
事業再構築補助金とは、中小企業の新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する挑戦を支援する補助金です。リコージャパンでは、3Dプリンターを活用した新分野展開や業態転換等の提案事例が多数ございます。
例えば、3Dプリンターを活用して「新たな製品を製造し、新たな市場に販路を拡大」することは新分野展開に該当します。また、既存の製品を「新たに3Dプリンターを活用する製造方法に変更して生産効率を向上させる」ことは業態転換に該当します。
リコージャパンでは、補助金獲得のための申請についても支援しています。
この記事には2023年3月時点の情報を掲載しています。
1. 事業再構築補助金とは
事業再構築補助金とは、コロナ禍で設立された公的支援制度です。新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等の事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。
そのため、新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金です。
2. 補助対象事業の要件(成長枠)
(1)事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
※事業再構築とは、「新市場進出(新分野展開、業態転換)」、「事業転換」、「業種転換」、「事業再編」、「国内回帰」を指します。
なお、「事業再構築」の類型の詳細については、「事業再構築指針」にて公表しています。
(2)事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。補助金額が3,000万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可) の確認を受けていること【認定支援機関要件】
(3)補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均4.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
※付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものをいいます。
(4)取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること【市場拡大要件】
※「成長枠の対象となる業種、業態の一覧」が経産省より発表されておりますが、製造業のほとんどの業種、業態が対象になっております。
また、指定された業種、業態以外でも応募時に要件を満たす業種、業態のテータを提出し認められた場合は対象になります。
(5)事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること【給与総額増加要件】
※例えば、令和6年度に6%引上げた後、令和7年度は同水準、令和8年度以降は2%ずつ引上げる場合は認められますが、令和6年度に6%引上げた後、令和7年度に12%下げることによって、令和8年度以降の年率平均2%以上増加させる要件を容易に達成することは認めらず、継続的に賃金を引上げる必要があります。
<補助率引上げを受ける場合の追加要件>【補助率引上要件】
① 補助事業期間内に給与支給総額を年平均6%以上増加させること
② 補助事業期間内に事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引上げること
成長枠以外の事業類型(応募枠)についても個別に要件が設定されております。
※グリーン成長枠(エントリー、スタンダード)、卒業促進枠、大規模賃金引上促進枠、産業構造転換枠、サプライチェーン強靱化枠、最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠がございます。
詳しくはリコージャパンまでお問い合わせください。
3. 補助金額、補助率について
申請枠 | 補助額 | 補助率 |
---|---|---|
成長枠 | 【従業員20人以下】100万円~2,000万円 |
【中小企業】1/2
※大規模な賃上げを行う場合は2/3 【中堅企業】1/3 ※大規模な賃上げを行う場合は1/2 |
【従業員21~50人】100万円~4,000万円 | ||
【従業員51~100人】100万円~5,000万円 | ||
【従業員101人以上】100万円~7,000万円 |
※「大規模な賃上げ」とは 終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成すること。
中小企業
資本金3億円以下または従業員300人以下の会社及び個人
中堅企業
中小企業の範囲に入らない会社のうち、資本金10億円未満の会社
4. 補助対象経費について
補助対象となる経費は、事業拡大につながる事業資産(有形・無形)への相応の規模の投資を含むものであり、本事業の対象として明確に区分できるものである必要があります。
補助対象経費例
- 建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、貸し工場等の一時移転)
- 機械装置・システム構築費
(・補助事業のために使用される機械装置、工具・器具の購入、製作、借用に要する経費
・補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用に要する経費
・上記2つを一体で行う、改良・修繕、据付け又は運搬に要する経費)
- 技術導入費(本事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費)
- 専門家経費(本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費)
- 運搬費(運搬料、宅配・郵送料等に要する経費)
※購入する機械装置の運搬料については、機械装置・システム費に含めること - クラウドサービス利用費(クラウドサービスの利用に関する経費)
- 外注費(本事業遂行のために必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費)
- 知的財産権等関連経費 (特許権等の取得に要する弁理士の手続代行費用など知的財産権等取得に関連する経費)
- 広告宣伝・販売促進費(広告の作成、媒体掲載、展示会出展セミナー開催、市場調査等に係る経費)
- 研修費(本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費)
※上限額=補助対象経費総額(税抜き)の1/3
5. 申請にあたり必要なこと(成長枠)
- 事業計画書(最大15ページで作成、補助金額1,500万円以下は10ページ以内)
- 認定経営革新等支援機関・金融機関(3,000万円超)による確認書
- 決算書
- 直近2年間の貸借対照表
- 損益計算書(特定非営利活動法人は活動計算書)
- 製造原価報告書
- 販売管理費明細
- 個別注記表
- ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報
- 従業員数を示す書類
- 収益事業を行っていることを説明する書類
- 建物の新築が必要であることを説明する書類
※建物の新築に係る費用を補助対象経費として計上している場合
※他に申請枠によっては追加の提出種類が必要な場合があります
6. 加点項目
- 大きく売上が減少しており業況が厳しい事業者に対する加点
- 最低賃金枠申請事業者に対する加点
- 経済産業省が行うEBPMの取組への協力に対する加点
- パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点
- 事業再生を行う者に対する加点
- 特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点
※特定事業者とは、中小企業に該当せず資本金が10億円未満で常勤従業員数が500人以下の企業(製造業の場合) - サプライチェーン加点
- 健康経営優良法人に認定された事業者に対する加点
- 大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点
- ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点