ESG時代の緑化ソリューション 環境緑化植物「クラピア®」と、「雑草抑制効果を高める独自工法」で管理コストも削減 国内外への普及を支える販売管理システム グリーンプロデュース(栃木県)
公開日:2026年02月27日
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持続可能な社会の実現が叫ばれる現代において、地球規模での環境緑化は喫緊の課題となっている。こうした中、親子2代にわたり、環境緑化植物「クラピア」の普及を進める企業がある。株式会社グリーンプロデュース(栃木県小山市)は、宇都宮大学講師、故倉持仁志氏の技術にほれ込んだことをきっかけに、約30年の長きにわたる挑戦を続けている。この独自技術は、乾燥が厳しい米カリフォルニア州の大学との共同研究にも結びつき、効果を実証できた。学術的な知見と、現場のニーズを徹底的に追求する経営哲学が結びつき、世界に通用する緑化ソリューションを生み出したのだ。(TOP写真:従業員と談笑するグリーンプロデュースの大出真隆代表取締役=写真中央)
初期の苦境を救った「専用防草シート工法」。クラピアの生育を妨げない特殊構造で雑草を抑え管理負担を劇的改善
クラピアは国内唯一の品種登録済のイワダレソウ。グリーンプロデュースの主力商品だ
クラピアは、日本の雑草研究における第一人者である宇都宮大学講師、故・倉持仁志氏が、沖縄県に自生するイワダレソウを原種に、 “草で草を制す”というコンセプトのもと、10余年の歳月をかけて改良を重ねて生み出した、国内唯一の品種登録済イワダレソウのことだ。大出真隆代表取締役の父、武久氏が、宇都宮大学の倉持仁志講師の研究にほれ込み、事業化が始まった。
グリーンプロデュースでは、倉持氏の研究を支援しながらクラピアの品種改良を重ね、耐寒性や耐病性を強化していった。その結果、クラピアは、他の草木が育ちにくい過酷な環境、例えばアルカリ性の土壌や赤土などでも生育できる強靭(きょうじん)さを獲得した。「他の植物が育たないところにこそ、確かなニーズがある」(大出代表)と考え、2006年にクラピアを商品化し、管理農場による生産と全国への販売を始めた。主に事業向けとして、道路法面、分離帯、工場や公園などで使用を想定していた。
しかし、創業当初はその独自性が理解されず、「最初の頃は売れず、不安だった」という苦しい時期も経験したという。この苦境を乗り越える鍵となったのが、クラピアの持つ機能性を最大限に引き出す「画期的な工法」の開発だった。
グリーンプロデュースが確立したのは、クラピア専用の防草シートを併用して苗を植える工法だ。専用シートはクラピアの根を土まで通す特殊な構造で、クラピアの成長を妨げずに防草シートと組み合わせて植栽できる。シートの持つ高い雑草抑制効果と、クラピアが地表を覆う「緑のカーペット」としての効果が相乗的に働き、手間のかかる雑草対策を大幅に軽減することに成功した。この独自の工法が、クラピアの市場価値を一気に高めた。
専用の防草シートを使った工法だと、芝で張り付けた工法に比べて雑草の生え方が少なく、年間1~2回程度の刈り込みでメンテナンスができる
開発者の夢を継ぎ世界へ。単身渡米、現地大学との共同研究でクラピアの優位性を科学的に証明。サステナブルな緑化植物としてSDGsの達成にも寄与
倉持氏は生前、クラピアの技術を乾燥地帯の砂漠で活用することを夢見ていた。グリーンプロデュースは、その夢を実現しようと大手石油販売会社と協業し、UAE(アラブ首長国連邦)での事業展開を模索したこともあった。
さらに、2008年に同社へ入社した大出代表は、学生時代の米国留学経験からカリフォルニア州の乾燥した環境に着目した。クラピアは少ない水で育ち乾燥に強いため、従来の芝生に代わる画期的な緑化ソリューションになると確信したからだ。大出代表は単身で渡米し、広大な米国大陸を車で駆け巡りながら、自ら販路開拓に乗り出した。その粘り強い努力は実を結び、カリフォルニア州の大学との共同研究へと発展した。アカデミアという信頼の土台を築いたことで、クラピアの優位性は科学的に証明された。2012年には満を持して米国子会社を設立。日本発の緑化技術は、海外にも羽ばたいている。
