VUCAとは?予測不可能な時代を生き残る企業に必要なもの

From: 働き方改革ラボ

2023年09月05日 07:00

この記事に書いてあること

未来が予測しにくい今の状況を象徴する概念として、「VUCA」という言葉が注目されています。現代は、社会環境やビジネスにおいても予期せぬことが起こりやすい時代。そんな中、課題や消費者ニーズの本質を読み解き、変化に柔軟に対応できる人財や組織が求められています。VUCAという言葉について、その意味や、重視される背景を解説。VUCA時代に求められるスキルや、企業にとって必要なものについてお伝えします。

VUCAとは?

VUCA(ブーカ)とは、もともとは1990年代にアメリカで考案された軍事用語で、次の4つの単語の頭文字を組み合わせた言葉です。

  1. Volatility(変動性)…状況がめまぐるしく、急激に変化すること

  2. Uncertainty(不確実性)…次に何が起こるのかが不確実で、予測が難しいこと

  3. Complexity(複雑性)…さまざまな要素が、複雑に絡み合っていること

  4. Ambiguity(曖昧性)…ものごとの因果関係や状況が不明確で、説明がしにくいこと

  5. VUCAとは、この4つを併せ持つ、変化が激しく未来の予測が難しい状況を意味します。近年、ビジネス情勢や社会全体を表す言葉として用いられています。

    なぜ今、VUCAが注目されているのか

    ではなぜ今、VUCAが高い関心を持たれているのでしょうか。

    VUCAは、2016年に開催された世界経済フォーラムで取り上げられたことをきっかけに注目され、先行きが読めない社会や、世界情勢を指す言葉として使われるようになりました。

    今、地球温暖化などの環境の問題や少子高齢化など、対処すべき課題が増加。また、感染症の蔓延や、急激なテクノロジーの進化など、数年前には予想できなかったことも多数、起きています。そんな先の読めない今の時代は「VUCA時代」と呼ばれています。

    グローバル化が進み、消費者ニーズも多様化し、より競争が激しくなる中で、VUCAという時代を正しく理解した上で、斬新なチャレンジや柔軟な対応ができる人財や組織が求められているのです。

    VUCA時代に求められるスキル

    激しい変化や不確実性がベースにあるVUCA時代。そんな環境で働く人には今、どのようなスキルが求められているのでしょうか。

    課題の抽出・解決力

    変化の激しい市場では、日々、対処すべき新しい課題やニーズが発生します。消費者の変化を見逃したり、課題に早い段階で対応できなかったりすれば、業界での競争力を失います。そのためVUCA時代では、変化の兆しを早く発見し、顕在化していない課題を抽出する力が求められます。

    抽出した課題を解決するための、論理的思考力も欠かせません。合理的な考察をベースに、変化が起きた本当の理由や消費者ニーズの本質を分析し、仮説を立てることで、有効な具体策を導き出すことができます。

    情報を集め分析する力

    情報収集や分析など、情報を取り扱う力も、VUCA時代に必要なスキルです。不確実性が高い中で、現状の把握や先の予測をする上では、自分が関わる業界の市場や顧客ニーズなどの情報だけでなく、世界経済や環境問題、社会全体に関する知識も求められます。そのためには、さまざまなソースから、信頼できる情報を日常的に獲得する必要があります。

    情報を集めるだけでなく、それを正しい判断や新しいアイデアの創出につなげる力も重要です。膨大な情報を整理・分析して最善の解決策を導き出す、情報処理能力が欠かせません。

    成果につなげる実行力

    時代の変化に対応するためには、論理的思考や情報を分析する力に加えて、解決策やアイデアをスピーディーに実践していく実行力が求められます。

    変化が激しいVUCA時代においては、決断や行動に時間をかけているとビジネスチャンスを逃しかねません。すばやく判断し、チャレンジングな姿勢で常に行動を繰り返しながら改善していくことで、変化や予期せぬ事態にも柔軟に対応できます。

    VUCA時代を生き抜く会社に必要なものは?

    課題抽出力や実行力などのスキルが個人に求められるVUCA時代。では、VUCAに強い組織になるために、企業には何が必要なのでしょうか?

    OODAループの活用による迅速な判断・行動

    VUCA時代、組織に必要な考え方として注目されているのが「OODAループ」です。OODAループとは、アメリカ空軍で使われてきたフレームワーク。変化が激しく複雑な状況で成果を上げる手法として、ビジネスでも取り入れられています。

    進め方は、観察(Observe)、仮説構築(Orient)、意思決定(Decide)、実行(Act)という4つのステップを繰り返します。この循環によって素早く意思決定ができるとともに、柔軟な軌道修正も行えます。

    1. 観察(Observe)…外部、内部を含むさまざまな角度から情報を得る

    2. 仮説構築(Orient)…収集した情報をもとに行動方針を立てる、また必要に応じて変更する

    3. 意思決定(Decide)…行動方針に基づいて対応を決める

    4. 実行(Act)…決定したことを実践する

    5. OODAループは、同じ循環型のフレームワークである「PDCA」と比べて、行動までのスピードが速いという特長があります。OODAループを使って変化の兆しをとらえて、スピーディーに意思決定や実践を行っていくことが、VUCA時代の組織には求められています。

      多様な人財の活用

      VUCA時代に必要な人財面の取り組みが、多様性を尊重することです。VUCA時代の複雑な背景を持った課題に対処するためには、多角的な視点から解決策を導き出すことが重要です。同質な人財を多数集めるのではなく、経歴や年齢、国籍、価値観などが多様な人財の積極登用によってイノベーションを起こしていくことが、企業には求められています。

      組織が時代の変化に対応していくためには、チャレンジを重視する人財育成も有効です。また、現場社員に権限を与えることで、決定や行動のスピードを上げることができます。多様な人財が、主体的に仕事に取り組める人事環境を整えましょう。

      ビジョンの明確化と社内への浸透

      現場社員に権限を与え、スピーディーに実行や軌道修正を行っていくためには、企業のビジョンに対する社員の理解が不可欠です。社員にビジョンが深く浸透していれば、先が読めない難しい状況においても、理念や企業倫理に沿った的確な判断が可能です。

      不確実な時代で戦うからこそ、企業としての確かなビジョンが欠かせません。リーダーやマネージャーが主体となって、日頃から積極的にビジョンを社内に浸透させましょう。

      VUCAを理解して変化の時代に強くなろう!

      VUCA時代の特徴や、求められるスキルを知れば、VUCAに合った戦略の必要性を感じるのではないでしょうか。VUCAという状況をベースに、人財育成や採用の考え方を見直してみるものおすすめです。VUCAを攻略して、変化に強い会社になるための一歩を踏み出しましょう!

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      記事執筆

      働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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