ギグワーカーとは｜活用のメリットや注意点、失敗しないためのポイントを解説

近年、働き方が多様化するなかで「ギグワーカー」が注目されています。本記事では、ギグワーカーとはどのような働き方なのか、ギグワーカーを活用しやすい仕事の種類、活用するメリット・デメリット、ギグワーカー活用にあたって失敗しないためのポイントを解説します。ギグワーカーの探し方も解説するため、ぜひ参考にしてください。

ギグワーカーとは

ギグワーカーは特定の企業に所属せず、主にインターネット上のプラットフォームやアプリを経由して、単発で仕事を請けて働く人を指します。ギグワーカーの仕事だけで生計を立てている場合もありますが、正社員やパート・アルバイトとして、企業で働きながら副業でギグワーカーの仕事をする場合もあります。

ギグワーカーの語源や「ギグ」の意味

「ギグ（gig）」はもともと、ミュージシャンがその場限りのセッションをすることを指す言葉です。「ギグ」と「働く人」という意味の「ワーカー」が合わさって、「単発で働く人」を表す、ギグワーカーという言葉が使用されるようになりました。

フリーランスやアルバイトとの違い

ギグワーカーもフリーランスも企業に雇用されない働き方ですが、フリーランスはプラットフォーム上だけでなく、人脈や営業活動によって仕事を請け負う働き方を指します。

ギグワーカーは主に単発で仕事を受注しますが、フリーランスは、特定の取引先から継続的に仕事を引き受けることも珍しくありません。

また、アルバイトは企業に雇用される働き方ですが、ギグワーカーは取引先と雇用契約を結んでいません。

ギグワーカーが注目される理由

近年ギグワーカーが注目される背景には、労働者不足や雇用の不安、副業の解禁といった社会的な要因や、インターネット・アプリ上のプラットフォームの普及などがあります。

働き手が不足するなか、人材育成に時間をかける余裕のない企業やコストを節約したい企業にとって、スポットで活用できるギグワーカーは貴重な人材として注目されています。

ギグワーカーに多い仕事の種類

ここでは、ギグワーカーに多い仕事の種類を紹介します。短時間で完了する配達などの仕事の他、専門性の求められる仕事もあります。

Webライティング

企業のWebサイトやオウンドメディアやブログなど、インターネット上に掲載するコンテンツの文章を執筆する仕事です。ギグワーカーのスキルに応じて、企画・構成や取材などを依頼できる場合もあります。

Webデザイン

発注者の依頼内容に沿って、WebサイトやアプリのUI／UXをデザインする仕事です。デザインは見た目のよさだけでなく、ユーザーが使いやすいか、発注者の目的が達成できるデザインかも重要です。ギグワーカーのスキルにより、コーディングまで行う場合もあります。

動画編集

撮影した動画の切り取りや、テロップ・BGM・効果音の挿入などの編集を行う仕事です。動画編集ソフトや画像加工ソフトを扱う知識・スキルはもちろん、視聴者の興味を引く編集のセンスも求められます。

エンジニア・プログラマー

Webサイトやアプリなどの設計やプログラミングを行う仕事です。専門的な知識やスキルが必要な職種のため、社内でのエンジニア・プログラマー育成が難しい企業にとっては、ギグワーカーの活用が有力な選択肢になるでしょう。

コンサルタント

ギグワーカーとして、企業経営などのコンサルティングを請け負うケースも増えてきています。コンサルタントを活用すれば、社内では気がつきにくい観点からの指摘を受けられる可能性があるため、課題の解決に向けて検討してみるとよいでしょう。

翻訳

語学に長けた翻訳者は、スキルを生かしてギグワーカーとして活躍しやすい職種です。英語や中国語などのメジャーな言語をはじめとして、さまざまな専門性を持つギグワーカーを活用できる場合もあるでしょう。

配達や家事の代行

配達や家事の代行などの仕事も近年増加しています。フードデリバリーはコロナ禍を経て需要が高まりましたが、自転車やバイクが運転できれば業務を遂行できるため、特別なスキルを持たなくても受けられる仕事です。

