リコーの考え方

日本の“ものづくり”に、3Dプリンターで革新を。

3Dプリンターは、以前はおもに試作品の製造に使われていましたが、その後性能が飛躍的に向上し、最近では工場で使われる治具や小ロット生産の型、最終的な部品として造形物が使われるケースも増えています。市場レポートによると、3Dプリンター業界は2020年には2兆円産業になるといわれています。2013年の一般教書演説でアメリカのオバマ大統領が「3Dプリント技術を研究・発展させるための機関を設立する」と発表しました。グローバルで見ても、ものづくり分野での3Dプリンター普及は時間の問題です。3Dプリンターの一般化によって、まさに今「第三次産業革命」が起きようとしているのです。

3Dプリンターが変えるものづくりのひとつの側面は、オンデマンドで造形できることです。歯のインプラントや補聴器といった、フィットする形状が使う人ごとにひとつひとつ異なっている製品などの領域が、3Dプリンターの得意分野です。また、部品や製品として使われるケースでは、在庫レスを実現できるというメリットもあります。3Dプリンターがあれば、中国などの工場で生産した部品を組み立て工場に運ぶといった工程が必要なくなり、最初から組み立て工場で造形することが可能になります。そうなると物流にも変化の波が押し寄せることになるでしょう。

※出典:2014年版ウォーラーズレポート

画像:大谷 正樹(株)リコー コーポレート統括本部 新規事業開発センター AM事業室室長

リコーのリアルな経験をお客様の価値創造へつなげたい

リコーは3Dマニュファクチャリング・ソリューションを提供しています。その一番の理由は、20年以上の3Dプリンター活用経験で培ったノウハウに基づいて、3Dプリンターを導入・活用しようとしているお客様のお役に立ちたいと考えているためです。たしかに3Dプリンターには試作コスト削減、納期短縮といった大きなメリットがあります。試作品を外注すると一般的に1~2週間かかりますが、3Dプリンターで出力すれば数時間から1日程度です。試作にかかるコストも大幅に圧縮できます。しかし、数ある3Dプリンターの中から用途に合った最適な一台を選定するのは容易ではありません。工程に応じた機器の組み合わせや、型や切削など3Dプリンター以外の選択肢を含めて検討する必要があるためです。

その点、リコーは長年3Dプリンターを活用してきて、機器の選び方や使いこなし方を理解しているエンジニアが大勢います。機械にはできないレベルの加工技術をもつ「匠」と呼ばれる人もいます。こうしたリコーの“人”の力が、お客様の価値創造に貢献できると考えています。導入した“機器”が事業を変えるのではありません。独自のノウハウと判断力をもつ“人”がイノベーションを起こすのです。

リコーは、3Dプリンターの販売にとどまらず、3Dプリンターを活用してきた経験に基づいたノウハウやサービスを提供することで、お客様の価値創造をサポートいたします。

画像:リコーのリアルな経験をお客様の価値創造へつなげたい

写真提供・撮影協力:アルテック株式会社、武藤工業株式会社、3D Systems社、Stratasys Ltd

スピーディなものづくりをお手伝いするRICOH Rapid Fab

リコーの3Dプリンターの活用をご覧いただく場として「RICOH Rapid Fab」を新横浜と厚木に開設しました。ここでは、3Dプリンターの実機やリコーの活用現場をご覧いただけます。さらに、製造業のお客様を対象とした「導入コンサルティングサービス」や「3Dプリンター出力サービス」といった3Dプリンターを活用してきたリコーならではのサービスをご提供する場でもあります。

将来的には医療、建築、教育といった製造業以外の分野も含めて、「RICOH Rapid Fab」を軸に21世紀のものづくり革命に貢献してまいります。