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エンパワーメントとは?注目されている理由やメリット・デメリットを解説!

From: 働き方改革ラボ

2025年01月15日 07:00

この記事に書いてあること

従業員の主体性向上や成長において、エンパワーメントは重要な役割を果たします。エンパワーメントとは、従業員への権限移譲や自律性を促進することです。この記事では、エンパワーメントとは何か、注目されている理由、メリットなどを解説します。エンパワーメントを導入する際の手順や注意点についても解説するので、参考にしてください。

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エンパワーメントとは?

エンパワーメントとは、力や権限を与えることを意味する言葉です。社会や組織において、構成員それぞれが力をつけて、大きな影響を与えることを指します。ビジネスシーンでは、権限委譲や自律性促進、能力開花といった意味で用いられます。力や権限を与えることで、従業員の自律性の促進や能力の開花に繋げることが目的です。

エンパワーメントが注目されている理由

エンパワーメントが注目されている理由は多岐にわたります。以下は、具体的な理由とそれぞれの詳細です。

少子高齢化による人材不足への対策になる

昨今の日本では少子高齢化が加速しており、多くの企業で人材不足に陥っています。そのため、現在所属している人材を育て、能力を活かす方向に切り替えている企業が多くなっています。そのような状況のなか、効率的かつ効果的な教育の一環として注目されている人材育成の手法がエンパワーメントです。エンパワーメントは、従業員に責任を与えて経験を積ませるために実施されます。

VUCA時代へ対応できる人材を育成できる

VUCA時代の到来により、柔軟に対応できる人材の需要が高まりつつあります。VUCA時代とは、未来を予測することが難しく、既存の価値観が通用しなくなる可能性がある時代です。VUCA時代は変化のスピードが速く、迅速な判断や対応が求められます。権限を委譲し現場で判断できれば、迅速な意思決定により機会損失を防ぐことが期待できます。

効果的かつ素早い経営判断を実現しやすい

ビジネスシーンにおける変化が早い現代では、迅速な意思決定が求められます。そのため、上層部が会議で事業の細部を決める従来の方法は合わなくなってきました。権限委譲を行うことで現場での判断をしやすくし、効果的で迅速な経営判断を実現できます。

エンパワーメントを導入するメリット

エンパワーメントを導入すると、さまざまなメリットを得られます。具体的なメリットとそれぞれの詳細は、以下の通りです。

従業員の主体性が向上する

エンパワーメントによって、自分で判断や決定できる範囲が広がります。そのため、自分で考えて業務に取り組むようになり、主体性が向上しやすくなります。ノウハウが蓄積し判断力が向上すれば、より積極的に行動することが可能です。

エンゲージメントが向上する

自分のやり方や判断で業務に取り組むと、モチベーションが上がりやすくなります。また、主体性や責任感を持つことにもつながります。業務に対するエンゲージメントの向上にも効果的です。エンゲージメントの向上は、さまざまなメリットをもたらします。たとえば、定着率が高まって離職を防ぐ効果や、生産性の向上による業績の改善などが挙げられます。

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エンパワーメントを導入するデメリット

エンパワーメントを導入する際には、デメリットに注意が必要です。ここからは、具体的なデメリットを解説します。

従業員のモチベーションが低下する可能性がある

自分で考えて動くよりも、指示に従って動くほうが得意な人も少なくありません。また、権限委譲をしても、実質的に放任という状態になると、従業員の不満が高まりかねません。以上の理由から、エンパワーメントを導入すると、従業員のモチベーションが低下する可能性があります。

組織の方向性や目的がぶれやすい

組織としての方向性や目的が定まっていない状態でエンパワーメントを実施すると、さまざまな問題が発生しかねません。たとえば方向性が定まっていないと、部署ごとに方針が異なることも考えられ、社内での対立が起こる可能性があります。また、目安となる判断基準が曖昧になると、従業員それぞれの行動が統一されないことも懸念されます。その結果、従業員によって顧客対応が変わってしまい、会社そのものに対する顧客の信頼を失ってしまう可能性があります。

ミスが増加する可能性がある

エンパワーメントを実施すると、従業員自身が判断したり決定したりする場面が増えるでしょう。そのため、ミスも増える可能性があります。また、権限や責任を担うことにストレスを感じ、業務に支障が出る可能性もあります。

権限移譲に重圧を感じる社員もいる

意思決定の範囲が広がるとモチベーションが上がる社員がいる一方で、権限を与えられるとた権限にプレッシャーに感じる人もいることには、注意が必要です。与えられた権限と、判断に必要な知識や能力のバランスが取れていない社員がいるかもしれません。また、上司から指示を受けて働くことに徹したほうが、能力を発揮できる人もいます。単に大きな裁量を与えるのではなく、社員の適性や個人の希望も考慮して、ひとりひとりに適した権限委譲を行うことが大切です。

