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自社発行の請求書(控え)の保管義務とは?期間や制度への対応を解説

From: 働き方改革ラボ

公開日:2026年06月08日

この記事に書いてあること

自社で発行した請求書の控えについて、正しい保管期間や管理方法が分からずに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。この記事では、企業の経理担当者や個人事業主に向けて、自社で発行した請求書に関する保管義務を詳しく解説します。結論として、控えを作成した場合は保存義務が、法人なら原則7年、個人事業主なら原則5年の保管が必要という結論に至ります。読み終わる頃には、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応した適切な書類管理のアクションを具体的に検討できるようになるでしょう。 

自社で発行した請求書の控えに保管義務はある?

「送付後の控えまで管理するのは手間だ」と感じるかもしれませんが、実はこの控えこそが取引の正当性を支える重要な証拠です。不適切な管理は将来の税務リスクを招く可能性があるため、正しい位置づけの把握が欠かせません。まずは、発行側が負うべき責任の全体像と、保管が必要とされる本質的な理由を整理していきましょう。 

請求書の種類 

控えの作成義務 

控えを作成した場合の保存義務 

通常の請求書 

なし 

あり 

適格請求書(インボイス) 

あり 

あり 

原則として控えの作成義務はないが保存義務は発生する

自社で発行した請求書に関して、控えを作成すること自体は法律で明確に義務付けられていません。そのまま取引先へ原本を送付して手元に何も残さないという対応も、一般的な請求書であれば可能な対応といえます。 

しかし、取引の証拠として控えを作成した場合には状況が変わるという点に注意が必要です。控えを作成した段階で、それは国税関係書類として扱われるため、適切な状態で保存する必要があります。 実務においては、入金管理や取引先との金額の確認をスムーズに行うためにも、控えを残しておく運用が推奨されます。売掛金が正しく振り込まれているかを確認する際、手元に控えがないと取引先への問い合わせが必要になるなど、手間が増える可能性があります。 

また、社内の帳簿付けを正確に行う上でも、発行した請求書の内容をあとから振り返ることができる状態にしておくことは非常に有効といえるでしょう。そのため、法的な義務の有無に関わらず、自社の管理体制を守る目的で控えを作成し、整理しておくことが一般的な実務となっています。 

インボイス制度における適格請求書の保管義務

インボイス制度の導入に伴い、適格請求書発行事業者として登録している場合は、請求書の控えに関するルールがより厳格になりました。適格請求書として交付した書類の写しについては、法律で明確に作成と保存の義務が課されています。これは法律上の保存義務として定められているものです。消費税の仕入税額控除の適用を受けるためにも、発行した適格請求書の控えを正しい期間だけ手元に残しておくことが求められます。  

したがって、自社が適格請求書発行事業者である場合は、控えの管理もより重要になります。適格請求書には、登録番号や適用税率ごとの消費税額など従来よりも多くの項目を記載する必要があり、これらの詳細情報が記載された控えを適切に保存していない場合は、税務調査時に指摘を受けるリスクが高まるため注意が必要です。特に複数の税率が混在する取引を行っている企業においては、書類の記載内容が複雑になるため、発行の段階から控えの保存までを一貫してシステムで管理することが有効な対策となります。  

自社で発行した請求書の保管期間と起算日

書類をいつまで残すべきかは、多くの担当者が頭を悩ませるポイントです。保管期間は「発行日」から単純に数えるのではなく、税務上のルールに基づいた明確な基準が定められています。ここでは、事業形態によって異なる保存の「期限」と、期間を算出する際に重要となる「起算日」の考え方を詳しく解説します。 

事業形態 

原則の保管期間 

起算日 

例外となる条件と期間 

法人 

7 

確定申告提出期限の翌日 

欠損金の繰越控除を受ける場合は10 

個人事業主 

5 

確定申告提出期限の翌日 

消費税課税事業者やインボイス登録者は7 

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法人の場合の保管期間

法人が自社で発行した請求書の控えを保存する場合、法人税法に基づいて原則として7年間の保存が求められます。この7年間という期間は、請求書を発行した日付から数え始めるわけではない点に注意してください。 具体的な起算日は、その事業年度における法人税の確定申告提出期限の翌日からとなります。そのため、決算月から申告までの期間も含めると、実質的には7年以上手元に残しておく計算になるでしょう。 

