リマーケティング広告とは?見込客をコンバージョンへ導こう!
2019年06月12日 00:00
この記事に書いてあること
マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。
用語解説【リマーケティング広告】
リマーケティング広告とは、一度WEBサイトを訪れたユーザーを追跡して表示する広告。商品に興味や購買意欲がある見込度の高いユーザーへ再アプローチすることで、コンバージョンにつなげる手法です。
解説
リマーケティング広告は、WEBサイトを訪問したユーザーをCookieによって追いかけ、ユーザーが閲覧したコンテンツに応じた内容の広告を表示する追従型広告。WEB広告の中で、追客機能を持つ唯一の手法です。「リマーケティング」とは、Google広告の機能名。Yahooの場合は「サイトリターゲティング」と呼びますが、今回は「リマーケティング広告」という名称で解説します。
リマーケティング広告のメリットとデメリット
メリット
(1)見込客へ再アプローチできる
WEB広告を経由してサイトを訪れたユーザーのうち、9割が購入に至らずに離脱すると言われています。せっかく広告で集客をしても、一度のWEBサイト訪問だけではなかなかコンバージョンにはつながりません。リマーケティング広告は、商品やサービスに一度は興味を持ちながらも離れてしまった見込客に、再びアプローチをすることができる手法です。
見込客に対して複数回広告を表示することによって、初回のWEBサイト訪問時は低かったユーザーの購買意欲を、広告を見せるたびに高めていき、コンバージョンへと導きます。
(2)コンバージョン率(CVR)が高い
WEBサイトを閲覧して気になる商品があったとしても、「もっと安くてよい商品があるかも(ほかの商品とも比較したい)」「今すぐでなくてもいいや(もう少し時間をかけて検討したい)」と思っているうちに、忘れてしまうこともしばしば。一度閲覧した商品をリマインドしてくれるのがリマーケティング広告。購買意欲の高まったユーザーに再訪してもらえるため、コンバージョン率が高いのが大きな特徴です。
(3)CPAを下げることが出来る
CPA(Cost Per Action or Acquisition)とは、1件のコンバージョンにかかる顧客獲得単価。1件のクリックあたりのコンバージョン率が高いため、費用対効果が高いのもリマーケティング広告のメリットです。CPAが下がれば、運用に余裕が生まれるため、新規獲得のためのディスプレイ広告(認知施策)に費用を回したりと、戦略的な広告展開ができるようになります。
(4)効率的な広告展開が可能
自動入札機能を使うことで、効率的な運用が可能です。予算内でクリック数を最大化する、指定した単価でコンバージョンを獲得するといった目的に応じて自動で入札単価が決定されるため、費用対効果を上げながら効果的に広告を展開することができます。
(5)広告の制作が容易にできる
動的リマーケティングのテンプレートなどを活用することで、新たにクリエイティブを作らなくても、広告を簡単に制作することができます。
デメリット
(1)追従でユーザーに不快感を与えてしまう
リマーケティング広告は、閲覧履歴を把握されて追いかけられているという不快感を与え、商品や企業のイメージダウンにつながる可能性もあります。対策としては、「フリークエンシーキャップ」の設定が有効です。同じユーザーに対して、1日、1週間、1ヵ月などの期間内に広告が表示される上限回数を設けることで、適度な頻度でのアプローチが可能になります。また、フリークエンシーキャップの設定は、見込度の低いユーザーへの広告表示を減らし、無駄なクリック(費用)を防ぐ効果もあります。
(2)広告をブロックされる可能性もある
追従型広告を避けるユーザーから表示をブロックされることがあります。ブラウザの拡張機能やアプリなどで広告をブロックされてしまうと、これを回避する有効な方法はありません。
(3)アプローチ数に限りがある
リマーケティング広告で接触できるのは、サイト訪問したことのあるユーザーのみ。アプローチできる量が限られるため、認知拡大には向いていません。また、CVRは高いものの、限られたリマーケティングリストの中で成果を追求するため、ある段階までくると成果が頭打ちになります。CV数の伸び悩みを防ぐためには、リマーケティング広告だけでなく、ディスプレイ広告など新規ユーザーを増やす他の施策も併せて継続的に行っていくことが必要です。
リマーケティング広告でできることと進め方
リマーケティング広告でできること
(1)標準のリマーケティング
自社のWEBサイトを訪問したことのあるユーザーに対して、広告ネットワークのWEBサイトやアプリを閲覧する際に広告を表示します。
(2)動的リマーケティング
動的リマーケティングとは、ユーザーが過去にWEBサイトで閲覧した商品や、関連性の深い商品の情報を含んだ広告をカスタマイズして表示する方法です。内容に応じてサイズが自動調整されるため広告枠を効率的に利用でき、ユーザーの興味に合った商品が表示されるため購買につながりやすい機能です。
(3)検索広告向けリマーケティング
自社のWEBサイトを訪問したことがあるユーザーが、検索エンジンやパートナーサイトで検索を行っている時に広告を表示する方法です。コンバージョンへ至らなかったユーザーが情報を探しているタイミングで、再び自社の商品やサービスを目にしてもらうことが可能です。
