UXとは?UIやCXとの違いやメリット、改善方法、成功のポイントを解説
2025年10月02日 06:00
この記事に書いてあること
UXとは、操作感や機能、購入といった、ユーザーの体験を指します。UIのような、商品やサービスとの接点だけではなく、利用前後の体験も含まれます。この記事では、UXの概要やUI・CXとの違い、改善方法などを解説します。UX改善のポイントも紹介するため、参考にしてください。
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは
「UX(ユーザーエクスペリエンス)」とは、商品やサービスから、ユーザーが得られる体験です。ECサイトを例にあげると、商品を見つけやすいデザインや購入までのスムーズな動線、理解しやすいサイトの機能などです。
また、商品やサービスの購入に至るまでの過程も、ユーザーが得られる体験の一部です。UXは、利用前・利用中・利用後の体験すべてが該当します。利用する間だけの一時的な体験を指すものではありません。
UXとUI(ユーザーインターフェース)の違い・関係性
「UI(ユーザーインターフェース)」とは、ユーザーとの接点を指します。UXで得られる体験の一部として、商品やサービスと接する部分が該当します。たとえば、Webサイトの画面に表示されるデザインや操作ボタンなどです。キーボードやマウスといったデバイスもUIに含まれます。
UIは、UXで得られる体験の質を左右します。ユーザーに配慮したUIを設計することが、UXの質の向上につながります。
UXとCX(カスタマーエクスペリエンス)の違い・関係性
「CX(カスタマーエクスペリエンス)」とは、顧客体験や顧客体験価値です。商品やサービスを利用する体験だけではなく、購入するまでの過程や購入後のサポートなども含まれます。UXはCXの一部として、体験価値を提供するものです。
CXの範囲は広く、商品やサービスを認知する段階の潜在顧客から、購入後の既存顧客までが対象です。CXを向上させるには、マーケティングやセールス、カスタマーサクセスなど、多岐にわたり取り組む必要があります。
UXの構成要素を示した「UXハニカム」とは
「UXハニカム」とはUXの評価軸です。以下の7つの要素で構成されます。
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Usable:使いやすい
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Useful:役に立つ
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Desirable:魅力がある
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Valuable:価値がある
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Credible:信頼できる
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Findable:見つけやすい
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Accessible:手に入りやすい
上記をもとに評価することで、課題や改善点などの発見ができます。それぞれの分析によって、具体的なアクションにつなげられます。
UXの必要性が高まる背景
UXは、デバイスやユーザーの価値観の変化に影響されます。ここでは、なぜUXの必要性が高まっているのかについて解説します。
デバイスが多様化している
昨今、スマートフォンやタブレットなど、デバイスの多様化が進んでいます。ユーザーは、Webサイトやアプリを通じて商品やサービスに触れるため、快適な体験の必要性が高まりました。また、IoT製品の普及によって、企業とユーザーとの接点が増えているのも要因のひとつです。UXの設計は、ユーザーの利用する状況を想定することが求められています。
価値観が変化している
ユーザーが求めるものは「モノ」から「コト」に変化しています。良質な商品やサービスの購入ではなく、得られる体験に関心が移っています。情報化社会において、デジタルコンテンツの複製は容易であり、「デジタルネイティブ」と呼ばれる若い世代は、モノを所有する意義が低下する傾向にあります。
購買のプロセスが変化している
インターネットの普及によって、ユーザーの購買プロセスも変化しています。商品やサービスの情報を入手する方法が増えているため、さまざまな購買プロセスに対応しなければなりません。たとえば、Webサイトやアプリ、SNSなど、購買に至るまでの環境は異なります。ユーザーの利用するシーンを想定して、購買プロセスを把握する必要があります。
UXの改善によって得られるメリット
UXの改善によって顧客満足度や企業の価値が向上します。ここでは、UXの改善でどのようなメリットが得られるのかを解説します。
