福祉業(介護)

医療連携を強みに特別養護老人ホームの魅力を発信 外国人介護職員の活躍を背景に、求人重視から利用者向けへホームページを刷新 社会福祉法人三星会(宮崎県)

From: 中小企業応援サイト

公開日:2026年04月20日

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宮崎県西都市で特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人三星会は、同市内の地域医療・介護を支えてきた医療法人暁星会が2004年に設立した。当時、先進的であったユニット型特養を導入し、きめ細かい介護支援を提供している。また、地域の医療機関が運営する介護施設として高い信頼を得てきた。社会福祉法人三星会は、施設の魅力をより分かりやすく伝えるためにホームページを刷新。時代の変化に対応しながら、利用者や家族から選ばれる介護施設へと進化を続けている。(TOP写真:介護施設も選択される時代を迎え、利用者目線の内容に刷新したホームページ)

ルーツは医療法人暁星会 三財病院、自宅で生活する要介護の高齢者を見て「公衆衛生の整った環境が必要」として1993年に介護老人保健施設「並木の里」を開設

社会福祉法人三星会の母体となった旧三財病院、現三財診療所

社会福祉法人三星会の母体となった旧三財病院、現三財診療所

社会福祉法人三星会のルーツは、昭和33年にまでさかのぼる。その母体となる医療法人暁星会の創設者である相澤潔氏の父・相澤尚夫氏が、第二次世界大戦後に、妻子を支えながら大学に通い、医師免許を取得。1958年10月に相澤病院を宮崎県児湯郡三財村に開設したのが、今日の三星会につながる歴史の始まりだ。1958年11月に児湯郡西都町が市制施行して西都市が誕生、児湯郡から離脱する。1962年4月に三財村が西都市に編入される。

2025年まで医療法人暁星会と社会福祉法人三星会の理事長を務めた潔氏は、東京の医療機関から西都市に戻り、高齢となった父から相澤病院を承継した。1990年に三財病院(現三財診療所)として病院を新築・改称するとともに、医療法人暁星会を創立。潔氏は、自宅で生活している高齢者の生活環境に課題を感じ、「公衆衛生の整った環境づくりが必要」と考え、1993年に介護老人保健施設「並木の里」を開設した。医療法人暁星会は、他に、在宅介護支援センターや訪問看護・介護、グループホームなどを運営し、地域医療・介護を支えつづけている。近年、経営状況が厳しくなり有料老人ホーム等を閉鎖することがあったが、建物の再活用方法について、関係機関と協議している。

2004年に社会福祉法人三星会を設立し、2005年に特別養護老人ホームとしては先進のユニット型の「三納の里」を開設

三納の里初代施設長の富永英雄氏(左)と三星会初代理事長の相澤潔氏(右)

三納の里初代施設長の富永英雄氏(左)と三星会初代理事長の相澤潔氏(右)

三納の里のユニット配置図

三納の里のユニット配置図

医療法人暁星会は、2000年の介護保険法施行によって「介護老人福祉施設」と位置づけられた特別養護老人ホームの公募で採択された。特別養護老人ホームの運営主体は社会福祉法人と地方公共団体に限定されるため、2004年、医療法人暁星会が母体となって「社会福祉法人三星会」を設立。翌2005年に特別養護老人ホーム「三納の里」を開設した。

三納の里は、入居者10人毎の少人数グループを生活単位(ユニット)として区分けして介護支援するユニット型特別養護老人ホームとして発足。当初は6ユニット60床の規模だったが、2014年に40床の増改築を行い、現在は10ユニット100床で運営している。

ユニット型特養は2005年当時から現在まで高い人気を集めている

リビングスペースの周りに入居者の居室があるのがユニット型の特徴

リビングスペースの周りに入居者の居室があるのがユニット型の特徴

ユニット型特別養護老人ホームは、個人専用の居室と共有のリビングスペース(食堂や共同生活室)が隣接して配置されているのが特徴だ。個々の入居者の個性やリズムに合わせて生活をサポートする事を目指している施設。ユニット型は利用者のプライバシーの確保と、入居者同士の交流のしやすさのバランスが良いと評価されている。各ユニットには5名程度の介護職員が配置されており、きめ細かい介護サービスを提供している。

三星会という名称には「医療、福祉、地域住民の三つの星として、地域の人々の希望の星でありたい」との願いが込められている

施設内に掲げられた相澤潔初代理事長夫妻の肖像画と経営理念の額

施設内に掲げられた相澤潔初代理事長夫妻の肖像画と経営理念の額

「医療、福祉、地域住民の三つを支える『三星』として、旅人が道に迷った時に目印として頼りにする『宵の明星』や『明けの明星』のように、地域の人々が不安に陥った際の希望の星でありたいという願いを込めました」。社会福祉法人三星会の前理事長(現会長)潔氏の次男である相澤茂理事長は、法人名である「三星会」の由来をこう説明する。

経営理念である「笑顔・感謝・思いやり」を大切に、利用者一人ひとりに寄り添った介護支援を提供することによって、「『ここで時間を過ごすことができて良かった』と思ってもらえる施設でありたい」と茂理事長は想いを語る。中でも、経営理念の「笑顔」は特別な意味を持つ。若年性認知症を患い、現在は三納の里に入居する茂理事長の母が、以前ノートに記していた、「いつも静かに笑っている」という宮沢賢治の言葉、その記憶が原点にあるという。

