社内チャットボット導入事例5選!問い合わせ対応を効率化するには?
公開日:2026年03月31日
この記事に書いてあること
「また同じ質問の電話がかかってきた」「マニュアルを見れば分かる内容なのに」と、日々の問い合わせ対応に頭を抱えていませんか?情報システム部や総務・人事部などの管理部門において、社内からの問い合わせ対応は業務時間の大きな割合を占める深刻な課題です。コア業務に集中したくても、チャットや電話の通知が鳴るたびに作業が中断され、残業が増えてしまう現状を変えたいと感じている方は多いでしょう。
この記事では、社内チャットボットを導入して業務効率化に成功した企業の事例を具体的に解説します。実際にどのような課題を抱え、どうやって解決したのかを知ることで、自社に最適な活用イメージが湧くはずです。さらに、導入のメリットや失敗しないための選定基準、具体的な導入ステップまで網羅してお伝えします。読み終わる頃には、自社の課題を解決するための具体的なアクションプランが見えてくるようになります。
【部門別】社内チャットボットの導入事例5選
実際にチャットボットを導入して成果を上げた企業の事例を見ていきましょう。部門ごとに抱える課題は異なりますが、どの企業もツールの特性を活かして劇的な業務改善を実現しています。
ここでは情報システム、人事・総務、経理、営業、そして全社規模での導入事例を紹介します。
【総務・人事】リコーリース株式会社:問い合わせ対応の自動化
リコーリース株式会社では、社内からの問い合わせ対応を効率化するためにチャットボットを導入しました。以前は担当者が電話やメールでの対応に追われ、本来の業務に集中できないという課題を抱えていましたが、導入によって自己解決率が向上しています。
よくある質問をチャットボットに集約した結果、月間の問い合わせ件数が大幅に減少したそうです。さらに、24時間いつでも回答を得られる環境が整ったことで、利用する社員側の利便性も高まりました。現在は回答精度の向上を図るため、定期的なメンテナンスを行いながら活用範囲を広げています。
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【DX推進・IT】株式会社大林組:システムの操作サポート
株式会社大林組では、基幹システムの刷新に伴って発生する膨大な操作問い合わせへの対策としてチャットボットを活用しています。新しいシステムの導入直後は操作に関する質問が集中しやすいため、ヘルプデスクの負担を軽減することが急務でした。
チャットボットが操作手順を即座に回答する仕組みを構築したことで、担当者の工数削減に成功しています。また、ユーザーが知りたい情報へ迅速に辿り着けるようになり、システム全体の定着化にも寄与しました。マニュアルを読み込む手間を省き、現場の生産性を維持するための強力なツールとして機能しています。
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【営業推進】リコージャパン株式会社:営業担当者の情報検索を効率化
リコージャパン株式会社では、特定商品の販売に関する社内ナレッジが分散し、営業担当者が情報を探すのに時間がかかるという課題がありました。同時に、商品担当部門は営業からの問い合わせ対応に多くの時間を費やしていたそうです。
そこで、社内ナレッジを活用できるAIチャットボットを導入しました。導入後は、営業担当者が情報検索に要する時間が大幅に短縮されています。また、商品担当部門への問い合わせ件数と対応時間も半減し、業務負荷の軽減につながりました。基本的な質問がボットで解決されるため、担当者は個別対応が必要な業務に集中できています。
【経理】リコージャパン株式会社:経理規定の検索性と利便性を向上
リコージャパン株式会社のコーポレートセンター経理部では、社内規程の検索性の低さが課題となっていました。以前は、約1万8千名もの社員から寄せられる経費精算や会計処理に関する膨大な問い合わせに対し、担当者が電話やメールで個別に対応していたそうです。
チャットボットを導入したことで、社員が知りたい情報を自ら即座に検索できる環境へと改善されました。導入後は、定型的な質問への対応工数が削減され、経理担当者が専門性の高い本来の業務に注力できる時間が増えています。また、24時間いつでも正確なルールを確認できるようになったため、全社的な業務の効率化にも寄与しています。
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【情報システム】株式会社トーエル:ITヘルプデスクの一次回答を自動化
株式会社トーエルでは、基幹システムの操作方法やPCの不具合に関するITヘルプデスク業務にチャットボットを活用しています。従来は情報システム部門へ直接電話がかかってくることが多く、作業が中断されることが課題となっていました。
チャットボットがFAQに基づいた一次回答を代行することで、定型的な問い合わせの電話本数を抑えることに成功しています。夜間や休日など、担当者が不在の時間帯でも基本的なサポートを提供できる体制が構築されました。利便性の向上により、社内全体のITリテラシー向上を支えるツールとして定着しています。
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社内チャットボット導入で得られる3つのメリット

