HubSpotチャットボットの作り方は?設定手順から公開まで徹底解説
2026年02月27日 07:00
この記事に書いてあること
Webサイトを訪れたユーザーに対して、24時間365日休まずに対応してくれるチャットボット。HubSpotを導入している企業であれば、追加のツールを契約することなく、この強力な機能をすぐに利用開始できます。しかし、いざ設定しようとすると「どのメニューから作ればいいのか」「シナリオはどう組めばいいのか」と迷ってしまう担当者も少なくありません。
この記事では、HubSpotでのチャットボット(チャットフロー)の作り方を、初期設定から公開までステップバイステップで解説します。プログラミングの知識がなくても、HubSpotの管理画面だけで設定を完結させる方法をお伝えします。読み終わる頃には、自社の目的に合ったチャットボットを作成し、サイト上で稼働させるための具体的な手順が明確になります。
※本記事の内容は、執筆時点での各サービスに関する情報を基にしています。各サービスの仕様や提供機能、料金体系などは今後変更される可能性があります。最新の情報については、各公式サイトをご確認ください。
HubSpotチャットボットで何ができるのか?

HubSpotのチャットボットは、単なる自動応答ツールではありません。CRM(顧客関係管理)プラットフォームの一部として機能するため、顧客情報の蓄積や営業活動の自動化において大きな力を発揮します。
まずは、この機能を使うことで具体的にどのようなメリットが得られるのかを確認します。
参考:無料のチャットボット作成ツールで対応を自動化|HubSpot(ハブスポット)
【関連記事】バックオフィス業務のDX化とは|DX化が必要な背景や得られる効果、注意点などを解説 | 働き方改革ラボ | リコー
24時間体制の自動対応
最大のメリットは、人間の担当者が不在の時間帯でもユーザー対応が可能になることです。深夜や休日にサイトを訪れた見込み客からの「資料が欲しい」「料金を知りたい」といった問い合わせに対し、ボットが即座に応答します。これにより、機会損失を防ぐだけでなく、ユーザーを待たせないことで顧客満足度の向上にもつながります。
CRMデータとの自動連携
一般的なチャットボットツールとは異なり、HubSpotのチャットボットはHubSpot CRMと完全に統合されています。チャットボットを通じてユーザーが入力した名前、メールアドレス、会社名などの情報は、自動的にHubSpot上の「コンタクト」として登録・更新されます。手動で顧客リストに入力し直す手間が省けるため、データ管理の効率が劇的に向上します。
有人チャットへのスムーズな接続
チャットボットですべての質問に答える必要はありません。複雑な質問や商談につながりそうな重要な案件については、チャットボットから人間の担当者(有人チャット)へスムーズに引き継ぐことができます。定型的な質問はボットが処理し、重要な対応にだけ人間が集中するという、効率的な役割分担が可能になります。
チャットボット作成を始める前の準備
管理画面でいきなり設定を始めると、途中で設定項目に迷ってしまいがちです。スムーズに作成を進めるために、事前に整理しておくべき3つのポイントがあります。これらを決めておくことで、設定作業が迷いなく進みます。
導入目的とゴールの明確化
なぜチャットボットを設置するのか、その目的をはっきりさせます。「資料請求を増やしたい」のか、「よくある質問への回答を自動化してサポート工数を減らす」のかによって、選ぶべきテンプレートや設定するメッセージが全く異なります。まずは「このボットに何をさせたいか」を一つだけ決めることが重要です。
設置ページとターゲットの選定
サイト内のすべてのページに同じチャットボットを表示させる必要はありません。例えば、料金ページを見ているユーザーには「お見積もりはこちら」というボットを出し、ブログ記事を読んでいるユーザーには「メルマガ登録」を促すボットを出すなど、場所に応じた出し分けが可能です。どのページの、どのようなユーザーに対してボットを表示するかを事前に計画します。
会話シナリオの設計
