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働き方改革の本当の目的は?「働く人」に寄り添う本質的な取り組みを進めよう

From: 働き方改革ラボ

2025年11月07日 07:00

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法律に対応するためのルール作りや労働時間の削減など、各社で働き方改革の取り組みが進んでいます。ただ、一方で、効率化の手段や、労働時間数などの数字上の成果が重視されるあまり、働き方改革の本来の目的が置き去りになっていることも少なくありません。そこでこのコラムでは、働き方改革の意義や、今、求められる理由といった働き方改革の基本を解説。その上で、具体的な取り組みを含む働き方改革の有効な進め方を解説します。

働き方改革の本当の目的を見失っていませんか?

「働き方改革」とは、働く人が個々の事情に応じて自分に合ったスタイルを選択して働くことで、一人ひとりがより良い将来の展望を持てる社会の実現を目指すことです。

働き方改革という言葉の浸透する一方で、言葉だけが先行し、働き方改革が、業務のムダ削減や「ノー残業デイ」など数字上のルールや号令を指す言葉と理解されているケースもあります。しかし、上記のような働き方改革の本質に沿っていない形式だけの施策や規則の運用では、本当の意味で働く人に寄り添った改善は進みません。

では、働き方改革の本当の目的とは何でしょうか。働く人をめぐる日本の社会的な背景には、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」と「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」という課題があります。厚生労働省は、それらの課題を解決するために、働き方改革を推進しています。投資やイノベーションによる生産性向上、そして、就業機会の拡大や個人が意欲・能力を存分に発揮できる環境作りを進め、働く方が事情に応じて多様な働き方を選択できる社会の実現を目指しています。

また、厚生労働省は、働き方改革の実現には、日本の雇用の7割を担う中小企業での着実な取り組みが重要としています。職場環境の改善による魅力ある職場作りが、人材不足を解消し、それが業績アップや利益増につながるという好循環が、中小企業に生まれると期待されています。

参考:働き方改革~ 一億総活躍社会の実現に向けて ~|厚生労働省

時間外労働の上限などを規定する「働き方改革関連法」とは

厚生労働省は、働き方改革を推し進める施策のひとつとして、法整備を進めています。長時間労働の是正や、多様で柔軟な働き方の実現のため「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が成立。働き方に関する、労働基準法、労働安全衛生法、パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法などが改正されました。その主なポイントは、以下の2つです。

  • 労働時間法制の見直し
  • 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

その具体的な内容は、次のとおりです。

労働時間法制の見直し

以下のような、働き過ぎを防ぐ制度や有給休暇の取得の義務化によって、働く人の健康を守ると同時に、ワークライフバランスの実現を目指します。個々の事情に応じた働き方や、自律的で創造的な働き方を望む人の希望を叶える法改正です。

  • 残業時間の上限規制
  • 「勤務間インターバル」制度の導入
  • 1人1年あたり5日間の年次有給休暇の取得を企業に義務化
  • 60時間を超える残業の割増賃金率を引上げ(25%→50%
  • 労働時間の客観的な把握を企業に義務化
  • 「フレックスタイム制」の制度拡充
  • 専門職の自律的で創造的な働き方を実現する「高度プロフェッショナル制度」の新設

雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

以下の3つの法整備によって、同一企業内で正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)の間における、基本給や賞与などの不合理な待遇差をなくします。どのような雇用形態を選択しても、待遇に納得して働き続けられる環境を整えることで、誰もが柔軟に多様な働き方を選べる社会を実現するための法改正です。

  • 不合理な待遇差をなくすための規定の整備
  • 労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
  • 行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争解決手続(行政ADR)の規定の整備

