PROJECT STORY
「地域の宝」である学校を、統廃合から守りたい。
過疎化・少子高齢化が進む人口過少地域。愛媛県西条市もそんな自治体のひとつで、児童の少ない小学校では複式学級(2つ以上の学年をひとつにした学級)が形成されていました。児童・生徒数の少ない小中学校の統廃合が全国的に進むなか、西条市は「学校は地域の宝」と考え、統廃合させないための新しい授業スタイルを模索していました。
Web会議システムを使った合同授業の実施に向けて。
リコージャパンのICT技術で、新しいスタイルの授業を実現できないか。そこで考えたのが、複数の小学校同士をWeb会議システムで繋ぎ、お互いの教室の様子をリアルタイムで見ながら行うインターネット通信型の合同授業でした。さらに万が一の災害時には、避難先となる体育館同士を繋ぐことで防災ネットワークも構築できるこのシステム。学びを充実させ、地域の暮らしを守るために。検討を重ね、導入が決まったのは初回の打ち合わせから4ヶ月後のことでした。
授業のリアリティを追求するため、大画面スクリーンを設置。
まずは、複式学級が行われている小学校3校で合同授業が実施されることに。試行錯誤を繰り返しながら、Web会議システム、プロジェクタ、スピーカーシステム等を設置。さらに、「授業のリアリティをとことん追求したい」というお客様からの声を受け、通信先の学校の子どもたちや先生を実物大で映すことのできる大画面スクリーンを導入しました。
クラスメイトが増えたかのような、賑やかな授業が実現。
いよいよ迎えた新システムのお披露目。この日は、田滝小学校と徳田小学校を繋いだ公開授業が実施され、NHKや民放テレビ局、ほか多数の新聞社が取材に訪れました。また、多くの保護者や地元住民の方々も見学に訪れました。ふたつの教室がひとつになり、あたかもクラスメイトが増えたかのような賑やかな教室。初めは緊張気味だった児童たちも、徐々に積極的に発言するようになり、活発なやりとりが繰り広げられました。