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【2024年版】5分でわかる中小企業経営強化税制! 即時償却の流れも徹底解説

From: 働き方改革ラボ

2024年05月01日 07:00

この記事に書いてあること

行政は、中小企業の経営力強化や投資をサポートする制度を整備しています。そのひとつが「中小企業経営強化税制」です。

当初の適用期限は令和3年3月31日までの予定でしたが、新型コロナウィルス流行によるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の高まりによって二度の延長が決定し、一度目の延長によって令和5年に、二度目の延長によって令和7年3月31日までとなりました。

この記事では、期限の延長に伴って新たに追加された項目の情報と適用の条件や申請のステップについて、抑えておきたい基本的な情報を中心に内容をお伝えします。

中小企業経営強化税制とは?

中小企業経営強化税制とは、中小企業の設備投資による企業力の強化や生産性向上を後押しする制度です。

具体的には、中小企業者が、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づいて新たな設備を取得し、指定された事業にそれを利用すると、即時償却または取得価格の最大10%の税額控除という優遇が受けられる税制です。

中小企業経営強化税制の対象企業とは

中小企業経営強化税制が適用されるための条件は、下記の4つです。

  • ・資本金もしくは出資金が1億円以下の法人
  • ・資本もしくは出資を有しない法人のうち常時使用者数が1,000人以下の法人
  • ・常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
  • ・協同組合等

申請には、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営向上計画が必要です。

働き方改革の推進もサポート

中小企業経営強化税制は、働き方改革の推進もサポートする制度ともいえます。

たとえば、従業員が使う食堂や休憩室、更衣室などの施設内設備もその投資とみられます。また、テレワークに使う機器、テレビ会議システムや勤怠管理システムの費用についても申請が可能です。これらの目的で設備を購入した場合に、制度で決められた条件を満たせば取得資産の即時償却もしくは税額控除のサポートが受けられます。

設備の目的に応じて4種類に分かれる

中小企業経営強化税制では、設備の目的に応じて、生産性向上設備を対象にしたA類型と、収益力強化設備のB類型、テレワーク等を推進するためのデジタル化設備(C類型)があります。令和3年4月の税制改正によって、M&A後の積極的な投資を促すことを目的とした「経営資源集約化設備(D類型)」が新設されました。

A類型からD類型のそれぞれの適用条件は、次の通りです。

A類型:生産性向上設備

A類型の対象設備は、機械装置(取得価格160万円以上/10年以内)、測定工具および検査工具(30万円以上/5年以内)、器具・備品(30万円以上/6年以内)、建物付属設備(60万円以上/14年以内)ソフトウェア(70万円以上/5年以内)、さらに、以下の2つの条件を満たす必要があります。

1.一定期間内に販売されたモデル(最新モデルである必要はない)

2.経営力の向上に資するものの指標(生産効率、エネルギー効率、精度など)が、旧モデルと比較して年平均1%以上向上している設備。

この2つの条件をともにクリアした設備が対象です。これらを満たしていることを、工業会などから取得する証明書で示す必要があります。

B類型:収益力強化設備

B類型の対象設備は、機械装置(160万円以上)、工具(30万円以上)、器具製品(30万円以上)、建物付属設備(60万円以上)、ソフトウェア(70万円以上)です。

そして、「年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれることにつき、経済産業大臣(経済産業局)の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備」であることを、経済産業省から確認書を取得して証明する必要があります。

C類型:デジタル化設備

C類型の対象設備は、機械装置(取得価格160万円以上)、工具(30万円以上)、器具設備(30万円以上)、建物付属設備(60万円以上)、ソフトウェア(70万円以上)です。

そして、対象が事業プロセスの遠隔操作、可視化、自動制御化のいずれかを可能にする設備であることを、経済産業省から確認書を取得する必要があります。

D類型:経営資源集約化設備

D類型の対象設備は経営資源集約化に資する設備です。

機械装置(取得価格160万円以上)、工具(30万円以上)、器具設備(30万円以上)、建物付属設備(60万円以上)、ソフトウェア(70万円以上)の前提はそのままに、自社と取得した技術を組み合わせた新製品を製造するための設備投資や、原材料の仕入れ・製品販売に係る共通システムの導入が挙げられます。

具体的な手順は後述しますが、経営力向上計画に書かれた事業承継などをしたうえで、設備を取得し、修正ROA又は有形固定資産回転率の改善が見込まれるパッケージ投資などの要件を満たさなければなりません。

中小企業経営強化税制の適用期間は2027年3月末

中小企業経営強化税制は、平成29年4月1日までの期間に取得し、使用された設備が対象でしたが、令和7年3月31日までに延長されました。

中小企業経営強化税制ではどんな優遇が受けられる?

