生成AIのメリットや注意点は?ビジネスへの活用事例も紹介
2023年11月14日 07:00
この記事に書いてあること
学習データをもとにコンテンツを作り出す「生成AI」や、最新のAI技術によって自然な会話を実現する「ChatGPT」が注目されています。多様なシーンでの活用が進みつつある生成AIは、ビジネスや働き方の改善に、どのように役立つのでしょうか。そこで今回は、生成AIやChatGPTの概要を改めて解説。さらに、ビジネスで活用するメリットや注意点、そして企業での活用事例もお伝えします。
生成AIとは?
生成AIとは、学習したデータをもとにコンテンツを作り出す人工知能のこと。ジェネレーティブAIとも呼ばれます。テキストやプログラムのコード、画像や動画、音楽などのクリエイティブな成果物も作り出すことができるため、人間が行う制作や仕事をサポートする用途での活用が期待されています。
中でも話題を集めたのが、2022年に登場した生成AIのひとつ、ChatGPTです。ChatGPTとは、アメリカのOpenAI社が開発したチャットボット。ユーザーが入力した質問に対して答えを返す、対話型のサービスです。設定に基づく回答しかできなかった従来のチャットボットに比べて、人間が話しているような自然な答えを返すのが特長です。登場後、急速なスピードで利用が拡大し、公開2ヵ月後にはユーザー数が1億人を突破したと言われています。
生成AIで何ができる?
欲しい情報にすぐにアクセスしたいユーザーに主に利用されているChatGPT。では、ビジネスシーンにおいて、ChatGPTはどのように活用ができるのでしょうか。
効率的な情報収集
ChatGPTは、インターネット上のデータを学習し、それをもとに質問に答えているため、ユーザーは、知りたい情報をスピーディーに受け取ることができます。ビジネスにおいても、営業活動やマーケティング活動を進める上で必要な情報や、自社では持っていない情報を手軽に知ることが可能です。インターネットや書籍の中から時間をかけて情報を探すことなく、効率的に情報収集ができます。
チャットボットによるお問い合わせ対応
ChatGPTの技術は、お問い合わせ対応やカスタマーサービスにおいても活用されています。オンライン上のヘルプデスクにChatGPTを搭載したチャットボットを活用すれば、顧客からのお問い合わせに、システムが自然な会話の形で自動的に回答します。カスタマーサポートや保守対応業務が省力化できるほか、顧客の課題をスピーディーに解決することができます。
ビジネス文書の作成
ChatGPTを活用すれば、提案書やメール、申請書などのビジネス文書を作る業務がスピードアップします。「〇〇についてメールを作って」などの指示によりChatGPTが作成したテキストをベースにして、人がチェックと手直しをすれば、短時間で文書を作ることができます。また、ChatGPTを使って、完成した文書の誤字脱字のチェックをすることも可能です。
表や資料の作成
ChatGPTを使い、会議用の資料などに使う表やリストをスピーディーに作成できます。リストアップしたいものや希望する表の形式を入力すれば、ChatGPTが情報を収集してリストを提示します。提案書や社内資料の作成を効率化できるのも、ChatGPTの特長です。
プログラミングのサポート
ChatGPTはコードを生成できるため、プログラミングの補助にも活用できます。必要なタスクに関するコードを自動生成できるほか、コードのエラー修正や、コードの最適化指示にも回答を示すので、ChatGPTを活用しながら人間が動作を確認することで、プログラミングの効率化が見込めます。
生成AIを活用するメリット
では、ChatGPTや、他の生成AIをビジネスに活用することで、働き方に関してどのような影響やメリットが生まれるのでしょうか。
省力化が実現し業務効率が向上する
ChatGPTを仕事に活用することで、業務効率が改善します。時間がかかっていた情報収集や、文書や資料作成の補助として使うことで、作業がスピードアップ。業務の進め方やプロジェクトの課題についても、ChatGPTを通して解決へのアイデアを得られるため、生産性向上につながります。
お問い合わせ対応のスピードアップで顧客満足度が向上
ChatGPTを搭載したチャットボットをヘルプデスク業務に活用すると、お問い合わせへの対応に対する顧客満足度が向上します。お問い合わせ内容をChatGPTで受け付けると、瞬時に自動で回答を返すことができるので、顧客は知りたいことをすぐ確認できるようになり、顧客満足度の向上も見込めます。また、人員が足りずに電話対応が十分にできない、メールでのお問い合わせ回答に時間がかかるなどの課題にも対処できます。
アイデア創出につながる
