概要

昨今の日本のものづくり現場では、市場の個々のニーズに合わせるため、多品種小ロットの高付加価値製品へのシフトがますます加速しています。このような中、生産工場で利用する治具や型などのツール類や最終製品に組み込む部品を金型レスで3Dプリンターにより直接製造する新たな製造手法DDM(ダイレクト デジタル マニュファクチャリング)が、国内製造業においても急速に拡大しつつあります。リコーでは早くからこの製造手法に着目し、複数の3Dプリンターと専門の技術者を配置した拠点を構築し、自社製品のサービスパーツのオンデマンド化等を実践してきました。
本オプションサービスは、リコーが培ってきたノウハウと3Dプリンターによるものづくり拠点機能をお客様向けに提供し、「個々のパーツを毎月必要な分を少量数だけ納品して欲しい」といったオンデマンドニーズにお応えすることで、パーツの在庫削減や製造リードタイム短縮などのお客様の生産プロセス改善を支援するものです。
お客様における新たなものづくり拠点としてご活用ください。

画像:オンデマンド生産

ダイレクトパーツ製造

金型などをつくらずに、3Dデータからダイレクトに3Dプリンターで最終製品やパーツを製造することが可能です。 リコーでは、お客様における製品やパーツのオンデマンド化の検討段階から実際に製造するまでトータルで支援させていただくことが可能です。

実施内容

●  要件整理とパーツの現状調査・分類

お客様よりオンデマンド化へのご要望を伺った上で、リコーの製造現場でパーツのオンデマンド化を実践したきた専任のコンサルタントが要件整理をさせていただきます。また必要に応じてお客様の製品パーツや金型の利用状況の現状把握や、製品パーツの属性・ライフサイクル・出荷頻度などに従って調査・分類を実施します。

画像:要件整理とパーツの現状調査・分類
●  オンデマンド化方針と業務プロセス設計

要件整理内容に基づき、オンデマンド化による課題や予測効果および造形物の品質を評価した上で、対象パーツの決定や生産計画などの方針をお客様とともに詰めていきます。また、オンデマンド化により変更となる業務プロセスや、やり取りするデータ、納品までのリードタイムなどの業務フロー詳細を決定します。
造形物の品質については、対象パーツの強度や耐熱性などの要求特性に応じた造形方式・材料にてお客様と共同で評価します。

画像:パーツ生産の損益分岐点の比較表
画像:単純形状例
単純形状例
画像:複雑形状例
複雑形状例
画像:評価結果例
●  ダイレクトパーツ製造・納品

お客様と事前に取り決めたパーツ仕様条件や業務フローに従って、お客様の要求時に必要な個数のパーツを3Dプリンターで製造して納品します。3Dプリンターによるパーツ製造は、大型の産業用3Dプリンターが配備された専用の造形拠点にて3Dプリンターでの造形に熟知した技術者が実施します。

画像:ダイレクトパーツ製造例
画像:圧着ノブ 画像:ファンカバー 画像:ローラーノブ 画像:スライドフェンス 画像:トレイグリップ 画像:電源スイッチカバー

ダイレクトパーツ製造例※ 画像をクリックすると拡大します。

ダイレクトパーツ製造の活用例

  • ●  高付加価値の小ロット生産品

    製品ごとの金型が不要なため、高付加価値製品のような小ロット生産品のコスト削減、工数短縮が可能となります。

  • ●  ユーザーの個々のニーズに合わせたカスタマイズ製品

    造形デザインの自由度が高く、3Dデータの加工で容易にカスタマイズ生産可能なため、個別カスタマイズ品の生産性が向上します。

  • ●  実験的な市場投入によるテスト・マーケティング製品

    短期間に繰り返し改変が加えられる、テスト・マーケティング製品の小ロット生産に容易に対応できます。

期待される効果

  • ●  金型製作の工程が不要となるため、コスト削減と製造リードタイムの短縮などが図れます。
  • ●  必要な時に必要なだけジャスト・イン・タイムで生産するため、在庫スペースの削減や在庫管理コストの削減が図れます。

概要

工業製品の企画開発・設計においてデザインプレゼンや完成品のイメージ確認、教育現場などでは、イラストや設計図に加え、模型があるときの訴求力や理解力は飛躍的に高まります。昨今、工業模型の制作については、切削等の従来工法と比較して、より複雑な形状を短納期で造形できる3Dプリンターによる模型造形のニーズが高まっています。一方、3Dプリンターで模型造形をしようとした場合、どのような造形方式と材料を使ったらよいのか?モデルを縮尺する場合、肉厚はどうしたらよいのか?1回で造形できないような大型模型を作成するにはどうしたらよいのか?といったような様々な課題に直面します。本オプションサービスでは、工業模型造形において3Dデータ作成から造形に至るまでに生じる様々な課題を3D造形専門の技術者がトータルでサポートし、お客様の目的・用途に応じた最適品質の模型を短納期で提供するサービスです。

