Z世代人材の職場定着率を上げる方法は?
2026年01月22日 07:00
この記事に書いてあること
【2026年1月22日 更新】
新卒で採用した社員の早期離職や、Z世代と呼ばれる年代の社員が職場に定着しないことに悩む企業も多いのではないでしょうか。若手社員は、企業の成長や未来を支える貴重な人材。彼らの定着のためには、その世代特有の価値観や仕事観を重視した職場環境作りが求められます。そこでこのコラムでは、Z世代の職場定着率を上げるための具体策と、Z世代にとって働きやすい職場作りに成功している企業の事例をご紹介。新しい人事戦略の参考として、ぜひご覧ください。
Z世代の人材の特徴は?
Z世代とは、1990年代半ばから2010年代前半に生まれた年代の層を指します。企業の経営層やベテラン社員より若い世代の彼らは、どのような特徴を持っているのでしょうか。
Z世代は、デジタル技術が浸透し、インターネットを使うことが当たり前の環境で生まれ育った人々。スマートフォンやSNSを使いこなすデジタルネイティブであり、多様な価値観を受け入れる柔軟性を持っています。また、効率性やタイムパフォーマンスを重んじる傾向が強いと言われています。
人権やサステナビリティに対する意識が高いのも、Z世代の特徴です。購買行動については、企業やサービス・商品の背景への共感を重んじる傾向があります。また、価値観が合う仲間との連帯意識が強く、コミュニケーションを通じた相互理解を大事にすることもうかがえます。
Z世代は、仕事観においても、他の世代とは違う考え方を持っています。仕事に多くの時間や労力を割くことよりも、生活面の充実やワークライフバランスを意識。若い頃から多くの情報や価値観に触れてきたことから、ひとつの仕事に安定して従事することにこだわらず、自分が成長できる道を希望することが多いのも、Z世代の特徴です。
Z世代の主な特徴
以下は、Z世代に多く見られる特徴の一例です。人によって異なる場合があります。
- ・インターネットが当たり前の時代に育ったデジタルネイティブ
- ・多様な価値観を受け入れる柔軟性を持つ
- ・効率性やタイムパフォーマンスを重んじる
- ・サステナビリティに対する意識が高い
- ・購買行動やコミュニケーションにおいて共感を重んじる
- ・ワークライフバランスを重視する
- ・安定にこだわらず、自己成長を望む
Z世代が定着する職場作りのポイント
ベテランや中堅世代とは、希望する働き方や、仕事に期待することも異なるZ世代。では、そんなZ世代が定着しやすい職場を作るには、どのような取り組みが有効なのでしょうか。主なポイントは以下のとおりです。
入社後のギャップを防ぐコミュニケーション
Z世代の社員が会社を早く辞めてしまう理由のひとつが、入社前の期待と入社後の実態のギャップです。Z世代の多くは、効率性を重視し、早い段階での自己成長を望んでいます。そのため、今の会社で希望する働き方やキャリアアップが難しいという判断が、離職につながりやすい傾向があります。
貴重な若手社員の早期の離職を防ぐためには、入社前に労使間で、仕事内容や労働条件だけでなく、与えられる裁量やキャリアアップの道筋、社内での活躍の選択肢等に関する共通認識を持っておきましょう。疑問や違和感を残したまま入社することのないよう、内定前に十分にコミュニケーションを重ねることが大切です。
長時間労働の是正・柔軟な働き方の導入
若いうちから多くの情報に触れてきたZ世代は、世界の多様な働き方や仕事観を知っています。そんな彼らが自分の希望する働き方で能力を発揮して成長できるよう、従業員を拘束する長時間労働を是正し、柔軟な働き方を選べる制度を整えましょう。
Z世代にとって働きやすい職場環境作りには、フレックスタイム制や時差出勤、裁量労働制など、働く時間や働き方を柔軟に選べる制度の導入が有効です。リモートワーク環境の整備や、オフィス出勤とリモートワークを柔軟に使い分けるハイブリッドワークの導入も、Z世代の定着につながります。
自己成長が期待できるキャリアビジョンの提示
成長への意欲が高いZ世代に対しては、自社で働き続けることで得られるメリットや、キャリアの将来性を示すことも重要です。昇格の基準や将来の異動の可能性といった、目指すポジションへのキャリアパスを描ける情報を提供するとともに、定期的な1on1ミーティングなど、上司と評価やキャリアビジョンについて対話ができる機会を設けましょう。Z世代の社員に、自社内で成長しながら長く働き続けることをイメージしてもらえる仕組み作りが重要です。
セミナー参加などの教育機会を提供
成長を望むZ世代にとっては、働きながら教育機会を得られることも大きなメリットです。学びたい意欲のある若手人材に専門知識やスキルを身につけながら自社で活躍し続けてもらうために、従業員の教育支援制度を拡充しましょう。幅広い研修プログラムやeラーニングの整備のほか、セミナー受講費用の補助やリスキリング休暇など、若手社員の成長を後押しする取り組みが有効です。
メンター制度の導入
