VPNとは?Webブラウザでの通信の暗号化との違いとは?

From: 中小企業応援サイト

2020年10月26日 06:00

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VPNはVirtual Private Networkの略で、仮想的に専用線と同じようなネットワークを実現することです。

VPNについて図解する画像。詳細は本文を参照。

多くの企業ではオフィスなどに社内ネットワークを構築しており、外部から接続したり通信の内容を盗み見たりすることはできません。

しかし、自宅や外出先で仕事をしているときに、社内のネットワークに接続したいことがあります。このような場合、公共のネットワークを使用すると、他の人にその通信を盗み見されてしまう可能性があります。

そこで、他の人が盗み見ても中身を確認できない状況を作り出す方法がVPNです。VPNは個別に通信を暗号化するのではなく、仮想的に専用線のような状況を作り出すしくみです。そのため、オフィスにいなくても安全に社内ネットワークに接続できるのです。

「VPN」についての素朴な疑問

「VPNを使うといったい何が可能になるんだろう?」

解決のヒント

暗号化した状態で通信できるものとしてよく知られているのが、インターネットを利用するときの鍵マークでしょう。

httpsで始まるURLにアクセスすると、その通信は暗号化されています。しかし、Webブラウザでの通信以外は暗号化されているとは限りません。

そこで登場するのがVPNです。VPNに接続すると、そのネットワーク内での通信がすべて暗号化されるので安心して利用できます。このようなVPNに注目が集まる理由として、災害や感染症などに対応するため、リモートワークが普及してきたことが挙げられます。

これまではオフィス内で仕事をすることが一般的でしたが、自宅での仕事が可能であればオフィスの賃料や通勤交通費などのコスト削減が可能になります。VPNで社内に安全に接続できるのであれば、どこでも仕事が可能になるのです。

VPNは外出先から社内に接続する場合だけでなく、東京と大阪のような離れた場所にオフィスがある場合にも、それらの拠点を接続するために使われることがあります。もちろん、オフィス間に専用線を引くこともできるのですが、専用線は非常に高価です。

一方、VPNを使うとインターネットに接続できる環境を用意し、拠点にVPN対応ルーターなどを設置するだけでよいため、専用線よりもはるかに安く、安全なネットワークを実現できるのです。

増井氏の顔写真

執筆者

増井 敏克

増井技術士事務所 代表。技術士(情報工学部門)。情報処理技術者試験にも多数合格。ビジネス数学検定1級に合格し、公益財団法人日本数学検定協会認定トレーナーとしても活動。「ビジネス」×「数学」×「IT」を組み合わせ、コンピュータを「正しく」「効率よく」使うためのスキルアップ支援や、各種ソフトウェアの開発をおこなっている。『IT用語図鑑』など著書多数。

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