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ビジネスの成功に欠かせない『コンセプチュアルスキル』とは?その意味と重要性を徹底解説

From: 働き方改革ラボ

2025年01月23日 07:00

この記事に書いてあること

近年の変化が激しいビジネスシーンでは、コンセプチュアルスキルが重視されています。コンセプチュアルスキルにより物事を大局的に捉えて本質を見抜くと、未経験の状況でも冷静な判断が可能になります。

本記事では、コンセプチュアルスキルの意味や重要性などを解説します。ぜひ参考にしてください。

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コンセプチュアルスキルとは

「概念化能力」とも呼ばれるコンセプチュアルスキルとは、抽象的な課題や複雑な状況を理論的に考え、全体像を把握するスキルです。

アメリカの経営学者が提唱したカッツモデルにおいて、コンセプチュアルスキルは、マネージャーに求められる3つのスキルの1つとして位置づけられています。

コンセプチュアルスキルの重要度

コンセプチュアルスキルの重要度を、カッツモデルとドラッカーモデルの観点から解説します。

カッツモデルにおける考え方

カッツモデルは、アメリカの経営学者ロバート・カッツ氏によって提唱されました。カッツモデルでは、組織における役職を3段階に分けたうえで、それぞれに必要なスキルを解説しています。

トップマネジメント(経営者)層には、本記事で解説するコンセプチュアルスキルに加え、テクニカルスキル、ヒューマンスキルの3つのスキルが必要とされます。

ドラッカーモデルにおける考え方

経営学者のピーター・ドラッカーは、カッツモデルを元にドラッカーモデルを提唱しました。ドラッカーモデルでは、組織を構成するすべての層において、コンセプチュアルスキルが重要であると強調しています。

近年のビジネスシーンは変化が激しく、従業員個々が主体的に動かなくてはいけません。そのため、コンセプチュアルスキルの重要度に関しては、ドラッカーの考え方が現代のニーズに適しているといえます。

コンセプチュアルスキルの構成要素

コンセプチュアルスキルを構成する主要な要素について解説します。それぞれの要素を強化すると、コンセプチュアルスキル全体が向上します。

コンセプチュアルスキルを構成する要素とは?

コンセプチュアルスキルは、多様な能力を総合的に捉えた概念です。直面する抽象的な課題や状況を既知の概念や経験に関連づけて理解し、対処する能力ともいえます。

以下では、コンセプチュアルスキルの構成要素を具体的に解説します。

ロジカルシンキング

論理的思考力とも呼ばれるロジカルシンキングは、物事を論理的に整理・分析し、効果的に他者に説明したり、適切な解決策を導き出したりする能力です。ロジカルシンキングを身につけた人は、複雑な状況においても物事の本質を見極め、状況を整理して課題に対処できます。

ラテラルシンキング

水平思考とも呼ばれるラテラルシンキングは、常識に捉われず自由に考える能力です。ラテラルシンキングを身につけた人は、これまで注目されてこなかった観点から、状況を打破するアイデアを導き出します。

クリティカルシンキング

クリティカルシンキングは、客観的で適切な判断を下すための基礎となります。批判的思考とも呼ばれますが、「批判的」は端に否定的という意味ではありません。前提条件を鵜呑みにせず、多角的に分析し改善点を見つけることがクリティカルシンキングの本質です。

多面的視野

多面的視野は、物事をさまざま角度から捉える能力です。特定の課題に直面したとき、多面的視野が備わった人は、自社の立場だけではなく顧客や取引先、競合他社の視点など、複数の角度から分析し考察できます。

柔軟性

柔軟性は、イレギュラーな事態に冷静に向き合い、臨機応変に対応する能力です。柔軟性を高めると、ビジネス環境の変化を的確に分析し、適切な行動を取れます

受容性

受容性は、自分とは異なる価値観や意見を素直に受け入れる能力です。多様性が重視される現代において、受容性は組織の成長に不可欠な要素といえます。

知的好奇心

知的好奇心は、新しい知識や経験を取り入れる能力です。知的好奇心がある人は学習意欲が高く、未知の分野にも果敢に挑戦する傾向が見られます。学びにより視野が広がると、革新的なアイデアや新たな事業創出につながるでしょう。

探求心

探究心は、物事を調査・分析する能力です。表面的な情報で満足せず、積極的に調査して疑問を解決しようとすると、理解が深まりイノベーションが促進される可能性があります。

チャレンジ精神

チャレンジ精神は、新しい課題や困難な状況を打開しようと挑戦する能力です。困難な課題に向き合う過程は、従業員の成長を促します。個人の成長は組織の成長につながります。

俯瞰力

俯瞰力は、全体像を把握する能力です。大局的な視点から状況を判断する際は、主観性・客観性のバランスが求められます。複雑な物事の本質を見抜けると、効果的な戦略を立案できます。