メンター制度の導入も、若手社員の定着に有効な施策です。メンター制度とは、直属の上司とは別の年齢の近い先輩が相談に乗ったり助言をしたりすることで、若手社員を精神的に支える仕組みです。メンターは、仕事だけでなく、人間関係やキャリアなど、若手の幅広い悩みに寄り添います。若手社員の不安を解消し、職場への安心感を醸成することで、モチベーション向上や長期的な活躍を実現できるでしょう。
Z世代が定着する職場作りの成功事例
次に、より具体的な施策を進める上で参考にできる、Z世代の人材や新入社員の定着の取り組みを進める企業の事例をご紹介します。
人材力を高める取り組みでZ世代から高い評価
家具やインテリア製品の小売等を手がける東京都の株式会社ニトリホールディングスは、「未来を担う人材が長く働き続けられること。そしてそれが、企業の成長につながること。」という考えをベースに、ワークライフバランス推進制度の整備や充実した教育制度で、働きがいのある環境作りを進めています。入社年次に応じた基盤研修に加えて、多様な業務経験で成長を促す転換教育や、若手が経営層に直接提案ができる機会の提供など、次世代を担う人材の教育に注力。従業員ひとりの教育に、上場企業平均の5倍にあたる約31万円を投資しています。
労働環境の整備や、個々にとって最適な研修の提供で成長を支援する仕組みが評価され、ホワイト財団(一般財団法人日本次世代企業普及機構)の2025年「ホワイト企業アワード」の学生審査部門で、学生が働きたいと思うホワイト企業として選出されました。
参考:重要課題⑥ 働きがいのある環境づくりとダイバーシティ推進 | ニトリホールディングス
参考:【話題の表彰イベント】Z世代が「この会社で働きたい」と感じた企業とは?学生視点で審査する『学生審査部門』第12回ホワイト企業アワード受賞企業が決定
交流を促し安心感ある職場で若手が定着
愛知県の製造業である株式会社河合電器製作所は、価格競争や短納期量産体制への限界から、顧客に寄り添う開発提案へと事業を転換。新しいビジネスモデルを支える社員ひとりひとりの働きがいや成長を促進するため、労働環境整備に取り組みました。
若手社員の定着と主体性醸成のため、週に一度、新入社員と先輩が面談を行う「ルーキートレーナー」の制度や、成果よりチャレンジを評価する「チャレンジ制度」などの取り組みを推進。また、酪農研修や社員旅行など、従業員間の感情の交流を生むイベントを通じて、若手社員の安心感や心理的安全性を向上しています。取り組みの結果、入社3年以内の離職率ゼロを実現し、厚生労働省主催の「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」で、中小企業で唯一、最優秀賞(厚生労働大臣賞)を受賞。新規プロジェクトが年間10件スタートするなど、従業員の主体性向上の効果もあがっています。
働く場所や働く時間を自由に選択
フリマアプリ等を手がける東京都の株式会社メルカリは、従業員の力を最大限に引き出すハイブリッドワークを導入。週2日以上のオフィス出社を基本ポリシーとしながら、従業員が生産性高く働ける場所を選択できる制度を整えています。労働時間についても、コアタイムを定めないフルフレックス制を採用。従業員が自らの状況や希望に応じて働く時間を選択できます。
また、メンバー間のコミュニケーションを活性化するために、経営層との対話が可能な全社定例会「All Hands」などの取り組みを実施。プロジェクトの進捗やナレッジを共有する「Lunch & Learn」「Open Door」によって、従業員の学びも促進しています。
参考:Workstyle | mercari careers
若手主体の改善施策で労働環境を改善
福岡県の農業関連企業・株式会社クロスエイジでは、若手社員やパート社員の成長や定着を目的に、労働環境改善や、現場の主体性を向上する取り組みを実施しています。採用時にも活用するマニュアルに理念や方針を追加することで、入社後のミスマッチを防止。マニュアル内容や研修の充実によって、従業員の働きやすさや能力向上も実現しました。
また、マニュアルの整備や研修の企画を若手に任せることで、主体性を引き出すことにも成功。取り組みに携わった社員のやりがいの向上や、手順の指導工程の効率化などの成果があがっています。
Z世代がもっと輝ける職場作りを進めよう!
自分らしい働き方で成長し、活躍したいZ世代。彼らにとって魅力のある職場を作ることは、優秀な人材の獲得や組織全体のパフォーマンス向上だけでなく、幅広い年代の従業員の満足度向上にもつながります。若手社員のニーズや仕事観への理解を深めて、新しい職場環境整備の取り組みにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
記事執筆
働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
「働き方改革ラボ」は、”働き方改革”が他人ゴトから自分ゴトになるきっかけ『!』を発信するメディアサイトです。
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