クラピアの特長は、砂漠や乾燥地の緑化植物としての用途にとどまらない。地表の温度上昇を和らげる効果があり、市街地のヒートアイランド対策になる。生長すると地中深くまで根を伸ばすため、水やりにかかるコストの削減にもつながる。種をつけないため、植栽地の生態系を乱すリスクが低く、CO2の吸収・固定能力も高い。クラピアは、緑あふれる街並みを未来へとつなぐサステナブルな緑化植物だ。水資源の保全という地球規模の課題解決に貢献する可能性があり、大出代表は、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にも寄与するとして注目している。
クラピアを敷設した緑地(写真左奥)と、雑草が生い茂った緑地(右手前)
急激な事業の伸びに、煩雑な受発注・在庫を一元管理するシステムを導入。属人化していた業務を効率化し、取引先へ迅速に対応することに成功
売上・売掛から仕入・買掛、在庫管理までの全般をカバーする業務システムの画面。女性従業員の一人は「見やすく、操作しやすい」と話す
クラピアが緑化市場で認知度を高めるにつれ、事業向けに加え、ネット販売やふるさと納税返礼品としての提供もスタート。
受注件数は増え続け、現場の業務は多忙を極めた。受発注の管理から在庫、販売に至るまでの管理業務は、数人の担当者だけでは対応しきれないほど煩雑になっていた。そこでグリーンプロデュースは、この事業拡大の波を確実に捉えるため、受注・売上・発注・仕入・在庫管理までを網羅する業務システムの導入に踏み切った。
このシステム導入によるメリットは大きかった。点在していた受発注や仕入の情報を一元管理することで、担当者の属人的な作業負荷が軽減され、ヒューマンエラーの削減に成功した。このほか、見積作成から売り上げの把握、販売動向が可視化されたことで、営業部門と生産部門の連携がスムーズになり、顧客への迅速な対応と、適正な生産計画の策定が可能になった。
芝に代わるグランドカバーとして個人庭での導入も増えている。5月~8月は小さな花が咲くことも人気の理由。
自衛隊基地の除草負担を劇的に軽減、隊員の感謝が自信につながった。常緑化の実現に向けた品種改良が課題
今後のクラピアの事業展開について、大出代表は国内での拡大に重きを置いている。自衛隊基地へのクラピア導入を通じて大きな手応えを得たからだ 。広大な基地内では隊員が自ら除草作業を行っているが、災害派遣などで基地を離れると、帰還時には草が伸び放題となっており、除草作業で隊員が疲弊するという課題があった。クラピアの導入により頻繁な草刈りが不要になったことで、隊員から「作業が本当に楽になり、助かっている」と直接感謝の言葉をかけられたという。この経験は、自社製品が社会の役に立っているという強い自信につながった。現在は全国の基地で採用が広がっている 。
国内でクラピアを導入した企業の中には、従業員の家族らとともにクラピアの植樹体験を行ったところもある
さらなる普及を目指し、クラピアの耐寒性向上に注力している。企業が集中する太平洋ベルト地帯において、冬でも青々とした状態を保つ「常緑化」を実現するための品種改良が今後の課題だという。真冬に茶色に変わってしまうことなく、通年で高い防草効果と良好な景観を維持することで、行政や企業が抱える緑地管理コスト削減のニーズに応える考えだ。維持管理に伴うCO2排出を抑え、「次世代に残せる持続可能な緑地」を国内に広めることを、経営のミッションとして掲げるグリーンプロデュース。緑化ビジネスのフロントランナーとして、これからも世の中を緑豊かで、持続可能なものに変えていくに違いない。
企業概要
会社名
株式会社グリーンプロデュース
本社
栃木県小山市上初田愛宕前636
電話
0285-37-8833
設立
2006年7月
従業員数
20人(グループ企業含む)
事業内容
緑化植物イワダレソウ改良種「クラピア」総販売元・卸販売、クラピアを用いた環境緑化技術の研究・開発、クラピアの品種登録およびライセンス管理
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