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「1名から」の企業型確定拠出年金制度で中小企業を支える  DCアライブ(大阪府)

From: 中小企業応援サイト

公開日:2026年09月17日

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日本の労働環境や社会保障制度が大きな転換期を迎える中、中小企業では福利厚生、とりわけ退職金制度や従業員の老後資産形成への関心が高まっている。そうした中、かつては大企業向けというイメージが強かった企業型確定拠出年金(DC)の分野で、従業員数名規模の小規模法人に特化した支援を強みに存在感を高めている企業がある。確定拠出年金の運営管理機関である株式会社DCアライブ(大阪府大阪市)だ。同社は2017年の設立以来、一貫して中小企業への企業型確定拠出年金制度の普及に取り組み、「1名から導入できる企業型DC」という独自のサービスを展開。制度設計から導入後の運営支援まで一気通貫で伴走し、中小企業の資産形成を支えてきた。(TOP写真:「人生100年時代の安心」を掲げ、資産形成を支えるDCアライブのホームページ)

本社オフィスで、社員と雑談するDCアライブの水主誠社長=中央

本社オフィスで、社員と雑談するDCアライブの水主誠社長=中央

同社の原点は、会長である馬木俊治氏が経営していた保険代理店にある。2017年当時、個人型確定拠出年金「iDeCo」の対象拡大によって制度への関心は高まり始めていたものの、企業型DCは依然として大企業中心で、中小企業向け市場はほとんど開拓されていなかった。馬木氏は「この制度は今後の社会に欠かせない存在になる」と確信し、中小企業に特化した確定拠出年金の運営管理機関としてDCアライブを設立した。

この志を継ぎ、2025年5月に30歳で代表取締役に就任したのが息子の水主誠氏だ。大学時代には父の縁で大手運営管理機関のSBIベネフィット・システムズでインターンを経験し、卒業後は医療用衛生材料メーカーで営業として経験を積んだ。その後、大阪オフィスの開設を機にDCアライブへ入社し、確定拠出年金事業に携わるようになった。

なぜ、父の志を継ぐ道を選んだのか。水主社長はその思いをこう語る。
「老後の生活設計は、働くすべての人にとって非常に大事なテーマです。しかし現役世代は目の前の仕事に追われ、退職後の生活まで考える余裕がない方も少なくありません。だからこそ、60代、70代になった時に『本当にやっておいてよかった』と思っていただける選択肢を、今のうちに提案できることに、大きな社会的意義を感じています」

「何か一つの分野を深く追究する仕事が好き」という自身の気質も、この道を選んだ理由の一つだ。父が築いた「1名からでも加入できる企業型DC」という独自のビジネスモデルに大きな可能性を感じ、その価値をより多くの中小企業へ届けたいという思いが、若き社長として事業を牽引する原動力となっている。

士業との信頼関係を強みに紹介で広がる企業型DC支援

企業型DCの説明(ホームページから)

企業型DCの説明(ホームページから)

DCアライブの成長を支えているのは、税理士や社会保険労務士など士業との強固な信頼関係だ。同社が支援する企業型DCの導入実績は1,700社を超え、新規顧客の約9割は税理士や社会保険労務士、保険代理店、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などの専門家からの紹介によるものだ。

中小企業の経営者にとって、退職金制度や資産形成は経営にも関わる重要なテーマだ。そのため、見ず知らずの営業担当者からの提案には慎重でも、日頃から経営を支える顧問税理士や社会保険労務士など、信頼する専門家から紹介された制度であれば安心して耳を傾けやすい。

水主社長はこう話す。「中小企業のオーナー社長は、士業の先生方を非常に信頼されています。『顧問税理士の先生が勧めるなら』『社労士の先生が言うなら間違いないだろう』という安心感があります。その中で、私たちも信頼をいただけていることが何よりの強みです」

大阪市内の本社オフィスビルに掲げられたDCアライブのロゴ(下)。SBIベネフィット・システムズとの連携を象徴している。

大阪市内の本社オフィスビルに掲げられたDCアライブのロゴ(下)。SBIベネフィット・システムズとの連携を象徴している。

さらに、同社の差別化につながっているのが、SBIベネフィット・システムズと共同運営する「SBIのぞみ年金プラン」だ。SBIと提携するパートナー企業は全国に数多く存在するが、共同運営という形で独自プランを展開している企業は全国でも数社に限られる。この独自のプランを強みに、DCアライブは全国の中小企業へサービスを広げている。

