紙とデータの文書管理、結局どっちが安全なの?
公開日:2026年04月14日
この記事に書いてあること
社内の紙文書をデータ化して、管理する企業が増加していくなか、あえて紙での運用を残しているケースもあります。データ管理のほうが先進的というイメージもありますが、結局、安全性や使い勝手の面で、どちらのほうが優れているのか、気になりますよね。このコラムでは、そんな「紙管理」と「データ管理」のメリット・デメリットを比較。そこに、文書管理を効率化するヒントが隠されているかもしれません。
データ化が進んでも紙が残っているのはなぜ?
ペーパーレス化が進み、企業間の書類のやりとりにおいても、デジタル化が進んでいます。紙の書類がなくなることは、最初は少し不安だったものの、実際は保管場所もとらず回覧や押印もスムーズで、便利さを感じている人も多いでしょう。
それでも、ところどころで「やっぱり紙のほうがいいかも」と思うシーンもありますよね。たとえば、次のような経験はないでしょうか。
- ・パソコンの画面上で資料を読んでいると内容が頭に入らず、結局、紙に出力して読んだ。
- ・顧客に提案書をデータで送っても読んでもらえないため、訪問して印刷したものを見せている。
- ・大事な文書や情報が全部パソコンに入っていて、サイバー攻撃に遭ったらと思うと不安。
- ・会議中、パソコンで会議資料を見ているふりをして作業をしている人がいたため、資料は紙で配布することにした。
- ・よく使う資料は、パソコン内のデータを探すより、デスク脇からさっと紙で取り出すほうがラク。
- ・紙の手触りや、書類を扱っているときの「仕事してる」感じが好き。
実際、紙にしかない良さや利便性もありますよね。では、紙とデータのどちらを使うか迷ったら、どのようなポイントで判断すれば良いのでしょうか。紙とデータのメリット/デメリットを比較してみましょう。
紙のメリット
文書を紙で取り扱うことには、次のようなメリットがあります。利便性と安全面から、その効果を見てみましょう。
【紙のメリット:利便性】
- ・ネット環境やパソコンがなくても、いつでも見られる。
- ・メモを手軽に書き込むことができる。
- ・デジタルが苦手な人も扱いやすく、複数人で一緒に閲覧しやすい。
- ・複数の書類を見比べたり、自由に並び替えたい時に便利。
- ・画面で読むより、紙で読むほうが記憶に残りやすいという説もある。
【紙のメリット:安全面】
- ・データに比べて、内容を改ざんされにくい。
- ・紙資料はオフラインなので、サイバー攻撃の影響を受けにくい。
- ・鍵付きのキャビネットで保管することで、情報窃取のリスクを減らせる。
紙のデメリット
では、紙ベースで保管・共有することのデメリットや、安全面のリスクは何でしょうか?
【紙のデメリット:利便性】
- ・持ち歩く時にかさばり、重い。
- ・保管場所の確保が必要。
- ・経年劣化で、内容が読めなくなったり、消失するリスクがある。
- ・キャビネットから文書を探す手間がかかる。
- ・内容を修正する時に手間がかかる。
【紙のデメリット:安全面】
- ・物理的な紛失・盗難による、情報漏えいのリスクがある。
- ・持ち出しの管理が属人的になりやすく、持ち出した人や場所のトレーサビリティ(追跡性)が残りにくい。
データのメリット
一方で、社内文書をデータ管理・運用することには、以下のようなメリットが期待できます。
【データのメリット:利便性】
- ・紙出力のコストを削減でき、環境負荷の軽減にもつながる。
- ・保管場所を確保しなくて良い。
- ・紙文書に比べて、文書の検索がスムーズ。
- ・文書の変更が簡単にできる。
- ・ツールを使うと、同じ文書を複数人で閲覧・編集できる。
【データのメリット:安全面】
- ・セキュリティ対策ソフトの導入やアクセス制限によって、情報を守れる。
- ・閲覧履歴や更新ログを残せるため、管理状況の安全性をチェックできる。
データのデメリット
データ化は、管理の効率性を上げる一方で、次のようなデメリットやリスクがある点にも注意が必要です。
【データのデメリット:利便性】
- ・法律上、一部、デジタル保存ができない文書がある。
- ・複数の文書を見比べながら読んだり、文書の全体を把握したいときに見づらい。
- ・インターネット環境が不安定な時、閲覧ができなくなる。
- ・デジタルに慣れていない人にとっては扱いづらい。
【データのデメリット:安全面】
- ・インターネットを通じて、サイバー攻撃で情報が窃取されるリスクがある。
- ・不適切な権限設定や共有によって、情報が急速に、広範囲に漏えいする可能性がある。
メリット・デメリットを比較してみると…
紙とデータのメリット、デメリットを比較すると、文書を扱う人や用途によって、それぞれ、フィットするシーンと向かないシーンがあることがわかります。また、安全性に関しても、情報漏えいや消失の危険性はどちらもゼロではなく、セキュリティ対策によってリスクを軽減できることは同じ。どちらを選んでも、安全に情報を扱える環境を整えることで、文書管理の効率化や、適切な活用が進みそうですね。
紙かデータか論争、そろそろ終わりにしない?
「とにかくデジタル化!」とデータ化を急いだり、「データは不安」と紙にこだわったりと、文書管理を、「紙かデータか」の二項対立のように考えていませんか?どちらかに決めてしまうことが、業務の非効率や、サービスの質低下につながっているとも言えるかもしれません。
安全性についても、どちらのほうが優れているとは言い切れません。セキュリティレベルは、紙、データに関わらず、「どのような仕組みで運用していくか」が左右します。安全性を確保した上で、文書の目的にきちんと目を向けて、状況次第で柔軟に使い分けていくことが良いでしょう。
記事執筆
働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
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