建設業(土木),建設業(建築),建設業(設備)

建設業でもICT導入を!7つの事例からICT導入のポイントをご紹介

From: 中小企業応援サイト

2022年02月22日 06:00

この記事に書いてあること

昨今、人手不足に対する生産性向上や、環境変化への適応などの経営課題を認識している中小企業経営者は少なくありません。本サイトでは、そんな中小企業経営者の皆様の課題解決のヒントになる事例記事を多く掲載しています。

この記事では、「建設業」のぜひ参考にしていただきたい事例をいくつか取り上げて解説をします。

3次元の形の再現で業務効率化や受注量拡大などを実現した事例[建設]

業務の効率化や生産性の向上の参考になる事例です。

#建設業(建築)の事例

>3D-CAD活用で革新的なものづくりに挑戦するプラント機器・設備製造のサン工業(山口県)

#建設業(建築)の事例

>3D-CAD活用で革新的なものづくりに挑戦するプラント機器・設備製造のサン工業(山口県)

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概要
3D-CADを導入することで、製造工程の短縮、受注件数の増加などを実現。

背景
プラント機器や設備製造においてサン工業では、2次元の図面から想像力を駆使して3次元の実物を製造していました。手直しを避けるための時間が必要で生産力を落として対応していました。3D-CADの導入で3次元の形を円滑に再現することができ、業務効率化、受注量拡大などの成果がでています。

ICT導入のポイント
新しい技術を取り入れて課題を解決していかなければ小さな企業は生き残っていけない、という考えのもと、慣れ親しんだ2次元の設計から革新的なものづくりへの移行を決断した点が参考になります。加工内容が事前に把握できるようになり、作業負荷を減らし、受注量が増加しました。また、新たなシステムの導入により、若手の育成面でもスピードアップを実現できることが期待されます。

ベテランと若手の相乗効果を出すため「ICT施工管理モデル」を活用した事例[設備]

技術伝承や生産性向上の参考になる事例です。

#建設業(設備)の事例

遠隔業務パッケージで建設現場の臨場感を本社へ  古参から若手へ技術伝承にデジタル機器が大活躍。入交電設(山口県)

#建設業(設備)の事例

遠隔業務パッケージで建設現場の臨場感を本社へ 古参から若手へ技術伝承にデジタル機器が大活躍。入交電設(山口県)

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概要
20歳代の新入社員が短期間に急増し、60歳代から80歳代の古参社員も多い中、中小企業のICT化への取り組みを国土交通省が支援する「ICT施工管理モデル」を活用。

背景
電気工事は不適切な配線やわずかな判断ミスが感電などの事故につながります。常に緊張感を持って取り組まなければならない仕事で、若手への社内研修は重要な位置を占めます。若手が電気工事士の資格を取った後、現場に出すまでベテラン技術者が技術と心得をしっかりと叩き込んでいます。ベテランと若手の相乗効果をいかに最大限に発揮するかが課題でした。

ICT導入のポイント
リモートグラス等遠隔でコミュニケーションができる機器の導入で、複数の効果があったことが参考になります。監理技術者による複数の現場兼務の実現、電子黒板などを活用した社内の意思伝達が充実化・効率化が進みました。結果として、受注可能な案件数拡大、業績向上などの好循環を生んでいます。さらに、高齢の社員が本社から、現場の若手に知識や経験を活かした指示を出すことができるようになり、モチベーションも向上しています。

事務処理業務の効率化に成功した事例[土木]

業務の効率化や働き方改革の参考になる事例です。

#建設業(土木)の事例

クラウド導入を機に総務・経理系ソフトを一新 毎月の“決算残業”の大幅削減が可能に 豊和建設(新潟県)

#建設業(土木)の事例

クラウド導入を機に総務・経理系ソフトを一新 毎月の“決算残業”の大幅削減が可能に 豊和建設(新潟県)

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概要
伝票や勤怠記録、法定調書などをクラウド上で効率的に処理できるようになり、総務・経理担当の負担の大幅な軽減を実現。

背景
原価管理ソフトを比較的早い段階から導入していましたが、もっと使い勝手の良いソフトを求めて、現場の声を取り入れクラウド上で運用することにしました。

ICT導入のポイント
ソフトの刷新により、毎月月末の残業が当たり前だった総務・経理の残業時間が大きく削減されました。クラウドで動作するソフトの導入は、在宅勤務を実現するうえでも参考になります。新型コロナウイルス対策にも大きな効果を上げており、働き方改革を推進できています。

作業効率向上や社員間の情報共有促進などを実現した事例[土木]

業務の効率化やコミュニケーションの改善で参考になる事例です。

#建設業(土木)の事例

「3倍のポテンシャルがある」と社員に宣言 ICT活用から始まった三代目社長の改革 三友組(新潟県)

#建設業(土木)の事例

「3倍のポテンシャルがある」と社員に宣言 ICT活用から始まった三代目社長の改革 三友組(新潟県)

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概要
非効率な事務部門の業務を見直し、ソフトの刷新などを実施。作業効率の向上や社員間の情報共有促進などを実現しました。

背景
原価計算、給与計算、会計の3つの事務処理に異なるメーカーのソフトをそれぞれの担当者が活用していました。それぞれのソフト同士が連携されておらず、また担当者同士のつながりも希薄でした。業務効率化のため社員と業務を洗い出し、必要なソフトの検討や効率化の度合いなど丁寧に議論して導入に臨みました。

