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社内問い合わせ削減で生産性向上!具体的な方法7選と成功事例を解説

From: 働き方改革ラボ

公開日:2026年03月24日

この記事に書いてあること

「何度同じことを聞かれるのだろう」と、日々繰り返される社内問い合わせの対応にため息をついていませんか。電話やチャットの通知が鳴るたびに作業の手が止まり、気がつけば夕方になり自分の本来の業務が終わっていないという経験は、多くの管理部門担当者が抱える共通の悩みです。 

社内問い合わせは、企業の円滑な運営に不可欠なコミュニケーションですが、過度な問い合わせは担当者の時間を奪い、組織全体の生産性を下げる大きな要因となります。しかし、適切な仕組みとツールを導入することで、問い合わせ件数を劇的に削減し、より創造的な業務に時間を割くことは十分に可能です。 

この記事では、社内問い合わせが減らない根本的な原因を解き明かし、今日から始められる具体的な7つの削減方法と、実際に成果を上げた企業の成功事例を詳しく解説します。読み終える頃には、あなたの部署のデスクから「問い合わせ対応」という重荷を下ろし、本来注力すべきコア業務へと向かうための明確な道筋が見えているはずです。 

なぜ社内問い合わせの削減が必要なのか

社内問い合わせの削減は、単に担当者の残業時間を減らすためだけの取り組みではありません。それは企業全体の競争力を高めるための重要な経営課題です。ここでは、問い合わせ削減がもたらす3つの重要なメリットについて解説します。 

コア業務に集中でき生産性が向上する

問い合わせ削減の最大の目的は、社員が本来の業務である「コア業務」に集中できる時間を確保することです。例えば、人事担当者が制度企画や採用戦略といった重要業務を行っている最中に、「交通費の申請方法を教えてほしい」という電話がかかってくるとします。一度中断された集中力を元の状態に戻すには、平均して約23分かかるとも言われており、頻繁な割り込みは業務品質とスピードを著しく低下させます。

問い合わせ件数を減らすことで、担当者はまとまった時間を思考や企画に費やせるようになり、結果として部署全体の生産性が大きく向上します。つまり、問い合わせ削減は「守りの業務改善」ではなく、企業の成長を支える「攻めの施策」なのです。 

問い合わせ対応コストという人件費を削減する

社内問い合わせには、目に見えない莫大なコストがかかっています。質問する側の社員が回答を探したり電話をかけたりする時間と、回答する側の担当者が調査や説明を行う時間の両方に人件費が発生しているからです。仮に1件の問い合わせ対応に双方合わせて15分かかるとしましょう。これが全社で月間1,000件発生していれば、毎月250時間分の人件費が生産性のない確認作業に消えていることになります。

問い合わせを削減し自己解決率を高めることは、この埋没コストを直接的に削減し、利益を生み出す活動へのリソース再配分を可能にします。経営視点で見れば、問い合わせ削減は確実な投資対効果が見込めるコスト削減策と言えます。 

従業員のストレスが軽減され満足度が上がる

問い合わせ対応は、する側とされる側の双方にとって心理的なストレス要因となります。回答する側の担当者は、自分の業務が進まない焦りや、同じ質問に何度も答える徒労感を感じやすく、これがモチベーション低下や離職の原因になることもあります。

一方で質問する側の社員も、「忙しい担当者に電話するのは気が引ける」「また怒られるのではないか」という心理的負担を感じており、疑問を解決できないまま業務が停滞してしまうケースも少なくありません。問い合わせが削減され、必要な情報にすぐにアクセスできる環境が整えば、こうしたストレスは解消されます。快適な業務環境は従業員エンゲージメントを高め、組織全体の活気を生み出す土台となります。 

社内の問い合わせがなくならない根本的な原因

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対策を講じる前に、なぜ社内問い合わせがなくならないのか、その原因を正しく理解する必要があります。多くの企業で共通してみられる原因は、情報の「質」と「場所」、そして「人」の問題に集約されます。 

マニュアルや情報が古く整備されていない

最も多い原因は、社員が参照すべきマニュアルや情報が古くなっている、あるいは整備されていないことです。「マニュアルを見てください」と案内しても、そのマニュアルが3年前の情報のままであったり、現在のシステム画面と異なっていたりすれば、社員は混乱して結局担当者に電話をかけることになります。

