働き方改革って、うまくいくの?働き方改革を成功させるポイントは?
2017年12月25日 07:00
この記事に書いてあること
「働き方改革」 社内で進んでいますか?
政府は、労働の現場における生産性向上と、日本経済の再生を図るために、「働き方改革」を推進しています。
多くの企業では働き方改革に基づいて具体的な行動をとっていますが、実際には、「働き方改革を実施しても、社内の改革がなかなか進んでいない」と感じる方は多いのではないでしょうか。
働き方改革における失敗例を取り上げながら、その反省を踏まえて、どのようにすれば適切に改革を進められるのか、ということについて考えていきましょう。
なぜ、働き方改革はうまくいかないのか?
実際に働き方改革を推進すると、さまざまな問題が生じるケースが多いのです。それでは、なぜ、働き方改革はうまくいかないのでしょうか。
働き方改革がうまくいかない理由として、「目的がないこと」あるいは「評価を計りにくいこと」があげられ挙げられます。
働き方改革の大きな柱としては、「労働生産性の向上」がありますが、労働生産性を上げる名目で、「業務は効率的に行うこと」と呼びかけても、指示内容に具体性が欠けるために、今まで通りの方法で業務を行ってしまう場合があります。
しかも、「効率的に作業を行う」という内容は評価されにくいために、業務の効率化に対して積極的に取り組もうとしないことも考えられます。
そのような場合は、「業務を効率的に行い、残業が一定の時間以下に抑えることができた社員は、人事評価の対象とする」ということにしてみましょう。
残業時間が減ると、残業代が減ってしまうことがネックとなりますが、残業時間が減ることが評価対象となるならば、積極的に業務効率化に取り組むことが期待されます。
単に残業を禁止するのは、逆効果
また、働き方改革においては、「長時間労働の削減」が盛り込まれていますが、単に「残業禁止。定時になったら帰ること」と言うだけでは、長時間労働の削減は実現しにくいのが現状です。
なぜなら、残業が削減されたとしても、業務量は削減されないからです。
単に、「残業禁止」と伝えると、短時間で無理に作業を行ったために、仕事が雑な仕上がりになってしまうことがあります。あるいは、完全に仕上げるために、やむを得ずサービス残業をするケースもみられるでしょう。
残業時間の削減を実現させるためには、業務に対する意識改革が必要です。例えば、「時間はコストである」と説明したり、「明日に作業をしても良いことは、明日行う」と割り切る考えを持たせたりすることです。
さらに、業務効率化のための機器を導入できると、より効果的に残業が削減しやすくなります。
上司の指示と上司の行動が矛盾
上司の指示と上司の行動内容が矛盾している場合、働き方改革は推進されにくくなってしまいます。
例えば、上司が「残業せずに早く帰ること」という指示を出したとしても、上司が毎日のように残業をしていれば、上司の指示は説得力に欠けてしまいます。しかも、上司が残業していれば、部下もしぶしぶ残業してしまうことでしょう。
そのため、上司が有言実行する必要があるのです。部下が上司に対し、残業していることを指摘するのは、苦言を呈するようでためらってしまうかもしれませんが、時と場合によっては、上司の残業について指摘することも必要なのではないでしょうか。
制度そのものが活用されていない
企業が働き方改革のために取りいれた制度であったとしても、その制度が十分に活用されていなければ、働き方改革の効果は見られないということになってしまいます。
仮に、ある企業が、自宅にいながら業務ができる「テレワーク」を導入したとしましょう。テレワークは、育児や介護を行っている人にとっては便利な機能です。
しかし、テレワークは、他の社員とのコミュニケーションがとりにくい、情報共有ができず孤立しがちになる、という理由から、結局出社して業務を行うケースもあるようです。
テレワークを活用するための例としては、在宅勤務が行いやすい総務部と人事部から先行して導入する、という方法があります。
活用されにくいと予想される制度は、あらかじめ試験的に導入して、問題点を改善した上で、本格的な導入に踏み切る方法が有効です。
ツールだけが先行し、社員がツールを使いこなせない
最新のツールを利用すると、業務効率の大幅なアップが期待されます。そのため、最新ツールを導入して、積極的に働き方改革を推進したい、と考えることでしょう。
その反面、導入しても従来のツールの方が慣れているため利用されなかったり、操作が分からないため使いこなせないなどの理由で社内に浸透しないこともあります。
業務効率を大幅に向上させるはずの最新ツールであっても、操作方法が分からなければ、業務効率が従来よりも低下することも十分にあり得るのです。
最新のツールを導入する場合は、使用方法が分かりやすいツールを選ぶことが大切です。また、ツールを導入する場合には、事前に使用方法の説明会などを実施し、ツールを使用する人が問題なく使用できるように事前の準備を行うことが大切です。
働き方改革を実現させるための方法は?
働き方改革を成功させる要因としては、働き方改革の「目的」と「ニーズ」を明確にすることが挙げられます。
例えば、政府は働き方改革の一環として「プレミアムフライデー」を実施しましたが、プレミアムフライデーは多くの社員が多忙となる月末の金曜日に設定されたため、企業の実情に合致していないとの理由から、導入している企業はごくわずかにとどまっています。
このように、働き方改革が、目的やニーズからかけ離れると、働き方改革は推進されにくくなります。
逆に、目的が明確で、会社や社員のニーズを満たすものであれば、働き方改革は推進されやすくなることでしょう。
例えば、「労働生産性を向上し、残業を削減する」という目的を示した上で、「労働生産性向上によって生じた利益を社員に還元する」ということを示せば、社員のニーズを満たしやすく、残業の削減が期待されます。
働き方改革で、働きやすい企業を目指そう!
長年の慣習の元で業務を行ってきた企業にとっては、これまで行ってきた業務の方法に慣れていることもあり、働き方改革を推進しようとしても、社員に受け入れられにくいケースが多いものです。
しかし、業務の効率化や残業の削減は、社員にとって働きやすい環境を創り出すことにつながります。ブラック企業が問題視される状況においては、働きやすい企業は魅力的に映ることでしょう。
社員の働きやすさを実現するためにも、働き方改革をスピーディーに進めていきたいですね。
記事執筆
働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
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