事例からも分かるように、社内チャットボットの導入は単なる業務効率化に留まらず、組織全体の働き方改革に繋がるメリットがあります。ここでは、導入によって得られる具体的な3つの効果について深掘りします。
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メリット |
具体的な効果 |
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工数削減 |
同じ質問への回答時間がなくなり、コア業務に集中できる |
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生産性向上 |
疑問が即座に解消され、業務が中断しない |
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利便性向上 |
時間や場所を問わず、スマホからでも回答が得られる |
問い合わせ対応の工数を大幅に削減できる
最大のメリットは、管理部門の担当者が抱える「問い合わせ対応」というノンコア業務を劇的に減らせることです。「PCが起動しない」「有給休暇の申請方法は?」といった定型的な質問は、チャットボットが自動で回答してくれます。
人間が対応すべきなのは、判断が必要な複雑な案件や、従業員の個人的な相談といった重要度の高い業務だけに絞り込まれます。これにより、限られた人的リソースを有効活用でき、残業時間の削減や人件費の抑制にも直結します。
従業員の自己解決を促し生産性が向上する
質問をする側の従業員にとっても、業務効率が格段に上がります。マニュアルを探し回ったり、担当部署に電話して保留音を聞かされたりする時間がなくなるからです。チャットボットにキーワードを入力するだけで、必要なマニュアルや申請フォームへのリンクが即座に提示されます。
疑問を持ったその瞬間に解決できるため、業務のリズムを崩すことなく仕事を進められます。自己解決の文化が定着すれば、組織全体のスピード感が向上し、よりアジャイルな働き方が可能になります。
24時間365日いつでも対応が可能になる
チャットボットには営業時間という概念がありません。早朝や深夜、休日であっても、従業員からの質問に即座に応答できます。これは、シフト勤務のある現場や、海外拠点を持つ企業、あるいはフレックスタイム制を導入している企業にとって非常に大きなメリットです。
担当者が不在でも業務が止まらない環境を作ることは、BCP(事業継続計画)の観点からも有効であり、従業員が安心して働けるインフラとなります。
導入で失敗しないためのチャットボット選定基準
多くのチャットボットツールが存在する中で、自社に合ったものを選ぶのは容易ではありません。機能が多すぎても使いこなせず、逆にシンプルすぎても課題が解決できない可能性があります。選定で失敗しないために確認すべき3つの基準を紹介します。
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選定基準 |
チェックポイント |
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AI型かシナリオ型か |
解決したい課題は「よくある質問」か「複雑な会話」か |
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システム連携 |
自社で利用中のTeamsやSlackとスムーズに連携できるか |
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運用・保守 |
プログラミング知識なしでメンテナンスが可能か |
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解決したい課題はAI型でしか対応できないか
チャットボットには大きく分けて、事前に設定したルール通りに答える「シナリオ型(ルールベース型)」と、学習データから推測して答える「AI型」があります。社内問い合わせの多くは「交通費の申請方法」のような決まった答えを返すものが多いため、必ずしも高価なAI型が必要とは限りません。
まずは自社の問い合わせ内容を分析し、シナリオ型で十分カバーできる範囲なのか、AIによる表記ゆれの吸収が必要なのかを見極めることがコスト適正化の鍵です。
既存システム(Teamsなど)と連携できるか
従業員に使ってもらうためには、アクセスのしやすさが重要です。普段業務で使用しているMicrosoft TeamsやSlack、LINEWORKSなどのビジネスチャットツールと連携できるものを選びましょう。
わざわざ別のブラウザを開いてログインしなければならないツールは、面倒がられて使われなくなる傾向があります。いつものチャット画面からそのまま質問できるシームレスな体験を提供することが、社内定着への第一歩です。
導入後のメンテナンスは自社で対応できるか
導入はゴールではなくスタートです。業務内容は日々変化するため、FAQの追加や修正が頻繁に発生します。このとき、ベンダーに依頼しないと修正できなかったり、プログラミングの知識が必要だったりすると、運用が回らなくなります。