今、働き方改革が求められる理由

今、企業に働き方改革が求められる理由には、以下のような背景があります。

少子高齢化と労働人口の減少

少子高齢化が進み、労働人口が減少。特に中小企業では人材不足が深刻化し、採用の売り手市場が続く中で新規の雇用も難しくなっています。従業員が、長く働き続けたいと思える企業になるためには、労働環境を改善して、仕事への満足度を上げることが不可欠です。また、採用を成功させるためには、働きがいや報酬の面でも求職者にとって魅力ある企業になる必要があります。健康に、高いモチベーションを持って働ける会社になるために、労働環境を改善しながら、利益を出せる企業を目指すことが重要です。

働き方に関するニーズの多様化

人材不足の中、幅広い働き方の希望に対応して、多様な人材を活用することも大切です。フルタイム勤務やオフィス勤務を基本とする労働環境では、育児中や介護中、病気療養中など、働く時間や環境面に制限がある人の活躍は進みません。さまざまな事情を持つ人に対しても就業機会を拡大して、どのような雇用形態を選んでも納得感を持って活躍できる制度や仕組みを作ることが重要です。多様な人材の登用は、人材不足解消だけでなく、新しいアイディアの創出やコミュニケーションの活性化にもつながります。

健康に働き続けられる環境が必要

働く人の健康維持の観点からも、働き方改革が求められています。長時間勤務などの過重労働が原因の心身の不調を防ぎ、従業員に長く安心して働き続けてもらうために、長時間労働の是正や、有休の取得推進の取り組み、またストレスチェックによる病気予防策を講じる必要があります。従業員の健康維持に加えてワークライフバランスも整うことで、仕事の創造性やパフォーマンスが向上。会社全体の生産性アップや、業績の拡大も見込めます。

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働き方改革の取り組みで企業が直面する課題

労働環境改善や、人材確保の観点からもメリットがある働き方改革。その一方で、以下のような働き方改革の推進を妨げる要因や、企業の抱える課題もあり、対処する必要があります。

人材が不足する中での長時間労働是正

働き方改革を進めたいと思っていても、人材不足のため労働時間を減らす余裕がないという企業もあります。多くの業務を少ない人数で行っており、人員の補填もできず、事業の継続のために、今いる従業員の長時間労働に頼らざるを得ないという状況もあるでしょう。抜本的な業務改革や、大規模な採用活動に割く時間や費用がない場合には、業務の棚卸やムダの見直しなど、自社にできる効率化の取り組みから着手することが大切です。

取引先との関係の中で労働時間を調整しづらい

労働時間の削減や、フレックスタイムなどの新しい働き方の採用を進めたくても、取引先との関係から実現が難しいという課題もあります。顧客の短納期発注への対応や、他社との価格競争のために時間外の業務が必要になる、休日が増やせない等の事情もあるでしょう。社内の施策だけでは労働環境の改善が難しいケースは、取引先との関係改善や、納期・価格交渉を進めるのもひとつの方法です。

同一労働同一賃金の定義の難しさ

働き方改革関連法では、企業内で同じ仕事をする人には、正規、非正規という採用形態に関わらず同じ賃金を支払うべきという「同一労働同一賃金」の原則が義務化されています。しかし、正規労働者と非正規労働者の仕事の差には責任の範囲等も含まれるため、何を同一の仕事と見なすかの判断が難しいという課題があります。また、正規と非正規の賃金格差の解消や、待遇差の説明内容への不満が、正規労働者と非正規労働者の両者のモチベーションの低下にもつながりかねないため、注意が必要です。

ツール導入によるコスト

業務効率化や、労働時間の客観的な把握のため、ワークフローシステムや、勤怠管理システムの導入が必要なケースもあります。また、リモートワークの導入には、在宅での執務環境の整備も必要です。社員への問い合わせ対応や社内規定の変更等、人事や総務の担当者の新規業務も発生するでしょう。働き方を変えるにはツールの導入コストや手間がかかるという点も、働き方改革の課題のひとつです。