エンパワーメントを導入する際の手順

エンパワーメントを導入する際には、適切な手順を踏むことが重要です。以下は、具体的な手順とその詳細です。

1.エンパワーメントの推進を宣言する

エンパワーメントの導入が決まったら、組織のトップがエンパワーメントの推進を宣言しましょう。一方的にエンパワーメントの推進を知らせるのではなく、従業員の理解を得られるように説明することが大切です。具体的には、自社にエンパワーメントが必要な理由や、従業員への影響などを詳細に説明することが重要です。

2.目標への合意や共感を獲得する

エンパワーメントの推進を宣言しても、従業員の合意や共感を得られなければ効果は望めません。目標への合意や共感を獲得するために、エンパワーメントの導入に関する勉強会やディスカッションを開きましょう。エンパワーメントによって生まれるメリットを説明し、従業員の不安や疑問を解消することが大切です。

3. 権限移譲に関するルール作りと情報共有

権限委譲のルールを作成します。意思決定ができる範囲や、権限を与える対象者などのルールを確立し、社内にもれなく周知しましょう。権限を与えられた社員の判断基準となる、企業のビジョンや経営方針を共有することも大切です。社員の決定が、組織としての方向性に大きく反するという事態も防げます。

4. フォロー体制の構築

エンパワーメントを進める前に、リーダーの管理方法やトラブル時の対策といったフォロー体制を確立しておきましょう。リーダーが、エンパワーメントの効果や、社員の能力アップについて把握するためにも、状況を把握できる体制を整えておくことが重要です。フォロー体制があることで、権限を与えられた社員が安心して、仕事をすることができます。

5.定期的な見直しを行う

社員の能力を引き出し、組織としてのパフォーマンスを向上させるためには、権限移譲後も、権限が及ぶ範囲や期間・対象などを定期的に見直し、改善していく必要があります。

エンパワーメントを導入する際の注意点

エンパワーメントを導入する際には、いくつか注意するべき点があります。ここからは、具体的な注意点とそれぞれの詳細を解説します。

委譲する権限の範囲を明確にする

権限を委譲する際には、範囲を明確にしないと失敗につながる可能性があるため、注意が必要です。権限を委譲されたからといって全ての決定権を渡してしまうと、判断ミスにより損失が発生する可能性があります。そのため、権限を委譲する範囲や上司の判断が必要な部分を明確にすることが大切です。

判断基準を明確にする

権限を委譲することによって従業員それぞれが個別に意思決定すると、組織の統一性を保ちにくくなります。また、従業員によっては業務全体を見通せず、部分的には適切でも全体的には誤った判断をしかねません。組織の統一性を保つためには、一定のルールを設けた上で権限を委譲しましょう。

失敗しても責めない

エンパワーメントを実施してから間もないうちは、何かしらの失敗をする従業員も少なくありません。しかし、自身で判断や決定する範囲が拡大した環境では、慣れないことも多くあります。そのため、失敗しても責めすぎずフォローすることが大切です。

責任を放棄しない

権限移譲は、権限を移すことで各従業員が自由に裁量を発揮することを目的としています。責任を負うのは、管理職や権限を付与した上司です。そのため、部下に権限を付与した結果、損害が発生しても、責任は権限を付与した上司にあります。権限と同時に責任まで負わせてしまうと、それはエンパワーメントではなく、単なる責任の放棄になってしまいます。

目的と手段を間違えない

エンパワーメントの目的は、従業員それぞれの判断や決定に関する自由度を上げ、自発的な成長を促進することです。権限移譲の実施や従業員に自由を与えることは手段であり、それらが目的にならないように注意しましょう。

エンパワーメントを高めるための手段

エンパワーメントを高めるための手段はいくつかあります。以下は、具体的な手段とそれぞれの詳細です。

決定権を持たせる

小さいことからでも従業員に決定権を持たせ、自由な方法で対応させると、エンパワーメントが高まりやすくなります。たとえば、業務のやり方を指示するのではなく、従業員自身が考える効率のよい方法で進めさせるなどが挙げられます。その際、上手くいかなくても一定期間は指摘をせず、見守ることが大切です。なお、改善が見込めないと判断した場合は、一緒に解決策を考えましょう。

成功体験を増やす

決定権を与えられた従業員は、自ら試行錯誤しながら業務を進めることができます。失敗や挫折があっても、解決のための施策を自分で考える力がつけば、成功体験を増やせるため効果的です。

適切に権限を委譲する

権限を委譲する際には、適切な範囲を意識することが重要です。必要以上の権限を与えてしまうと、その大きさに従業員が萎縮し、自発性や積極性を失う可能性があります。しかし、いつまでも権限を与えないと、従業員が不満に思う可能性もあります。そのため、必要なタイミングで適切な権限を与えることが重要です。

まとめ

厳しい時代を生き抜く組織になるためには、自ら考えて行動できる人材が欠かせません。エンパワーメントを活用すると、人手不足の改善や競争力の向上につながります。また、昨今推進されている働き方改革にもエンパワーメントは貢献します。注意点や導入ポイントをおさえて、エンパワーメントを取り入れてみてはいかがでしょうか?

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記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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