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テキストマイニングとは?手法や使い方、活用方法から注意点までわかりやすく解説

From: 中小企業応援サイト

2025年10月06日 06:00

この記事に書いてあること

テキストマイニングは、ソーシャルメディアや口コミ、社内アンケートなど大量のデータのなかから有用な情報を探したり、単語の出現頻度や相互関係などを分析する技術です。この記事では、テキストマイニングの手法や活用方法などについて解説します。

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テキストマイニングとは

テキストマイニングとは、アンケート回答やソーシャルメディアへの投稿など、さまざまな文字情報から価値ある情報を見つけ出す分析手法です。自然言語処理技術の発展により、近年ビジネス分野での活用が広がっています。テキストは文章、マイニングは鉱山での採掘を表します。膨大な文字データから有益な情報を掘り起こす作業を、鉱山の採掘になぞられた造語です。

テキストマイニングとデータマイニングの違い

テキストマイニングは文字情報のみを分析しますが、データマイニングは、顧客情報や販売データ、ソーシャルメディアの評判など、多岐にわたる情報源を分析対象とします。つまり、テキストマイニングは、データマイニングに含まれるものです。

テキストマイニングで扱うデータ

テキストマイニングで扱うデータは、定量データ、定性データに大きく分けられます。ここでは、それぞれの特徴について解説します。

定量データ

定量データとは、数値として計測・記録できる情報を指します。商品の販売実績や顧客の性別構成、年齢層などが代表例です。従来のマーケティングでは、定量データに焦点を当てて分析や改善などが行われてきました。

定性データ

定性データは、感情や動機など、数値では測定しにくいデータのことです。「商品のよかった点」「選んだ理由」「改善してほしい点」など、アンケートの自由記述欄やソーシャルメディアの投稿などには、ユーザーの本音や商品にまつわる1人ひとりの物語が隠れています。これらを収集、分析、可視化することで、有益な情報として活用できます。

テキストマイニングの目的

社会が多様化するにつれ、消費者のニーズも、刻一刻と変化を遂げるようになりました。企業は、ユーザーのニーズや課題をいかに素早く、かつ緻密に拾い上げ、分析、改善していくことを求められています。文字情報に含まれる定性データをテキストマイニングによって分析・整理することで、市場の課題発見やトレンド予測が可能になり、企業の戦略立案に活用できます。

また、営業日報や作業報告書などの社内データも同様に分析、整理、可視化することで業務改善やスキルの標準化、属人化の解消などが可能になります。

テキストマイニングの未来予測

生成AIを用いたテキストマイニングを行うことで、より高水準の文章理解や精度の高い感情分析、他言語理解などが可能になります。これにより、さらに深い分析ができ、より良いサービスや商品の提供が実現するでしょう。ユーザーのリアルな声をさらに綿密に分析できるようになる未来が期待されています。

テキストマイニングの手法

テキストマイニングの主な手法には、センチメント分析、対応分析(コレスポンデンス分析)、主成分分析、共起分析があります。それぞれの特徴について解説します。

センチメント分析

レビューサイトやソーシャルメディアへの投稿などから、ユーザーの感情を3つに分ける手法です。

特定のテーマに対するコメントを、「肯定的(ポジティブ)」「中立的(ニュートラル)」「否定的(ネガティブ)」に整理した結果を、商品やサービスの分析に役立てます。

対応分析(コレスポンデンス分析)

アンケートやソーシャルメディアなどで特定のテーマに沿って書かれた文章が年齢や性別により、どのような傾向を持つかを分析する手法です。分析には、「クロス集計」や「ローデータ」などを散布図で表現したものが使われます。対応分析は、主に企画書の作成やブランドのイメージ分析時に利用されます。

主成分分析

指標の異なるデータを要約し、データの情報や特徴を可視化する手法です。大量のデータを少数項目に置き換えるため、関係性の可視化に役立ちます。一部のデータを切り捨てるため、考慮すべき情報の見落としが発生する懸念点があります。

共起分析

文字情報内で特定の語句が一緒に現れるパターンを調べ、ユーザーが商品に対して抱く印象や評価を具体的に把握する手法です。関連性のある単語を抽出することで、商品やサービスの強み、弱みの分析が可能になります。

