舗会場に掲出するポスターやPOPなどの販促物も必要になる。
これらのツール制作は従来印刷会社に外注していたが、多額の費用や納期がかかっていたため、2025年からオンデマンドプリンターを導入し、チラシや販促物を自社制作に切り替えた。「最近は健康に関する情報も増え、スマートフォンで簡単に手に入る時代です。移動店舗への集客力を強化するためには、チラシの品質を高めたうえで制作コストを引き下げる必要がありました」と、山川第一営業部部長はオンデマンドプリンター導入の狙いを説明する。
導入後は、自分たちでイメージしたチラシを制作できるほか、厚紙や特殊紙など印刷する紙を選ばないため、訴求効果の強化を狙ったPOP制作にも活躍している。
チラシ内製化で年間50万円の制作コストを削減、チラシ、販促物の品質も向上した
移動店舗の開設を告知するチラシ
チラシや販促物の自社制作効果は、必要な時に必要な数量を短時間で用意できる納期の柔軟性と制作コストの削減にある。外注すると納期が長いため、途中で会場やイベントの内容に変更があった場合、納期がさらに長くなったり、変更のタイミングによっては印刷物が使えず無駄になることもあったが、今は自社制作のため柔軟に対応できる。
制作コスト面では、外注の場合はチラシだけで年間200万円の費用がかかっていた。自社制作に切り替えてからは約150万円と、50万円のコスト削減が見込まれており、一部修正が間に合わず結果的に無駄になっていたチラシの制作費や、POPなどの販促ツールの制作費削減分を加えればさらにコスト低減効果は大きくなるとみられる。
今後はEC戦略を本格化、サブスク導入などで顧客の底辺拡大を狙う
ウエルネスプラザのICT化を担う京都本社の事務所
今後のICT化では、EC戦略に本格的に取り組む方針だ。あくまでも移動店舗での販売を主力としながらも、その一方でネット販売の店舗を開設し、顧客の底辺を拡大していく考えだ。ネット販売では、サブスク(サブスクリプション)の会員組織を設け、年間購入額で1万円くらいの顧客の獲得を目指す。
ネット顧客の購入額は、移動店舗の有力会員顧客に比べれば数十分の一程度ですが、顧客層を広げることが将来の事業成長につながるとみており、「今後はリアルとデジタルの二刀流を目指す」(山川第一営業部部長)という。
「正食」(正しい食生活)を訴え、無添加食品や無農薬野菜の調達先も拡大していく方針
京都府舞鶴市の実店舗
ウエルネスプラザは、創業以来「本物の健康」を提供することを目的に、「正食」の重要性を訴えている。正食とは「健康三原則である栄養、運動、睡眠に留意したうえで、無添加で栄養バランスのとれた食事を、できれば家族団らんの中でとりましょう」(堀田社長)ということで、すなわち「正しい食生活」を指しているといえよう。
同社の主力商品は、免疫力を高めたり、コレステロールや血圧の低下などに効果が期待できる健康食品だ。正しい食生活の中で摂取するのが一番だが、「食生活を丸ごと変えることは難しいことだとしても、まず身近な無理のないところから(健康食品で)改善しませんか」(堀田社長)と提案する。だから、実店舗では無添加の自然食品や無農薬野菜を販売し、顧客の正しい食生活を支援しており、将来的には無添加食品会社や無農薬野菜を生産する農家などとの契約を増やしていく考えだ。
健康問題への関心の高まり背景に、アンチエイジングや予防医学関連の商品開発を目指す
京都本社のエントランス
「当社は2024年に京都と名古屋でアンチエイジングに関する講演会を開催し、大きな反響をいただきました。ビタミンB、Cやマグネシウムなどの基礎栄養素をきちっと摂取する重要性を訴えましたが、栄養バランスが崩れている人がそれらをいくら摂取しても効果は上がりません。『正食』であっても不足栄養素は出てきますし、その栄養素をピラミッドの底辺から積み上げていくことが重要であり、予防医学の重要性が叫ばれている現代のニーズに合う栄養素も求められています」。堀田社長はこう話し、世の中で健康問題への関心が高まる中で、アンチエイジングや予防医学を基盤とする商品開発を目指す考えを示している。
企業概要
会社名
株式会社ウエルネスプラザ
本社
京都府京都市伏見区東組町698 パークテラス桃山110
電話
075-604-3950
設立
1998年12月
従業員数
45人
事業内容
自然食品(無添加食品)、健康食品、栄養補助食品、一般加工食品、健康機器、健康関連商品の販売など
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