ChatGPTは、アイデア出しにも活用できます。商品やサービスのアイデア、課題解決の方法などの要望をChatGPTに入力すれば、膨大なインターネット上の情報をもとにした多角的な回答が得られます。また、ChatGPTを使って効率的に情報をインプットすることで人の創造性が刺激され、新しい発想が生まれることも期待できます。
生成AIを活用する際の注意点
ChatGPTは情報収集や作業効率化に役立つ一方で、活用には注意すべき点もあります。実際に仕事で使う上では、どのようなことを意識すべきなのでしょうか。
重要な情報の漏えいに注意
ChatGPTを活用する際には、情報の取り扱いに注意が必要です。不正アクセスなどが原因で、ChatGPTに入力した情報が漏えいするリスクがあります。情報収集やコンテンツ作成の指示に必要な自社のデータをChatGPTに入力する際には、顧客情報や財務データ、その他の機密情報を使わないようにしましょう。
回答が正確とは限らない
ChatGPTの回答はインターネット上にある様々な情報をもとに提供されるため、必ずしも正確であるとは限りません。学習データの偏りや、情報が古いケースも指摘されているため、注意が必要です。ChatGPTの情報提供は、人の作業の補助として活用しましょう。
情報や文章は最終的に人間が確認する
ChatGPTが回答した情報やテキストは、そのまま使うのではなく、必ず人間が確認することも重要です。提供された情報が古いケースや、生成されたテキストが不自然なこともあります。間違いや誤字などを見落としたままビジネスに使えば、社内外の関係者からの信頼を失いかねません。AIの力を借りつつも正確な仕事をするために、最終的には人間の目でしっかりチェックしましょう。
生成AIを活用する企業事例
では、ChatGPTは実際にどのようなシーンで使われているのでしょうか。企業での活用事例をご紹介します。
広告テキストの自動生成によるクリエイティブ支援
広告ビジネスを展開する株式会社オプトは、ChatGPTと効果予測AIを活用したクリエイティブサービスを提供しています。商品の業界や訴求軸などの情報から、ChatGPTが広告テキストを作成した後、AIが効果予測を実施。業界への理解が深いコンサルタントの知見も生かして、広告内容を決定します。ターゲットであるユーザーの属性や好みに合わせた広告テキストを、短時間で作成できるのが特長です。
補助金申請マニュアルの改訂に活用
農林水産省は、ChatGPTを、農業や漁業の事業者が補助金の申請に使うマニュアルの改訂や修正に活用しています。それまでは、数千ページに上るマニュアルの改訂や修正を毎年、業者に委託。納期が短いため業者の負担が多く、文章がわかりづらいなどの課題がありました。ChatGPTを、改訂作業の負荷軽減や、わかりやすいマニュアルの作成に役立てていく見込みです。
ChatGPTと機械翻訳を組み合わせた英語学習ツール
立命館大学は、ChatGPTと機械翻訳を組み合わせた英語学習ツールを、生命科学部・薬学部の一部の英語授業に試験導入しました。この取り組みでは、教育効果の向上を目指しながら、学習成果や学生の心理面の変化も検証。AI技術の活用によって英語を深く理解できる環境を整備し、学生が能動的に、社会で使える英語スキルを身に付けることを目指しています。
ウェブサイトの自動作成
GMOペパボ株式会社は、自社が手がけるふたつのインターネットサービスにおいて、ChatGPTを活用したウェブサイトの自動生成機能を提供しています。「ロリポップ!レンタルサーバー byGMOペパボ」では、ユーザーページ内で、サイト制作の目的や用途、使用したい色などをテキスト入力することで、ソースコードを生成。そのまま、ウェブサイトとして公開することができます。
生成AIのメリットや注意点を知ってスマートに活用しよう!
特長を知り上手に活用することで、業務効率化や顧客対応の質向上にもつながる生成AI。人ならではの丁寧な仕事や創造性と組み合わせることで、より高い効果も期待できます。ビジネス活用のメリットや注意点をおさえて、一歩進んだ業務効率化の取り組みを進めてみてはいかがでしょうか?
働き方改革ラボでは、YES/NO形式の質問に答えるだけで、会社に必要な取り組みがわかるオリジナル資料の無料ダウンロードを実施しています。自社に必要な取り組みは何か、診断チャートで確認してみませんか?まずは資料の無料ダウンロードをお試しください。
記事執筆
働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
「働き方改革ラボ」は、”働き方改革”が他人ゴトから自分ゴトになるきっかけ『!』を発信するメディアサイトです。
「働き方改革って、こうだったんだ!」「こんな働き方、いいかも!」
そんなきっかけ『!』になるコンテンツを提供してまいります。新着情報はFacebookにてお知らせいたします。
参考・出典
記事タイトルとURLをコピーしました!