「地域に根差した約70年の歴史と、地域との継続的な関係性」が社会福祉法人三星会の強み

三星会の強みを語る相澤茂理事長

三星会の強みを語る相澤茂理事長

茂理事長は、米国から帰国後、2016年に社会福祉法人三星会の理事、三納の里の施設長に就任した。2019年に施設長を交代して副理事長、2025年に理事長に就任。医療法人暁星会の副理事長を兼務している。日本社会事業大学大学院 福祉マネジメント修士(専門職)、ジョン・F・ケネディ大学大学院 修士(MA in Consciousness and Transformative Studies 現在はNational Universityに統合)、九州大学大学院 医療経営・管理学修士(専門職)修了。社会福祉士及び介護福祉士。

地域との共生、地域への貢献を軸に施設運営を進める茂理事長は、「社会福祉法人三星会の強みは、長年にわたり地域と築いてきた信頼関係です」と話す。その歴史は1958年、西都市誕生の年から地域医療を支え続けている相澤病院に始まり、医療を中核とするグループの一員として、地域に根差した介護サービスとして高い信頼を築いてきた。そして、自分の母親の終の棲家として、最高の人生を送ってもらうための環境であるこの施設を、安心して大切な人を預けられる施設として、地域の方々にも利用していただきたいと考えている。

ホームページを人材採用重視から利用者、その家族目線に一新

新しいホームページに掲載されている広報誌

新しいホームページに掲載されている広報誌

同法人のホームページは2018年に開設し、内容は人手不足に対応するための、人材採用を重視する構成だった。2025年9月にリニューアルした新しいホームページは、セキュリティを強化するとともに、地域に根差した施設の魅力を発信する構成へと刷新。地方の高齢者が減少していく状況を見据え、三納の里のすばらしさを、利用者・家族に届けることをコンセプトにした。

トップページには、2018年に日本遺産に認定された西都原古墳群の写真を採用し、地域性を打ち出している。また、利用者や家族が知りたい情報にスムーズにアクセスできるよう構成を見直した。利用者の日頃の生活が伝わる事業紹介や地域活動に加えて、利用者の生活を毎月紹介している広報誌、「三納の里だより」や、職員によるブログも掲載。新たなホームページ作成ソフトの機能で、職員自らが簡単に情報を発信できるように整えた。

SDGsの提唱に賛同し、初期費用は大きいが、省エネのため全館照明のLED化を実施

全館照明をLEDに切り替えた

全館照明をLEDに切り替えた

SDGsの理念に基づき環境保護の重要性を踏まえ、省エネへの貢献とコスト削減を目的に、2026年3月に三納の里のすべての照明をLEDに切り替えた。2014年に増築した新館はLED照明を採用しており、今回の切り替えは旧館が対象だ。

旧館では、60の居室と6つのダイニングに加えて、事務所やロビー、廊下などすべての照明をLED化した。LEDは導入時のコストこそ高いものの、蛍光灯に比べて大幅な省エネ効果が期待できるほか、寿命も3倍以上長い。茂理事長は、「交換費用は4、5年で回収でき、それ以降は電気代の削減に貢献してくれる」と話す。また、無機質であった白色の蛍光灯を暖色系に変えることにより、温かい雰囲気にすることができた。

海外特定技能人材の受け入れで人手不足に対応 離職率は10年前の半分に低下

食事の世話をする特定技能介護職員

食事の世話をする特定技能介護職員

人材採用面では、業界として厳しい状況が続いているが、社会福祉法人三星会では、2023年よりネパールから特定技能介護職の受け入れを始めた。この貴重な人材支援により、職員の働き方に余裕が生まれ、結果、離職率が低くなってきているという。

「ネパールはお釈迦様生誕の地であり、双方に親近感があります。彼らは利用者にやさしく寄り添い、思いやりをもって対応してくれています。また、施設内での異文化交流が日本人職員の刺激にもなっています」と、茂理事長はネパール人職員に信頼を寄せる。現在、社会福祉法人三星会で14人、医療法人暁星会で4人のネパール人が在籍しているが、今後も日本人の採用と並行して、特定技能介護職の受け入れも検討していくという。利用者にしっかり対応できる人材がそろったことが、利用者に向けたホームページの刷新を後押ししたともいえる。

利用者に「私の人生は良い人生だった」と思ってもらうために、「笑顔・感謝・思いやり」の経営理念実現を追い求め続ける

三納の里のエントランスで相澤茂三星会理事長

三納の里のエントランスで相澤茂三星会理事長

社会福祉法人三星会と医療法人暁星会が運営する特別養護老人ホーム、診療所、介護老人保健施設などの拠点は5キロ圏内に集約されている。各機関・施設が連携を取りながら、安心・安全な地域包括ケアの一翼を担っている。茂理事長は、「(入居者に)私の人生は良い人生だったと思っていただくために、『笑顔・感謝・思いやり』を持った介護支援に磨きをかけていきたいと思っています」と話し、改めて1990年の医療法人暁星会設立時から掲げている経営理念実現への思いを強くしている。

三納の里の外観

三納の里の外観

企業概要

法人名

社会福祉法人三星会

住所

宮崎県西都市平郡598番地1

HP

https://sanseikai-sw.jp

電話

0983-41-2311

設立

2004年7月

従業員数

81人

事業内容

特別養護老人ホームの運営、ショートステイ、居宅介護支援など

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