シャイニングマンデーとは?その取り組みの内容と現状
2019年01月25日 07:00
この記事に書いてあること
「シャイニングマンデー」という言葉をご存じでしょうか。2017年に「プレミアムフライデー」のキャンペーンがスタートして広く認知された一方で、この取り組みはあまり知られていません。シャイニングマンデーとは、月曜日の過ごし方を変えて、働き方やライフスタイルを考え直すひとつの仕組み。今回は、シャイニングマンデーとはどんな制度なのか、またメリットとデメリット、そして取り組みの現状について紹介します。
シャイニングマンデーとは?
シャイニングマンデーとは、月曜午前に有給休暇を取得することを推進する動きです。ニュースで取り上げられたきっかけは、2017年の衆議院選挙。公明党が、働き方改革を進めるマニフェストの一環として、月曜の午前中を一斉に休みにする「シャイニングマンデー」の実施を提唱しました。
2018年8月、テレビのニュースで、経済産業省の職員が月曜の午前中に休暇を取得した取り組みを紹介。この動きを「シャイニングマンデー」と呼ぶ案もあると報じられました。国や経済産業省がキャンペーンとして企業に広く提唱しているものではないものの、新たな休み方として話題を集めました。
シャイニングマンデーでどんなことができる?
1週間の始まりに半休を取得するシャイニングマンデー。ではこの取り組みによって、働く人にとってどんなことが可能になるのでしょうか。
旅行からの帰宅を月曜午前中に
土日を使って泊まりがけの旅行に出かけた際に、月曜の午前中に休みを取得していれば、日曜のうちに帰宅をせずに、さらに1泊して月曜午前中まで行程を伸ばすことができます。1泊ではなく2泊できるようになれば、旅行できる地域や、旅先でできることの幅も広がります。
また、月曜から仕事が始まることを考慮して、日曜は早めに家に帰りたいという方も多いと思います。月曜の仕事が午後からであれば、日曜の夜遅めに帰ってくるという選択肢も生まれます。
土日により長い時間趣味を楽しめる
月曜の仕事が午後からスタートであれば、月曜は早起きせずに、遅めに起きて仕事にでかけることができます。翌日仕事があると前日の外出は早めに切り上げがちですが、月曜が午前休であれば、日曜日に趣味やレジャーをいつもより遅めの時間まで楽しんだり、夜間の時間を趣味に使ったりすることも可能になります。
ゆとりをもって1週間をスタート
1週間の始まりは、土日で乱れた生活リズムを整えたり、気持ちを切り替えたりする必要がありますが、月曜に午前休を取得することで、ゆとりを持って1日をスタートできます。忙しい気持ちで週明けを迎えるのではなく、ゆったりした気持ちで仕事に臨むことができます。
通勤ラッシュを避けられる
午前休を取得すれば、電車などの朝のラッシュを避けて通勤ができます。1週間の始まりに憂鬱なラッシュを避けて仕事へ向かうことで、気持ちを整えることも期待できます。
シャイニングマンデーのメリット
土日の旅行や趣味の時間を充実させ、ゆとりを持って月曜日を迎えることが可能になるこの取り組み。では、この制度によって働く人や企業にはどんなメリットが生まれるのでしょうか。
ワークライフバランスの推進
働く人にとって、仕事以外の私生活を充実させることはとても重要。シャイニングマンデーによって、週末に趣味にかける時間や家族と過ごす時間が増え、その質も向上することで、ワークライフバランスが推進されます。
働き方改革が活発に
さまざまな休み方が受け入れられ、浸透することで、働き方改革の推進につながります。土日の休みを半日伸ばすことができるシャイニングマンデーによって、働き方や休み方の選択肢が増え、働く人ひとりひとりの満足度向上が期待できます。
有給取得推進
月曜の午前休を推奨することで有給の取得が促進されます。働く人がリフレッシュする時間が増えるだけでなく、企業側にとっても、従業員の有給取得が促されることはメリットと言えます。
シャイニングマンデーのデメリットや懸念点
新しい休み方として余暇の過ごし方や働き方にメリットをもたらすシャイニングマンデーですが、導入に関して懸念される点もあります。
他の日に業務が増えて残業が増える
月曜午前中に休むことで、出社日の業務が圧迫されてしまうという懸念もあります。仕事の量が多い場合は、月曜当日の残業が増えたり、1週間の別の日の業務量が増えたりするリスクも考えられます。
一斉の休みを推進することで形骸化?
決まった曜日に一斉に休むことを推進することで、制度が形骸化してしまうのでは?という懸念もあります。指定された日に休むことは、それぞれの職場の繁忙期や業務の都合上現実的ではなく、休めない人が増えるうちに、結果的に制度が形骸化してしまうリスクがあります。
個人の都合に合った休み方ではない
シャイニングマンデーは、月曜日の午前中に休暇を取る制度のため、ひとりひとりの都合を考慮していません。働く人が、本当に休みたいときに有給を取得することを促進する取り組みではないという点も、制度の欠点と言えます。
シャイニングマンデーの取り組みの現状
現在、経済産業省や政府が、月曜の午前中に休む制度を提唱しているわけではありません。経済産業省によると、プレミアムフライデーのキャンペーン実施後、毎月の最終金曜日という決められた日に早く退社することは、業務の都合上難しいケースがあるという現実を受けて、プレミアムフライデー推進協議会で議論。その結果、他の曜日に振り替えて取得してもよいという判断になり、その一案として、経済産業省の職員が、月曜午前中に一斉に休みを取得したとのことでした。経済産業省としては、引き続き、プレミアムフライデーを推進していく方針とのことです。
休み方・働き方改革の一環としてトライしてみては?
月曜午前中に休みを取得する取り組みはキャンペーンとして大きく推し進められているものではありませんが、働き方やリフレッシュの方法について考える、ひとつのきっかけになる取り組みではあります。各企業や職場、また働く人にとって、最適な休暇取得の方法はさまざまですが、有給取得が進まない企業や、社員にリフレッシュの時間を持ってもらいたいという企業の方は、一度トライアルとして実施してみてはいかがでしょうか?
記事執筆
働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
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