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受注確度と生産性を向上!製造業の営業を支援するCPQとは

From: 働き方改革ラボ

2021年08月26日 07:00

この記事に書いてあること

製造業の営業担当者の仕事をサポートするITツールであるCPQ。製品やサービスの仕様設定、値引きルールをふまえた価格の算出や見積の作成・共有がスムーズにできることから、営業職の働き方改革を推進するため導入する、製造業の企業が増えています。しかし、中小企業では導入されていない場合も多いでしょう。このコラムでは、CPQの概要から、導入で得られるメリットや、導入に関する注意点を解説。CPQ導入によって変わる製造業の働き方についてお伝えします。

CPQとは?

CPQという言葉は耳にしたことがあっても、その意味を詳しく知らない人もいるのではないでしょうか。CPQとは、Configure(仕様選定)、Price(価格算出)、Quote(見積作成)の略で、営業支援サービスのひとつです。その主な機能は、製品を提案・受注する際に、顧客のニーズを受けて、自社の仕様や価格設定ルールに基づいて価格を提示すること。さらに、見積書、提案書、契約書などの自動作成や共有、管理までが行えます。

特に、バリエーションや機能、値引きルールが多様で、価格の算出が複雑な製品を販売する企業においては、営業担当者の負担を軽減します。また、書類作成や見積もりの管理を効率化することで、営業活動の生産性をアップ。顧客対応の質も向上します。

CPQを活用すれば、多様な仕様の中から顧客のニーズに応じて商品をカスタマイズし、見積もり提示や提供までをスムーズに行うことができます。そのため、規格化された製品を大量生産する「マスプロダクション」と、顧客ごとのニーズに応じて製品やサービスを提供する「カスタマイゼーション」を両立する概念として注目されている「マス・カスタマイゼーション(個別大量生産)」を実現するツールといえます。

CPQでできることは?

では、CPQツールを使うことで、どんなことができるのでしょうか。その主な機能は次のとおりです。

製品・サービス仕様の選定

システム上で、顧客に提供可能な製品や、製造する部品・仕様の組み合わせやオプションを管理します。顧客の要件をもとに、システムがその中から、顧客のニーズに合致し、さらに製造保証の確約できる仕様を提案。ニーズの多様化によって煩雑さが増す製品の仕様決定を、自動化・効率化します。

値引きルールをふまえた価格の算出

仕様が決まった案件に対する見積もり金額を自動で算出します。製造コストや仕様に対応した自社の金額設定と、ボリュームや仕様によって発生する値引きルールに基づいて、正確な見積もり金額を提示します。

見積金額の社内承認

CPQは、時間や手間を要する社内承認を円滑に行う機能も備えています。システムが提示した仕様と自動で計算した見積金額について、システム上で、上長の承認までを完結できます。

見積書の作成・契約書の作成

提案する仕様と価格を記載した見積書を自動生成できます。見積書の内容を反映した提案書や契約書もスピーディに作成できるため、営業職の書類作成の手間が軽減できるほか、担当者によってばらつきが生じがちなフォーマットも統一できます。

見積書・契約書の管理

作成した見積書、提案書、契約書をCPQシステム上で管理できます。顧客管理システムや、会計システムと連携することで、社内業務をより効率化できるCPQツールもあります。

CPQ導入のメリット

主に営業職の見積もり業務をサポートするCPQ。その機能によって、業務上、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。

営業担当者の業務効率改善

CPQの大きな特徴は、製造業の営業担当者の負担を軽減し、業務効率を上げることです。

特に、仕様のバリエーションが豊富な商品や、販売店や製造拠点が多岐にわたる場合は、見積もり算出のために営業担当者が各所へ確認をする作業が発生しています。担当者の作業時間が増え、複雑な計算による負担もかかります。CPQは仕様の選定や見積額の算出が自動化されるため、これらに要する時間を大幅に短縮することが可能です。導入することで営業職の長時間労働の解消につながります。

新人社員の即戦力化が期待できる

CPQで、部品や仕様の選定や、コストや値引きルールを踏まえた複雑な見積もり算出業務を自動化すれば、経験や知識が浅い営業職のメンバーでも、顧客への提案や見積提示ができます。

新人や若手社員、中途入社の社員の即戦力化が期待できるのも大きなメリットです。
また、それまでベテラン社員の知識や感覚に頼っていた仕様選定や見積もり作業のノウハウが平準化されるため、労働力不足への対処や、業務継承も実現します。

見積もりの精度と作成スピードのアップ

見積もり業務がシステム化されることで、金額計算の間違いや、納期や製造が実現不可能な仕様で受注してしまうといったミスを減らせます。

提示する仕様情報や見積もりの精度が上がれば、修正や手戻りによるコスト発生や、顧客の信頼喪失といったリスクも防げます。また、見積もり回答までの時間が短縮できるため、顧客へのスピーディな対応が可能になり、受注確度もアップします。

顧客満足度の向上

求めるものに応じた適切なカスタマイズ製品の提案によって、顧客の満足度がアップします。

CPQを商談中に活用すれば、要望をヒアリングしてその場で見積もりを提出したり、要件の変更に応じてすぐに見積額を修正したりといった柔軟な対応もできるため、顧客からの評価が上がります。提案書や見積もり提示など、スピーディでミスのないやりとりも、顧客からの信頼獲得につながります。

CPQ導入時の注意点

では、CPQツールを選ぶときはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。サービスを比較、検討する際にチェックしたいポイントをお伝えします。

テレワークでも使いやすいツールを選ぶ

製造業の営業職の間でも浸透するテレワークなど、多様な働き方に対応できるツールであるか確認しましょう。

従来型のCPQツールは、オフィスのパソコン業務のみに対応したサービスや、最新のビジネスに対応していないツールもあります。

クラウド型CPQはオンライン上で使うツールのため、在宅での作業や社外でのリモートワークでも、見積もり作成などの対応が可能です。見積もり回答までの時間短縮や、営業職の作業効率化のためには、テレワークでも使えるクラウド型がおすすめです。

長期的なメリットのためシステム連携もふまえた導入を

営業職が使う他のシステムや、別部署で運用するシステムとの連携可能性もふまえてCPQを選こともポイントです。

CPQで作成した仕様情報や見積もりデータを顧客管理システムと連携することで、顧客分析や、業務効率化を進めることができます。また、製造部門のシステムや会計システムと連携することで、社内の連携を強化し、業務をよりスムーズに進めることができます。

運用やメンテナンスのしやすいツールを選ぶ

製品仕様などのマスタ情報の登録や、平時の運用がしやすいツールであることも重要です。

システムに関する知識がない営業職や営業事務担当者に、運用ストレスや過度な作業負担が生じないように、簡単で感覚的に使えるサービスを選ぶことがポイントです。また、使い方に困ったときに相談できる、サービスのサポート体制が整っているかどうかもチェックしましょう。

テレワーク時代の業務効率化に欠かせないCPQ

仕様選定や見積もりの自動化によって、営業職の負担軽減だけでなく、顧客満足度のアップも実現するCPQ。テレワークが浸透する中で、自宅や外出先での書類作成や複雑な計算業務を減らすことは、営業職のモチベーションアップにもつながります。

テレワーク時代に求められる、営業の自動化・効率化を進めてみてはいかがでしょうか?

記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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