さらに、赤字が発生して欠損金の繰越控除の適用を受ける事業年度については、保存期間が10年に延長されます。実務上は、どの年度に欠損金が生じたかを個別に把握する手間を省くため、すべての請求書控えを一律で10年間保存する運用を採用している企業も多く見られます。10年間という長期にわたって書類を保存することになると、紙の書類の場合は保管スペースの確保が大きな課題となるでしょう。ファイリングの手間や保管場所のコストを削減するためにも、電子データによる保存への移行を検討する企業が増加しているのが現状です。  

個人事業主の場合の保管期間

個人事業主が発行した請求書の控えについては、所得税法に基づいて原則5年間の保存が求められています。青色申告・白色申告のいずれの場合でも、この保存期間は共通して適用されます。起算日については、その年の確定申告提出期限の翌日とされています。一般的には315日が確定申告の期限となるため、その翌日である316から起算されます 

 ただし、個人事業主であっても消費税の課税事業者となっている場合や、インボイス制度の適格請求書発行事業者として登録している場合は、消費税法が優先されるため7年間の保存が必要です。ご自身の事業規模や課税状況に合わせて、いつまで書類を管理すべきかを正確に把握しておくことが求められるでしょう。 

事業が成長して免税事業者から課税事業者へと切り替わったタイミングでは、これまでの5年保存から7年保存へと社内の管理ルールを変更しなければなりません。こうした税制の変更に柔軟に対応するためにも、日頃から余裕を持った期間で書類を保存する習慣をつけておくことが推奨されます。 

電子帳簿保存法に対応した正しい保管方法

 invoice-retention-rules➁

デジタル化が進む現代、請求書の発行スタイルは多様化しています。これに伴い、電子帳簿保存法に基づく保存方法も、発行形式ごとに定められています。ここでは、自社の発行フローが法律のどの区分に該当するのかを確認し、要件を遵守するための具体的な保管ルートについて整理していきましょう。 

発行方法 

発行した書類の形式 

控えの保存方法 

該当する電子帳簿保存法の区分 

電子メール・システム 

電子データ 

PDFなど) 

電子データのまま保存 

(紙での保存は不可) 

電子取引データ保存 

郵送・手渡し 

紙面 

紙のまま保存、またはスキャンして電子保存 

スキャナ保存(任意) 

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請求書を電子データで発行した場合

自社で発行した請求書を取引先に送付する際、電子メールや請求書発行システムなどを利用して電子データで交付することが増えています。このように電子データでやり取りを行った取引は、電子帳簿保存法において電子取引に該当する決まりとなっています。 

電子取引に該当する場合、自社で作成した請求書の控えについても、紙に印刷して保存することは認められておらず、電子データのまま保存することが義務付けられました。このルールは令和611日から完全に義務化されており、すべての事業者が対応することが必要とされています。 

電子データのまま保存する際は、改ざん防止措置を講じることや、日付や金額で検索できるようにするといった一定の要件を満たす必要があります。これらの要件は、対応可能なシステムを利用することで満たしやすくなります。もし要件を満たさずに不適切な保存を続けていた場合、青色申告の承認が取り消されるなどのペナルティを受ける可能性もゼロではありません。自社の請求書発行フローを見直し、電子取引に該当するものがどれくらいあるかを事前に把握しておくことが適切な対応の第一歩となります。  

請求書を紙面で発行した場合

一方で、従来通りに紙で請求書を印刷し、郵送や手渡しで取引先に交付したケースについても確認しておきましょう。紙で発行した請求書の控えについては、紙のままファイルに綴じて保存する方法が認められている仕組みです。紙のまま保存する場合は、取引先ごとや月ごとに分けてファイリングし、必要なときにすぐに取り出せる状態にしておくことが重要です。 

