エンタープライズ事業本部
首都圏MA事業部
事業サポート部PMグループ
現在、私が取り扱っているのはパソコンやサーバー、ネットワーク機器といった企業に不可欠なITインフラです。通常は、お客様先には担当営業がお伺いしているのですが、こういったインフラ整備が必要なタイミングの際には、私も同行してヒアリングし、何が必要なのか、どういった環境を整えるべきかを検討します。具体的には、新しいオフィスの立ち上げや経年劣化による設備の交換といったタイミングになります。重要なのは、こちらからお客様へのご提案よりも、お客様から伺うインフラ導入の理由です。お客様が考えるプランでは、必ずしもお客様の望む環境を用意できるとは限りません。私たちの方で、お客様が何をしたいのかをしっかり把握したうえで、ご提案をさせていただいています。オフィス新設の理由や既存設備の劣化具合など、導入の背景を把握できていれば、よりお客様に適したサービスを提供できます。
また、このヒアリングはお客様だけに行うわけではありません。提案活動を一緒に行う担当営業にも実施し、お客様の情報を把握しておく必要があります。担当営業には、お客様と長くお付き合いするなかで蓄積してきた情報やアイデアがあり、業務内容や職場環境にとどまらない、担当営業だけが知っている情報も持っています。こうした社内外の情報を集めて、総合的に判断していくのが私の仕事です。
企業活動における重要なインフラとして、ITは欠かせません。日本の会社がITを通じて成長していくための橋渡しをしたいと思ったのが、当社に入社した動機です。元々は営業の現場に立ちたいと思っていたのですが、自分自身には通り一遍の製品知識しかなく、製品の構造やロジックをしっかり理解する必要性を感じていました。まずはCE職となって、実際に機器に触れながら、身をもって構造を理解できる環境を求めました。知らない言葉が飛び交う現場で、目の前の仕事を必死にこなすうちに、だんだん、一つひとつの機器の役割、そして作業手順の意味が理解できてきたように思います。必要な知識が自分のなかに蓄積されていく実感があり、また、CE職ではプロフェッショナルとしての意識を高めることができたのだと考えています。CEという職種自体にも強い魅力を感じていますが、ここで得た知識を営業の現場で活かすことができれば、お客様の近くで企業の成長をサポートできるようになると思い、営業職への職種変更を希望しました。
CEの実践経験は、営業になってから思いがけない形で役立ったところもあります。一番大きかったのは、お客様の「何がわからないか」がわかるところです。自分自身がどうやって理解したかというプロセスを、そのままお客様に伝えることで、導入する製品のメリットや必要な行程を、より具体的にご説明できるようになりました。専門用語を身近な言葉に置き換えたり、図を作成したり工夫を交えながらご提案するように心がけています。サービス内容をきちんと理解し、根拠を持って説明できるようになったという意味で、CEを経たことは大きかったと思います。
仕事をするうえで私が意識しているのは「いまの自分に何が足りないか」を自問する姿勢だと思います。言い換えればそれは、いまの自分の視点からのみ仕事を眺めるのではなく、別角度から仕事を捉える姿勢でもあります。私の場合、CE職を経験し、営業とは違う角度から製品を捉えたことが、物事を多角的に見る能力を育んだと思っています。
営業職は、多くの製品を知り、お客様にどのようなご提案ができるかを日々検討する必要があります。製品の優れたところを自分なりに解釈し、お客様にどのような言葉で伝えるかを考える能力が求められています。製品知識を身に付けることは、CE職の経験が役立ち、お客様にどのような言葉で伝えるかについては、営業職のなかで磨いている能力です。お客様は何をしたいと思っているのか、いまどのような状況にあるか、何を重視しているかをどこまで把握できるかが、この伝える能力のポイントなのではないかと思っています。
私がいま目指しているのは「お客様に継続的に必要とされる存在」です。なにかうまくいかないときに、「鎌形さんに相談しよう」と思ってもらえること。そのためには、お客様ご自身が気づいていない部分を、課題として形にしていけなければならないと思います。私自身が身に付けてきたCEとしての知識と、営業として磨いている伝える能力という、両輪がそろって、はじめてこのような存在になれるのではないかと考えています。私ならではの価値を提供していくことが、リコージャパンならではの価値を作っていくことになると信じながら、日々研鑽を積みたいと思います。