構造物模型を3Dプリンターで製作!
改修工事前後の比較と工事の進め方の説明を容易に

株式会社ウヌマ地域総研は、1969年に創業し、秋田県内を拠点に建設コンサルタント、測量、補償コンサルタント事業を展開しています。建設コンサルタントとは、都市計画、環境、道路、河川、上下水道、橋、ダムなどの社会基盤に関わり、企画、調査、分析、試験、研究、計画、設計、施工管理、維持管理を業務とする技術集団です。設計者の建設コンサルタントは、国や自治体の発注者から委託を受けて、技術的パートナーとして、事業の企画段階、調査段階、計画段階、設計段階、管理段階に携わる仕事をしています。
高度な専門知識・技術を活かし、地域特性に合わせた公共インフラを守ることで社会に貢献しています。

株式会社ウヌマ地域総研 様
業種:
建設コンサルタント
URL:
https://www.unuma.co.jp/
動画:3Dプリンター導入事例 ウヌマ地域総研様

構造物模型を3Dプリンターで製作!
改修工事前後の比較と工事の進め方の説明を容易に

建設コンサルタントとして携わった河川の樋門改修工事に際し、現在設置している樋門と改修後の樋門のそれぞれの模型を3Dプリンターで造形して、改修工事前後の比較、改修工事の進め方の説明、展示会でのご紹介に活用しました。
3Dプリンターで造形した模型を取り囲んで協議ができたので、2D図面等を介しての協議で発生していたイメージの齟齬がなくなりました。柵の設置場所、撤去の順番、建設機械の位置など細かい調整も模型を指差しながら関係者複数人で意見交換ができ、意思疎通のスピードが格段にあがるといった効果を実感しています。
リコー3Dプリンター出力サービスの技術者の方に、3Dデータにエラーがないかのチェックや、実寸モデルのデータからスケールモデルとして縮小したときに3Dプリンターで再現不可能な薄さ・細さの部分がないかのチェックと修正対応をしていただきました。
その結果、梯子や手すり、柵といった細かい部分まで再現した模型を得ることができ、大変助かりました。

これまでの課題
従来の2D図面やCADデータ上での協議の際、複雑な設計検討においてイメージの齟齬が発生し、意思疎通に時間を要していた。
実寸大の3Dデータを縮小して模型を3Dプリントする際のデータチェックや修正ノウハウに関する知見が無く、困っていた。
3Dプリンター活用による効果
●3Dプリンターで造形した模型を使うことで、構造物の細かい部分までイメージの共通化ができ、また具体的な場所を指差ししながら説明・意見交換ができるようになり、意思疎通のスピードを格段にあげることができた。
●3Dプリンターで造形した模型を用いることで、工事の進め方の順序や、工事車両をどこから入れるか、安全上の柵を設置した方が良いかといったアイデアや気づきを得ることが促進された。
●リコー3Dプリンター出力サービスの技術者に3Dデータのエラーチェック、実寸モデルデータからの縮小、および3Dプリンターで再現不可能な薄さ・細さとなった箇所のチェックと修正等をしてもらえ、多く工数と労力を削減でき、梯子や手すり、柵といった細かい部分まで再現した模型を得ることができた。

3Dプリンターで製作した部品(一例)

3Dプリンターで製作した部品
3Dプリンターで製作した部品

導入した機器/サービス

お客様インタビューCustomer Interview

株式会社 ウヌマ地域総研

事業部 奥村 勇貴様
事業部
奥村 勇貴

背景・課題

2D画面上や図面上での協議では、複雑な設計検討においてイメージの齟齬が発生し、
意思疎通に時間を要していた

構造物の設計に際しては、お客様や関係者と2次元の図面や2次元CAD(2D CAD)の画面を用いて、説明を行ったり、協議を行っていました。2次元の図面やCADを見て、3次元の構造物の状態を頭の中に描くという作業が必要となるため、参加者のスキルによってはお互いに同じ図面等を見ていても実際に頭の中に描かれている構造物が違っていたり、2次元図面上で指を指して話しをしていても実は全然違うところをそれぞれがイメージしていることがあり、意見交換や説明したことが正確に伝えられないことや、イメージの齟齬が発生することがありました。
そこで、直近数年取り組んできた3次元の設計データを活用して、3Dプリンターで作ってみてはどうかということで、3Dプリンターで模型を製作してみることにしました。

構造物の設計に際しては、お客様や関係者と2次元の図面や2次元CAD(2D CAD)の画面を用いて、説明を行ったり、協議を行っていました。2次元の図面やCADを見て、3次元の構造物の状態を頭の中に描くという作業が必要となるため、参加者のスキルによってはお互いに同じ図面等を見ていても実際に頭の中に描かれている構造物が違っていたり、2次元図面上で指を指して話しをしていても実は全然違うところをそれぞれがイメージしていることがあり、意見交換や説明したことが正確に伝えられないことや、イメージの齟齬が発生することがありました。そこで、直近数年取り組んできた3次元の設計データを活用して、3Dプリンターで作ってみてはどうかということで、3Dプリンターで模型を製作してみることにしました。