1名から導入できる企業型 DC導入から運用まで一気通貫で伴走

オーダーメイド型の企業型確定拠出年金制度「SBIのぞみプラン」は、DCアライブの事業の中核を担っている

オーダーメイド型の企業型確定拠出年金制度「SBIのぞみプラン」は、DCアライブの事業の中核を担っている

大手の銀行や保険会社が提供する企業型DCは、「従業員50名以上」といった、人数要件が設けられているケースが多く、日本の大半を占める小規模法人にとっては導入のハードルが高かった。一方、全国でも限られた事業者だけが提供できる「SBIのぞみ年金プラン」は、1名から導入できることが大きな特徴だ。現在、DCアライブの顧客の7〜8割を従業員10名未満の小規模企業が占めており、中小企業のニーズを的確に捉えていることがうかがえる。

DCアライブは、単にプランを販売するだけではない。グループ内に社会保険労務士法人を擁し、就業規則の改正やDC規程の作成、厚生局への認可申請、従業員説明会の実施、導入後の加入者登録や退職者対応まで、一貫してサポートする体制を整えている。企業型DCは導入後も継続的な運営が欠かせない制度であり、導入から運用まで一貫して寄り添う体制が、同社の大きな強みだ。

水主社長はこう語る。
「厚生局への認可申請には約7カ月という長い時間がかかります。お客さまが『次に何をすればよいのかわからない』と不安にならないよう、私たちは常に一歩先を見据えてご案内し、最後まで伴走することを徹底しています」

さらに、公的年金だけでは老後資金が不足するとして注目を集めた「2000万円問題」や、近年のiDeCo、NISAの普及を背景に、中小企業でも企業型DCへの関心は高まっている。経営者だけでなく、従業員側から「自社でも企業型DCを導入してほしい」という声が寄せられるケースも増えており、企業型DCへのニーズの高まりが、同社の事業拡大を後押ししている。

業務急増をICTとRPAで乗り越え生産性向上を実現した業務改革

「一歩一歩、どこまでも伴走する」と、顧客への思いを語るDCアライブの水主誠社長

「一歩一歩、どこまでも伴走する」と、顧客への思いを語るDCアライブの水主誠社長

ビジネスの拡大とともに、DCアライブは新たな課題に直面した。それまで月5~10件程度だった企業型DCの導入案件は、制度の認知拡大を背景に急増。平均で月30~50件、ピーク時には70件に達するまでになった。

当時、この膨大な業務を担っていたのは、水主社長を含めわずか3人。行政機関への申請書類の作成や、就業規則の確認など、導入手続きには多くの工程があり、紙の書類や表計算ソフトを併用し、さらに属人的な管理に頼っていたため、業務負荷は限界に近づいていた。

「当時は業務量が急増し残業時間も増え、このままでは立ち行かなくなるという危機感がありました。大阪と徳島の2拠点で業務を行っていたため、お客さまごとの進捗状況も組織全体で把握できていませんでした。そこで業務インフラを抜本的に見直すことを決断しました」。

そこで同社は、ICTを活用した業務改革に着手。ノーコード型の業務効率化クラウドサービスや、定型業務を自動化するソフトウェアのRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入し、業務のデジタル化を進めた。

業務効率化クラウドの導入により、見込み客の管理から厚生局への申請、導入後の運営管理までを一元管理できるようになった。大阪と徳島で働く社員が同じデータをリアルタイムで共有でき、案件ごとの進捗状況を組織全体で把握できる体制を構築した。

さらに、クラウドストレージサービスを導入し、容量の大きい従業員説明会用動画や、退職時に必要な書類などを安全に共有できる環境を整備。紙やメール添付に依存していた情報共有は、安全性と効率性が大きく向上した。

2025年8月からは、RPAの活用も本格化している。SBIベネフィット・システムズから毎月届く膨大なデータの入力処理や、行政提出書類の作成など、定型業務を自動化する仕組みを約1年かけて構築した。従来は手入力で行っていたデータ入力や書類作成の自動化を進めている。

水主社長は「今後は士業の先生方とのやり取りや各種請求書作成、セミナー対応などにもRPAの活用を広げていきたい」と展望を語る。

現場の声を生かす組織づくりが持続的な成長の原動力となる

「大阪市を代表する企業」の認定証を前に撮影に応じる水主誠社長

「大阪市を代表する企業」の認定証を前に撮影に応じる水主誠社長

ICTツールの導入は、単なる業務効率化にとどまらず、社内のコミュニケーションや業務改善への意識にも変化をもたらした。現場の社員からは「進捗管理のステータスにこの項目を増やしてほしい」「次の担当者にデータが引き継がれたら自動で通知が来るようにしてほしい」といった改善要望が、自発的に寄せられるようになった。水主社長はこう話す。