中小企業経営強化税制では、それぞれ条件を満たした設備について、必要な書類を揃えて申請し、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画が認定された上で税金の申請をすると、法人税(個人事業主の場合は所得税)について、税額控除か即時償却のうちどちらかを選んで受けることができます。

1.税額控除

税額控除では、取得価格の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)を、税額の対象から控除できます。

2.即時償却

即時償却では、設備の費用の全額を、設備を取得した年度の経費として計上することができます。

即時償却の流れと注意点

即時償却では、購入した設備の耐用年数に応じた金額を経費として計上します。取得価額10万円以上30万円未満の設備を購入し、業務で使用した場合は、購入した価格をその額のまま経費にできます。しかし、即時償却では合計額のうち300万円が限度額となるため、注意しましょう。

税額控除と即時償却のメリット・デメリット

税額控除のメリットは、即時償却と比べて最終的にかかる納税額が減る可能性が高いことです。一方デメリットとしては、利益が少ない場合には節税効果があまりないことが挙げられます。

即時償却のメリットは、かかる金額を一括して処理できるため、その年の法人税の課税対象となる所得をおさえられることです。一方で、最終的にかかる納税額が税額控除よりも高い可能性があることがデメリットといえます。

申請のステップ

では、中小企業経営強化税制の申請はどのように進めていけばよいのでしょうか。それぞれについてご説明します。

A類型

1.証明書の発行

設備を生産したメーカー等を通じて、工業会に「生産性向上整備の要件」を満たすことを示す証明書の発行を依頼し、取得します。

2.経営力向上計画の申請

業種を所轄する主務大臣に対して、経営力向上計画の認定申請をします。

3.設備を取得

設備を取得して、事業に使用します。

4.税務申告

納税書類に、工業会証明書、計画申請及び計画認定書のコピーを添付して、税務申告します。

B類型

1.事前確認

公認会計士、または税理士による計画の事前確認を行います。

2.経済産業局による認定

経済産業局に投資計画と事前確認書を提出し説明。確認書の発行を依頼し、取得します。

3.経営力向上計画の申請

業種を所轄する主務大臣に対して、経営力向上計画の認定申請をします。

4.設備を取得

設備を取得して、事業に使用します。

5.税務申告

納税書類に、各書類のコピーを添付して、税務申告します。

6.実施状況の報告

投資計画に関する実施状況報告を決められた期間提出します。

C類型

1.事前確認

認定経営革新等支援機関の事前確認を依頼し、「事前確認書」の発行を受けます。

2.経済産業局による認定

経済産業局に申請書と必要書類、事前計策書を提出。確認書の発行を依頼し、取得します。

3.経営力向上計画の申請

業種を所轄する主務大臣に対して、経営力向上計画の認定申請をします。

4.設備を取得

設備を取得して、事業に使用します。

5.税務申告

納税書類に、各書類のコピーを添付して、税務申告します。

D類型

1.事前確認

公認会計士、または税理士による計画の事前確認を行います。

2.経済産業局による認定

経済産業局に投資計画と事前確認書を提出し説明。確認書の発行を依頼し、取得します。

3.経営力向上計画の申請

業種を所轄する主務大臣に対して、経営力向上計画の認定申請をします。

4.設備を取得

設備を取得して、事業に使用します。

5.税務申告

納税書類に、各書類のコピーを添付して、税務申告します。

6.事業の承継報告および事業承継等に関する状況報告を提出

認定後に事業と事業承継等に関する状況報告をします。

まとめ

設備の購入費用全額を取得年度の経費にできるなど、法人税や所得税の節税に効果が高い、中小企業経営強化税制。ただし申請には、設備を取得する前の計画の認定なども必要です。

必要な書類の準備や申請の進め方について不安がある場合は、商工会議所や地域金融機関のサポートを頼るのもひとつの方法です。企業としての体制強化を実現する設備投資を積極的に進めるためにも、制度の活用を検討しましょう!

参考・出典

中小企業等経営強化法に基づく 支援措置活用の手引き 令和6年4月15日版│中小企業庁

中小企業経営強化税制 Q&A集(ABCD類型共通)│中小企業庁

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