企業がギグワーカーを活用するメリット

働き手不足のなか、企業がギグワーカーを活用するメリットは大きくなっています。ここでは、ギグワーカーを活用するメリットを解説します。

採用のコストを削減できる

人材の採用にはさまざまなコストがかかります。雇用する人材の人件費や福利厚生費だけでなく、面接官の人件費や業務の引き継ぎコストも忘れてはいけません。

ギグワーカーは企業と雇用契約を結ばないため、仕事に対する報酬以外の費用を削減できます。人材雇用では採用してから実際の稼働までに期間が空きますが、ギグワーカーはすぐに稼働できる場合もあり、稼働までの期間を短縮できる点もポイントです。

単発で人材を確保できる

業務の繁忙期など、必要な時期だけ人材を確保したい場合もギグワーカー活用が有効です。雇用契約では閑散期に人員が過剰になってしまうこともありますが、ギグワーカーには単発で仕事を発注することができるため、柔軟に人材を確保できます。

多くのギグワーカーが登録しているプラットフォームを選べば、人材が確保しやすくなり安定性が増すでしょう。

スキルを持った人材を活用できる

エンジニア・デザイナー・ライター・動画編集者などは、専門的なスキルが必要な職種のため、社内で一から育成するには時間とコストが必要です。プロフェッショナルなスキルを持ったギグワーカーを選べば、社内にないノウハウを持つ人材をすぐに活用できるでしょう。

企業がギグワーカーを活用するデメリット

ギグワーカーを活用する際には、頭に入れておくべきデメリットや注意点もあります。

人材によってスキルにばらつきがある

同じ職種のギグワーカーであっても、人材によってスキルはまちまちです。特に専門性の高い仕事では、ギグワーカーの経験やスキルによって品質が大きく左右されてしまいます。

発注側の企業は、求める品質が達成できるスキルを持つギグワーカーを、しっかりと見極める必要があります。

情報漏洩の恐れがある

ギグワーカーは個人のため、依頼にあたっては情報漏洩などセキュリティ上のリスクが否定できません。

プラットフォームの規約をよく確認し、どのような情報ならギグワーカーに開示してもよいか、社内で事前に検討しておきましょう。

好きなときに適切な人材を確保できるとは限らない

短納期の仕事や高い専門性が必要な仕事など、条件次第では適したギグワーカーが見つからないこともあります。

募集すれば必ずギグワーカーが見つかるわけではないことを念頭に置き、報酬などの条件も適切に設定する必要があるでしょう。

ギグワーカーの探し方と活用するまでの流れ

ギグワーカーを活用する場合、まずはどのようなギグワーカーが必要なのか社内で検討しましょう。職種や求めるスキルや経験のレベル、報酬をはじめとした条件面などの要件を具体的に決める必要があります。

要件が固まったら、プラットフォームに登録してギグワーカーを募集しましょう。主なプラットフォームとしては、以下のようなサービスが挙げられます。

• ・GIGWORKS：代表的なギグワーカー向けプラットフォームで、在宅でできる仕事を含めて毎月1,000件を超える案件が集まる
• ・Timee：全国で約700万人のギグワーカーが登録しているスマートフォンアプリ。最短即日でマッチング可能。 全国19,000か所以上の店舗に導入されている
• ・Lancers：インターネット上でさまざまな職種のワーカーへの受発注ができる、大手クラウドソーシングサービス

ギグワーカーの活用で失敗しないためのポイント

まずは、ギグワーカーが発注前に定めた要件に合致しているか吟味しましょう。プラットフォームに登録されている経歴や過去の実績、ポートフォリオ、保有資格などが参考になります。

スキル面だけでなく、最後まで仕事をやり遂げる責任感や、コミュニケーションの取りやすさなども重要です。従業員を雇用する際と同様に人間性や人格的な要素も審査しましょう。

実際の稼働が開始したら、納品物が自社の求めるクオリティになるよう、フィードバックを行うこともポイントです。

まとめ

ギグワーカーは単発で仕事を請け負う働き方をしている人であり、近年人材不足に悩まされている企業から注目されています。コストの節約や高いスキルを持つ人材の活用などのメリットがありますが、最大限に活用するためにはギガワーカーに求める条件を明確にし、しっかり吟味することが重要です。

労働力の確保や組織の生産性向上に課題を感じているなら、自社の働き方を見直してみましょう。

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