おすすめ機種 Pick up 「Stratasys Fortus 400シリーズ」

試作から最終製品の製造まで。高度な要求に応えるハイエンド機。

モノづくりの最終段階に近いテストでも活用できる高耐久・高耐熱の樹脂に対応。

このマシンの最大の特長は、非常に優れた耐久度を誇る樹脂が使用できるという点でしょう。試作品の形状を確認するといったような用途であれば、他のより低価格な機体でも十分に対応可能です。ですが、鞄のベルト部分についているスナップフィットを、カチャカチャと実際に付け外しして、さらに肩にかけても大丈夫かといったようなテストをする場合には、高耐久樹脂に対応できる「Fortus 400シリーズ」が必要になってきます。
また、150℃の熱にも耐えられる高耐熱の樹脂が使用できるのもこのマシンの強みです。わかりやすい例で言えばドライヤーのテストです。実際に動かすとものすごい熱が発生して普通の樹脂だと溶けてしまいますが、この機種で使える素材を用いれば、きちんと動くかどうかといった確認をすることができます。その意味でも「Fortus 400シリーズ」は、かなり最終製品に近い状態でのテストに最適な一台と言えると思います。

充実した素材設定と専用ソフトウェアで広がる活用シーン。

画像:充実した素材設定と専用ソフトウェアで広がる活用シーン。

高耐久、高耐熱素材に加えて、「Fortus 400シリーズ」で使える素材のなかには静電気を拡散するようなものもあります。これにより、電子機器に組み込まれているボードまわりのパーツを製造することや、それらを取り付けるための治具をつくることもできます。また、身体に長時間触れていても皮膚が炎症を起こさないような生体適合性を持った素材も選択できます。これらは、眼鏡のフレームなどを造るのに最適です。さらに、「Fortusシリーズ」用のソフトウェアである「Insight」というドライバソフトを使って、任意のところでいったん出力を停止して樹脂の中に金属を埋め込むといった作業もできます。
FDM方式の3Dプリンターで出力したモノは一般的に強度が優れているものの、他の方式に比べてやや精度が劣るという特徴があります。しかし、「Fortus 400シリーズ」レベルの機種になれば、さまざまな造形物を必要十分な精度で仕上げることが可能です。

ラピッドプロトタイピングから、ラピッドマニュファクチャリングへ。

画像:ラピッドプロトタイピングから、ラピッドマニュファクチャリングへ。 (株)リコー コーポレート統括本部 新規事業開発センター AM事業室 佐野 聖二
(株)リコー コーポレート統括本部 新規事業開発センター AM事業室 佐野 聖二

強度や耐熱性に強みを持つ「Fortus 400シリーズ」が製品をつくる試験のステージで力を発揮することは間違いありません。さらに、最終製品を3Dプリンターで造っていくことを目指されているお客様にも、ぜひこの製品をおすすめしたいと考えています。3Dプリンター自体は、型などに比べればコスト的に大量生産には向かないと言われていますが、小ロットの製品を造る場合や特殊なパーツを造るといった用途には、しっかりと対応できると思います。実際、欧米ではお客様からデータをお預かりして、出力をお渡しするといったサービスを展開するプロバイダー様もいらっしゃいます。リコーでも、厚木事業所に「Fortus 400mc」を導入して出力サービスを展開しておりますので、まずはこちらでお試しいただくのも良いと思います。

写真提供・撮影協力:アルテック株式会社、武藤工業株式会社、3D Systems社、Stratasys Ltd

  • Fortus 400シリーズの商品ページはこちら