製造業を中心に普及してきた3Dプリンター。実は100万円以下の低価格帯でも業務用として使える機種が増えてきていることをご存知でしょうか。マシン、材料、ソフトウェアのそれぞれが進化してきた結果、安定した造形ができるようになってきました。
以前の機種は造形物の反りが強かったり、積層ピッチがカタログ値を実現しなかったりということがございましたが、状況は変わってきています。
リコージャパンが提案活動を行う中で実感している、低価格帯の3Dプリンターの実力と、お勧めのラインアップについてご紹介します。
Raise3D Pro3やGuider2sといった機種では、PCやPAなどのエンジニアリングプラスチックや、 TPUなど幅広い材料が使えます。またABSでの造形に関して、以前の機種は造形物が反ってしまったりして安定しないことが多かったのですが、これらの機種は比較的安定した造形ができるようになってきています。
SLA方式のForm3では、耐熱性の高いHigh Tempや、強度の高いToughなどの材料が使用でき、この造形方式の特徴である高精細・等方性と合わせて特定のニーズを満たす造形が可能です。
大きいもので305×305×300㎜の造形が可能な機種もございます。
低価格帯の3Dプリンターというとホビー用途のイメージがあるのか、大きなサイズの造形はできないと思われている方が多いですが、進化しています。
サイズが大きくなればなるほど造形の難易度も上がりますが、パラメータの設定を工夫することにより期待通りの造形が可能となります。
3Dプリンターに関するコストは本体価格だけでなく、保守や材料の費用も含めて検討する必要がありますが、低価格帯の機種ではこれらも比較的安価に提供されています。
保守に関しましては、機種によって条件が異なりますが、センドバック方式などのメーカー保守が用意されています。本体価格に準ずるケースが多いので、高価格帯の機種よりも安価な金額設定になっております。
また材料に関しては、同じ機種で使えるものでも材料の種類によって金額は異なりますが、こちらも高価格帯の機種と比べて比較的安価なものが多いです。
大手のお客様において、部門単位での導入に多数の実績がございます。
会社として高額のセンターマシンを導入されていても、ロケーションの問題や部門間の調整に時間がかかるということで、部門独自で購入を検討されるケースが多いという背景がございます。
また、中小企業のお客様を含め、初めての導入でも多くの実績がございます。機種選定についてはリコージャパンでお手伝いいたします。
方式 | 製品特長 | 最大造形サイズ W/D/H |
主な材料 | 使いやすさ |
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幅広い材料に対応しています。ヘッド部分の軽量化により造形の安定性が前機種より向上しました。 | 300㎜ / 300㎜ / 300㎜ | ABS / ASA / PLA / PA / PC / カーボン / PETG / PVA / TPU / 木質 ( 竹 ) / BASF 社製樹脂 / Polymaker 社製樹脂 等 | フレキシブルプレートの採用で、造形物の取り外しがしやすくなりました。 | |
エンジニアリングプラスチック対応や庫内カメラ装備など、プロユースにも対応しています。 | 280㎜ / 250㎜ / 300㎜ | PLA / ABS / PETG / PC / PA / PA-CF/TPU | 5インチのタッチパネルによる高い操作性。フィラメント検出センサーも搭載。 | |
Formlabs社独自の「Low Force Stereolithography(LFS)™」技術で、造形の微細さと速度の両立を実現します。 | 145㎜ / 145㎜ / 185㎜ | Durable / Draft / Grey Pro / Elastic / Tough / High Temp / Flexible / Rigid | 取替可能なレジンタンク、材料の自動補充機能など、材料交換時の手間を抑えたモデルです。 |
これまで、進化した低価格帯の3Dプリンターの特徴をお伝えしてまいりました。では、高額な3Dプリンターとの違いは何でしょうか。
それは安定性や生産性です。一概には言えませんが、低価格帯の3Dプリンターは周りの湿度や温度に影響されるところがあります。
また、細かなパラメータ設定により難しい造形にも対応できますが、使いこなすには慣れが必要です。これらの点に関しましては高額の製品の方が安定していると考えています。
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