
事業再構築補助金とは、中小企業の新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する挑戦を支援する補助金です。リコージャパンでは、3Dプリンターを活用した新分野展開や業態転換等の提案事例が多数ございます。
例えば、3Dプリンターを活用して「新たな製品を製造し、新たな市場に販路を拡大」することは新分野展開に該当します。また、既存の製品を「新たに3Dプリンターを活用する製造方法に変更して生産効率を向上させる」ことは業態転換に該当します。
リコージャパンでは、補助金獲得のための申請についても支援しています。
この記事には2022年4月時点の情報を記載しています。
1. 事業再構築補助金とは
事業再構築補助金とは、コロナ禍で設立された公的支援制度です。新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等の事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。
そのため、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するのが目的となっています。
2. 主要申請要件
(1)売上が減っている
2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している。
※売上高10%減少要件は、付加価値額の減少でも要件を満たすこととする。
※グリーン成長枠については「売上高減少要件」は課されません。
(2)新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編に取り組む
事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行う。
(3)認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する
事業再構築に係る事業計画を認定経営革新等支援機関と策定する。補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定する。金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。
補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(グリーン成長枠は5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(同上5.0%)以上増加達成の達成を見込む事業計画を策定する。
※付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものです
(4)上記主要要件以外に申請枠個別の要件
最低賃金枠
- 2020年10月から2021年6月までの間で、3か月以上「最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上」いること
- 2020年4月以降のいずれかの月の売上高が、対前年または前々年の同月比で「30%以上減少」していること
大規模賃金枠
- 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、「事業場内最低賃金を年額45円以上」の水準で引き上げること
- 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、「従業員数を年率平均1.5%以上(初年度は1.0%以上)増員」させること
回復、再生応援枠
- 2021年10月以降のいずれかの月の売上高が、2020年又は2019年同月比で「30%以上減少」していること
- 中小企業活性化(旧中小企業再生支援協議会)等から支援を受け「再生計画等を策定」していること
グリーン成長枠
- グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載のあるものに該当し、その取組に該当する「2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成」をあわせて行うこと
原油価格・物価高騰等緊急対策枠(第7回公募から)
- 足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響により、2022年1月以降の売上高(又は付加価値額)が、2019年~2021年同月と比較して10%(付加価値額の場合15%)以上減少していること。
- 事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること
3. 補助金額、補助率について
対象企業 | 申請枠 | 補助額 | 補助率 |
---|---|---|---|
中小企業 中堅企業 |
通常枠 | 【従業員20人以下】100万円~2,000万円 | 【中小企業】2/3 ※6,000万円超は1/2 【中堅企業】1/2 ※4,000万円超は1/3 |
【従業員21人~50人】100万円~4,000万円 | |||
【従業員51人~100人】100万円~6,000万円 | |||
【従業員101人以上】100万円~8,000万円 | |||
最低賃金枠 | 【従業員5人以下】100万円~500万円 | 【中小企業】3/4 【中堅企業】2/3 |
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【従業員6~20人】100万円~1,000万円 | |||
【従業員21人以上】100万円~1,500万円 | |||
大手賃金引上枠 | 【従業員101人以上】8,000万円超~1億円 | 【中小企業】2/3 ※6,000万円超は1/2 【中堅企業】1/2 ※4,000万円超は1/3 |
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回復・再生応援枠 | 【従業員5人以下】100万円~500万円 | 【中小企業】3/4 【中堅企業】2/3 |
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【従業員6人~20人】100万円~1,000万円 | |||
【従業員21人以上】100万円~1,500万円 | |||
グリーン成長枠 | 【中小企業】100万円~1億円 【中堅企業】100万円~1.5億円 |
【中小企業】1/2 【中堅企業】1/3 |
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原油価格・物価高騰等緊急対策枠 ※第7回公募から |
【従業員20人以下】100万円~1,000万円 | 【中小企業】3/4 ※1,500万円超は2/3 【中堅企業】2/3 ※1,500万円超は1/2 |
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【従業員21~50人】100万円~2,000万円 | |||
【従業員51~100人】100万円~3,000万円 | |||
【従業員101人以上】100万円~4,000万円 |
中小企業
資本金3億円以下または従業員300人以下の会社及び個人
中堅企業
中小企業の範囲に入らない会社のうち、資本金10億円未満の会社
4. 補助対象経費について
- 事業拡大につながる事業資産(有形・無形)への相応規模の投資をしていただくこととなります。
- 補助対象経費は、本事業の対象として明確に区分できるものである必要があります。
補助対象経費例
- 建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、貸し工場等の一時移転)
- 機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリース等),クラウドサービス利用費、運搬費
- 技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、知的財産権等関連経費
- 外注費(製品開発に要する加工、設計等)、専門家経費 ※応募申請時の事業計画の作成に要する経費は補助対象外
- 広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
- 研修費(教育訓練費、講座受講等)
※一過性の支出と認められるような支出が補助対象経費の大半を占めるような場合は原則本事業の支援対象にはなりません。
5. 申請にあたり必要なこと
- 事業計画書
- 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
- コロナ以前に比べて売上高(付加価値額)が減少したことを示す書類
- 2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していることを示す書類
- 2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月合計付加価値額が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していることを示す書類
※上記2点のうちのいずれかを提出 - 決算書
- 直近2年間の貸借対照表
- 損益計算書(特定非営利活動法人は活動計算書)
- 製造原価報告書
- 販売管理費明細
- 個別注記表
- ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報
- 従業員数を示す書類
- その他に加点や申請枠、計上する補助対象経費によっては追加で必要な書類がございます
- 回復、再生応援枠に申請する場合は、2020年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020年又は2019年同月比で30%以上減少していることを示す書類
- 最低賃金枠に申請する場合は、最低賃金の対象となる3か月分の労働者名簿
- 建物の新築に係る費用を補助対象経費として計上している場合は、建物の新築が必要であることを説明する書類
6. 加点項目
- 大きく売上が減少しており業況が厳しい事業者に対する加点
- 最低賃金枠申請事業者に対する加点
- 経済産業省が行うEBPMの取組への協力に対する加点
- パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点
- 事業再生を行う者に対する加点
- 原油価格、物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けている事業者に対する加点(第6回公募から)