テキストマイニングの活用方法

テキストマイニングの活用方法は多岐にわたります。ここでは、ソーシャルメディアの分析、商品のレビュー、アンケートの集約の活用方法について解説します。

SNSの分析

自社商品の品質改善や競合サービスの分析などに、テキストマイニングが活用できます。XやInstagramといったソーシャルメディア、Googleの口コミなどから得られるユーザーの率直な意見を分析し、トレンドや潜在的なニーズを把握します。分析結果を商品の開発やマーケティング戦略に役立てられるでしょう。

自社商品についたコメントがポジティブなものが多いか、ネガティブなものが多いかを解析し、対策に役立てることも可能です。

商品レビュー、アンケートの集約

テキストマイニングで商品レビューやアンケートを収集することで、高度な分析が可能です。1つひとつの商品レビューやアンケートを確認しなくとも、全体としてどのような評価を受けているかが一目でわかるようになります。

膨大な評価データを統合解析することで、商品に関連する語句の使用パターンや、満足度の度合いによって表現方法がどう変化するかを明らかにすることが可能です。商品レビューやアンケートを分析することで、ユーザー側がどのように商品の特徴をとらえているかを判断できたり、評価が高いあるいは、低い理由を推測できたりします。

テキストマイニングのやり方

テキストマイニングはデータの収集から分析、可視化まで4つの手順を踏みます。それぞれの手順について、詳しく解説します。

テキストマイニングの目的を明確にし、データを収集する

テキストマイニングでは、分析したい対象を決めます。このとき、どのデータを選ぶかはテキストマイニングの目的によって異なります。

テキストマイニングによる分析の狙いを明確化し、電子メール、調査回答、顧客対応履歴といった社内に蓄積された文字情報から、目的に合致するデータを抽出しましょう。音声をテキスト化する環境があれば、通話内容などの音声ファイルも対象データに含められます。

収集したデータを整備

収集したデータは、前処理が必要です。日本語は、英語のように単語ごとにスペースが入らないうえ、曖昧な表現や複雑な表現が多く、そのままではテキストマイニングが困難なためです。前処理では、品詞や変化などを解析する「形態素解析」や文章を単語に分割する「構文解析」を行います。この作業は手間がかかるため、専用ツールを使うことが大半です。

非構造化データから構造化データへ変換する

前処理が完了した非構造化データを構造化データに変換します。企業が持つテキストデータの多くは、非構造化データであるため、ExcelやCSVファイルなど、列と行の構造でできている構造化データに変換する必要があります。この変換により、検索・集計・比較などがスムーズに行えるようになります。この作業も、専用ツールを使うことが一般的です。

データを分析・可視化する

構造化データを先述した共起分析や主成分分析などで分析します。分析結果は、共起ネットワークや散布図などの図表やグラフへ変換したり、カラム・チャートなどをダッシュボードに表示したりすると可視化できます。テキストマイニングの目的に合った手法を選択し、結果や考察を把握しやすいよう視覚的にわかりやすい形に変換することが大切です。

テキストマイニングの注意点

テキストマイニングは分析に便利な手法ですが、注意点もあります。注意点を把握したうえで、自社の商品に役立てましょう。

大量のデータが必要になる

テキストマイニングは、文章内の言葉を分析対象とするため、単語の意味や使用文脈に関する情報が少ないと、分析結果の信頼性が低下します。少ないデータの場合は、テキストマイニングよりも手作業での分析の方が適している場合もあります。分析の精度を上げるためには、単語の漏れがないよう、なるべく多くのデータを収集しなければなりません。

処理に時間がかかる

テキストマイニングでは、膨大な文字情報を処理するため、分析完了まで相応の時間を要します。テキストマイニングがデータ量に比例して処理時間が長くなる点には、注意が必要です。

文章を理解しているわけではない

テキストマイニングは、個別の単語や語を識別して解析しますが、文章がもつ全体的な意味や背景を理解した分析ではありません。たとえば、「〇〇をおすすめしない人はいない」という文章は、通常は肯定的と判断されます。しかし、テキストマイニングでは、「おすすめしない」という単語に注目しネガティブであると判断する場合もあります。

さらに、否定の重複表現や「これ」「あれ」といった指示語の判断も曖昧になりがちです。高評価の投稿に「だめ」「推奨できない」などの否定的な表現が頻出する場合は、個別の投稿内容を人の目で確認する必要があります。

まとめ

テキストマイニングを効果的に活用するには、分析目標に最適な手法を用いて、データの分析と視覚化を進めることが重要です。テキストマイニングにより、トレンドやユーザーの傾向、数値では表すことが難しい感情や意見を分析することで、商品開発やマーケティング戦略に役立てられるでしょう。

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