ボットが最初に何と話しかけ、ユーザーがどう答えたら、次に何を返すかという「会話の設計図」を作ります。複雑にする必要はありませんが、紙やホワイトボードを使って簡単なフロー図を書いておくと、設定時の混乱を防げます。
質問の選択肢は「はい/いいえ」や「資料請求/問い合わせ」など、ユーザーがタップするだけで答えられる形式にしておくのがコツです。
HubSpotでチャットボットを作成する方法

ここからは実際のHubSpot管理画面を使った作成手順を解説します。HubSpotではチャットボットのことを「チャットフロー」という機能で管理しています。以下の手順に沿って進めることで、基本的なチャットボットが完成します。
チャットフローの新規作成
まず、HubSpotにログインし、グローバルナビゲーションの「コミュニケーション」から「チャットフロー」を選択します。画面右上の「チャットフローを作成」ボタンをクリックすると、作成ウィザードが開始されます。「ウェブサイト」を選択し、次に進みます。ここで「Facebook Messenger」を選ぶこともできますが、自社サイトに設置する場合は「ウェブサイト」を選びます。
目的に合ったテンプレートの選択
チャットフローの作成画面では、左サイドバーから目的に応じたテンプレートを選択できます。HubSpotにはあらかじめいくつかのシナリオが用意されています。
| テンプレート名 | 特徴と用途 |
| コンシェルジュボット | 訪問者の目的に応じて担当者を割り当てたり、ナレッジベースを案内したりする総合型。 |
| リードの適格判定ボット | 訪問者の情報を収集し、有望なリードかどうかを判断するための質問を行う営業向け。 |
| ミーティングボット | カレンダー機能と連携し、チャット上で日程調整を完結させる。 |
| チケットボット | 問い合わせ内容からサポートチケットを自動作成するカスタマーサポート向け。 |
| ゼロから始める | テンプレートを使わず、すべての挙動を自分で自由に設定する。 |
初心者の場合は「ゼロから始める」よりも、目的に近いテンプレートを選んでカスタマイズする方が簡単です。慣れてきたら「ゼロから始める」で独自のフローを構築することをおすすめします。
歓迎メッセージと質問項目の設定
テンプレートを選ぶと、チャットフローの編集画面(ビルダー)が開きます。最初に設定するのは「歓迎メッセージ」です。これはチャットウィンドウが開いたときに最初に表示される挨拶文です。「こんにちは!何かお困りですか?」のように、親しみやすく、かつ何ができるボットなのかが伝わる文章を入力します。
次に、ユーザーへの質問を設定します。画面上の「+」マークなどをクリックしてアクションを追加し、「質問する」を選びます。質問に対してユーザーが入力した回答を、HubSpot上のどのプロパティ(氏名、メールアドレスなど)に保存するかを指定します。これにより、会話が進むと同時にCRMへのデータ保存が完了します。
条件分岐による出し分け設定
より高度なボットにするために「if/then分岐(条件分岐)」を設定します。これは「もしユーザーがAと答えたらXのメッセージを、Bと答えたらYのメッセージを表示する」という機能です。
例えば、「ご用件は何でしょうか?」という質問に対し、「製品について」と答えた人には製品紹介のリンクを、「サポートについて」と答えた人にはサポート担当者への転送を行う、といった具合です。この分岐を使うことで、ユーザー一人ひとりに合わせた自然な会話体験を提供できます。
なお、複雑な分岐機能はHubSpotのプラン(Service Hub Professional以上など)によって制限がある場合があるため、契約プランの確認が必要です。
表示条件とターゲットの設定
チャットボットの中身ができたら、画面上部の「対象」タブをクリックして、表示条件を設定します。ここでは「誰に」「どこで」ボットを表示するかを細かく指定できます。
ウェブサイトURL:特定のURL(例:/pricing)を含むページでのみ表示させる設定です。
訪問者情報:特定のリストに含まれるユーザーや、特定の国からのアクセスなど、ユーザー属性に応じた表示制限も可能です。
すべてのページに表示させるとユーザーの邪魔になることもあるため、最初は「お問い合わせページ」や「料金ページ」など、ユーザーの熱量が高いページに絞って表示することをおすすめします。
