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災害時の事業継続に役立つ介護事業者向けBCP策定ガイド

From: 中小企業応援サイト

公開日:2026年04月09日

この記事に書いてあること

自然災害の発生や、新型コロナウイルスのような感染症拡大などの非常時の事業継続のために策定する、事業継続計画(BCP)。特に、高齢者や疾患のある人の生活を支える介護施設にとっては、緊急時の事業継続がよりいっそう求められます。そこでこのコラムでは、介護事業者ならではのポイントをおさえた、BCP策定の方法をお伝えします。

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事業継続計画(BCP)とは?

事業継続計画(BCPBusiness Continuity Plan)とは、自然災害や火災、テロ被害、感染症拡大などの緊急事態に遭遇した場合の事業継続や、早期復旧を目指す計画書のこと。事業資産の損害を最小限に抑えながら中核となる事業を続け、早期に復旧を果たすために、平常時に行うべき活動や、緊急時の事業継続の手段・方法などをまとめた計画です。

災害時の対応については、防災マニュアルや防災計画を準備している事業者もいるでしょう。これらを作成する主な目的は、災害時の身体や生命の安全確保と物的被害の軽減ですが、BCPにおいてそれらは前提となる目的です。BCPでは、防災対策を十分に実施した上でどのように事業を継続・復旧していくかが重要になります。そのため、BCPと防災マニュアル・計画は密接に関わっています。

介護事業者にとってBCPが必要な理由

高齢者や疾患を持つ人など、平常時にも支援が必要な人が利用する介護サービスは、利用者と家族の生活を支える重要な事業です。そのため、非常時にも利用者が介護サービスを安定して受け続けられるよう、すべての介護サービス事業におけるBCPの策定や研修・訓練等が、法律で義務付けられています。

介護事業者のBCPにおいては、新型コロナウイルス等の感染症拡大を想定した対策も欠かせません。感染症による健康被害等の利用者への影響をとどめながら、利用者の生活を維持するためのサービスを継続する必要があります。

介護事業者のためのBCP策定ステップ

では、非常時における実効性の高い介護事業者のBCPは、どのように策定すればよいのでしょうか。そのステップは、次のとおりです。

情報収集と意思決定ができる体制を構築

非常時にBCPを確実に実行できる体制を整えるため、まずは、緊急時の情報収集・共有体制を確立しましょう。非常時の施設全体の意思決定者と現場への指示系統、さらに、各業務の対応担当者を決定します。施設内や外部との情報連携フローも確認し、関係者の連絡先を整理しましょう。

被害拡大を防ぐための事前対策

自然災害等の被害を抑えるための事前対策も重要です。特に、利用者や従業員などの人が生活・常駐する場所の防災のため、設備や機器、什器の耐震固定などの物理的な対策や、水害対策を進めましょう。また、電気、ガス等のインフラ停止時に備え、非常用自家発電機、非常用水などを準備します。通信やシステムが停止した場合のバックアップ体制も整えましょう。

被災時の行動ルールの策定

被災時の事業所・施設内の従業員の行動ルールも策定しましょう。事業の継続・復旧を目指す上での前提として、まずは利用者と従業員の安全を確保することが重要です。避難場所や避難経路のほか、安全確保・安否確認の方法、建物・設備の被害点検、職員の参集といった、被災時の初動対応を整理しましょう。

感染症拡大時の人員確保の体制作り

新型コロナウイルスなどの感染症拡大時には、従業員の感染・罹患による人員不足が発生する可能性があります。従業員が不足すると、利用者へのケアが十分に行き届かなくなるだけでなく、限られた人員で生活支援をすることで、物品や従業員の手指を介した交差感染が広がるリスクが高まります。感染拡大を防ぐためにも、事業所内や法人内での職員補充体制の構築や、他の都道府県への応援依頼等の人員確保対策を進めておくことが重要です。

継続業務の優先順位を決定

自然災害発生時や感染症拡大時に、限られた人員・設備でサービスを継続しなければならない状況に備えて、継続業務の優先順位を整理します。中核となる業務を維持することを前提に、人員の状況や被災状況に応じて事業を復旧できるよう、継続業務の優先順位を段階別に決定しましょう。各業務に必要な人員を確認しておくことで、より計画の実効性を上げることができます。

確実なBCP実行のための訓練

BCPを確実に実行するための情報共有や訓練も重要です。策定したBCPを、いざという時に迅速に実施できるよう、平時から計画を浸透させるための従業員への研修や、訓練を行いましょう。シミュレーションによって見つかったBCPの課題や最新の防災の動向を反映しながら、BCPをブラッシュアップしていくことも大切です。

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介護現場で有効なBCPを策定するためのポイント

介護現場で非常時に有効なBCPを整備するため、以下のポイントをおさえて策定を進めましょう。

抵抗力や体力が低い利用者の安全を優先する

支援が必要な利用者の安全確保を最優先したBCPの策定を進めましょう。高齢者や疾病のある利用者は抵抗力が低く、感染症拡大時には集団感染などの深刻な被害が起こる危険性があります。また、体力が低下している利用者や、車いすが必要な人の避難は、健康な人に比べて時間がかかります。非常時の迅速な安全確保のため、段差や障害物のない避難経路を整備するなどの対策が必要です。

職員の労働環境や健康の確保

非常時にサービスを提供する、従業員の心身の健康の確保も重要です。自然災害時や感染症拡大時に介護サービスを続けることは、従業員の感染リスクの増加や長時間勤務等の労働環境の悪化、また精神的負担を招く危険性があります。介護事業者のBCPには、利用者の安全や施設の運営を支える従業員への配慮も欠かせません。従業員の過重労働やメンタルヘルス不調を防ぐための措置も、BCPに盛り込みましょう。

他施設や地域との連携が重要

介護事業者のBCPにおいては、施設内や法人内だけでなく、他の施設や地域との連携も重要です。非常時に事業規模を縮小せざるをえなくなった場合に備えて、利用者の相互受け入れや、人的支援、物的支援などに関して近隣の施設と協定を結び、日頃から信頼関係を構築しておきましょう。自治体を通して、地域内での施設間の協力体制を確保することも有効です。

厚生労働省のガイドラインやひな形も活用しよう

厚生労働省は、介護事業者向けの自然災害発生時、感染症発生時の業務継続ガイドラインを公表しています。また、入所系、通所系といった介護サービスの種類別にまとめたBCPの作り方や例示入りのひな型、机上訓練に関する研修動画も公開。介護サービスに必要なBCPの学習や、策定に活用できます。

介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修 | 厚生労働省

地域の生活を守るためのBCP策定を進めよう!

地域社会の人々の安心に欠かせない、介護施設や介護サービス。利用者や家族の不安が増す自然災害時や感染症拡大時こそ、介護事業者には、安定的にサービスを続けていくことが求められます。また、近年の気候変動によって自然災害は激甚化・頻発化し、必要な対策も変化。そのため、自社の規模やサービス内容に合ったBCPを策定するとともに、平時のシミュレーションや情報収集を通じて計画を見直していくことも重要です。災害に強く、地域に信頼される事業者を目指し、BCPの策定や更新を進めましょう。

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