全業種対象

BIツールとは?機能やメリット、導入目的や活用事例を解説

From: 中小企業応援サイト

2025年10月08日 06:00

この記事に書いてあること

BIツールを導入する企業が増えています。この記事では、BIツールの主な機能や導入の目的、メリットなどを解説します。BIツールを導入した企業や自治体の事例も紹介するので、BIツールの導入を検討する企業の担当者は、参考にしてください。

ご質問・お問い合わせ

BIツールとは

BIツールとは、自動で多量のデータを収集し、分析する機能が備わったソフトウェアのことです。複数のデータを分析し可視化することで、顧客の深層心理に近づき、課題解決に導きます。BIツールにより、企業がもつデータが価値のある情報に変わり、意思決定の加速が促されます。

そもそもBIとは

BIとは、Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)の頭文字をとった略語です。日本語では、経営や現場など、ビジネスの意思決定に関連する情報という意味になります。収集したデータを分析し、グラフや図で可視化したものがBIです。1989年に概念が提唱され、その後、この概念を具現化したBIツールが誕生しています。

BIツールを導入する目的

企業が、ビジネスにBIツールを導入する目的は、経営や売上拡大です。BIツールを使うことで、膨大なデータのなかから必要な情報のみを抽出し、分析、レポーティングができます。経験や勘なども、ビジネスにとって重要な要素ですが、感覚のみに頼った意思決定は、玉石混交です。さまざまな領域で、よりよい結果を得るためには科学的なアプローチが重要です。分析結果に基づいた意思決定が、現場や管理職の両方に求められています。

BIツールの主な機能

BIツールの主な機能として、レポート・ダッシュボード、OLAP(オンライン分析処理)分析、 データマイニングが挙げられます。それぞれの特徴を解説します。

レポート・ダッシュボード

収集したデータをグラフや図、チャートなどでわかりやすくまとめて可視化する機能です。レポート・ダッシュボードにより、問題や課題が可視化でき、迅速な意思決定が期待できます。

OLAP(オンライン分析処理)分析

OLAP(オンライン分析処理)分析は、「Online Analytical Processing(オンライン分析処理)」の略称です。クロス集計の指標と分析軸を入れ替えることで、データをさまざまな角度から分析し、迅速に処理を行います。

データマイニング

データマイニングとは、収集したデータ同士の関連性や傾向を分析する機能です。これにより、新たな知見を得たり、施策立案に役立てられたりします。主に、将来の予測に活用されています。データの活用に、専門性や知識は不要です。

BIツールを導入するメリット

BIツールを導入する4つのメリットを解説します。

データの収集、可視化を行い、現状を把握できる

BIツールを利用すれば、データの収集、集計、分析、可視化まで自動で行い、自社の課題や現状が把握できます。さらに、分析結果から、未来の予見や計画や戦略の実行、実現への気づきを得ることも可能です。

Excelでも集計や分析は可能ですが、基本的に手動で作業しなければならず、時間や手間がかかります。BIツールを導入することで、意思決定までに必要な時間や手間を大幅に短縮できます。

レポート作成をサポートする

レポートは、簡潔で内容が明確であるべきです。数字を羅列しただけの単調なレポートでは、何が重要かが伝わらず、意思決定までに時間を要するでしょう。BIツールなら分析結果をビジュアル化したり、ダッシュボードを使ったり、わかりやすいレポート作成を支援してくれます。直感的な理解、判断ができるため、スムーズな意思決定につながります。

データを選択・統合して分析する

BIツールを利用することで、複数のシステムに散らばったデータのなかから必要なものを選択、統合して分析が可能になります。BIツールには、データ分析に関する知見が多く組み込まれているため、BIに詳しくない企業も、安心して取り組めるでしょう。

他ツールと連携してデータ分析ができる

BIツールは、他ツールと連携することで、より高度な分析が実現します。連携できる他ツールの例として、以下が挙げられます。

  • CRM(顧客関係管理)

  • MA(マーケティングオートメーション)ツール

BIツールを導入するデメリット

BIツールを導入する際のデメリットについて解説します。

コストがかかる

導入形式により差はありますが、初期費用や月額料金、ライセンス費用、利用人数が増えた場合の追加料金などが主なコストとして挙げられるでしょう。また、導入時のシステム連携や従業員に向けた研修費用なども考慮しなければなりません。BIツールを導入した後も、ランニングコストがかかります。

運用体制を整える必要がある

BIツールを導入した後に誰が日々の運用やデータ更新の管理などを行うのか、運用体制を整えなければなりません。BIツール導入には、既存システムとの連携や設定など、さまざまな作業が必要です。権限設定やバージョン管理なども含めて、運用ルールの明確化が必須です。

データのメンテナンスが必要となる

BIツールを利用しているうちに、トレンドの移り変わり、ビジネスの急成長などにより、データの見直しが必要になる場合もあります。また、元のデータが間違っていたり、重複したりしている場合もあるでしょう。データは、定期的にメンテナンスや修正が必要です。

現場に定着するまでに時間を要する

分析結果に基づいた意思決定が、現場や管理職の両方に求められています。新しいツールの定着には時間がかかります。従業員が操作に慣れるため、現場の声を取り入れながら改善を続けなければなりません。