働き方改革を成功させるために必要なステップ

では、本来の目的に沿った働き方改革を実現するためには、どのような手順で取り組みを進めれば良いのでしょうか。ステップと具体策は、次のとおりです。

自社の働き方の現状把握

まずは、法律への対応や、労働時間の状況、有給取得等の自社の働き方の現状についてチェックして、現状を把握します。「働き方改革関連法に関するハンドブック(時間外労働の上限規制等について)」や、「労働時間適正把握ガイドライン」を参考に、労働時間の上限や労働時間の適正な把握について、自社の働き方や運用が法律に対応しているか確認しましょう。

参考:働き方改革関連法に関するハンドブック(時間外労働の上限規制等について)|厚生労働省

参考:労働時間適正把握ガイドライン|厚生労働省

働き方の課題の抽出

働き方の現状を把握したら、自社の課題を抽出して、優先して解決すべき課題と必要な施策を見つけましょう。厚生労働省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」の「『働き方・休み方改善指標』を用いた自己診断」では、企業、働く人それぞれが、質問に答えていくことで、働き方と休み方の実態や課題を診断できます。他にも、社員に仕事の満足度や課題をヒアリングするアンケートの実施や、働き方改革に関するプロジェクトチームを設置して調査・意見交換を行うなどの取り組みも、課題の抽出に有効です。

参考:働き方・休み方改善ポータルサイト|厚生労働省

自社の課題に合った取り組みの実施

自社の働き方の課題を確認したら、その課題や自社の実態に合った労働環境改善の取り組みを実施しましょう。

業務効率化の取り組み

長時間労働、有給の取得率が低いといった課題を解決するのが、労働時間削減につながる効率化の取り組みです。実施回数や時間、参加者数を減らすなどの会議のスリム化、社内資料の簡素化、ワークフローシステムの活用といった施策のほか、定型業務の集約・外注による省力化の取り組みも検討しましょう。

コミュニケーションを促進する環境整備

コミュニケーションの質も、業務効率を決める要素のひとつです。社内外とのコミュニケーション不足による手戻りや非効率が発生している場合は、コミュニケーションの手段や回数を見直しましょう。グループウェアやリモート会議ツールも、リモートワーク社員を含めたコミュニケーションの円滑化に役立ちます。カウンターやレストスペース等、社員の交流を促すエリアの新設も、コミュニケーション活性化やアイディアの創出につながるでしょう。

定着につながる効果的な人材育成

離職率が高い、モチベーションやエンゲージメントが低いといった課題の対処には、人材育成の取り組みが有効です。集合研修や、グループウェア等を使ったスキル・ノウハウの共有のほか、スマートフォンやスキマ時間を使って学べる教材を活用した効率的な人材育成を進めましょう。人材のスキルアップが、従業員の満足感だけでなく、企業の成長にもつながります。

新たな働き方に関する制度の導入

多様なバックグラウンドや私生活の事情を持つ人材も活躍できるよう、働き方に関する制度を見直すことも重要です。従業員が、自分で業務量や予定を考慮して始業・終業時刻を決められるフレックスタイム制や、年間や月間の業務量の範囲内で所定労働時間を設定できる変形労働時間制、十分な休息を確保する勤務間インターバル制度など、柔軟に働ける制度を導入しましょう。夜の残業の代わりに朝早く仕事ができる「朝型勤務」の許可や、リモートワーク環境の整備も、働く人の選択肢を広げる上で有効です。

企業の成長につながる働き方改革を進めよう!

働き方改革の取り組みを進める際、「どうすれば法令を遵守できるか?」という観点で、施策を考えていませんか? 働き方改革とは、国が決めたルールを守るためや、単に労働時間を削るために進めるものではなく、従業員が自分らしく能力を発揮できる環境を作る取り組みです。従業員が生き生きと働き成果をあげる会社になれば、人材も集まり、企業価値も高まっていきます。従業員が満足感やモチベーション高く働ける会社になるために、自社にできる取り組みを一歩ずつ、進めてみてはいかがでしょうか?

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記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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