仕事中にお菓子はアリ? 間食がもたらす集中力・生産性アップ効果
2022年12月08日 07:00
この記事に書いてあること
【2025年10月8日更新】
昼食や仮眠をとる、タバコを吸うなど、仕事中の休憩時間の過ごし方はさまざまです。また、お菓子を含む勤務中の間食の考え方は、時代の変化とともに変わりつつあります。
今回は、性別・年代・業種や職場環境によっても考え方が分かれる「仕事中の間食」について、アンケート調査結果を交えながら、小休憩の効果とあわせて考えます。
小休憩の3つの効果
仕事の合間に取る短時間の休憩、いわゆる「小休憩」は、集中力の回復や気分転換など、働く人にとってさまざまな効果があります。ここでは、小休憩がもたらす代表的な3つの効果についてご紹介します。
1. 集中力を維持できる
長時間作業を続けると、脳の集中力は徐々に低下します。短時間の小休憩を挟むことで、脳をリセットし、集中力を維持できます。
短時間の集中と休憩を繰り返す『ポモドーロ・テクニック』を活用するのもおすすめです。これは、25分間の作業と5分間の休憩を1セットとして繰り返す時間管理法で、集中力の維持に効果的とされています。
2. 疲労感を軽減し、リフレッシュできる
デスクワークでずっと座りっぱなしだと、肩こりや腰痛などの肉体的疲労だけでなく、精神的な疲れもたまりやすくなります。短い休憩中に軽く体を動かしたり深呼吸をするだけでも、血流が良くなり、気分転換になります。
小休憩をとる習慣は、ストレスの蓄積を防ぎ、午後の作業効率を保つ助けにもなります。
3. 生産性が向上する
集中力の維持と疲労回復がうまくできると、作業ミスが減り、1つひとつのタスクにより高い集中で取り組めるようになります。結果として仕事全体の効率が上がり、生産性向上につながります。
小休憩を意識的に取り入れることは、「働く時間を増やす」よりも「限られた時間で成果を出す」ための有効な方法です。
このように、小休憩にはさまざまな効果があります。 では、近年増えている「間食休憩」はどのくらい一般的になっているのでしょうか。
もはや一般的?約6割が仕事中に間食をしていると回答
これまでの小休憩はトイレ休憩やタバコ休憩が主流とされてきましたが、最近では間食休憩をとる人も増えています。いったい、どのくらいの人が仕事中に間食をしているのか、最新のアンケート結果を見ていきましょう。
性別・年代問わず、間食は日常に
株式会社アスマークが2023年末〜2024年初頭に実施した「仕事中の間食に関するアンケート」によると、全体の62.1%が仕事中に間食をしていると回答しています。
この「間食をする」と回答した人のうち、
・週5日以上(ほぼ毎日)間食している人は3割以上
・男性では5割以上、女性では7割以上が仕事中に何かしらの間食をしているという結果も出ています。
間食は仕事に“ポジティブな効果”をもたらす
間食によって得られる心理的効果として、最も多く挙げられたのが「気持ちの安定化」。これは全年代で共通して感じられている傾向です。
また、「周囲とのコミュニケーションの向上」は20代で約65%、60代では約40%と年代によって差が見られました。「仕事の効率性の向上」は30代で80%以上、60代では約60%と、若年層ほど間食による効果を強く感じているようです。
リフレッシュや気分転換としての間食
間食の理由としては、「小腹が空いた時」が最も多く、次いで「気分転換・リフレッシュしたい時」「ひと休みしたい時」「ストレスを感じた時」と続きます。
勤務形態によっても傾向が異なり、在宅勤務時に間食が多い理由としては「人目を気にしなくてよい」「好きなものを自由に食べられる」「気分転換になる」などが挙げられています。一方、オフィス勤務時に間食が多い理由としては「ストレス解消」「体力消耗」「空腹になりやすい」などが目立ちました。
このように、間食は単なる糖分補給にとどまらず、仕事中の気分転換やコミュニケーション促進、効率性向上など、さまざまな面で“働く人の味方”となっていることがわかります。
仕事中の間食に関するアンケート – 【公式】 | 市場調査・マーケティングリサーチ会社のアスマーク
仕事中にお菓子を食べるなら|生産性が上がる間食のしかた
上述した通り、仕事中に間食をするのはもはやメジャーな小休憩の仕方であることがわかりました。しかし、糖分を摂りすぎてしまうと健康被害が出る可能性もあります。間食休憩の目的は、あくまでリフレッシュをし、生産性を上げることです。
脳のエネルギー源は”ブドウ糖”
脳は、人間の1日のエネルギー消費量のうち20%をも消費すると言われており、そのエネルギー源となるのが”ブドウ糖“です。”ブドウ糖”が不足すると、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が下がり、集中力が低下すると言われています。
“ブドウ糖”は炭水化物や糖から作られますが、大量に摂取しても体に蓄積できないという特徴があり、適切なタイミングで補給していく必要があります。
“ブドウ糖”摂取には、GI値を意識
しかしブドウ糖を摂取しすぎてしまうと血糖値のコントロールに悪影響を及ぼすおそれがあります。人間の体は、血糖値が急激に上がると、血糖値を下げようとする働きも強く起こります。その結果、意図に反して血糖値が下がり、頭がぼんやりして集中力を欠いたり、眠くなったり、ということが起こってしまうのです。
つまり「急激に血糖値を上げない」食べ物で”ブドウ糖”を摂取することが重要なのです。そこで参考になるのが、「GI値」と呼ばれるものです。
GI値とは
「GI値」とは、「炭水化物が分解され、糖に変わるまでのスピード」を現した数値で、GI値が高いほど血糖値が急激に上がりやすく、低いものは緩やかに上がるとされています。つまり、選ぶべきはGI値が低い食品です。
GI値が高い食品と低い食品とは
GI値が高い食品としては、チョコレートやドーナツ、ポテトチップス、せんべい、クッキーなどが挙げられ、低い食品としてはヨーグルト、ナッツ、大豆食品などが挙げられます。
一見するとGI値が高い食品のほうが満足感がありそうですが、血糖値の乱高下を防ぐには、低GI食品を意識して選ぶとよいでしょう。
おやつを食べるのに最適なタイミングとは
食事と食事の間が開きすぎる場合も、血糖値は下がり、次の食事の際に血糖値が急上昇する可能性が高まります。
現代の働き方では、昼食と夕食の間が空きすぎてしまうケースが多いと言われています。たとえば、昼食が12時で夕食が20時の場合、食事と食事の間が8時間も空いてしまうので、食事と食事の中間にあたる16時頃に間食をすると良いでしょう。
また、間食は1日に摂取するエネルギー量の10%が目安です。およそ200kcalと覚えて、意識すると良いでしょう。
まとめ
勤務中の間食は、いまや一般的になりつつあります。しかし、職務能率を下げるような過度な間食や、間食による音や臭いなど他の従業員の迷惑になることは控えるべきでしょう。
また、リフレッシュを目的に間食をする人が多い一方で、間違った食べ方によって逆に生産性を落としている可能性があるのも事実です。急激に血糖値を上げないようにブドウ糖を摂取すること、低GIの食べ物を選ぶことを意識しながら、リフレッシュタイムをお過ごしください。
本記事では、健康にまつわる話題も取り上げていますが、医療や栄養の専門家による助言ではありません。あくまで一般的な情報のご紹介ですので、体調や健康に関するご判断は、医師や専門家にご相談いただくことをおすすめします。
記事執筆
働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
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