「経営方針として、『すべて社長の私を通せ』というような硬直した組織にはしたくありません。現場の社員が『こうすればもっと仕事がやりやすくなる』と気づいたアイデアは、積極的に取り入れていきたいと考えています。業務が効率化されたことで心にゆとりが生まれ、お客さま一人ひとりにより丁寧に向き合えるようになりました」。

現場の声を生かしながらICTツールを継続的に改善することで、少人数でも多くの案件に対応できる業務体制を構築してきた。

こうした取り組みは社外からも評価されている。2026年1月には、「大阪市を代表する企業100選」に選出された。「確定拠出年金で人生100年時代の安心を届けたい」という理念のもと、企業の福利厚生の充実や従業員の資産形成・生活の安定に貢献してきた取り組みが、地域経済や雇用を支える企業として高く評価された。 

制度改正への対応力と投資教育の充実で中小企業を支え続ける

企業型確定拠出年金導入の大まかな流れ(ホームページから)

企業型確定拠出年金導入の大まかな流れ(ホームページから)

DCアライブが現在最も重要視しているのが、相次ぐ制度改正への迅速かつ正確な対応だ。2026年4月にはマッチング拠出の制限が撤廃され、制度を導入する企業や従業員の選択肢は大きく広がった。さらに2026年12月には、掛金上限額が5万5000円から6万2000円へ引き上げられる予定であり、企業型DCを取り巻く制度環境は大きく変化している。

こうした制度改正に対応するためには、顧客ごとにDC規程の変更や管理データの修正など、きめ細かな実務対応が欠かせない。1,700社を超える顧客すべてが掛金の引き上げを希望するわけではないため、一社一社の意向を確認しながら対応を進める必要がある。同社では2026年7月から顧客への一斉案内を開始しており、ここでもICTを活用した情報管理や業務効率化の仕組みが大きな力を発揮している。

一方、水主社長が次の成長戦略として力を入れるのが「投資教育」だ。

「当面は私たちが最も強みを持つ企業型DCに経営資源を集中し、着実に事業を深掘りしていきます。その上で今後特に力を入れたいのが投資教育です。これまでは人員や時間の制約から十分に取り組めませんでしたが、今後は本格的に強化していきたいと考えています」。

企業型DCは、加入者自身が運用商品を選択する制度だ。しかし、金融や投資の知識に触れる機会が少ない中小企業の従業員にとっては、商品選びに戸惑うケースも少なくない。ただし、DCアライブは法令上、特定の商品を推奨する立場にはない。

だからこそ同社は、長期・積立・分散投資といった資産形成の基本や、市場の仕組みなど、投資判断の土台となる知識を分かりやすく伝えることが重要だと考えている。

水主社長はこう語る。
「中小企業で働く方が体系的な金融教育を受ける機会は決して多くありません。だからこそ私たちがその架け橋になりたいと考えています。投資教育を専門とする外部のプロフェッショナルとも連携し、より質の高い教育コンテンツを提供できる体制づくりを進めています。中小企業で働く方々が安心して将来に備えられるよう、資産形成をこれまで以上に力強く支えていきたいと考えています」

中小企業に寄り添い老後資産形成を支える伴走者を目指し続ける

社長就任式での一幕、水主社長と馬木会長

社長就任式での一幕、水主社長と馬木会長

DCアライブのビジョンは、日本のすべての中小企業にとって「最も頼られる老後資産形成の伴走者」になることだ。水主社長は「他社で断られた小さな企業であっても、DCアライブに相談すれば、最初の制度設計から導入後の事務手続き、従業員への投資教育まで、安心して任せられる。そんな会社を目指していきます」と話す。

「1名から導入できる企業型DC」という独自の強みを軸に、士業との信頼関係を築き、ICTを活用した業務改革や投資教育にも挑戦を続けるDCアライブ。中小企業に寄り添いながら、働く人々の豊かな将来づくりを支える取り組みは、これからも着実に広がっていきそうだ。

企業概要

会社名

株式会社DCアライブ

本社

大阪府大阪市西区土佐堀一丁目3番7号 肥後橋シミズビル9階

HP

https://dcalive.co.jp/

電話

06-7777-2550

設立

2017年11月

従業員数

7人

事業内容

確定拠出年金運営管理業務

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