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勤怠管理の目的とポイントは?システムの選び方も解説

From: 働き方改革ラボ

2025年02月11日 07:00

この記事に書いてあること

労働環境の改善や、長時間労働対策のため必要な勤怠管理。従業員が健康に、安心して働き続けるためにも、適切な勤怠管理は欠かせません。そんな人事業務をサポートし、効率化するのが勤怠管理システムです。このコラムでは、勤怠管理の目的や、勤怠管理システムを活用するメリット、さらに勤怠管理システムの選び方や比較ポイントについても解説します。

働き方改革が求められる背景とは?

労働人口の減少や、働き方に対するニーズの多様化といった背景を受けて、働き方改革関連の法律の整備が進んでいます。中でも、残業時間などの規制強化によって、労働時間を見直す動きが進んでいます。

企業にとっても、働きやすい環境を整え、多様な人材の活躍を促すことが人材の確保につながります。個人個人が、将来への展望を持ちながら希望に合ったスタイルで働ける職場作りが求められています。

労働環境の整備に正しい勤怠管理が必要な理由

働きやすい職場を作る上での前提となるのが、適正な勤怠管理です。その主な理由は以下の通りです。

労働時間の把握と正確な給与の支払い

勤怠管理の第一の目的は、従業員の労働時間の把握と、正確な給与の支払いです。従業員の出勤・退勤時間も含めて、労働時間と、働いた時間帯(時間外、深夜、休日など)を正確に確認し、法令に基づいた給与の支払いを行う必要があります。

労働時間に関する法律対応

企業には、すべての従業員の労働時間を客観的に把握して、適正に記録することが義務付けられています。「1日8時間、週40時間」の法定労働時間が守られているか、そして法律に基づいた正しい賃金が従業員に支払えているかを常に把握する必要があります。また、36協定を締結している場合の残業時間の上限規制のルールを守るためにも、労働時間の正しい記録が不可欠です。

社員の健康管理

社員が健康に働ける職場作りのためにも、勤怠管理は欠かせません。長時間労働は、心身の不調や疾患、また休職にもつながります。社員が健康で、モチベーションや生産性を維持しながら働き続けるためにも、勤怠管理で過重労働をチェックする必要があります。

勤怠管理で把握すべき項目

従業員の勤怠管理によって確認、記録すべき項目は、以下の通りです。

項目 詳細
休憩時間 6時間超で45分以上、8時間超で1時間
時間外労働の上限 年間720時間、月80時間
年次有給休暇 年5日間以上取得
出退勤の時間、休憩時間 労働時間、休憩時間の記録が必要。
時間外労働時間 「1日8時間、週40時間」を超えた労働時間。
上限は45時間(特別な事情があっても年間720時間、月80時間)。
割増賃金は25%、月60時間超は50%。
深夜労働時間 22時~翌5時。25%の割増賃金、時間外かつ深夜は50%の割増。
休日労働時間 法定休日の労働は35%の割増賃金。
年次有給休暇の取得状況 従業員1人日あたり、年5日間以上の有給取得が義務。

出退勤の時間、休憩時間

従業員が1日に何時間働いたかということだけでなく、日ごとの始業時間と終業時間を確認し、記録を行う必要があります。賃金計算のため、休憩時間も管理しましょう。なお、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間の休憩時間をとる必要があります。

時間外労働時間

時間外労働時間の確認、記録も必須です。時間外労働時間とは「1日8時間、週40時間」を超えた労働時間です。残業時間の上限は原則45時間(特別な事情があっても年間720時間、月80時間)までと定められています。この規制を守るために、正しい記録を行いましょう。また、時間外労働には、割増率25%の割増賃金、月60時間を超える時間外労働に対しては、割増率50%の割増賃金を支払う必要があります。