出力サービスの活用について

手厚い技術サポートで、実寸モデルデータの縮小作業、
3Dデータのエラーチェックと修正に掛かる工数の削減を実現

今回3Dプリンターで製作した樋門の改築工事の構造物模型では、現状の構造物と改築後の構造物の違いを説明するために2つの模型を製作しました。弊社は3Dプリンターを保有していなかったので、営業の方から紹介してもらった「リコー3Dプリンター出力サービス」に相談をしました。
この模型の製作に際しては、実寸大で設計された3Dデータを縮小して、模型用の3Dデータを作成し、そのデータが3Dプリンターで造形できるデータかどうかをチェックする必要がありました。
弊社では3Dデータの設計ノウハウは蓄積できていたものの、3Dプリンターの知見がなく、3Dプリンターで細かな部分を再現できるように3Dデータを作成・修正する為に必要なノウハウがまだ習得できていませんでした。
リコー3Dプリンター出力サービスでは、3Dプリンターと3Dデータの扱いに習熟した技術者の方に相談に乗ってもらうことができ、実際に①3Dデータのエラーチェック、②3Dデータの縮小化、③3Dデータを縮小することで3Dプリンターで再現不可能な薄さ・細さとなってしまう部分のチェックと修正について、対応してもらえました。
これらの作業は、3Dプリンターの性能やデータ修正に習熟していないと、何回も修正作業を繰り返し工数と労力が必要になってしまうのではないかと懸念していたので大変助かりました。
また、今回の構造物では、梯子や金具、柵、手すりなど、細かな部分が再現できるのか不安だったのですが、3Dプリンターで再現できるようにデータの修正を対応してもらったことで、イメージ通り再現できていたので、出来栄えには大変満足しています。

今回3Dプリンターで製作した樋門の改築工事の構造物模型では、現状の構造物と改築後の構造物の違いを説明するために2つの模型を製作しました。弊社は3Dプリンターを保有していなかったので、営業の方から紹介してもらった「リコー3Dプリンター出力サービス」に相談をしました。この模型の製作に際しては、実寸大で設計された3Dデータを縮小して、模型用の3Dデータを作成し、そのデータが3Dプリンターで造形できるデータかどうかをチェックする必要がありました。弊社では3Dデータの設計ノウハウは蓄積できていたものの、3Dプリンターの知見がなく、3Dプリンターで細かな部分を再現できるように3Dデータを作成・修正する為に必要なノウハウがまだ習得できていませんでした。リコー3Dプリンター出力サービスでは、3Dプリンターと3Dデータの扱いに習熟した技術者の方に相談に乗ってもらうことができ、実際に①3Dデータのエラーチェック、②3Dデータの縮小化、③3Dデータを縮小することで3Dプリンターで再現不可能な薄さ・細さとなってしまう部分のチェックと修正について、対応してもらえました。これらの作業は、3Dプリンターの性能やデータ修正に習熟していないと、何回も修正作業を繰り返し工数と労力が必要になってしまうのではないかと懸念していたので大変助かりました。また、今回の構造物では、梯子や金具、柵、手すりなど、細かな部分が再現できるのか不安だったのですが、3Dプリンターで再現できるようにデータの修正を対応してもらったことで、イメージ通り再現できていたので、出来栄えには大変満足しています。

3Dプリンター活用メリット

実物模型を使うことで、意思疎通のスピードが格段に向上。
さらに、意見交換の活発化により工事工程の順序・安全面の配慮などアイデア・気づきを促進。

今回3Dプリンターで製作した現状の樋門模型と改築後の樋門模型は、現状の構造物と改築物との違いの確認、現状から改築までどのように工事を進めるかを説明する用途として、活用しました。
引き上げ式のゲートをフラップゲートに改修するとき、どのように工事を進めていくか、模型の該当箇所を指差ししながら説明・協議ができたので、説明の仕方がだいぶ変わりました。具体的に、ここの部分を撤去してから、この部分を工事して取り付ける、といった細かい作業レベルまで共有することができ、関係者間での意思疎通のスピードが格段にあがりました。
また、実際に模型を囲んで協議をすると、2D画面や図面上よりもイメージが沸いて、安全上の柵を設置した方が良いのではないか、こちらから工事をした方がよいのではないか、工事車両はここにおいたほうがいいのではないかといったアイデアや気づきが促進されるという効果もありました。
いろんな角度からいろんな人と見るというような用途の場合、3Dプリンターで出力した模型を使うというのがその効果が強いと感じています。
その他用途としては、社内の新入社員や他部署からの異動者への教育などにも、実際に活用しています。

3Dプリンター活用メリット 3Dプリンター活用メリット

今後の展望

3Dプリンターで模型を製作することのメリットや効果的な使い方が体感できましたので、今回得た知見を踏まえて、3Dプリンターを活用する用途や範囲を広げていけたらと考えています。例えば、今回は現状の構造物模型と改築後の構造物模型を同時に製作しましたが、まず現状の構造物模型を3Dプリンターで製作し、それを見ながら工事の進め方や工事車両の置き場所などを考えながら改築後の構造物を設計するというような進め方が効率的なのではないかと思っています。

今後の展望