(4)動画リマーケティング
自社の動画を視聴したユーザーが、その後、広告ネットワークの動画やWEBサイト、アプリを閲覧している際に広告を表示する方法です。
リマーケティング広告の進め方
(1)リマーケティングタグの取得
リマーケティング広告を始めるためには、まずリマーケティングタグを取得します。Google、Yahoo!の広告の管理画面でリマーケティングタグを取得したら、WEBサイトのソースコードにタグを埋め込みます。タグを設定したWEBサイトを訪れたユーザーにcookieを付与することで、ユーザーを特定することができます。
(2)リマーケティングリストの作成
リマーケティングリストとは、WEBサイトのリマーケティングタグに従ってcookieが付与された、訪問ユーザーのリストです。ユーザーを追加するルールや、ユーザーを保持する期間を設定してリストを作成し、広告を表示するターゲットを定めます。
(3)リマーケティングリストを組み合わる
リストを組み合わせることで、ターゲットをより絞り込んで広告を表示することができます。ショッピングカートに商品を追加したが購入していないユーザーにアプローチする、サイトを訪問して3日以内のユーザーに訴求する、一度商品を購入したユーザーに再度買ってもらうようにアプローチするなど、狙った層に広告を表示することができます。
成果を出すために実施すべき6つのポイント
(1)リマーケティングリストの精度を上げる
リマーケティングリストをより細分化しターゲットを絞り込むことが、リマーケティング広告を成功させるポイントです。セグメントを行うことで、以下のようなリストを作成することが可能です。
- ・WEBサイトを訪れたユーザーのリスト
- ・特定のページを訪問したユーザーのリスト
- ・特定の時期にWEBサイトを訪問したユーザーのリスト
- ・WEBサイト訪問後、〇日以内のユーザーのリスト
- ・コンバージョンに至ったユーザーのリスト
- ・コンバージョンに至らなかったユーザーのリスト
- ・特定の性別・年齢のユーザーのリスト
- ・特定のデバイスを使用しているユーザーのリスト
コンバージョンに至ったユーザーを除外することで、無駄なクリックを減らし費用を抑えることもできます。逆に、一度コンバージョンに至ったユーザーに対して、一定期間後にリピート購入してもらうためにアプローチするといった施策も、リストの精度を上げることで可能になります。
(2)コンバージョンまでの期間を把握する
ユーザーが自社のWEBサイトを最初に訪れてから、どれくらいの期間で申込や購入に至りやすいかを把握することも重要です。たとえば、3日以内に購入に至るケースが多い場合は、WEBサイト訪問後3日以内のユーザーのリマーケティングリストを作成して、狙ったタイミングでターゲットに広告を配信すると効果的です。
(3)訪問したページの階層でモチベーションを把握
WEBサイトを訪れたユーザーが、サイトのどの段階(深さ)まで到達しているかによって、ユーザーの購買へのモチベーションを把握することもポイントです。たとえば、トップページで離脱するのではなく、申込ページまで訪問したユーザーのほうが、より購買意欲が高い見込客だとわかります。トップページ、商品詳細ページ、さらに申込ページと、到達した段階でユーザーを分けることで、それぞれのモチベーションに応じて戦略的に広告を配信することができます。
(4)リストや期間に応じて入札単価を変更する
サイト訪問からの期間や、ユーザーが到達したページの段階(深さ)に応じて入札単価を変更することで、広告の効果アップが見込めます。コンバージョンに至りやすい期間を設定したユーザーのリストや、申込ページまで到達している購買意欲の高いユーザーのリストは、入札金額を高めに設定して広告配信を強化しましょう。
(5)リマーケティング広告以外の施策の精度を上げる
リマーケティング広告の配信対象は、自社のWEBサイトに訪問したことのあるユーザーです。成果につながる質の良いリストを作成するには、リマーケティング広告以外の施策が重要。良質なユーザーを集めるため、ディスプレイ広告など他の認知拡大施策の強化も大切です。
(6)リマーケティング用バナー広告の種類を増やす
リマーケティング広告の効果を上げるためには、広告を配信する枠を増やすこともポイントです。バナーの種類が少ないと表示できる広告枠が制限され、狙ったターゲットにアプローチする機会を失うリスクがあります。なるべく多くのバナーを用意することで、ターゲットに広告を見せるチャンスを増やしましょう。
WEBサイトやデバイスに応じて自動的に広告サイズを調整する、レスポンシブ広告を利用するのもおすすめです。多くのバナーを用意することなくさまざまな広告枠に配信することができるため効率的です。
まとめ
自社や商品への関心が高いユーザーに効果的なアプローチができるリマーケティング広告。リストの組み合わせやさまざまな機能を使うことで、よりコンバージョンにつながる広告展開が可能です。まずは、WEBサイト訪問ユーザーにシンプルに広告を配信する、標準のリマーケティング機能を試してみましょう。ユーザーのレスポンスに応じて、設定や配信方法を工夫して精度を高めていくとよいでしょう。
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