外観デザインと動作の調整
「表示」タブでは、チャットウィジェットのデザインを調整します。ブランドカラーに合わせて色を変更したり、ボットのアイコン(アバター)を設定したりできます。企業のロゴや、親しみやすいキャラクターの画像を設定すると、クリック率が向上する傾向にあります。
また、チャットウィンドウをいつ開くかという「トリガー」の設定もここで行います。「ページを開いてすぐ」だけでなく、「ページを50%スクロールしたら」や「滞在時間が30秒経過したら」といった設定が可能です。ユーザーの行動を邪魔しないタイミングを見極めることが大切です。
公開前のプレビューとテスト
すべての設定が終わったら、右上の「プレビュー」ボタンで実際の動作を確認します。PC表示だけでなく、スマホやタブレットでの表示も必ずチェックしてください。選択肢の文字が長すぎてスマホで見切れていないか、分岐が正しく動作しているかを入念に確認します。
問題なければ、画面右上のスイッチを「オン」に切り替えます。これでチャットボットがWebサイト上で公開され、稼働を開始します。HubSpotのトラッキングコードがサイトに埋め込まれていれば、即座に反映されます。
運用で成果を出すためのポイント
チャットボットは「作って終わり」ではありません。公開した後こそが本当のスタートです。データを分析し、改善を繰り返すことで、より成果の出るボットへと成長させていきます。
離脱ポイントの分析と改善
HubSpotのチャットフロー画面では、各ステップでどれくらいのユーザーが離脱したかを確認できます。特定の質問で多くのユーザーがチャットを終了している場合、その質問が答えにくい、あるいは選択肢が適切でない可能性があります。離脱が多い箇所の文言を短くしたり、選択肢を減らしたりして、完走率(最後まで会話を終える率)を高める改善を行います。
ユーザー体験を優先した設計
自動化は便利ですが、ユーザーにとっては「たらい回し」に感じることもあります。「選択肢にない質問をしたい」「とにかく人間と話したい」というユーザーのために、常に「その他」や「担当者と話す」という逃げ道を用意しておくことが重要です。無理にボットだけで完結させようとせず、ユーザーの利便性を最優先に考えます。
社内通知とフォロー体制の構築
チャットボット経由で問い合わせやリード獲得があった際、誰がどのように対応するかを社内で決めておきます。HubSpotのワークフロー機能を使えば、チャットで特定の回答があった瞬間に営業担当者へSlackやメールで通知を送ることも可能です。ボットが獲得したホットなリードを放置せず、人間が即座にフォローできる体制を整えることで、成約率は大きく向上します。
この記事のまとめ
HubSpotでのチャットボット作成について解説しました。この記事の要点をまとめます。
・HubSpotチャットボットはCRM連携が強みであり、24時間対応と顧客データ蓄積を同時に実現します。
・作成手順は「チャットフロー作成」「テンプレート選択」「メッセージ設定」「表示条件設定」の順に進めます。
・公開後は離脱箇所を分析し、ユーザーにとって使いやすいシナリオへ改善し続けることが成果への近道です。
まずはシンプルな「よくある質問ボット」や「資料請求ボット」から作成し、小さく運用を始めてみてください。チャットボットが貴社の新しい「優秀な営業担当」として活躍することを願っています。
チャットボットの構築にあたり、自社の課題に合うサービスの選定は欠かせません。種類ごとの特徴や、選び方のポイントをまとめた資料をご用意しました。導入検討のヒントとして、ぜひお役立てください。
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記事執筆
働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
「働き方改革ラボ」は、”働き方改革”が他人ゴトから自分ゴトになるきっかけ『!』を発信するメディアサイトです。
「働き方改革って、こうだったんだ!」「こんな働き方、いいかも!」
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