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ダイバーシティはなぜ必要?今さら聞けない基礎知識

From: 働き方改革ラボ

2025年12月10日 07:00

この記事に書いてあること

ダイバーシティという言葉が一般化し、積極的に推進に取り組む企業も増えています。とはいえ、ダイバーシティ実現の意義や、企業での具体的な進め方を理解できていないという人もいるのではないでしょうか。このコラムでは、そんな方のために、今さら周りに聞くのは気が引けるダイバーシティの基本的な意味や、必要とされている理由、そして推進する上での注意点を解説します。さらに、自社の取り組みの参考にできる企業の事例もご紹介。ダイバーシティ施策のヒントになる情報をお届けします。

ダイバーシティとは?

ダイバーシティは、「多様性」を意味する言葉。社会や企業におけるダイバーシティとは、人種や性別、宗教、性自認や性的志向、障害など、さまざまな属性をもった人々が共存している状態を指します。また、企業のダイバーシティ経営とは、組織内の多様性を活かして価値の創出や企業の成長につなげる経営手法です。

ダイバーシティと並んで用いられる言葉が、インクルージョンです。ダイバーシティが、多様性が受け入れられている状態であるのに対して、インクルージョンとは、さまざまな人が、違いや個性を尊重されて活躍している状態を意味します。つまり、「ダイバーシティ&インクルージョン」の達成によって、多様な人材が組織内でそれぞれの個性を活かして活躍できる環境が実現します。

ダイバーシティが企業に求められる理由

では、なぜ今、ダイバーシティが企業に求められているのでしょうか。その主な理由は、以下のとおりです。

多様な人材が活躍できる組織が社会的に求められている

ひとつめの理由が、社会的にニーズが高まる企業のESGへの配慮です。ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字をとった言葉。環境と社会、企業統治を重視した経営によって企業が社会的責任を果たすという考え方です。ダイバーシティの推進はこの中の「社会」に配慮する取り組みのひとつ。組織内の差別やハラスメントをなくし、多様な人材が自分らしく働ける環境を実現することが社会に求められています。

人材の確保

人材確保の観点からも、ダイバーシティは重視されています。労働人口が減り続ける中で企業が成長していくためには、多様な人材の活用が不可欠です。また日本は、2025年の世界経済フォーラム(WEF)が発表したジェンダーギャップ指数で148ヵ国中118位に位置するなど、世界的に見ても女性の活躍が進んでいないという課題があります。賃金や管理職比率にも男女差があることから、ジェンダー平等実現の観点からも、ダイバーシティが求められているのです。

Gender Gap Report 2025 | 世界経済フォーラム

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企業価値の向上

ダイバーシティ推進によって多様な人材の活躍を促すことは、企業価値向上の観点からもメリットがあります。さまざまな特性を持った人がそれぞれの個性や能力を発揮することでイノベーションが生まれます。また、多様な人材の視点や価値観が行き交うことで、近い属性の人だけでは生まれない新たなアイディアや課題解決策が見出されることも期待できます。

ダイバーシティ推進の注意点

企業価値向上や社会的責任の観点で企業に求められているダイバーシティ。ただ、その取り組みを進める上では、以下のような点に注意が必要です。

多様な人材を受け入れた先の取り組みが重要

ダイバーシティを進める上では、形式だけの多様性の受容に留まらないよう、注意が必要です。単にさまざまな属性の人を採用するだけでなく、多様な人材が活躍できる環境の整備を進めることが、ダイバーシティの意義の実現につながります。各自が能力を活かして働ける配置や業務の割り当てを行うほか、従業員が自分に合ったキャリアアップの道や働き方を選択できる仕組みを作ることが必要です。

多様性を認める=バラバラでいいわけではない

多様性の推進を、従業員の自由をすべて許容することだと誤解されないように注意しましょう。ダイバーシティによって多様な人材が所属できる組織を目指すからといって、各自が身勝手に振る舞っていいわけではありません。どんな人材も、組織で働く上では、会社やチームの目標のために協力して仕事をすることが求められます。ダイバーシティ推進と同時に、会社の理念の共有や、エンゲージメント向上の取り組みを行うことが重要です。

対立や差別を生まないためのコミュニケーションが重要

ダイバーシティ実現のため、性別や障害の有無による待遇差や機会の差を解消する取り組みを行うと、社内で、一部の人が優遇されているという不満や偏見が生まれるケースもあります。従業員間の軋轢を防ぐため、ダイバーシティに対する正しい理解を促進すると共に、制度や支援策を導入する際は、周囲の人も納得感を持って受け入れられるよう、必要性や意味を共有することが重要です。

