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建設DXとは? メリットから具体的な事例までわかりやすく解説

From: 中小企業応援サイト

2022年04月26日 06:00

この記事に書いてあること

昨今、新聞や経済誌を読んでDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を見ない日はありません。業界を問わず、すべての産業でDXの導入が必要だとか、DXが始まったという主旨の見出しが躍っています。特に建設・建築業界は、その業界の持つ特有の課題を背景として、DXへの注目度が高い分野です。デジタルという言葉から何となくイメージはあるのだけど、具体的にどういうことなのか、何から手をつけたら良いのかと悩んでいる間に時間が過ぎてしまっているという方もおられるのではないでしょうか。今日のコラムでは、建設DXについて分かりやすく解説することに加えて、その効果や、利用されているデジタル技術についても説明することで、皆さまの建設DXへの理解を深めるきっかけとなればと考えております。

建設DXとは

建設業界においては、今までも新しい技術を導入する中で、プロセスごとの効率化や建設機械の多機能化をすすめてきています。建設DXは、それを更に進め、AIICTIoT等のデジタル技術を取り入れて複合的に活用することで、業務プロセスそのものを変革し、建設生産プロセス全体を最適化することを目指しています。仕事のやり方そのものを変化させることで、現在建設業界が抱えている様々な問題、例えば人手不足や業務の非効率性等を解決し新たな強みにしていこうという取組みです。

そもそもDXとは

ここで、そもそもDXとは何かということについて振り返ってみましょう。DXはデジタルトランスフォーメーションの略語です。2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念で「IT技術の浸透は、人々の生活をあらゆる面でよりよいものへと変える」というものです。

この考えを前提に、現在日本では、経済産業省がDXの推進役となっています。2019年には、経済産業省は『「DX 推進指標」とそのガイダンス』を取りまとめました。その中で、DXは以下のように定義付けられています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

ここで重要なのは下線の部分なのですが、単に製品やサービスをより便利にするだけに留まらず、業務自体や、組織、プロセス、文化まで変革することを強く政府は企業に求めています。つまり、新しいソフトウェアを購入したり、PCを使って事務の一部を自動化したりすることではなく、デジタル化を通して仕事のやり方そのものを一から見直して課題解決につなげることがDXなのです。

(参考)「DX 推進指標」とそのガイダンス
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-1.pdf

建設DXが注目される背景

それでは、建設業界においてDXが注目される背景をみていきましょう。

まず、第一に2019年末から世界中へ拡大した新型コロナウイルスの影響で、あらゆる業界において、ビジネスのオンライン化が急速に進行したことがあげられます。企業間のコミュニケーションは、オンライン会議やテレワークの中で行われることが殆ど常識になりつつあります。建設現場で現物を見ながら打合せをするのが当たり前だった建設業界にとっては、オンライン化する顧客に対応するにはどうしたら良いのか、在宅を余儀なくされる社員間のコミュニケーションをどの様に維持し、仕事の進捗が遅れないようにするかということが、大きな課題になってきました。その環境の中でDXをどう進めていくのかが、注目される背景のひとつです。

次に産業界全体にとっても大きな課題となっている「2025年の崖」も背景のひとつです。「2025年の崖」とは、2018年に経済産業省がまとめた「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」で提示された問題です。このレポートでは、多くの企業のシステムで老朽化が進んでいるだけでなく、カスタマイズしたことによりシステムがブラックボックス化(全貌がよくわからない状態)していることから、このままの状態を継続すると、既存システムの維持管理費がIT予算の90%以上になり新しいシステムへの投資が進まないことが懸念されています。

また、2025年には保守運用の担い手であるIT要員不足が顕著となり、サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブルやデータ滅失のリスクも高まると分析しています。

