製造業では今後も紙が増えていく?今こそ見直したい書類のやり取り
2019年07月11日 07:00
この記事に書いてあること
製造業は、カイゼンや5Sで現場の生産性向上についての取り組みが続けられている業界です。その一方、業務に関するやり取りについては成果が見えにくいこともあり、なかなか改善が進まない面もあるようです。しかし長い間仕事のやり方を変えていないのであれば、働き方を変えることによって得られる成果や改善は大きなものとなります。本日はそんな製造業の働き方改革の例として、紙の書類によるコミュニケーションについて考えてみます。
製造業は紙の書類が多い
製造業はもともと紙の書類の種類も量も多い業界です。商品の種類や取引先が多いので、どこでもどんな相手でも使えて、記録を残しやすい紙の書類でのやりとりが確立しているからです。
これら紙の書類によるやりとりは、ペーパーレス化という時代背景はありながらも、大量生産から多品種小量生産への移行や、海外を含めたサプライチェーンの複雑化というトレンドを背景に、ますます増える傾向にあります。
増加しているのは製造や調達に関わる部門だけではありません。営業部門と製造部門の間でも、発注書や仕様書、配送や納期管理など、やり取りは増えています。
製造業の場合、生産の現場と営業の現場が離れており、物理的なモノの移動があるため、この傾向が顕著となります。
つまり、製造業は今のままでは紙の書類がますます増えていきがちな性質があるのです。
書類のデジタル化から始める働き方改革
このような事情があるため、製造業で紙の書類を一気になくすのは無理があります。まずは管理の方法をデジタル化してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
メリットの多い紙書類のデジタル化
書類の保管や管理のコストを下げる
紙の書類を保管・管理するためのコストが削減できます。
作業時間の短縮
必要な書類を探す時間や、郵送での書類のやり取りにかかる時間を短縮できます。
最新データが確認しやすい
更新したタイミングが保存されるので、どれが最新のデータなのか確認しやすくなります。
デジタルデータの一元管理
また、より効率化を目指すのであれば、デジタル化したデータの一元管理もおすすめです。様々なシステムのデータを一括で管理できるツールが注目されており、以下のメリットがあります。
・システム間で転記をする必要がなくなり、転記ミスによる手戻りの削減が期待できる
・図面や在庫、工数などを一度に確認できるので情報の収集・確認をスピーディに行うことができる
手間を削減することで、増加している納期の短い案件にも対応することができ、生産性向上につながります。さらにそれらをクラウド化することで、営業部門と製造部門で同じデータをリアルタイムで確認できたりと活用の幅が広がります。
製造業の働き方改革の第一歩に
紙で行われている管理をデジタル化することで、その後の活用範囲を広げることができます。難しい、と思われがちな製造業の働き方改革ですが、例えば紙のデジタル化は、仕事場にすでにあるパソコンやスキャナーで始めることもできます。必要なことは、紙を主役とした書類管理から、デジタルを主役とした書類管理への発想の転換です。
一気に働き方を変えるのは難しいですが、まずは手近なところから働き方改革を始めるのはいかがでしょうか?
記事執筆
働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
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