画像:工業模型造形(オプション)

工業模型造形の活用例

  • ・展示会やショールームに展示する自社製品の模型
  • ・ビルなどの建築構造物の完成イメージ模型
  • ・建築物の工事段取りの打ち合わせのため、部分的な構造模型
  • ・プレゼンテーションや教育のための構造模型

実施内容(一例)

工業模型造形オプションサービスでは、工業模型造形において3Dデータ作成から造形に至るまでに生じる以下のような様々な課題をトータルでサポートします。

造形方式や材料がわからない

模型造形専門の技術者が、お客様から模型の目的や用途を詳細にうかがった上で、要求品質を満たす最適な造形方式・材料・二次加工処理などをトータルでご提案します。

画像:模型造形専門の技術者が、最適な造形方式・材料・二次加工処理などをトータルでご提案します。

原寸を変えて造形したい

お客様からお預かりした3Dモデルを原寸から3Dプリントの造形サイズに最適となるように修正致します。サイズの縮小に伴って薄肉化した部位の修正や、造形に必要な部分のみのデータ切り出しにも対応します。

画像:原寸を変えて造形したい

大型の模型を作りたい

一回の造形で900mm×600mm×900mmまで対応可能ですが、さらに大きい場合はモデルを分割して接着することも可能です。最適な分割面を検討・提案し、大型の工業模型の作製にも対応します。

画像:モデル分割のシミュレーション

モデル分割のシミュレーション

完成品に色を付けたい

磨きや塗装といった二次加工まで受付可能です。お客様から造形品への配色をヒアリングし、可能な限りご要望の色に仕上げます。マテリアルジェッティング(MJ方式)やバインダージェッティング(方式)は、予め造形時に色を付けることも可能です。

画像:塗装前

塗装前

画像:塗装後

塗装後

模型造形例

工業模型造形オプションサービスでは、工業模型造形において3Dデータ作成から造形に至るまでに生じる以下のような様々な課題をトータルでサポートします。

  • RICOH AM S5500Pの模型

    RICOH AM S5500Pの縮尺模型

    • <左:1/12縮尺>

      方式   :BJ(バインダージェッティング)

      サイズ:約175×127×200mm(突起部を除く)

    • <右:1/20縮尺>

      サイズ:約105×76×120mm(突起部を除く)

  • 複合機の模型

    • <左:1/5縮尺>

      方式   :BJ(バインダージェッティング)

      サイズ:約117×137×193mm

    • <右:1/8縮尺>

      方式   :BJ(バインダージェッティング)

      サイズ:約73×86×24.1mm

  • PENTAXブランド(カメラボディ)の模型

    • <1/1縮尺>

      方式   :SLA(光造形)

      サイズ:約125×97×68mm

    ※カメラボディを造形し、一部パーツを後から取り付けています。

  • 田瀬ダム(岩手県花巻市)の模型

    • <1/1,000 縮尺>

      方式   :SLS(粉末焼結積層造形)

      材料   :PA12

      サイズ:約308×142×88mm

    [御依頼主:一般財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)様]

    画像:田瀬ダム(岩手県花巻市)
  • 樽井樋門(茨城県常総市)の模型

    • <1/50 縮尺>

      方式   :SLS(粉末焼結積層造形)

      材料   :PA12

      サイズ:約201×317×247mm

    [御依頼主:一般財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)様]

    画像:樽井樋門(茨城県常総市)

概要

「生産プロセスの改善効果が頭打ちになってきた」「日々改善に取り組んでいるが目立った効果がない」といったお悩みはないでしょうか。製造現場ではコスト削減や品質向上が求められる一方、複雑化する生産工程や多品種少量生産等の理由で、生産プロセスの改善による大きな効果は得られにくくなっています。そのような中で、リコーは20年以上前から3Dプリンターの可能性に着目し、実際に製造現場では3Dプリンターで製作した独自の治工具等のツール活用しながら、生産プロセスの改善を進めてきました。3Dプリンターは切削など既存の加工法と比べて、型や治工具などのツールを小型化、軽量化、多機能化できるため、使い方次第で生産プロセスを変革する手段となり得ます。
本オプションサービスはリコーがこれまで培ってきた経験をもとに、お客様の生産工程を分析し、3Dプリンターを活用した改善ポイントと具体的なアクションプランを策定し、その実行を支援するものです。

画像:生産工程改善支援(オプション)