現場の担当者がExcelで簡単にQ&Aを管理できたり、管理画面から直感的に修正できたりするツールを選びましょう。自社だけで運用を完結できる使いやすさは、長期的な運用の成否を分けます。
社内チャットボット導入を成功させる4ステップ

やみくもにツールを導入しても、現場で使われなければ意味がありません。成功している企業の多くは、事前の準備と導入後の改善プロセスを重視しています。ここでは、スムーズに導入し効果を出すための標準的な4つのステップを解説します。
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ステップ |
内容 |
目的 |
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Step1 |
目的とKPIの設定 |
何のために導入し、どうなれば成功かを定義する |
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Step2 |
業務・FAQの棚卸し |
チャットボットに任せる範囲を明確にする |
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Step3 |
スモールスタート |
特定の部署で試験導入し、課題を洗い出す |
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Step4 |
分析と改善 |
利用ログを分析し、回答精度を高める |
【関連記事】チャットボット導入費用はどれくらい?相場や内訳、費用を抑えるコツを解説 | 働き方改革ラボ | リコー
ステップ1:導入目的とKPIを明確に設定する
まずは「なぜチャットボットを導入するのか」を明確にします。「電話の問い合わせ件数を半減させる」「回答待ち時間をゼロにする」といった具体的な目標を立てましょう。そして、その目標を測るためのKPI(重要業績評価指標)を設定します。
例えば、月間の問い合わせ件数削減率、チャットボットの利用率、回答の正答率などが挙げられます。ゴールが曖昧なまま導入すると、効果検証ができず、費用対効果の説明も難しくなります。
ステップ2:対象業務とFAQを整理し棚卸しする
次に、過去の問い合わせ履歴やマニュアルを元に、チャットボットに登録するFAQ(よくある質問と回答)を作成します。このとき重要なのは、全ての質問を網羅しようとしないことです。まずは頻出する上位20%の質問(パレートの法則)に絞り込んで登録しましょう。
これだけで問い合わせ全体の8割をカバーできることも少なくありません。回答内容は専門用語を避け、誰が読んでも分かる平易な言葉で記述することがポイントです。
ステップ3:スモールスタートで効果を検証する
いきなり全社一斉導入するのはリスクが高いため、まずは情報システム部内や特定の支店など、範囲を限定してスモールスタートを切ります。実際に使ってもらうことで、「回答が見つけにくい」「この言い回しでは通じない」といった具体的な改善点が見えてきます。
少人数の利用であればトラブル時の対応もしやすく、フィードバックを集めてチューニングを行うことができます。ここで運用フローを固めてから、徐々に対象範囲を拡大していきましょう。
ステップ4:定期的に利用状況を分析し改善する
全社展開後も、運用は続きます。チャットボットの管理画面で利用ログを確認し、「解決できなかった質問(回答なし)」や「ユーザーからの低評価」を分析します。
答えられなかった質問に対して新たにFAQを追加したり、分かりにくい回答を修正したりする作業を定期的に行います。このPDCAサイクルを回し続けることで、チャットボットはより賢くなり、従業員からの信頼と利用率が高まっていきます。育てていく姿勢が成功の秘訣です。
まとめ
社内チャットボットの導入は、問い合わせ業務の負担を劇的に減らし、従業員の生産性を高めるための強力な解決策です。成功事例から学び、自社に合ったツールと運用体制を整えることで、組織全体の働き方をより良く変えていくことができます。
- ・事例の共通点:定型的な質問を自動化し、電話対応を削減することでコア業務への集中を実現しています。
- ・導入のメリット:工数削減だけでなく、24時間対応による従業員の利便性向上や属人化の解消にも寄与します。
- ・成功のポイント:スモールスタートで始め、利用ログを分析しながらFAQを継続的に改善し育てていくことが重要です。
まずは自社の問い合わせ業務の中で、最も負担になっている「よくある質問」を洗い出すことから始めてみてください。その小さな一歩が、組織全体の大きな業務改善へとつながるはずです。
社内問い合わせの対応工数削減や、業務効率化にお悩みではありませんか。こちらの資料では、問い合わせ数を50%削減した事例や、生成AIを活用した課題解決の実例を詳しくご紹介しています。導入企業の具体的な成功パターンを知ることで、自社の運用イメージも明確になるはずです。社内DXを推進するヒントとして、ぜひご活用ください。
記事執筆
働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
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