BIツールを有効に活用できるシーン

BIツールはさまざまな場面で活用できます。有効に利用できる4つのシーンを解説します。

経営支援

経営支援での活用シーン例は、以下のとおりです。

  • 条件を変更させることによる数字の変化から、売上や利益をシミュレーションする

  • 売上や財務状況をもとに、経営判断を行う

営業支援

営業支援での活用シーン例は、以下のとおりです。

  • エリア分析を行い、売上が少ない地域の原因を発掘する

  • 複数のデータを分析することで明らかになった、自社商材の購買層や特性をもとに営業戦略を立案する

マーケティング支援

マーケティング支援での活用シーン例は、以下のとおりです。

  • 顧客の行動パターンを可視化し、データに基づいた戦略を策定する

  • キャンペーンの効果を分析、評価した結果をもとに、競争力を強化する

データ分析

データ分析での活用シーン例は、以下のとおりです。

  • CRMやSFAと連携して、有用な情報を取得し、顧客満足度の向上や営業支援に役立てる

  • 従業員のデータを収集、分析することで、人事評価や人材育成に役立てる

BIツールの選定ポイント

自社に合ったBIツールを選ぶためには選定ポイントを把握しておくことが大切です。

課題と目的を明確にする

BIツールは解決したい課題や導入の目的を明確化しましょう。課題と目的を整理すれば、必要な分析機能や連携対象のデータソースが明確になります。これらが曖昧なままでは、BIツールを導入しても定着は困難でしょう。達成したい目的や解決すべき課題が複数ある場合は、優先順位に従ってBIツールを選定します。

自社に合った導入形態を選ぶ

BIツールの形態は、オンプレミス型とクラウド型に分けられます。それぞれの特徴を把握し、自社に合った形態を選ぶことが重要です。オンプレミス型では、自社内にシステムやサーバーを構築し、運用します。自社の基準に合わせたセキュリティ対策や運用、カスタマイズ化が可能です。

一方、クラウド型は、外部のサーバーを介して、BIツールを運用する方式でインターネット環境があればどこからでもアクセスが可能です。オンプレミス型と比較して、運用コストを削減できます。

費用対効果を考える

多機能、高機能であれば、自社の課題を解決し、目的を達成できるわけではありません。機能が豊富で、高度であるあまり自社の従業員が使いこなせず、持て余す可能性もあります。導入の費用対効果を考えて、BIツールを選びましょう。

ライセンス費用やカスタマイズ費用などの費用と、レポート作成工数削減効果、収益向上効果など、長期的な効果をおおまかに試算し、適切な投資であるか判断します。

ユーザーターゲットを明確にする

BIツールは製品によって、メインとするユーザーが異なります。ユーザーターゲットは、事前に明らかにしておきましょう。「使いやすさ」と一口にいってもどのような使いやすさをメインに考えるかによって、適したBIツールは異なります。BIツールを活用する人と業務を想定して、最適なBIツールを選びましょう。

BIツールの活用事例

BIツールを活用して、生産性向上につながった例を2つ紹介します。

自動車部品メーカーの事例

BIツールを活用し、データを可視化することで労務管理の時間を大幅に削減できた事例です。多数の従業員が在籍している某自動車部品メーカーでは、労務管理に多くの時間がかかっていました。BIツールを導入したことで、労務管理の時間を600時間削減でき、加えて、意思決定もスムーズになったことで、組織全体の生産性が向上しました。

兵庫県神戸市の事例

兵庫県神戸市では、BIツールによりデータ利活用の環境を整え、政策立案の質とスピードが向上しました。職員自らBIツールで作成したダッシュボードで可視化したデータを共有し、全社員がデータにアクセスするようにしました。データの収集から可視化、資料作成までの時間短縮、多角的な分析が可能になっています。

まとめ

BIツールを導入し、データの収集、集計、分析、可視化を行うことで、迅速な意思決定につながります。レポート・ダッシュボード、OLAP(オンライン分析処理)分析などの機能を活用し、企業戦略や売上拡大に役立てましょう。

BIツールを導入し、多角的な分析や生産性向上に努める企業も増えています。DX化に向けた取り組みには、中小企業応援サイトをご活用ください。DXによる幅広い地域、業種の課題解決事例が多数掲載されています。詳しくは、お問い合わせください。

ご質問・お問い合わせ

中小企業応援サイトロゴ

記事執筆

中小企業応援サイト 編集部 (リコージャパン株式会社運営

全国の経営者の方々に向けて、経営のお役立ち情報を発信するメディアサイト。ICT導入事例やコラム、お役立ち資料など「明日から実践できる経営に役立つヒント」をお届けします。新着情報はFacebookにてお知らせいたします。

記事タイトルとURLをコピーしました!

業種別で探す

テーマ別で探す

お問い合わせ

中小企業応援サイトに関連するご質問・お問い合わせは
こちらから受け付けています。お気軽にご相談ください。

お問い合わせ

中小企業応援サイト

https://www.ricoh.co.jp/magazines/smb/

「中小企業応援サイト」は、全国の経営者の方々に向け、事例やコラムなどのお役立ち情報を発信するメディアサイトです。"

新着情報をお届けします

メールマガジンを登録する

リコージャパン株式会社

東京都港区芝3-8-2 芝公園ファーストビル

お問い合わせ先:中小企業応援サイト 編集部 zjc_smb@jp.ricoh.com