管理職が身に付けるべきプロジェクトマネジメントとは?
2023年06月21日 07:00
この記事に書いてあること
管理職やリーダー層に求められるのが、「プロジェクトマネジメント」のスキルです。仕事やメンバーを率いる立場にとって重要なだけでなく、そのスキルを身に付けることで自らのキャリアにも良い影響が生まれます。そんなプロジェクトマネジメントが求められる理由や、プロジェクトマネジメントに欠かせないスキルや成功のコツ、そしてプロジェクトマネジメントに取り組むメリットについても解説します。
プロジェクトマネジメントとは?
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトの目的を期日までに遂行させる管理手法。会社の事業にとって重要なプロジェクトの成功に向けて、計画を立て、スケジュールやメンバーの業務をマネジメントすることです。
プロジェクトマネジメントを担うのが、「プロジェクトマネージャー」です。その役割は、プロジェクトを実行するチームの結成やメンバーの確保、費用や計画の立案、プロジェクトの進行管理などです。
仕事の全体を見て目的へ向けて業務の管理を行うプロジェクトマネジメントの考え方は、あらゆる業務にも役立ちます。自分ひとりで進める仕事や日々の業務にもその手法を活かせるのが、プロジェクトマネジメントの特徴です。
プロジェクトマネジメントはなぜ必要なのか
プロジェクトの進行に、なぜプロジェクトマネジメントが必要なのでしょうか。プロジェクトは、期日や計画どおりに、また予算の範囲内で目的を達成する必要があります。さまざまな要素を検討しながら進行する必要があるため、合理的なプロジェクト進行体制を構築して業務を主導していくプロジェクトマネージャーが欠かせません。
また、プロジェクトマネジメントを行うことで、プロジェクトに携わるメンバーが自分のやるべきことを把握して、効率的に仕事ができるようになります。プロジェクトマネジメントは、生産性や働き方の面でも必要な取り組みなのです。
プロジェクトマネジメントに求められるスキルとは?
期間を定めたプロジェクトだけでなく、日常業務の進行管理にも役立つプロジェクトマネジメント。ではプロジェクトマネジメントを行うには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。
コミュニケーションスキル
プロジェクトマネジメントを行う上では、メンバーの意欲を高めて能力を引き出すことが大切です。そのため、ひとりひとりのメンバーの特性を把握して業務の意図や役割を正確に伝えるコミュニケーションスキルが求められます。
プロジェクトの成功には、チームの連携も欠かせません。メンバー間でのスムーズな意思疎通が行われるようにサポートしたり、タイムリーに連絡をとりやすいITツールを整備したりといった、円滑なコミュニケーションが行われる環境作りも、プロジェクトマネージャーの役割です。
コンサルティング能力
プロジェクトには、経営層や顧客といった依頼元が存在します。プロジェクトマネージャーには、そんな依頼元が求める目標や要望を的確にヒアリングして実行に移す、コンサルティング能力も求められます。
プロジェクトをスムーズに進行して成果物を完成させても、目的に沿っていなければ評価されません。また、プロジェクトの目指す方向が、途中で変更されることもありえます。プロジェクトの計画時だけでなく、進行中も、依頼元の意図を聞き取りながらプロジェクトを管理することが大切です。
スケジュール管理能力
プロジェクトには期間が設定されています。納期までに目的を達成するため、ひとつひとつのタスクにかかる時間を正確に割り出して、計画通りに進行していくスケジュール管理の力が求められます。
まずはプロジェクト完了までの全体のスケジュールを立てた上で、進行のために必要なタスクを、メンバーの特性や状況もふまえて設定していきます。所要時間を見込むだけでなく、優先順位を決めることも重要です。スケジュールの遅延や、予想外の事態を早く発見するための進捗のチェックも欠かせません。
課題抽出、問題解決能力
プロジェクト進行中に起こる課題を見つけて、解決していく問題解決能力も求められます。プロジェクト全体や、各タスクを行う上で生じる数々の課題を早期に見つけて、どのメンバーがどのように解決していくのかを、その都度スピーディーに考えて判断していく必要があります。