また、マニュアルがPDFファイルでサーバーの奥深くに保存されており、検索してもヒットしないというケースも頻繁に見られます。情報が存在していても、それが「使える状態」でなければ意味がありません。信頼できる最新の情報が、必要な時にすぐに見つかる状態でなければ、社員は確実な答えを求めて「人に聞く」という行動を選んでしまうのです。 

担当者しか知らない業務知識が属人化している

業務知識が特定の担当者に偏っている「属人化」も、問い合わせが減らない大きな要因です。「この件については〇〇さんしか分からない」という状況が生まれると、その担当者に出社時や在席時を狙って問い合わせが集中することになります。

このような状況では、マニュアルなどの形式知としてノウハウが共有されていないため、他のメンバーが代わりに対応することもできません。属人化は、担当者の不在時に業務が停止するリスクもはらんでいます。個人の頭の中にしかない暗黙知を、組織として共有できる形式知へと変換していくプロセスがなければ、問い合わせはその人に集中し続けることになります。 

問い合わせ窓口が部署ごとに点在している

問い合わせ窓口が複雑で分かりにくいことも、不要な問い合わせを生む原因となります。例えば、「PCの不具合は情報システム部」「給与システムのログインは人事部」「備品購入の申請は総務部」のように窓口がバラバラだと、社員はどこに聞けばよいか迷ってしまいます。

その結果、「とりあえず聞きやすい総務部の〇〇さんに聞いてみよう」という誤った問い合わせが発生し、担当者は「それはうちの担当ではないので、あちらに聞いてください」という不毛な案内業務(タライ回し)を強いられることになります。窓口が整理されていないことは、質問する側の時間を奪うだけでなく、回答する側にとっても本来受けるべきではない質問への対応を増やす要因となります。

社内の問い合わせを削減する7つの具体的な方法

原因が明らかになったところで、具体的な解決策を見ていきましょう。ここでは、即効性のあるものからシステム的なアプローチまで、7つの方法を紹介します。 

方法 

概要 

効果 

難易度 

1.内容のデータ化 

問い合わせの件数や内容を記録・分析する 

削減すべき課題の特定 

 

2.FAQシステム 

よくある質問と回答を検索可能な形式で公開 

定型質問の自己解決 

 

3.チャットボット 

自動応答プログラムで24時間対応を実現 

対応工数の大幅削減 

 

4.ポータルサイト 

社内情報を一箇所に集約しアクセス性を向上 

情報迷子の防止 

 

5.マニュアル整備 

業務手順書を最新化し分かりやすくする 

正確な業務遂行の支援 

 

6.RPA導入 

定型的な処理作業そのものをロボットで自動化 

作業時間のゼロ化 

 

7.デジタルガイド 

システム画面上に操作案内を直接表示する 

操作迷いの即時解消 

 

【関連記事】チャットボット導入費用はどれくらい?相場や内訳、費用を抑えるコツを解説 | 働き方改革ラボ | リコー 

問い合わせ内容をデータ化し傾向を分析する

最初に取り組むべきは、現在どのような問い合わせが来ているのかを正確に把握することです。電話やメール、チャットで来る問い合わせの内容、件数、発生時期をExcelや管理ツールに記録してみましょう。すると、「月末に経費精算の質問が集中している」「パスワードリセットの依頼が全体の3割を占めている」といった具体的な傾向が見えてきます。

感覚ではなくデータに基づいて対策の優先順位を決めることで、最も効果の高い施策から着手することができます。まずは1ヶ月間、簡単な記録をつけることから始めてみてください。 

よくある質問をFAQシステムで公開する

分析の結果、頻繁に寄せられる質問(FAQ)が特定できたら、それを社員が検索できる形で公開します。FAQシステムを導入し、「交通費申請」「パスワード忘れた」といったキーワードで検索すればすぐに回答が得られる環境を整えます。

重要なのは、専門用語を使わずに社員が実際に検索しそうな言葉でタイトルや本文を作成することです。また、FAQは一度作って終わりではありません。「役に立った」「解決しなかった」ボタンなどでフィードバックを集め、回答が分かりにくい項目は随時修正していく運用が成功の鍵となります。 