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コンセプチュアルスキルを高めるメリット

コンセプチュアルスキルを高めるメリットを解説します。課題に対する効果的な解決策を導き出せる人材を育成し、組織を成長させましょう。

課題の本質を捉えられる

コンセプチュアルスキルを高めると、課題の本質を深く理解できるようになります。結果として、表面的な対処ではなく、根本的な解決策の立案が可能です。

また、表面的な事柄に対処するだけではトラブルが再発するリスクがありますが、本質を捉えて対応すると再発防止に効果的です。

環境の変化に対応できる

激しく変化するビジネス環境に柔軟に対応できる点も、コンセプチュアルスキルを高めるメリットの1つです。コンセプチュアルスキルが高い人は、広い視野で多様な情報を収集し、複雑な状況を冷静に分析して、取るべき行動を選択できます。

イノベーションにつながる

コンセプチュアルスキルを高めると、イノベーションが促進されます。コンセプチュアルスキルは柔軟な思考を可能にし、斬新な発想を生み出します。

さらに、ロジカルシンキングと受容性を向上させると、新たな発想をチームや組織内で効果的に共有できるでしょう。結果として多くの革新的アイデアが生まれ、持続的なイノベーションにつながります。

業務効率化に役立つ

コンセプチュアルスキルを高めると、業務効率化が実現します。既存のプロセスを俯瞰的に捉えられると、改善点を的確に見つけ出せるためです。また、部分的ではなく、組織全体の業務を意識したうえで効率化を図れるため、より効果的な改善策を実施できます。

コンセプチュアルスキルに優れた人の特徴

コンセプチュアルスキルに優れた人には、以下の特徴があります。

  • 物事を冷静かつ的確に捉えられる
  • 効率的に物事に対処できる
  • 物事の状況や自分の考えを、他者に分かりやすく共有できる

上記特徴を備えた人は、業種や職種を問わず組織にとって大きな価値を提供します。

コンセプチュアルスキルを高める手段

コンセプチュアルスキルを高める手段を解説します。状況を抽象化した後に言語化すると、課題の本質を明確に定義できます。

抽象化を訓練する

状況を抽象化する訓練を繰り返すと、コンセプチュアルスキルを高められます。抽象化とは、具体的な事象から本質的な要素を抽出し、端的な言葉で課題や解決策を言語化することです。具体的には、「◯◯の課題」「これらの課題は、共通して◯◯によって解決できる」などが挙げられます。

抽象化は一見難しく感じられますが、習得すると成功・失敗の本質的な理由を分析できるようになります。

MECEを意識する

MECEは「漏れや重複がない状態」を意味する、ロジカルシンキングの基本フレームワークの1つです。MECEを意識すると、課題の構造を明確に理解でき、重要な要素を見逃すリスクを低減できます。

例えば、国内のエリアを分類するとき、以下の分類であればMECEの状態といえます。

  • 北海道
  • 東北
  • 関東
  • 中部
  • 近畿
  • 中国
  • 四国
  • 九州・沖縄

一方、以下の分類はMECEとはいえません。

  • 東日本
  • 西日本
  • 沖縄県

この分類がMECEといえない理由は、以下の点で重複や漏れが生じているためです。

  • 東日本と西日本の境界が不明確である
  • 地理的な大きな区分(東日本・西日本)と、特定の県(沖縄県)を同列に扱っており、分類の粒度に一貫性がない
  • 沖縄県以外の都道府県の扱いが明示されていない

本質・定義を明確化する

成功や失敗の要因を「◯◯だった」と端的に言語化できると、課題の本質が明確になります。抽象化された概念を具体的な業務に適用し、実践しましょう。抽象化と具体化を行き来する能力が磨かれると、コンセプチュアルスキルを実際の場面で活用できるようになります。

コンセプチュアルスキルを人材育成に取り入れるポイント

コンセプチュアルスキルを人材育成に取り入れるポイントを解説します。職級に応じた研修を計画し、人事制度を整備しましょう。

職級に応じた研修実施

コンセプチュアルスキルを人材育成に効果的に取り入れるべく、職級に応じた段階的な研修を計画しましょう。特にマネジメント層は、コンセプチュアルスキルを必要とします。キャリアの早期段階から従業員のスキルレベルを把握し、適切な育成計画を立てましょう。

現場の意見を取り入れる

コンセプチュアルスキルを人材育成に取り入れる重要なポイントは、現場からの意見を柔軟に受け入れる組織文化の醸成です。

コンセプチュアルスキルは、マネジメント層だけではなく、あらゆる職級の従業員が持ち得る能力です。現場の従業員が、業務に対する改善策を提案することもしばしばあります。提案を真摯に受け止め、適切に評価し実行に移すと、組織全体の活性化につながるでしょう。

人事制度を整備する

コンセプチュアルスキルに関する評価項目を人事制度に組み込むと、従業員にコンセプチュアルスキルの重要性が明確に伝わり、育成効率が上がります。また、コンセプチュアルスキルを重視する人事制度は、将来のリーダー候補の発掘と育成にも効果的です。

まとめ

コンセプチュアルスキルは、抽象的な課題や複雑な状況に適切に向き合い、全体像を把握するスキルです。変化が激しい近年のビジネスシーンにおいて、コンセプチュアルスキルの向上は、全従業員にとって急務といえます。コンセプチュアルスキルを人材育成に取り入れる際は、職級に応じた研修制度や人事制度を整備し、育成効率を向上させましょう。

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記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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