ICT導入のポイント
業務の無駄を直視し、抜本的な改革に着手したことが評価できます。社長自らが旗振り役となり、社内の業務改革を推進した点が参考になります。改革への取組を給与アップにつなげることで、社員のポテンシャルを引き出す原動力にもなっています。結果として業務効率化だけでなく、より風通しの良い社風に変化しました。また、新事業へ挑戦する意欲やアイデアの創出にもつながると期待できます。

DXや人材育成、社員の情報発信力を高めた事例[建設]

デジタルトランスフォーメーションや、組織活性化・人材育成、情報基盤の最適化の参考になる事例です。

#建設業(建築)の事例

正直に王道を行くために不可欠なICT はなおか(徳島県)

#建設業(建築)の事例

正直に王道を行くために不可欠なICT はなおか(徳島県)

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概要
現場での情報共有から情報発信、テレワーク、社員教育など、オールラウンドにICTを積極活用。

背景
20年ほど前から、3Dモデルの導入など設計面でデジタル化を進めていました。一方で、建築現場では、主な連絡手段として電話、ファクスを使うなどアナログが幅を利かせていました。

ICT導入のポイント
現場社員の負担軽減や、新入社員教育の効率的な受講、主体的な情報発信などの経営課題をICTの利活用により一つ一つ確実に実現できている点が参考になります。現場で使い慣れないアプリケーションの導入を懸念する声がありましたが、粘り強く分かりやすく説明することで定着しています。経営課題を洗い出し、解決するために必要な手段を検討し、現場に説明するという手順で、社員の不安と疑問点を丁寧に取り除いている点も参考になります。

デジタル、リモートでの業務を取り入れ、社員の負担を軽減した事例[設備]

業務の効率化や生産性の向上の参考になる事例です。

#建設業(設備)の事例

亡き夫の遺志を継いだ肝っ玉母さん社長、ICT活用で働き方改革を推進 ティエスサンホーム(東京都)

#建設業(設備)の事例

亡き夫の遺志を継いだ肝っ玉母さん社長、ICT活用で働き方改革を推進 ティエスサンホーム(東京都)

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概要
経営を引き継いだ社長が、従業員とともに生産性向上を実現させるためにシステムを導入。

背景
90年代からパソコンを導入し、顧客管理などに活用していました。社員にも早い段階から一人一台パソコンを配置していましたが、日報の作成はずっと手書きで行われていました。事務手続きでの社員の負担がありました。

ICT導入のポイント
外出先からスマートフォンで入力できる勤怠管理システムの導入により、日報や出退勤の記録のためにわざわざ会社に出向く必要がなくなった点が参考になります。出先から直帰することが可能となり、移動時間が大幅な削減された結果、生産性が向上したことも参考になります。また、システム導入により、社員の勤務時間を管理しやすくなったことも働き方改革につながることが期待できます。

クラウド上での情報管理で迅速な対応、業務効率化を実現した事例[設備]

働き方改革や、組織活性化・人材育成、情報基盤の最適化の参考になる事例です。

#建設業(設備)の事例

タブレットで業務が変わった! たたき上げ社長が取り組むICT改革 竹内セントラル(埼玉県)

#建設業(設備)の事例

タブレットで業務が変わった! たたき上げ社長が取り組むICT改革 竹内セントラル(埼玉県)

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概要
現場に持ち運んでいた膨大な量の設計書類をクラウド上で管理することで、迅速な対応を実現。

背景
ビルやマンションの建設では、工事全体を取り仕切るゼネコンとの緊密な打ち合わせが欠かせません。施工上の問題や設計図面の整合性などを、建物全体の設計図を描いたゼネコン側と調整しながら作成します。また、施工段階でも実際にできた建物が設計図と微妙に異なることもあり、さまざまな微調整が発生するため、現場の負担軽減が課題でした。

ICT導入のポイント
現場で大量に撮影する写真を空き時間に整理できるようになったことで、社員の大幅な勤務時間短縮にもつながった点が参考になります。ICT導入により、土日に出勤する社員が大きく減少し、働き方改革を実現できています。また、若い社員の声にも真摯に耳を傾けながら進めている点も参考になります。時代の変化にうまく適応しながら、会社にとって良いものを取り入れることが、会社の成長につながります。

まとめ

今回は、「建設業(土木・建設・設備)」に関する記事の概要と解説を記載しました。

様々な事例を取り上げましたが、事例を通じて見えてきたICT導入によるメリットは以下の通りです。

① ICT導入は業務効率化につながる有効な手段であること
② 業務効率化で生み出された時間を新事業へ振り向けられること
③ ICTを導入する過程で社内の一体感醸成など副次的な効果も期待できること、などが挙げられます。

環境変化が速い中、経営者として様々な取り組むべき課題がある中で、同業または異業種も含めて、他社の具体的な事例を知ることは経営の参考になります。

自社の経営に集中していると、どうしても視野が狭くなってしまいがちです。他社の事例を知ることは、自社の課題解決のヒントになることがあります。特に同業他社の場合、同じ業界ですから、似たような悩みの種を持っているケースも多いです。他社の事例や様々なお役立ち情報をご参照いただき、一つでも多くのヒントを得ることからはじめましょう。

特に本サイト「中小企業応援サイト」では、中小企業の事例を多数掲載しています。ぜひご興味のありそうな記事をクリックして、少しでもご自身の経営にぜひお役立てください。

冨坂 明代(とみさか あきよ)

記事執筆

冨坂 明代(とみさか あきよ)

中小企業診断士。東京都中小企業診断士協会城南支部所属。経営学修士(MBA)、ITコーディネータ、事業承継士。電機メーカーにて営業、調達、マーケティングに携わる。経営デザインシートを活用した新規事業開発、事業計画作成、販路開拓など幅広く伴走型で支援している。

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