エフィカシーとは?社員のやる気を引き出す自己効力感を高めよう

From: 働き方改革ラボ

2023年09月07日 07:00

この記事に書いてあること

社員のモチベーションが低い、人財が定着しないなどの課題を抱えている組織も多いのではないでしょうか。そんな企業の問題解決につながる考え方として注目されているのが、エフィカシー(自己効力感)です。このコラムでは、人財育成や社員の活躍を促進する上で重要なエフィカシーについて、用語の意味や、エフィカシー向上がもたらす効果、また、社員のエフィカシーを高める6つの方法をお伝えします。

エフィカシーとは?

エフィカシーとは心理学用語で、自己効力感のこと。「自分なら達成できる」「自分は人の役に立っている」という自信や、自分は求められる仕事を遂行する能力があると感じている状態を指します。

自己効力感と似た言葉に「自己肯定感」がありますが、このふたつは何が違うのでしょうか。自己肯定感とは、自分の存在自体に対する肯定的な感情で、ありのままの自分を受け止める感覚を指します。一方でエフィカシーとは、自分は能力がある、達成できるという感覚です。自分自身に対する自信と、自分の能力への自信を指すという点で、ふたつは異なります。

エフィカシーが高い人は、「自分ならできる」という感覚を持っているため、難しい状況でも失敗を恐れず、高い目標に対して努力やチャレンジができます。また、ポジティブ思考で、ストレスにも強いという特長があります。

エフィカシーが必要なのはこんな会社

エフィカシーは、変化が激しい時代に競争力を得る上で、重要な考え方です。消費者のニーズや市場の動向などが日々変化し、未来の予測が難しいビジネス環境においては、失敗を恐れずチャレンジする姿勢が求められます。難しい課題を画期的なアイデアで解決したり、新規事業を始めたりして壁を突破する原動力となるのが、エフィカシーです。

特に、時代の変化を重視していない、チャレンジを歓迎しない社風がある会社では、エフィカシーを高める活動は、組織を変えるきっかけになるでしょう。また、生産性や従業員満足度が上がらないことや、離職率の高さに悩む会社の課題解決にも、エフィカシーを上げる取り組みは有効です。

エフィカシーが高い人財が会社をどう変える?

では、エフィカシーが高い人財を育成することで、会社はどう変わるのでしょうか。働く人のエフィカシーを高めるメリットを解説します。

生産性が向上する

エフィカシーの高い人財は、仕事にポジティブに、主体的に取り組むことができます。積極的な姿勢の社員が増えると、組織の生産性が上がります。また、仕事に集中することで、クリエイティブな力も発揮されます。働く人同士のコミュニケーションが活性化すると、課題解決につながるアイデアや、新規事業も生まれやすくなります。

会社やチームのモチベーションが上がる

エフィカシーが高く、意欲的に働く人財が、周りのモチベーションも向上させます。チームや組織の士気が上がるため、それまでよりも高い目標を掲げることができます。また、充実感や仕事への満足感が高まることで、社員の、チームや会社へのエンゲージメントもアップ。人財の定着も見込めます。

チャレンジしやすい風土が生まれる

チャレンジングな社風を育めるのも、社員のエフィカシーを高めるメリットです。「自分ならできる」という社員の意識が、難しい事業に挑戦する力や、実行力につながります。また、エフィカシーはストレス耐性も高めます。エフィカシー向上の取り組みを進めることで、社員が、困難な課題にも自信を持って立ち向かえるようになるでしょう。

エフィカシーを高めるデメリットや注意点

では、エフィカシーを高めることには、デメリットや注意点はあるのでしょうか。

エフィカシーの高い人財は仕事に意欲的で、周囲を巻き込むことができますが、チーム内にエフィカシーが高い人と低い人がいる場合は、注意が必要です。社員間の温度差によって、チームの連帯感が損なわれてしまうこともあります。

また、エフィカシーが高い人財が、周りとの意識のギャップから、仕事への意欲を失ってしまうこともあります。また、高いモチベーションがあるにも関わらず、裁量や成長する機会を与えられなければ、離職してしまうリスクもあります。そのため、エフィカシーを高める取り組みを進める上では、社員たちの意識のギャップを生まないことが重要です。

エフィカシーを高める6つの方法

生産性向上や、働く人の満足度にもつながるエフィカシー。では、社員のエフィカシーを高めるには、どのような方法が有効なのでしょうか。リーダー層が部下に対してできる6つの具体策をご紹介します。

上層部やリーダーの意識改革

働く人のエフィカシーを高める上での前提となるのが、経営層やリーダーの意識改革です。エフィカシーが高い人の活躍を促進するために、意欲を持って取り組んだ結果の失敗を責めず、チャレンジを許容する風土を醸成しましょう。上層部やリーダーがエフィカシーの重要性を理解し、社員たちが自信を持って、能力を十分に発揮できる環境を作ることが重要です。

一人ひとりに合った適度な目標を設定する

社員のエフィカシーを高める方法のひとつが、やりがいを持って仕事に取り組める目標を設定することです。到達が難しい目標は社員のやる気を損ないますが、難易度が低い目標でも、成長を感じることができません。社員の能力に応じた、チャレンジングかつ、達成可能な適度な目標を設定して、モチベーションを引き出しましょう。

スモールステップで成功体験を積ませる

社員のエフィカシーを高めるには、成功体験を多く積むことが重要です。難しい課題をクリアしたり、努力の結果、目標を達成できたりした経験が、「自分は成し遂げる力がある」という気持ちを育みます。できるだけ細かく目標を設定して、社員に「達成した」という感覚を得られる機会を多く作りましょう。

目標達成へ向けてサポートする

成功体験を積ませるために、リーダーが部下をサポートできる体制を整えましょう。上司や周りの手助けを得られる環境や、失敗したときにもフォローが受けられるという安心感があれば、社員が失敗を恐れず、果敢にチャレンジすることができます。

リーダーは、部下との信頼関係を築き、定期的なコミュニケーションと目標達成へのフォローを欠かさないことが大切です。またその際には、社員に自信を持ってもらえるよう、上から指示をするのではなく、社員に考えさせ、自ら決定させるように意識しましょう。

リーダーがポジティブな言葉をかける

自分の力に自信を持たせるため、部下に、ポジティブな言葉をかけ続けることも重要です。目標を達成できたときは、部下のどのような行動や判断が良かったのかを具体的に伝えて評価しましょう。目標未達や失敗の際にも、行動やチャレンジ自体をポジティブな言葉で評価し助言することで、次の成功につながります。

1on1やメンター制度で先輩との接点を作る

エフィカシーを高めるには、目標にできる人や、エフィカシーの高い人との接点を作ることが有効です。上司と定期的に面談をする1on1や、年齢の近い先輩が後輩をフォローするメンター制度など、若手社員が、エフィカシーの高い社員から良い影響を受けられる機会を作りましょう。自分の成長ぶりや評価について定期的にフィードバックを受けることも、社員の自信につながります。

エフィカシーを尊重して活気ある組織になろう!

人財育成や働き方改革を成功させる上でも役立つ、エフィカシーの考え方。その効果や具体策から、人財や生産性の問題を打破するヒントを得られたのではないでしょうか。働く人のエフィカシーを高めて、チャレンジを恐れない組織になりましょう!

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記事執筆

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