最終製品・部品製造分野における
3Dプリンター活用

DfAM(ディーファム)による製品製造へのアプローチ

海外では最終製品・部品製造分野で3Dプリンター活用が進んでいます。

3Dプリンターによる製造は金型不要で部品を生産でき、設計的にも金型要件による制約がないため、とりわけ小ロットの生産に適していると言われています。
世界中のメーカーが、トレーサビリティの確保や品質保証に留意しながら、設計・製造メソッドの研究とルールづくりを活発化させており、すでに多くの成果が発表されている宇宙航空分野はもちろん、自動車部品や情報機器、家電の分野でも着々と導入が進んでいます。

※DfAM(Design for Additive Manufacturing):積層造形法のための形状設計。3Dプリンティングで作ることを前提として、様々な要求を満たす、またはより良い効果を得るために適した形状を設計すること、またはその技術。

課題1 生産性・コスト力

ある程度の量産を行う場合、切削や金型を用いた射出成形並みの生産性やコスト力が求められます。
3Dプリンターの素材は1kgあたり数千円ですが、汎用樹脂であれば、大口取引の単価は数百円とも言われます。また、3Dプリンターでは数時間のオーダーが一般的な造形時間も金型での射出成形であれば数10秒のサイクルタイムで量産できます。

【3Dプリンターの活用例】

従来工法では分割せざるをえなかった複雑形状を一体化して部品の形状と機能の最適化を図ることで、体積の減少、質量と素材コストの減少、造形時間の短縮、さらに、部品点数を減らすことで総合的な製造コストを削減できます。

今までにない設計(DfAM)による新しい付加価値のありかたへのアプローチ

分割されていた複数の部品を一つにまとめることで、位置決めの手間やそのための部品や形状も不要にできたり、応力面でのゆとりが生じることで、さらなる重量の削減も可能となります。

大量の材料除去が発生する薄肉の凹形状や平面+リブのような形状にはAM(Aditive Manufacturing)で「盛る」工法が最適です。形状や目的によっては積層面の輪郭をペン書きするように1本の線で作ることもでき、切削・研削では実現できないような薄肉も可能で、これまでにない軽量な部品設計を実現することも可能です。

3Dプリンターは高さのある部品の造形に時間を要することから、分割して各パートを同時に造形して接着や溶着したり、積層方向によって強度や表面の粗度が異なることを考慮したり、摩耗の想定される箇所には金属部品を組み込んだり、必要に応じて異なる特性の部品も併用する手法も有力な方法といえます。

課題2 加工精度、寸法精度

AM(Aditive Manufacturing)とSM(Subtractive Manufacturing)の間には大きな隔たりがあります。

今までにない設計(DfAM)による新しい付加価値のありかたへのアプローチ

AM(Aditive Manufacturing)の精度は、原理的に切削や研削ほどの精度は出せないことを理解した上で、精度保証が必要な穴や溝は切削による2次加工を前提に削り代のありかたを考慮したり、同様に、安定的な製品の色を素材自体の色に求めたり、素材の混合で調色したりすることは現時点では困難とみられることから、3Dプリンターで出力した後に塗装することが賢明と判断してDfAMを推進しているメーカーも多くあります。


課題3 品質保証・トレーサビリティ

マーケットに流通し、エンドユーザーが使用する最終製品の場合、規格への適合や品質保証、それらに関連するトレーサビリティの仕組が現状では十分に整備されていない状況があります。

粉末金属やワイヤ状の金属素材から部品を造形する場合、レーザーやアークなどの加熱時間や凝固にかかる時間によって造形後の結晶構造が異なり、物理的な性質が素材状態や造形後の時間経過で変化することがあります。また造形方法や積層方向によって引張強度も異なります。
このため、製造履歴の管理が必要です。

ISO規格化への期待

現在、素材や造形品の強度や物性、その試験方法などのISO規格化の動きが進んでいます。

海外の最新動向の取り込み

最終製品や部品製造分野における3Dプリンター活用については、日本国内では未だ普及に至っているとは言えず、関連する情報についても少ないのが実状です。しかし、海外では実用レベルで様々な活用事例が報告されており、またそれらの実例を通して、製造生産領域での3Dプリンター活用運用の仕組みや各種規格化の整備が急速に進んでいます。今後は先行している海外動向を取り込み、日本国内においても、この分野での3Dプリンター活用が確実に普及することが見込まれています。

製品製造・部品製造に適した製品選定をサポート

これまで、その製品(部品)の造形にどの造形手法が適していて、どの3Dプリンターでどのように造形するのが良いか、形状、機種、素材、造形パラメータの組み合わせを総合的に判断して選択することは困難でした。

リコーは、ユーザーが専門知識が少ないまま手探りで3Dプリンターを使うことに伴う労力の無駄や、失敗や非効率を自らの課題と考えており、お客様に3Dプリンター活用ノウハウを含めた立ち上げ支援をご提供します。
長年の自社内での実践的な3Dプリンター活用を通して蓄積した知見を踏まえ、最適な機種・素材・造形パラメータの組み合わせでお客様個々の造形用途や目的に合わせてご提案することが可能です。

また、3Dプリンターによる最終製品の造形を検討されているメーカー様にも、それぞれの3Dプリンターに最適なアプリケーションを研究しているリコーならではのサポートをご提供します。

是非お気軽にご相談ください。