ファシリテーションとは?役割やそのメリット、必要なスキルや流れを解説
2025年10月07日 06:00
この記事に書いてあること
会議やミーティングを開催したものの、意見が出てこなかったり、意見が出ても上手くまとまらなかったりするケースは、珍しくありません。もし会議やミーティングの進行に不安を抱えている場合は、ファシリテーションを採用しましょう。この記事では、ファシリテーションの概要をはじめ、メリットや期待される効果、そして必要なスキルについて解説します。
ファシリテーションとは
そもそもファシリテーションとは、会議やミーティングなどをスムーズに進行するための技法です。ファシリテーションをする人はファシリテーターと呼ばれ、以下のような役割を担います。
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参加者の発言を促す
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議論を広げる
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重要なポイントを引き出す
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意見をまとめる
なお、あくまで議論を円滑に進めるのが仕事のため、必ずしも参加者たちの前に立って進行を促すわけではありません。
ファシリテーター・司会・リーダーの違い
ファシリテーターと混同されやすい役職として、司会やリーダーが挙げられます。両者とファシリテーターの違いについて、以下で解説します。
ファシリテーターと司会の違い
司会とは、会議やミーティングの進行を担う役職です。そのため、会議やミーティングの内容、参加者の意見にまで踏み込むケースはあまりありません。一方、ファシリテーターは参加者の意見を集約し、会議やミーティングをゴールに導くのが仕事です。このように、両者の仕事内容は異なっているため、会議やミーティングに司会者とファシリテーターを参加させるケースもあります。
ファシリテーターとリーダーの違い
リーダーとは、チームを牽引するまとめ役のことです。全体の統括ともいえる存在であり、会議やミーティングはもちろん、チームが関わる業務全般に対する責任を背負います。一方、ファシリテーターは会議やミーティングを円滑に進行するのが仕事であり、責任範囲も仕事内容もリーダーとは異なります。
ファシリテーションの目的
ファシリテーションの目的は会議やミーティングの進行、そして参加者たちの腹落ち感を生み出すことです。会議やミーティングには、さまざまな意見や考えを持った人が参加するため、意見や考えの対立が発生することも少なくありません。そのため、さまざまな意見を中立的な立場から舵取りして、適切なゴールへ導くために、ファシリテーションを行います。
ファシリテーションのメリット・期待される効果
以下では、ファシリテーションがもたらしてくれるメリット、そして期待される効果について解説します。
新たなアイデアが生まれやすくなる
ファシリテーションのメリットの1つとして、新しいアイデアが生まれやすくなる点が挙げられます。プロジェクトを成功させるにあたって、魅力的なアイデアの創出は必要不可欠です。ファシリテーションによって会議が活発になると、新しいアイデアが出たり、複数の意見を統合してより良いアイデアが誕生したりします。
納得のいく合意形成ができる
納得がいく合意形成ができることも、ファシリテーションがもたらしてくれるメリットです。会議やミーティングにおいて、意見の対立が発生するのは珍しくありません。ファシリテーションを行えば、多数派のみならず少数派の意見も拾い上げられます。そのため、会議やミーティングの参加者全員が納得できる結果を出しやすくなります。
会議の時間短縮・生産性向上が期待できる
ファシリテーションがもたらす効果として、会議の時間の短縮、生産性の向上も挙げられます。会議やミーティングを実施していると、ちょっとしたきっかけで話が脱線することも少なくありません。ファシリテーターがいれば、大きく話題がずれ込んでもすぐに軌道修正ができるため、会議で無駄に時間を浪費するリスクを下げられます。
参加者のモチベーション・チームワークが向上する
モチベーションやチームワークの向上も、ファシリテーションの効果の1つです。ファシリテーションによって話しやすく、居心地の良い雰囲気になれば、参加者の話し合いに対するモチベーションを向上させられます。また、実りのある会議やミーティングを通じて、チームワークを高めることも可能です。
ファシリテーションに必要なスキル
ファシリテーションをするためには、さまざまなスキルが求められます。以下では、ファシリテーションに必要なスキルについて解説します。
理解力
ファシリテーションに必要な代表的なスキルとして、理解力が挙げられます。ファシリテーターは参加者の発言を瞬時に理解し、整理しながら会議やミーティングを進行しなければなりません。また、参加者の発言だけでなく、表情や仕草から相手の心理を読み取り、話しやすい雰囲気づくりに理解力が役立ちます。
傾聴力
傾聴力も、ファシリテーションに必要なスキルの1つです。会議やミーティングに参加する人のなかには、発言するのが苦手な人もいます。その場合、良いアイデアがあっても、ほかの意見のなかに埋もれてしまう可能性も否定できません。ファシリテーターに傾聴力があれば、参加者が積極的に発言しやすい雰囲気を構築できるため、良いアイデアが出やすくなります。
質問力
ファシリテーションにおいて必要なスキルには、質問力も含まれています。質問力とは、不明点や疑問点に対して問いかける能力です。質問力が高ければ、不明点や疑問点から議論をさらに深めたり、広げたりできます。その結果、会議やミーティングの参加者のアイデアや意見を最大限に引き出すことが可能です。
合意形成スキル
ファシリテーションに必要なスキルとして、合意形成スキルの名前も挙げられます。会議やミーティングが終了したあとは、参加者の意見や認識を統一させる必要があります。その際、合意形成スキルがあれば、今後のアクションを明確にしつつ、決定事項を共有し次回の会議の論点を確認することが可能です。
ファシリテーターの役割と流れ・やり方
最後に、これからファシリテーターをする人向けに、ファシリテーターの役割と流れ、そしてやり方について解説します。
1.事前準備をする
まず、会議やミーティングに向けた事前準備を行います。事前準備のなかでもとくに重要度が高いのが、ゴールの設定です。ゴールが明確でないと、話が脱線し、結論が出ないまま時間が過ぎるリスクがあります。なお、ゴールを設定する際は、目的と成果物を分けて考えると良いです。
2.発言しやすい雰囲気「場づくり」をする
事前準備をしっかり行っても、会議やミーティングがスムーズに進むとは限りません。そのため、ファシリテーターは発言しやすい雰囲気の構築にも注力する必要があります。なお、具体的な雰囲気づくりの手法は、以下のとおりです。
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アイスブレイク
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ブレインストーミング
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グランドルールの設定
3.論点を整理する
ファシリテーターは、会議やミーティングの参加者たちから出た意見を整理し、まとめるのも仕事です。なお、参加者の数が多いほど意見をまとめるのは困難になりますが、そのときは以下のポイントを押さえるようにしてください。
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目的や目標に適している意見を中心に優先順位をつける
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意見やアイデアをグループ化し、分類を行う
4.合意形成をする
最後に、会議やミーティングの参加者が納得できるように、合意形成を行うのもファシリテーターの仕事です。具体的には、今後の行動指針のために以下のポイントを明確にします。
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誰が
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いつまでに
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何をするのか
もし合意形成ができなかった場合は、決まったことと決まらなかったことを明確にすれば、次回以降の話し合いの方向性を定めやすくなります。
まとめ
ファシリテーションは、会議やミーティングをスムーズに進行したいときに有効な手法です。また、新しいアイデアが生まれやすくなる、合意形成がしやすくなるなどのメリットもあります。手順を押さえれば、初見でも実りのある会議やミーティングを実現できるため、ぜひ挑戦してみてください。
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記事執筆
中小企業応援サイト 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
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