ダイバーシティ推進の企業事例を紹介

では、ダイバーシティの取り組みは具体的に、どのように進めれば良いのでしょうか。積極的にダイバーシティ推進に取り組む企業の事例をご紹介します。

社内外で障害者の活躍・定着を推進

医療経営コンサルティングや医療モール経営を手がける福岡県の総合メディカル株式会社は、積極的な障害者雇用と、障害のある社員を戦力として活用するための仕組み作りに取り組んでいます。社内に専門部署として業務支援グループを設置して、他部署からの依頼業務の整理や業務スケジュールの調整、定着率が低い精神・発達障害のある社員へのフォローなどを実施して、障害のある社員の活躍や定着を推進。障害の特性に合わせた業務の割り振りによって、業務効率化やコスト削減も実現しています。

また、会社の垣根を超えて地域全体で活躍・定着を推進する「障がい者雇用推進企業ネットワーク」も発足。経済産業省の「新・ダイバーシティ経営企業100選」や「福岡県障害者応援まごころ企業」の認定を受けるなど、その取り組みが高く評価されています。

災害支援や女性専用など多様な休暇制度を導入

産業廃棄物の収集運搬などを手がける広島県の株式会社オガワエコノスは、ダイバーシティの観点から、従業員の私生活の事情と仕事の両立が困難な状況の解消に注力。「治療と仕事の両立」「社会生活と仕事の両立」「家庭と仕事の両立」という3つの両立支援に取り組んでいます。

災害や犯罪被害にあった際に必要な日数を休める災害・犯罪被害支援制度休暇や、生理痛や妊娠期の悪阻、子宮頸がんや乳がんの検査など取得事由を柔軟に認める女性専用の休暇も導入しています。ほかにも、家族の看病のために取得できるファミリーサポート休暇など、従業員が安心して長く働き続けられる環境を作るための多様な制度を導入しています。

シニア人材を活用する制度で生涯現役を支援

東京都のITサービス企業・SCSK株式会社は、すべての人材が年齢に関わらず能力を発揮し続けられる組織を目指し、シニアの活躍を積極的に進めています。2013年から、50代以上の従業員を対象とした人事制度として「実年キャリアプラン」を導入し、65歳完全雇用を実現。2018年には、60歳以降65歳まで正社員としての雇用と、高い組織貢献に応じた処遇を実現する「シニア正社員制度」を導入。現在は、500名を超えるシニア正社員が活躍しています。

2022年には、一定の基準に基づく65歳以降の継続雇用制度「シニアエキスパート制度」も導入し、さらにシニアの活用を促進。年齢の壁なく専門性を活かして活躍できる環境作りを続けています。

福利厚生や休暇制度でLGBTQ当事者が働きやすい環境を整備

自動車部品の製造を手がける愛知県の加藤精工株式会社は、LGBTQ当事者をはじめとする多様な人材にとって働きやすい職場環境作りを進めています。2018年から管理職向け、2021年からは全社員向けに、LGBTQに関する基礎知識や当事者の体験を学ぶLGBTQ研修を実施。ハラスメント等の相談を幅広く受けつける人権相談窓口の設置のほか、異性婚と同様の福利厚生が受けられるパートナーシップ制度や、失効年次有給休暇の積立制度の事由を広げる等の制度の整備を行っています。多目的トイレや更衣室内のブースの設置、作業着を男女共通のデザインにするなど、設備面でも、トランスジェンダー社員が働きやすい環境作りを進めています。

4つの正社員制度で多様な人材のチャレンジを促進

埼玉県の飲食業・株式会社ハイデイ日高では、24時間営業も含む年中無休店舗の体制の維持と人材確保の観点から、多様な働き方のニーズに応える人事制度を整備。ワークライフバランス実現や、多様な人材の活躍推進のため、4つの限定正社員制度を設けています。

勤務地を限定できる「エリア社員」、深夜労働がなくエリア限定で働くことができる「フレックス社員」、育児・介護、治療と仕事を両立したい人や、夢の実現を目指しながら働きたい人向けの「チャレンジ社員」、月40時間以上から勤務可能な「フリー社員」という区分を設定。挑戦したいことがある人や、時短で働きたい人も社員として勤務できる環境を整えています。

ダイバーシティ推進が企業を成長させる!

さまざまなバックグラウンドの人材を新たに採用するだけでなく、すでに自社で働いている多様な人材がより能力を発揮できる仕組みを作ることも、ダイバーシティの取り組みのひとつです。ダイバーシティの推進は、マイノリティや私生活の事情を抱える人だけでなく、すべての従業員にとっての労働環境改善と、企業価値や競争力の向上につながります。今回、ご紹介した企業事例も参考にしながら、自社ならではのダイバーシティ推進策を見つけて、取り組んでみてはいかがでしょうか?

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記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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