定型的な質問はチャットボットで自動化する

FAQシステムよりもさらに手軽に、会話形式で疑問を解決できるのがチャットボットです。社内ポータルやチャットツール(Microsoft TeamsやSlackなど)にチャットボットを設置することで、社員は担当者に話しかけるような感覚で気軽に質問できます。

特に「就業規則が見たい」「有給の残日数は?」といった定型的な質問に対しては、ボットが即座に回答やURLを提示してくれるため、担当者の手を煩わせることがなくなります。24時間365日いつでも回答が得られるため、夜間や休日に業務を行う社員や、テレワーク中の社員にとっても利便性が高いツールです。 

社内ポータルサイトで情報を一元管理する

様々な場所に散らばっている情報を、社内ポータルサイトに集約することも効果的です。「何か困ったらまずはここを見る」という入り口を一つに定めることで、社員が情報を探して迷子になることを防げます。

ポータルサイトのトップページに、よく使われる申請書のリンク集や、最新のお知らせ、FAQへの検索窓を配置し、導線を整理しましょう。情報は一箇所にあるだけでなく、常に最新の状態に保たれていることが重要です。各部署が責任を持って情報を更新する運用ルールを定めることも、ポータルサイト活用には欠かせません。 

分かりやすい業務マニュアルを整備し更新する

問い合わせ削減の基本は、やはり分かりやすいマニュアルの整備です。文字ばかりの分厚いマニュアルではなく、スクリーンショットや図解を多用し、直感的に理解できる資料を作成しましょう。最近では、動画マニュアルを活用して実際の操作手順を動きで見せる企業も増えています。

また、マニュアルは作るだけでなく「見てもらう」工夫が必要です。問い合わせが来た際に、単に回答するのではなく「このマニュアルの3ページ目に手順が載っています」と案内し、マニュアルを見る習慣を根付かせていくことも、担当者の重要な役割です。 

RPAを導入し定型業務そのものを自動化する

問い合わせの中には、単なる質問ではなく「データ抽出依頼」や「アカウント発行依頼」といった作業依頼も含まれます。これらはRPA(Robotic Process Automation)を導入することで自動化できる可能性があります。

例えば、申請フォームから依頼を受け取ったら、ロボットが自動でシステムにログインし、アカウントを発行して完了メールを送るといったフローを構築できます。これにより、担当者は作業そのものから解放され、人間にしかできない判断業務に集中できるようになります。RPAは定型業務の削減において非常に強力なツールですが、導入には業務フローの整理と標準化が前提となります。 

【関連記事】業務自動化に役立つRPAとは? EPA、CAの違いもわかりやすく解説 | 働き方改革ラボ | リコー 

デジタルガイドでシステムの自己解決を促す

新しいシステムを導入した直後は、「使い方が分からない」という問い合わせが殺到しがちです。これに対する有効な解決策が、システム画面上に操作案内を表示する「デジタルガイド(ナビゲーションツール)」です。

例えば、経費精算システムの画面を開くと、「まずはここをクリックして日付を入力してください」という吹き出しが直接表示され、ユーザーをゴールまで誘導してくれます。マニュアルを別ウィンドウで開いて見比べる必要がなく、操作しながらリアルタイムで支援を受けられるため、操作に関する問い合わせを劇的に減らすことができます。 

問い合わせ削減を成功させる4つの実践手順

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ツールを入れるだけで問い合わせがなくなるわけではありません。効果を出すためには、正しい手順で取り組む必要があります。ここでは、着実に削減を進めるための4つのステップを解説します。 

手順1:問い合わせ内容と件数を可視化する

まずは現状把握からスタートします。いつ、誰から、どのような手段で、どんな内容の問い合わせが来ているかをリストアップします。この段階では厳密な分類コードなどは不要です。「PC再起動で直った」「申請書の場所を聞かれた」など、メモ書きレベルでも構いません。重要なのは、担当者の感覚ではなく事実として記録を残すことです。

1〜2週間ほど記録を続ければ、問い合わせ全体の8割を占める「頻出の質問(パレートの法則)」が見えてくるはずです。この上位2割の質問に対策を集中させることが、短期間で効果を出すポイントです。 