実施内容

生産プロセスのモニタリング・分析

リコーの製造現場で長年改善活動に携わってきた専任のコンサルタントが、お客様の生産プロセスをつぶさに観察します。お客様のプロジェクトチームと連携して、人の流れ、モノの流れ、作業の流れを調査分析することで、3Dプリンターの活用により実現可能な業務効率化、生産性の改善のポイントを洗い出していきます。

画像:生産プロセスのモニタリング・分析

現場ヒアリング・重点対策立案

事前に準備したヒアリング調査項目を元に、生産現場の管理者や技術担当者へのヒアリングを行います。ヒアリング結果と「生産プロセスのモニタリング・分析」の結果を元に、人的ミスの要因や作業のボトルネックになりうる工程を重点課題として抽出し、3Dプリンターの特長(小型化、軽量化、多機能化)を最大限に活用した型や治具等の改善ツール導入による作業品質、生産効率の改善や生産ラインの改善をご提案します。

画像:現場ヒアリング・重点対策立案

治具など生産改善ツールの設計・製作・導入

ヒアリングと分析により導いた改善提案内容に基づき、リコーの設計者が3Dプリンターならではの特徴(小型化、軽量化、多機能化)を活かした型や治具等の生産改善ツールの設計を行います。また強度や耐熱性などの要求特性に応じた材料を用いて、3Dプリンターにより製作します。さらに、お客様のプロジェクトチームと連携して、製作した型や治具の生産工程への投入と運用定着を図るとともに、継続的な改善活動を支援します。

お客様自身で治具等のツール設計を行いたいが、3DCADのご経験がないお客様へは、 『3DCADの早期使いこなしと治具設計のポイント』をパッケージとしてご提供することも可能です。

画像:治具など生産改善ツールの設計・製作・導入
画像:4面組立治具 画像:モーター組立治具 画像:モーター組立治具 画像:チャッキング治具
画像:部品配膳トレイ
画像:各種組立治具

※ 画像をクリックすると拡大します。

生産ライン・生産管理の最適化

3Dプリンターによる型や治工具を活用した生産プロセス改善の結果を、さらに生産ライン全体へ展開したり、ライン全体での効率化や管理コストの削減の取組みについてお客様を支援します。

リコーでは、最終製品も造形できる産業用の大型3Dプリンターを完備しており、ジャスト・イン・タイムで必要な型、治具、パーツをお届けする オンデマンド生産(別オプション)のサービスも提供可能なため、生産ツールやパーツの適切な在庫管理やリードタイムの短縮にお役立ちできます。

画像:生産ライン・生産管理の最適化

進め方

  • 01
  • 02
  • 03
  • 事前ヒアリング&概要提案

    本サービスがお客様の課題解決に貢献可能か、事前にヒアリングさせて頂き、概要についてご提案させて頂きます。ご提案内容に同意頂ければご契約手続きとなります。
    ※事前ヒアリングにあたっては、機密保持規約に合意の上、適切な情報管理を行います。

  • 本調査と改善提案

    専門のコンサルタントが製造現場にお伺いし、生産工程のモニタリングや現場ヒアリングなどを通して現状分析を行います。その結果をうけて、3Dプリンターによる改善効果が見込まれるポイントを洗い出し、改善に向けたアクションプランを策定していきます。

  • アクションプランの実行

    最適な3Dプリンターの導入から(出力サービスやオンデマンド生産も可能)造形した治具の配備とオペレーション改善などを行います。
    3Dプリンターや3DCADのご経験がないお客様でも、お客様ご自身で使いこなしていくための支援も、パッケージとして提供可能です。

期待される効果

  • ●  3Dプリンターで治工具などの生産ツールの小型化、軽量化、多機能化を図り、作業品質および生産効率の改善が期待できます。
  • ●  生産プロセスのボトルネックと、改善による効果を可視化し、新たな視点での生産プロセス全体の見直しが可能となります。
  • ●  作業改善だけでなく、治具/パーツ/最終製品のオンデマンド生産による在庫管理の手間やコストの削減効果も期待できます。

活用事例

組み立て作業品質の向上で「月間不具合件数」がゼロに

小ロット高付加価値の大型プリンターを製造するリコーインダストリー株式会社では、製品組立工程で一人の作業者が大量の類似パーツを扱うために、部品の取り間違えなどのミスが発生しやすく、作業品質の向上と生産効率化が大きな課題でした。 従来手法では改善が頭打ちになっていたが、「生産工程改善支援」によって3Dプリンターを活用した生産プロセス全体の見直しに成功。生産効率と作業品質の改善につながりました。

さらに詳しく

画像:組み立て作業品質の向上で「月間不具合件数」がゼロに