この古い既存システムへの依存状態から脱却できなければ、2025年以降、日本経済はシステム障害やデータ損失により年間最大12兆円の経済損失が生まれる可能性があると警告しています。これを克服する為に、DXを早期に実現し、今の業務プロセスやビジネスモデルそのものを変革することで、新たな収益とすることを政府は企業に求めています。その中でも建設業界は、建設現場があること、関係者が多いこと、製造工程が長いこと等からDXによって効率化が期待できる場面が多いと注目されているのです。

(参考)「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~

更には建設・建築業界では以前より、人手不足やノウハウの継承の問題があります。

建設業の就業者数は、1997年の685万人をピークに大きく減少傾向にあり、2021年には482万人となっています(総務省統計局「労働力調査」主な産業別就労者数より)。少子高齢化が進む中では、大幅な働き手の増加は見込めませんので、如何に人員を割かずに同じ作業をやっていくかが問題解決の鍵になります。 

一方で、就業者数を維持する為には、賃金・休暇等の待遇に加えて、3Kのイメージが強い建設業界の職場環境についても改善が必要です。例えば手戻りが多くどうしても納期維持の為に現場にしわ寄せが来るのが今の仕事の実態ですが、これを仕事の進め方を変えることで負担を軽減し、働きやすい環境にしていくことを考えなければなりません。また、建設は現場での対応力に頼ったところがあり、現場作業者の経験とノウハウによって高い品質が維持されてきました。それは、多くの現場を経験しないと任せられないということの裏返しであり、その為にそのノウハウの継承が進まない要因となっています。ここにもDXによる課題解決の可能性があると考えられています。

建設DXを導入するメリット

建設業界の抱えている様々な課題の解決に、DXが有効である可能性が多く見えてきています。DXを取り入れることにより、業務の効率化、省人化やノウハウの継承が進み、建設業界の各種課題を解決できます。ここでは、それぞれどのようにIT技術を活用するのかを、具体的に解説します。

業務効率化につながる

建設DXの根幹となるデジタル技術には、測量データや設計図面などから3次元モデルを作成する同時に、意匠表現や構造・設備設計、コスト、仕上げ等の情報もその中に落とし込み一元で管理することができるので、次の様な効果があります。

  • 立体的な画像を使用するので、関係者同士が現場に行かずともリモートで画面を使って視覚的に正確な仕様の打合せが可能になり、確認プロセスが迅速に行われます。
  • 計画・調査・設計・施工・維持管理の各工程での情報を追加することができるので、情報共有が容易になり、効率的な建設生産システムの構築ができます。
  • 使用部品・部材の情報も組み込めるので、仕様変更の際、それに関連する部品・部材についても自動的に変更がなされ変更作業の手間やミスが削減できます。
  • 設計品質が高くなり、確認作業も早くなることから、従来しばしば発生していた手戻りが大幅に削減され現場作業自体も効率的に進めることができます。

また、工務店等では、全社的な業務効率化に向けてCRM(顧客管理)やSFA(営業自動化)などの支援システム導入が比較的容易に取り組めるものだと思います。CRMでは顧客との関係性を維持し満足度の向上を実現し、効率的に次の受注に繋げていきます。SFAでは商談から成約までの一連のプロセスにおける商談進捗管理や、数値管理を行います。どちらも、各商談・顧客に関する情報が社内で一元管理されることにより、営業業務の効率化につながり、引継ぎ・支援が容易にでき、効率的な顧客へのアプローチ手法も共有できます。

省人化を進められる

建設業界の労務難に対する対策としてDXによる省人化があります。

例えば重機の遠隔操作を導入すれば、破砕、掘削、運搬、設置などが遠方から行え、複数機械の操作もできるので省人化が図れます。同時に、危険作業リスクが改善され、残業時間削減、作業員のストレス削減等により職場環境の改善にもつながります。

従来建設現場で行っていた施工状況や指定材料の確認作業、監督業務等を事務所や自宅から行う事で移動時間の大幅な削減ができ、少ない人員で多くの作業・業務をこなせます。

更には、デジタル技術によって機械が自ら考え、施工を進める可能性が見えてきました。たとえば、AIを搭載した建設機械による自動施工の導入に向けた技術基準や実施要領などの検討が進んでいます。建設機械に搭載されたAIが掘削位置を判断し作業するため、建設現場の省人化が更に推進されます。