手順2:よくある質問の回答テンプレートを作成する

頻出する質問が特定できたら、それに対する標準的な回答を作成します。これはFAQシステムに入力する原稿になりますが、まずはメールやチャットの返信テンプレートとして整備するだけでも効果があります。「この質問が来たら、この文章をコピペして返す」という状態を作ることで、担当者ごとの回答のばらつきを防ぎ、対応時間を短縮できます。

回答には、結論だけでなく、関連するマニュアルへのリンクや、次にすべきアクションも含めるようにしましょう。これにより、一度の回答で疑問が完全に解消され、再度の問い合わせを防ぐことができます。 

手順3:社員が自己解決できる体制を構築する

作成した回答テンプレートやマニュアルを、社員がいつでも参照できる場所に公開します。ここでFAQシステムやチャットボット、ポータルサイトなどのツールが登場します。公開後は、「分からないことがあったら、まずはチャットボットに聞いてみてください」というアナウンスを徹底します。

最初のうちは、直接問い合わせてくる社員も多いでしょう。その場合は、「チャットボットで『〇〇』と検索すると詳しい手順が出てきますよ」と優しく誘導し、ツールの利便性を体験してもらうことが大切です。地道な誘導を繰り返すことで、徐々に「聞く前に調べる」文化が醸成されていきます。 

手順4:問い合わせ窓口を一つに集約する

最後に、問い合わせの受付窓口を一本化します。電話、メール、チャット、口頭など、バラバラだった入り口を「原則として専用フォーム」や「チャットボット経由」などに集約します。これにより、必要な情報(エラー画面のスクショやOSのバージョンなど)が最初から揃った状態で問い合わせが届くようになり、やり取りの往復回数を減らせます。

また、窓口を一本化することで、問い合わせデータの蓄積と分析が容易になり、さらなる改善サイクルを回しやすくなるというメリットもあります。 

問い合わせ削減に成功した企業の事例紹介

実際に取り組みを行い、大きな成果を上げた企業の事例を紹介します。自社での導入イメージを膨らませる参考にしてください。 

経理部門への定型的な質問を自動化し月間100件の入電を削減

リコージャパン株式会社の経理部門では、経費精算や請求書発行に関する重複した問い合わせが集中し、担当者の実務を圧迫していました。この課題を解決するため、AIチャットボットを導入して従業員が自ら疑問を解消できる環境を整備しています。

導入後は、月に約100件寄せられていた電話での問い合わせを削減することに成功しました。担当者は電話応対による中断が減ったことで、決算業務などの専門性の高いタスクに集中できるようになっています。24時間いつでも即座に回答が得られる仕組みは、現場の従業員にとっても利便性が高く、組織全体の事務効率化に寄与しました。 

【関連記事】チャットボット導入で働き方改革 - 問い合わせ1,000件削減|RICOH Chatbot Service 

鉄道現場の声を反映したFAQ整備により電話応対を削減

西武鉄道株式会社では、現場の駅係員や乗務員から管理部門へ寄せられる、規定や手続きに関する膨大な問い合わせへの対応が課題となっていました。この状況を改善するためにAIチャットボットを導入し、現場で発生しやすい疑問に即座に回答できる体制を構築しています。

導入にあたっては、実際の問い合わせ履歴に基づいた実用性の高いFAQを整備することに注力しました。その結果、これまで電話で行われていた確認作業の多くがチャットボット上で完結するようになり、管理部門の応対工数が目に見えて減少しています。現場の職員にとっても、場所や時間を問わずモバイル端末から迅速に情報を得られる環境が整い、業務全体のスピード向上に寄与しました。 

【関連記事】チャットボット導入によりヘルプデスク業務の全体の効率化を実現|RICOH Chatbot Service 

まとめ

この記事の要点をまとめます。 

  • 社内問い合わせの削減は、生産性向上、コスト削減、従業員満足度の向上につながる重要な経営課題です。
  • 削減のステップとして、まずは現状を可視化・分析し、FAQやチャットボットを用いて自己解決できる環境を整えることが重要です。
  • 問い合わせ窓口の一本化やツールの活用により、担当者はノンコア業務から解放され、より付加価値の高い業務に集中できるようになります。

社内問い合わせの削減は、一朝一夕に完了するものではありません。しかし、今日から問い合わせの記録をつけ始める小さな一歩が、やがて組織全体の働き方を大きく変える改革へとつながります。ぜひ、できることから始めてみてください。 

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記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)


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