深夜労働時間、休日労働時間

時間外労働と同様に、割増賃金が発生する深夜労働、休日労働についても記録しましょう。夜22時~翌朝5時までの深夜労働には、25%の割増賃金が発生します。また、時間外労働かつ深夜労働の場合は、50%割増の賃金の支払いが必要です。また、1週間に1日、4週を通じて4日与えることが義務付けられている法定休日に仕事をした場合の賃金の割増率は、35%です。

年次有給休暇の取得状況

年次有給休暇の取得状況と、残日数も把握しましょう。労働基準法では、従業員1人あたり、年5日間以上の有給を取得させることが義務付けられています。法律への対応や、従業員が有給休暇を希望に応じて取得できているかをチェックするためにも、有給取得状況の管理を行いましょう。

勤怠管理システムが果たす役割とメリット

適正な勤怠管理をサポートするのが、勤怠管理システムです。勤務時間の入力や計算、管理ができる同システムは、導入によってどのような効果やメリットが見込めるのでしょうか。

労働時間を正確に把握できる

システムの活用によって、始業時間や終業時間、休憩時間を正確に管理できます。パソコン、スマートフォンなどの使用時間の記録や、ICカード、生体認証などの方法で打刻ができるため、打刻漏れや不正打刻、また勤務表への転記ミスも防ぐことができます。システムの導入によって、法律で企業に求められている、勤務時間の客観的な記録を行うことが可能です。

勤怠管理業務の効率化

勤怠管理システムでは、勤務時間の集計や、割増賃金も含む賃金の計算が可能なため、人事業務を効率化できます。手作業による計算で起こるミスを防ぎ、働いた時間数や時間帯に応じた割増賃金も、間違いなく支払うことができます。時間外労働の超過に対してアラートを出す機能を有したシステムもあるため、時間外労働規制の法対応にも役立ちます。

リモートワークでも正確な勤怠管理ができる

オンライン上で打刻ができる勤怠管理システムを使えば、オフィス以外で働く際の勤務時間の把握や、出先で直行直帰をする際の打刻も可能です。働く場所や働き方に関わらず、正しく勤務時間を記録・管理できるため、リモートワークなどの多様な働き方を推進できます。

勤怠管理システムを選ぶ時の比較ポイントは?

では、数ある勤怠管理システムの中から自社に合ったシステムを選ぶためには、どのような点をチェックすれば良いのでしょうか。比較すべき主なポイントは、以下の通りです。

企業規模(従業員数)

自社の企業規模に適した勤怠管理システムを選びましょう。システムによって、最小利用ID数や、利用できる上限人数が異なります。導入費や利用料に対して人数や機能の数が見合わないことのないよう、システムの比較・検討を行いましょう。

打刻手段

社員が毎日行う打刻の方法も重要です。ICカードや生体認証、またモバイル端末対応の可否といった、打刻手段を比較しましょう。自社の従業員の働き方に合った使いやすい打刻手段を選ぶことで、打刻漏れや打刻ミスを防ぎ、正確に出退勤時間を確認することができます。

多様な勤務体系に対応しているか

自社で採用している勤務形態への対応状況についても確認が必要です。フレックスタイム、勤務インターバルなどの制度を使って働く人や、パート・アルバイト従業員の勤怠管理ができるかどうかを確認の上、導入を検討しましょう。

給与ソフトとの連携の可否

勤怠管理システムは、出退勤データを給与計算システムやシフト管理システムと連携できる製品もあります。データを連携することで、人事業務をより効率化することが可能です。自社で導入済みの人事システムとの連携の可否についても必ず確認しましょう。

働き方の課題解決に勤怠管理システムを活用しよう!

時間外労働規制などの法律への対応や、正確な給与支払いのために欠かせない勤怠管理。システムを活用することで、人事業務の効率化などのメリットも見込めます。働く人の健康や安心を支える土台作りのためにも、勤怠管理システムの導入を進めてみてはいかがでしょうか?

なお、働き方改革ラボでは、チェックリストを使った労働時間に関する現状把握や、長時間労働解消の対策の確認ができる資料の無料ダウンロードを実施中です。労働環境の改善に、ぜひお役立てください。

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記事執筆

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