顧客満足度が向上する
ユーザー体験の改善は、顧客満足度の向上につながります。たとえば、直感的な操作性や使いやすいデザインなどに改善することで、満足感や信頼が得やすくなります。ユーザーの目的をスムーズに達成できるため、ポジティブな行動を促せます。また、長時間の利用やリピート率などの向上にもつながるでしょう。
コンバージョン率が向上する
ユーザーが求める情報を得やすいUXは、コンバージョン率に直結します。たとえば、サイト内のナビゲーションや入力フォームなどの最適化です。登録や購入などの行動に移りやすくなり、ユーザーをポジティブな行動に誘導できます。最終的な成果につなげるために、コンバージョンまでの動線を整えましょう。
ブランド価値が向上する
UXの改善によってユーザー体験の質が高まると、好感度や信頼感が向上します。満足度の高いユーザー体験がブランドへの好印象を形成し、価値の向上につながります。発信力のあるロイヤルカスタマーとの間で信頼性を築くと、口コミによる認知度の向上も期待できるでしょう。新規顧客の獲得にもつながるため、競合他社にはないポジションを確立できます。
UX改善の方法・プロセス
UXの改善には、課題の調査や分析などの工程が必要です。ここでは、UX改善の方法とプロセスについて解説します。
1.課題を調査する
UXで解決する課題を調査しなければなりません。たとえば、画面の見づらさやユーザーの離脱などです。アンケートやインタビュー、ユーザーテストなどを実施して、ユーザーのフィードバックや意見を収集しましょう。それらの調査結果からニーズを把握し、UXの改善につなげる必要があります。
2.課題を分析する
課題を調査した後は、課題の分析をします。たとえば、表示速度の遅さやページにたどり着くまでの動線などです。課題を把握するためには、カスタマージャーニーマップという、ユーザーが利用する流れを作成しましょう。ユーザーの行動や直面する課題、感情などを可視化し、時系列で課題を分析ができます。顧客視点から分析し、購買や利用に至らない理由の発見につなげましょう。
3.プロトタイプを作成する
UXを改善するためには、試作品であるプロトタイプを作成します。解決策となるアイデアや仮説をもとに、操作性やデザインなどを具体的な形にしましょう。ユーザーが操作するなかで感じる課題や感想を収集し、フィードバックを得られる設定が必要です。プロトタイプを作成することで、手戻りやコストなども抑えられます。
4.検証・評価する
プロトタイプの検証と評価をして、ユーザーの要求を満たすかどうかを確認します。使用感をはじめとしたフィードバックを得て、感情の変化も含めて評価することが大事です。調査結果をもとに改善を繰り返し、プロトタイプを作成・検証しましょう。フィードバックやマーケットの変化などに応じて、UXの改善を続ける必要があります。
UXの改善に成功するポイント
UXを改善する際は、ユーザーを中心に設計を見直さなければなりません。ここでは、UXの改善に成功するためのポイントについて解説します。
ユーザーへの調査を徹底する
UXの改善において、ユーザーへの調査は必須です。ユーザー目線を徹底し、解像度を高めるようにして理解を深めましょう。主観による判断を避けるために、行動やニーズの調査をもとに、ユーザーのインサイトを把握する必要があります。具体的なインサイトを得るためには、インタビューや行動調査などを組み合わせるとよいでしょう。
人間中心にデザインを設計する
UXの設計には、人間を中心にすえたデザインが求められます。人間の行動や感情などをもとに、デザインの設計に取り組むことが重要です。また、設計者の視点ではなく、ユーザーの視点を理解するアプローチも忘れてはいけません。ユーザーの抱えているストレスを発見するために、開発側の視点に偏らないよう注意が必要です。
フィードバックと改善を継続する
ユーザーのフィードバックは、UXの改善において貴重な情報です。ユーザーが抱える問題点や欲求が明確になり、改善につなげられるためです。フィードバックをもとに改善を続けると、高品質な商品やサービスを実現できるでしょう。意見や要望の収集と、定期的なフィードバックのループを確立することで、ユーザーの要求を満たせます。
まとめ
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、商品やサービスから得られる体験です。利用中だけではなく、利用の前後も体験に含まれます。UXの重要性は、ユーザーの価値観の変化やデバイスの多様化などにより高まっています。また、顧客満足度やブランドイメージにも影響するため、UXの改善を継続することが重要です。
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記事執筆
中小企業応援サイト 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
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