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LTVとは?重要視される理由や計算方法、LTVを高める方法を解説

From: 中小企業応援サイト

2025年09月22日 06:00

この記事に書いてあること

LTVとは、顧客が企業にもたらす利益を表す指標です。LTVが重視される理由は、サブスクリプションが広まったことや、ロイヤルカスタマーの需要が高まったことが挙げられます。この記事では、LTVとはなにか、向上させるにはどのような施策が必要なのかについて解説します。

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LTV(Life Time Value)とは「顧客生涯価値」のこと

LTV(Life Time Value)とは、顧客が取引終了するまでに、企業へどれだけの利益をもたらすかを示す指標です。LTVを把握することで、企業はサービスの利益構造を理解し、優良顧客の特性を分析できます。LTVは適切な経営判断を支援するために、企業活動やマーケティング活動において非常に重要な役割を果たしています。

LTVが重視される理由は?

LTVが重視される理由としては、サブスクリプションが広まっていることや、ロイヤルカスタマーの獲得が重視されていることが挙げられます。

サブスクリプションの広まり

ビジネス界で注目されているのは、リカーリングとサブスクリプションというビジネスモデルです。定期的な契約を通じて長期的な収益の拡大と安定化を目指すものです。消費者のニーズの変化に応じて、従来の一度きりの購入型からの転換を企業が図っています。企業は顧客を維持するためにさまざまな施策を展開し、LTVを通じて収益性の向上を図っています。

ロイヤルカスタマーの獲得

OEMやデジタルマーケティングツールが広まり、ビジネスを始める際のハードルが低くなりました。新規顧客の獲得がますます困難になったことから、ブランドやサービスに愛着を持つファンやロイヤルカスタマーの育成、顧客ロイヤリティの向上が非常に重要視されています。

3rd Party Cookieの規制

3rd Party Cookie(サードパーティークッキー)は、他者が発行・利用するCookieデータです。Web閲覧履歴に基づいて個別に最適化された広告を表示するために活用されています。近年、プライバシーの観点からこの技術を規制する動きが強まっており、今後は閲覧中のサイトのみで機能する1st Party Cookieや既存顧客データの活用が重要とされています。

LTVの計算方法

LTVの計算方法はいくつかありますが、最も一般的でシンプルな式は以下です。

LTV = 平均購入単価 × 粗利率 × 平均購入頻度(回/年)× 平均継続期間(年)

LTVは、平均購入単価に粗利率を乗じ、それに平均購入頻度(年間の購入回数)と平均継続期間(年数)を掛け合わせて求めることができます。

LTVを向上させる施策

LTVを向上させるためには、顧客単価を上げる、購入頻度を上げる、解約率を下げるなどの施策が行えます。それぞれの方法について、ここで解説します。

顧客単価を上げる

顧客の購入単価を増やすことにより、LTVを向上させられます。製品やサービスの価格を引き上げる、上位の製品やサービスへの移行を促進する(アップセル)、関連する製品やサービスの購入、セット販売を促進する(クロスセル)などの取り組みが重要です。

購入頻度を上げる

製品やサービスの購入頻度を増やすことで、LTVも向上します。メルマガやSNSなどのコミュニケーションツールを活用し、定期的に顧客に製品やサービスをリマインドする施策を展開し、持続的な関係を築くことが重要です。

解約率を下げる

顧客の長期利用とLTVの向上には、チャーンレート(解約率)を低減し、顧客が製品やサービスを長く利用することが不可欠です。顧客のロイヤリティを高めるべく、カスタマーサクセス部門の設立や製品やサービスの効果を最大化するための支援が有効です。

顧客獲得・維持等のコストを下げる

適正なコスト管理によって、LTVを向上させられます。セールスフォースオートメーション(SFA)や顧客関係管理(CRM)を活用し、リソースを効率的に最適化するマーケティングおよび営業戦略は、顧客獲得コスト(CAC)や顧客維持コストを削減するのに役立ちます。

LTV向上にツール導入がおすすめ

LTV向上を目指すには、CRMやMAツールの導入がおすすめです。それぞれのツールについて解説します。

CRMツール

顧客との良好な関係を築くためのマネジメント手法として、CRMは非常に効果的です。機能が多岐にわたり、顧客ごとの情報管理やデータ分析、メール配信、購入や問い合わせの管理などが可能です。顧客に関連する情報を統合的に管理できます。

MAツール

マーケティングオートメーション(MA)は、見込み顧客の管理や育成を効率的に行うツールです。見込み顧客の行動を追跡し一元管理したり、メルマガの開封率や成約率などの効果を測定したりできます。顧客開拓のマーケティング活動を可視化・自動化できます。

LTVに関連する5つの重要指標

LTVに関連する指標には、5つの種類があります。それぞれの指標について解説します。

1. CAC

CAC(Customer Acquisition Cost)は、1人の顧客を獲得するためにかかるコストを示す指標です。営業やマーケティング、広告などにかかる費用を合算し、新規顧客獲得数で割って算出します。新規顧客を獲得するためのコストを正確に把握できます。

2. ARPA

ARPAとは、Average Revenue Per Accountの略語で、1つのアカウントごとの平均売上額を示す指標です。具体的には以下の式で計算されます。

ARPA = 総売上額 ÷ アカウント数

近年、1つのアカウントで複数のデバイスを使用するケースや、1つの契約アカウントに複数のユーザーが存在するケースが増えており、これに応じた分析指標を用いることが重要です。

3. MQL

MQLとは、マーケティング活動によって獲得した見込み顧客のなかで、特に啓蒙活動(リードナーチャリング)の効果が高いと見込まれる有望な見込み顧客を指します。マーケティング担当者は、メルマガやWebサイト、イベントなどを通じてこれらの見込み顧客を獲得します。

4. チャーンレート

チャーンレート(解約率)は、サービスの解約や顧客の離脱・離反の程度を示す重要な指標です。顧客数ベースのカスタマーチャーンレートと、収益ベースのレベニューチャーンレートがあります。カスタマーチャーンレートでは、契約アカウント数を基に算出することも可能ですが、料金プランが複数存在する場合は、レベニューチャーンレートも考慮する必要があります。

5. ユニットエコノミクス

ユニットエコノミクスは、ビジネスの収益性や健全性を評価するための重要な指標です。特にサブスクリプション型サービスで利用されます。ユニットエコノミクスは、以下の式で計算されます。

ユニットエコノミクス=LTV÷顧客獲得コスト(CAC)

まとめ

LTVを向上させるためには、顧客単価や購入頻度を上げる必要があります。また解約率を下げることも、LTV向上につながります。しかし、具体的にどのような施策をすべきか迷うこともあるでしょう。

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