技術継承がスムーズになる

若い人材が不足していることから、技術継承の停滞が大きな問題となっています。技術・ノウハウを持つ熟練技術者の高齢化・減少により、技術力の低下が懸念されています。しかしこれまでと同等の人員や若手の成長を期待して待っている余裕はないというのが実情です。DXの活用が進むと熟練技術者が何の情報でどう判断したかという記録がデータとして残るので、それを社内全体で共有すれば、直接指導を受けなくともそのモデルを参照にすることでノウハウを学ぶことが出来ます。一対一の指導ではなく、一度に多くの技術者が学ぶことができますし、データなので後から確認することも容易です。

また、人への技術継承にのみ頼らず、その判断思考をAIに学習させることにより、AI自身が判断し、熟練技術者と同等レベルの作業が可能になるので、品質が高水準で安定することを期待できます。

建設DXで用いられるデジタル技術

それでは具体的にどのような技術があるのかをここで整理してみます。

BIM/CIM

「業務効率化につながる」のところで述べた建設DXで構造物を立体的な画像で示すことのできるデジタル技術を、(ビム/シム)と言います。従来の2次元的な図面では、理解度に違いがでてしまい、「建ててみないと分からない」といったことも多々あります。立体的画像でのやり取りにより顧客の理解を深めることで、この課題を解決するだけでなく、意思決定を迅速にし、今までよりもそのコミュニケーションに費やす時間を大幅に短縮出来るのがこの技術のメリットです。

また、シミュレーションができますので、設計の初期段階において建物の性能や構造の検討、設備との干渉チェックも可能になります。これにより設計品質が向上し、無駄なコストを削減することができます。事業全体にわたり関係者間の情報共有を容易にするだけでなく、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図ることができる技術です。

国土交通省は、従来よりBIM/CIMの利用促進を進めていましたが、新型コロナウイルスの影響でテレワークや遠隔での打合せが普及したことを受けて、20204月、小規模工事を除くすべての公共事業にBIM/CIM原則適用とする時期を2年前倒しし、2023年度からとしました。BIM/CIMの導入を後押しする政策ですが、これにより中小の建設関連会社にとってもデジタル化が重要な喫緊の課題になりました。

(参考)BIMは、ビルディング インフォメーション モデルの略称で建設分野、CIMはコンストラクション インフォメーション モデリング マネージメントの略称で土木分野に使われていましたが、国土交通省は20185月からBIM/CIMという名称に変更しています。これは海外ではBIMが建設分野全体の3次元化を目的意味して土木分野でも利用されていたからです。

#建設業(建築)の事例

建築のワークフローが変わるBIM導入進める岩堀建設工業(埼玉県)

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クラウドサービス

クラウドサービスは、インターネット上の仮想サーバー等のリソースを利用できるサービスです。通常、パソコンに入力されたデータ、ソフトウェアは、そのパソコン本体のディスクか、会社のサーバーに保存されます。このクラウドサービスは、インターネット上に仮想のサーバーを置いてあたかも雲(クラウド)の上にサーバーを置いた様に利用するものです。インターネット環境さえあれば、どこにいても利用できるので、例えば、本社と建設現場が距離を意識せずリアルタイムで工事状況を共有し、指示を受けたり進捗を確認したりすることが可能になります。

システムの維持や保守点検はクラウド提供事業者が行う為コスト削減にも繋がります。

5世代移動通信システム(5G)

5Gとは次世代移動通信規格のことです。「ファイブジー」と読みますが、意味としては通信規格の「第5世代」のことを指しています。2020年から5G対応の携帯電話が販売されていますのでご存じの方も多いと思います。従来の4Gと比較すると、5Gは、超高速で大容量の通信ができる、信頼性が高く通信が遅くなる比率が低い、多数の機器に同時に接続ができるという特徴を持っています。

