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育休取得状況公表義務が300人規模企業へ拡大。公表方法と内容とは?

From: 働き方改革ラボ

2025年02月04日 07:00

この記事に書いてあること

男女ともに仕事と私生活を両立できる環境をさらに整備するため、育児・介護休業法が改正。その制度のひとつとして、2025年4月1日から育児休業取得状況の公表義務の適用範囲が拡大されます。そこでこのコラムでは、今回の法改正で新たに育休取得に関する情報公開が必要になる企業の規模と、法改正によって企業に求められる具体的な対応について解説します。

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育児・介護休業法とは?

育児・介護休業法とは、正式名称を「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」といい、子育てや介護など、働く上での時間的制約を抱えている時期の労働者の仕事と家庭の両立を支援するための法律です。

育児、介護のための休業制度や、労働時間短縮制度のほか、休業の申出が円滑に行われるための雇用環境の整備や労働者の配置に関する配慮が、企業が講ずるべき措置として定められています。

2025年4月から施行される法改正の主な内容

2024年5月に、育児・介護休業法が改正されました。子育てと仕事の両立を目指す労働者に関する内容としては、子どもの年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置が拡大。具体的には、子どもの看護休暇の対象者・対象事由の拡大や、所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大、また、育児と仕事の両立のためのテレワーク導入の努力義務化や、仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮の義務化といった改正が行われました。これらの内容は、2025年4月1日から段階的に施行されます。

育児休業取得状況公表義務の適用拡大とは?

2025年4月に施行される育児・介護休業法の改正内容のひとつが、育児休業取得状況の公表義務の適用範囲の拡大です。現行法では、男性労働者の育児休業等の取得状況を年に1回公表することが、従業員1,000人を超える企業に義務付けられています。今回の改正で、その対象が拡大。常時雇用する労働者が300人を超える企業に、公表が義務化されます。

なお、「常時雇用する労働者」とは、雇用契約に関わらず、期間の定めなく雇用されている労働者のこと。正社員のほか、一定の期間を定めて雇用されているものの、雇用期間が反復更新されているなどして、過去1年以上引き続き雇用されている人や、雇入れ時から1年以上、引き続き雇用されると見込まれる人も含みます。

新たに対象となる企業に必要な対応

2025年4月より、労働者1000人以下300人超の企業は、新たに育児休業取得状況の公表が義務付けられます。公表が必要な育児休業取得状況とは、「①男性の育児休業等の取得率」または「②男性の育児休業等と育児目的休暇の取得率」のいずれかです。その具体的な内容と計算方法は、次のとおりです。

男性の育児休業等の取得率

配偶者が出産した男性労働者のうち、育児休業等を取得した人の割合を公表します。その計算方法は次のとおりです。

「育児休業等をした男性労働者の数」÷「配偶者が出産した男性労働者の数」=「男性の育児休業等の取得率」

なお、ここで言う「育児休業等」とは、産後パパ育休を含む育児休業と、3歳未満の子を育て る労働者について所定労働時間の短縮措置を講じない場合の代替措置、または小学校就学前の子を育てる労働者に関する措置としての休業を指します。

男性の育児休業等と育児目的休暇の取得率

配偶者が出産した男性労働者のうち、育児休業または育児目的の休暇を取得した人の割合を公表します。その計算方法は、以下のとおりです。

「育児休業等をした男性労働者の数」と「小学校就学前の子の育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者の数」の合計÷「配偶者が出産した男性労働者の数」=「男性の育児休業等と育児目的休暇の取得割合」

なお、「育児を目的とした休暇」とは、休暇の目的が育児であることが就業規則などで明らかにされている休暇制度を指します。育児休業や子の看護休暇など、法定の制度による休暇は除きます。

任意で育児休業平均取得日数を公表する際の計算方法

厚生労働省は企業に対して、自社の子育て両立支援の取り組みをPRするため、任意で「育児休業平均取得日数」などをあわせて公表することを勧めています。その計算方法に決まりはありませんが、次のような方法で算出が可能です。

  • 子どもが1歳までの平均育児休業取得日数
    「公表前々事業年度に出生した子の1歳までの合計育児休業取得日数(日)」÷「当該育児休業取得人数(人)」
  • 公表前事業年度に復職した労働者の平均育児休業取得日数
    「公表前事業年度に復職した労働者の合計育児休業取得日数(日)」÷「当該育児休業取得人数(人)」

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育児休業取得状況の公表時期と公表方法

では、公表義務化の対象企業は、育児休業取得状況をどのタイミングで、どのような方法で公開すれば良いのでしょうか。

育児休業取得状況は、年に1回、公表日を含む事業年度の直前の事業年度の状況について、公表前の年度終了後、おおむね3ヶ月以内に発表する必要があります。

また情報は、自社のホームページなど、一般の人がいつでも閲覧できるところで公表することが義務付けられています。厚生労働省はその方法のひとつとして、企業の仕事と家庭の両立の取り組みを支援する厚生労働省運営のウェブサイト「両立支援のひろば」での公表を勧めています。サイトに登録することで、「両立支援のひろば」上で、育児休業取得状況を公表することが可能です。なお現在、12万社以上の企業が登録しており、育休等の取得率や両立支援の取り組みを公開しています。

両立支援のひろば(厚生労働省)

男女ともに仕事と私生活を両立できる環境作りを!

育休や時短勤務制度の取得、また企業の子育て支援の取り組みを推し進めるための育児・介護休業法の改正。今回、義務化の対象が拡大された男性の育休取得に関する情報の開示は、企業にとっても、働きやすく、長く仕事を続けられる会社であることを発信し、人材を確保するチャンスでもあります。新たに対象となる会社の方は、働きやすい環境整備の一手として、法改正への対応や公表の準備を早めに進めましょう。

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記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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