また、紙で発行した控えをスキャナーなどで読み取り、電子データに変換して保存することも可能です。これをスキャナ保存と呼びますが、実施するかどうかは企業の任意となっており、要件を満たすための社内規定やシステムの準備が必要になってきます。スキャナ保存を導入すれば、紙の控えをそのまま保管するスペースが不要になるという大きなメリットといえます。ただし、読み取った画像の解像度やカラーに関する要件が細かく定められているため、専用の機器や対応したソフトウェアを準備してから運用を開始することが確実な方法となるでしょう。 

請求書の控えを適切に管理するための注意点

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請求書の控えを単に「捨てずに持っている」だけでは、いざという時に役立ちません。法令を遵守しつつ業務効率を高めるには、管理の「質」にも目を向ける必要があります。ここでは、税務調査への迅速な対応やエラー防止を目的とした、実務で特に意識すべき運用のポイントや組織としての備えについて解説します。 

管理のポイント 

具体的な取り組みの例 

期待できる効果 

検索性の確保 

ファイル名の命名規則の統一やシステムの導入 

税務調査時の迅速な対応と日常業務の効率化 

ルールの整備 

事務処理規程の作成や社内マニュアルの共有 

人為的ミスの防止と担当者間の認識の統一 

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検索しやすい状態で保存する

自社で発行した請求書の控えを保存する際には、ただ保管場所にしまっておくだけでは不十分といえるでしょう。税務調査が行われた際に、担当者から求められた書類を速やかに提示できるようにしておくことが大切です。 

特に電子データで保存する場合は、電子帳簿保存法の要件に従って、取引年月日や取引金額、そして取引先名の3つの項目で検索できる状態を整える必要があります。ファイル名にこれらの情報を直接入力して管理する方法もありますが、件数が増えると手作業での管理は現実的ではなくなるため注意が必要です。 

そのため、検索機能が備わったクラウドシステムや専用の管理ソフトを導入し、複数の条件を組み合わせて目的の書類をすぐに見つけ出せる環境を構築することが推奨されます。また、紙で保管している場合でも、表紙に年月や取引先の五十音順などのインデックスを付けておくことで、検索性を大幅に向上させることができるでしょう。過去の取引内容を確認したいときに、すぐに目的の請求書にたどり着ける仕組みは、経理業務の生産性を高めるうえで非常に重要となります。  

社内規定や管理ルールを整備する

適切な書類管理を継続するためには、社内での運用ルールを明確に定めることが効果的です。誰がどのように請求書を発行し、どのタイミングでどこに保存するのかといった手順をマニュアル化しておくことが求められます。 

電子データの改ざんを防ぐためには、タイムスタンプを付与する仕組みを導入するだけでなく、不当な訂正や削除を防止するための事務処理規程を設けることも有効な手段となるでしょう。また、請求書の担当者が複数いる場合や、部署が分かれている場合でも、全員が同じ基準で書類を取り扱えるように社内研修を実施しておくことが大切です。 

組織全体で管理に対する意識を高めることで、紛失や保存漏れといったリスクを未然に防ぐことにつながるでしょう。担当者が退職や異動をした際にも、ルールが明文化されていれば、後任者がスムーズに業務を引き継ぐことができます。属人的な管理から脱却し、誰でも正確に書類を保存できる体制を築くことが、長期的な視点で見たときのトラブル回避につながります。  

まとめ(自社で発行した請求書保管義務のポイント)

自社で発行した請求書控えの保管義務と、法令に則った正しい管理方法について要点をまとめます。 

  • 通常の請求書は控えを作成した場合に保存義務が生じるが、適格請求書(インボイス)は作成と保存が必須となる 
  • 法人は原則7年間、個人事業主は原則5年間(課税事業者は7年間)の保管期間が定められている 
  • 電子データで発行した控えは電子帳簿保存法により電子データのまま保存することが義務付けられている 
  • 税務調査や日常業務に備えて、日付や金額などで検索できる管理体制を整える必要がある 

法令に適合した適切な書類管理の仕組みを構築し、日々の経理業務を効率化していきましょう。発行した請求書の控えを、電子帳簿保存法の要件に沿って確実に管理する体制づくりにお悩みでしょうか。RICOH 受領請求書サービスは、請求書の受領・データ化・電子保存をトータルでサポートし、発受両面での書類管理の効率化に活用いただけます。まずは資料でサービスの詳細をご確認ください。 

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記事執筆

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