4Gという通信環境では、通信容量の不足や通信の遅延、同時接続機械の数が制限される為に、操作がうまく行かない、現場の状況がリアルタイムに把握できないという課題がありました。しかし、これが5Gに進化することにより課題が解消され、より遠隔からの操作や、複数機械を扱える様になり、飛躍的に省力化・生産性向上が図れます。ただ、5Gはまだ都市部を中心しかサービスを提供できていませんので、利用するにあたっては注意が必要です。

AI

AIとは「Artificial Intelligence(人工知能)」の頭文字をとった略称です。将棋などで人間対コンピューターの勝負が実施されていますが、その対戦相手がAIです。コンピューターの性能が大きく向上したことにより、コンピューターが「学ぶ」ことができるようになりました。それが現在のAIの中心的な技術で、機械学習と呼びます。膨大なデータを速やかに処理できますので、機械学習したAIが人と同様に情報を処理して判断することが可能になりますし、人よりも短時間に最適な答えを出せます。

建設DXでもAIの活用が期待されています。例えば、現場の画像をAIが分析して、工事の進捗状況を判定するシステムがあります。場合によっては今まで人でしか判断できない為、次のプロセスに進めなかったものを代行させることができます。また、建物の設計では、安全性や耐震性も強く求められますので、構造に問題がないか計算・解析する作業も、図面を描く上では怠れません。コンピューターは計算が得意であり、すでに建物の構造計算や解析の分野にも導入されています。将来的には、AIがさまざまな構造パターンをシミュレーションし、安全性の高いモデルを提案し、建築士を支援する時代になるかもしれません。

ICT(情報通信技術)

ICTは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略で、通信技術を活用したコミュニケーションを指します。情報処理だけではなく、インターネットのような通信技術を利用した産業やサービスなどの総称です。

建設DXでは遠隔地から機器を操作できる技術にも活用されています。特に危険かつ人の手が必要な作業でICT技術による自動化が進んでいます。またドローンで上空から撮影した画像を活用し3次元測量データ化できる技術も開発されました。これらの測量データをもとに設計施工計画の作成ができるようにまでなっています。

IoT

IoTInternet of Things)は、「モノのインターネット」と呼ばれています。モノに通信技術を搭載しセンサーを通して収集したデータを様々な用途に使用するインターネット技術です。当初、インターネットには会社や自宅のPCから接続するだけでしたが、通信技術の発展により、モバイル端末(携帯電話、タブレット等)からインターネットに接続することが可能になりました。そして、さらに、デジタル化が進み、家電、自動車、工場設備、建設機械といった「モノ」をインターネットに接続する技術が注目されています。それが「IoT」です。

建設DXの分野では、IoTによりセンサーからデータを収集できて、遠隔操作が可能となるため、離れた場所から機器を作動させることができます。また、危険エリアをIoTでセンサー監視し、労働災害防止に役立てられています。

IoTで収集・集積した現場の作業データをAIにより分析、解析することで、作業や技術の標準化や見える化ができますので、技術継承にも役立つ技術です。

建設DXへの取組事例

今まで、建設DXの背景、効果、技術についてみてきましたが、最後に具体的な事例をご紹介したいと思います。

施工状況の共有をDX化することにより業務効率化に成功した事例

東急建設株式会社では請け負っている土木工事でお客様との進捗管理や状況管理が欠かせません。その確認に360°が一度で撮影できるカメラ「THETA」を利用した「THETA360Biz」の活用をはじめています。

通常の写真撮影では一度に一面しか撮影できず、必要箇所が撮影できていないこともありました。その場合は再撮影の手間がかかったり、工事が進むと確認したかった場所が撮れなくなったりしてしまうこともあるので、撮影残しがないということは重要でした。また、360°カメラのバーチャルツアーを利用することで確認作業を効率化したいと考え導入されました。