また問題解決においても、チームの連携が必須です。メンバーが問題をひとりで抱え込まずに相談できる雰囲気の醸成やメンバー間の協力体制作りも、プロジェクトマネージャーの重要な仕事です。
プロジェクトマネジメント成功のポイント
では、プロジェクトマネジメントを成功させるには、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。主なポイントをお伝えします。
目的を明確にして、一貫して達成に向かう
プロジェクトマネージャーにとって、プロジェクトの目的を明確に把握することは必須です。そしてプロジェクトの遂行に一貫して向かう意識を持つことが、プロジェクトを率いるリーダーに求められます。
メンバー全員が同じゴールへ向かえるように、プロジェクト全体の目的とひとつひとつのタスクを行う理由を、メンバーに共有することも重要です。メンバーが目的意識を持って仕事を行い、課題発生時に対処法を主体的に考えていくためにも、同じビジョンを共有できるよう理解を促しましょう。
メンバーの育成も意識する
プロジェクトマネジメントにおいては、メンバーを育成するという意識を持つことも重要です。新しいチャレンジや未経験の業務が発生することのあるプロジェクトにおいて、仕事の中でメンバーを育てることが、チームのより高いパフォーマンスや、スムーズな進行につながるからです。
メンバーの特性に応じたチャレンジの促進や、強みを活かせる仕事の割り振りによって、モチベーションを高めながら育成を行うことで、チーム全体の力を底上げできます。
不測の事態やリスクにも備える
リスク対策も、プロジェクトマネジメントにおいて重要です。プロジェクトを進める上では、スケジュールの遅延や予定の変更などの不測の事態が起こりえます。これらのリスクに対して、柔軟に対応できるように準備しておく必要があります。
プロジェクト計画時に、可能性のあるリスクをリストアップして、問題の対処法や、難しくなった方法に代わる進め方を決めておきましょう。また、スケジュールが遅れたり、追加の業務が発生したりした場合に備えて、ひとつひとつの工程に要する時間にある程度のバッファを持たせておくことも大切です。
プロジェクトマネジメントのスキルを身に付けるメリット
プロジェクトマネジメントのスキルを身に付けることで、個人のキャリアにとっても次のようなメリットが生まれます。
マネジメントスキルが向上する
プロジェクトの円滑な進行には、予算やスケジュール、人材などの複数の要素について判断しながらマネジメントを行う力が必要です。また、プロジェクトマネジメントの経験を通して、さまざまな種類の課題の解決や、メンバーとのコミュニケーションの機会が多く与えられます。そのため、プロジェクトだけでなく、チームを率いる上でのマネジメントの力がアップします。
経営的視点を身に付けられる
総合的な視野で、複数のメンバーが関わる業務を進行するプロジェクトマネジメントの経験によって、経営的視点を身に付けられます。会社の事業や将来に関わるプロジェクトの成功を目指すことで、会社の経営的な課題に対して、高い意識を持つことができるようになるでしょう。
また、予算管理や人員配置といったマネジメント業務に携わる経験から、プロジェクト遂行後も、仕事に経営的視点で向き合うことができるようになります。
業務効率化の意識やノウハウを得られる
高い生産性が求められるプロジェクトマネジメントのスキルは、業務効率化にも役立ちます。
プロジェクトを進める上では、正確なスケジューリングや品質の高い成果物の完成、またコスト管理を意識する必要があります。メンバーへの業務の割り振りや予算の使い方の面でも試行錯誤が求められるため、業務効率化のスキルやノウハウを身に付けられます。
スキルアップや組織活性化につながるプロジェクトマネジメントを身に付けよう
プロジェクトのスムーズな進行に欠かせないプロジェクトマネジメント。管理職やリーダーがプロジェクトマネジメントの考え方を身に付けて日々の業務で活かすことが、組織の活性化や働き方改革にもつながります。企業の将来のためにも、全社でプロジェクトマネジメントのスキルを強化してみてはいかがでしょうか?
記事執筆
働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
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