顧客が鉄道会社の場合、顧客自身も工事の安全管理を行う必要があり、危険性がないことの確認にも使われますが、普段現場を見ていない方にもイメージが湧きやすく打合せがかなりスムーズになっています。

施行計画立案の時にも、現場再確認が必要になるケースが減り書類作成が1~2日短縮できています。また社内での情報共有においても、オンラインの会議とバーチャルツアーで完結することが多くなり現場に集まる頻度が減って時間短縮に繋がっています。

東急建設株式会社では施工状況の共有の為BIM/CIMなどのICTも導入して業務の効率化を進め、立体的な画像を使って直感的に構造が分かりやすくなっていますが、BIM/CIMは設計図上のもので現物ではない一方、バーチャルツアーは現状確認においては設計図上に現れない質感も感じられることから、両方を活用することで理解が深まっています。

施工状況の共有をDX化することにより業務効率化に成功!バーチャルツアーで進化する働き方 | バーチャルツアー THETA 360.biz|RICOH
https://www.theta360.biz/cases/2187/

360°カメラにより海外現場の状況を漏れなく確認できるようになった事例

清水建設株式会社では、建設現場を360°カメラで撮影し、状況の把握・共有ができる「RICOH360 Project」というクラウドサービスを使って、コロナ禍で現場に日本人スタッフが行けないという状況の中で、工事を進めることに成功しています。

当初は動画のリアルタイム配信を使って現場の映像を日本に送り状況の確認をする方法が取られましたが、日本側からの指示を受けての撮影、確認ポイントの網羅性の面で準備に時間を要するため、現場の負担が大きいと同時に、現場によっては通信環境が悪く良質な画質を確保できないという問題がありました。

試行錯誤の結果、360°画像を使えば死角が無く意図していないところまでカバーできることから、現場品質の向上につながりました。また、比較機能を使えば進捗状況の確認や、施工後に躯体施工後の状況を過去の画像で確認することも可能になりました。これによって品質向上と、現場での資料整理の時間を大幅に削減することが出来、効率化に貢献しています。また、同じ資料をクラウドに上げることによって、本社側でも必要な時に必要な場所でそれを確認することができ、本社支援に加えて、発注者との確認にも利用することができています。

建設現場の情報共有に360°画像 死角が無く、現場の状況を漏れなく確認
https://assets.ricoh360.com/image/upload/v1/front/projects/ricoh360-projects-case-study-shimz.pdf

まとめ

ここまで述べた通り、建設業界には様々な課題がありますが、デジタル技術の活用により、課題解決の糸口は見えてきています。人手不足の問題は、年を追って厳しくなるのは間違いありません。同時に技術継承にもつながるDXは利用必須と思われます。2024年には改正労働基準法の「時間外労働の上限」が建設業界にも適用されますので、DXを利用して働き方改革の実現も必要となります。

DXは、まだまだアナログ文化が残っている中小建設業者にとっては、ある意味大きく生産性を上げるチャンスになりますが、小規模現場を対象としてるところでは、中々本格的なDX導入が難しい面があるのも事実です。

まずは、会社のデジタル化の為の基本的環境整備(パソコン、タプレット、Wi-Fi等)をしましょう。現状の業務を見直し、デジタル化することで省力化できるところがないか業務フローを整理し、やれるところから始めてみることも大切です。政府も建設DX推進の為に地方整備局にDXセンターや人材育成センター等の施設を整備しつつありますし、IT関連の補助金・助成金も利用可能なケースがあります。これらの活用も検討されてはどうでしょうか。

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執筆者

渡邉 邦夫(わたなべ くにお)

東京都中小企業診断士協会城南支部所属。中小企業診断士。総合商社で機械部門の営業が長く、建機レンタル会社に役員として出向経験あり。リース会社の常勤監査役5年の後、現在StockTech株式会社常勤監査等委員。経営分析・経営支援・事業再生・内部統制システム構築支援を中心に、中小企業を支える仕事を志向している。事業再生アドバイザー(TAA)、認定IPOプロフェッショナル(SIP)。

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