GoogleのAI:Gemini(ジェミニ)が議事録ツールに!
2025年08月20日 07:00
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会議内容を議事録として残すことはビジネスシーンにおいて一般的ですが、議事録担当者の負担になるケースも少なくありません。こうした作業を効率化するために、生成AIが役立ちます。この記事では、議事録作成に「Gemini(ジェミニ)」を使う方法について紹介します。
Googleの生成AIツール:Gemini(ジェミニ)とは何か
Gemini(ジェミニ)はGoogleが開発・提供する生成AIツールです。生成AIとは、ユーザーが入力した内容に対してコンピュータが学習した内容から文字や画像などを出力するツールのことです。従来のAIは分析を得意としますが、生成AIは学習内容をもとに新たなデータを創造する能力があります。
Geminiの良い点はGoogleが提供する他のサービスと連携ができることです。GmailやGoogleドキュメント、検索などとのスムーズな連動により、日常のさまざまなシーンで活用できます。また、トップシェアの検索エンジンや提供サービスから得られる膨大なビッグデータを活用して学習されているため、網羅性の高いアウトプットを期待できるのも魅力の一つです。
Geminiについては以下の記事も参考にしてください。
Gemini(ジェミニ)とは、Googleが提供する生成AIです。旧Google Bard(グーグルバード)から進化したGeminiの料金・使い方・活用例を初心者向けに解説します。
Geminiを使った議事録作成の具体的な手順
ここでは、Googleの生成AI「Gemini(ジェミニ)」を使って、効率的に議事録を作成する方法をご紹介します。
全体の流れは、以下の3ステップです。
- 1.会議音声を録音・文字起こししてテキスト化する
- 2.プロンプトを作成しGeminiに指示を出す
- 3.Geminiの出力結果を見直して必要に応じて調整する
それでは、各ステップについて順番に見ていきましょう。
会議音声を録音・文字起こししてテキスト化する
Geminiで議事録作成するためには、事前準備として、会議内容を録音・文字起こししてテキストデータを用意する必要があります。
Geminiは会議を録音することができません。Geminiの画面上にマイクアイコンがありますが、これはプロンプトを音声入力するためのもので、会議を録音するためのものではありません。
また、音声ファイルをアップロードして文字起こしすることもできません。
従って、まずはGemini以外の手段での録音・文字起こしが必要となります。
ここでは、録音・文字起こしする方法を3点ご紹介します。
Google AI Studioを使用する方法
Google AI Studioは、Googleが提供している生成AIの開発プラットフォームです。
Google AI tudioを利用すれば、音声データを文字起こしすることができ、さらにはGoogle AI Studioに搭載されるGeminiを活用して議事録作成まで一括で行うことができます。なお、Google AI Studioは、音声を録音することできませんので、あらかじめレコーダーやスマホ・PCなどで会議音声データを用意しましょう。
以下、Google AI Studioを利用した議事録作成方法について説明します。
- 1.会議等の音声データを録音して用意しておく
- 2.Google AI Studioにログインする
- 3.テキストボックス右側の+マークから「Upload File」を選択して音声データをアップロードする
- 4.アップロード後、Google AI Studioが自動で音声データの文字起こしを行う
- 5.文字起こしが完了したら、テキストボックスに入力された文章を元に、議事録の要約を指示する
例えば、「この文章を要約して」「議事録としてまとめて」といったプロンプトを入力すると、AIが自動で要約を作成してくれます。
この手順は以下動画でも解説しているので参考にしてください。
なお、無料サービスで使用する場合、「Googleは送信した情報と生成した回答を利用する場合がありますので、プライベート情報、機密情報、個人情報を送信しないでください。」と利用規約に書記載されています。注意して利用してください。
Google AI Studioの利用規約 | Google
文字起こしツールを使う方法
文字起こしツールを使用することで、高品質な文字起こしを行うことができます。さらに、議事録の作成や要約、情報共有など、議事録業務をサポートする多彩な機能を備えたツールもあります。なお、ツールによっては録音から対応できるものもあれば、音声データの文字起こし専用のものもあるので、用途に応じて適したものを選ぶことが大切です。
たとえば、AIによる音声認識を備えた「toruno(トルノ)」は、1クリックで録音から文字起こしまでをおこなえます。辞書機能により専門用語にも柔軟に対応可能です。
1クリックでAIが会議やセミナーの発言・会話をすぐにテキスト化して表示し、まるごと記録!会議やセミナーの振り返りや共有が劇的に変化します!
他にも、文字起こしツールには様々なものがあります。詳細は以下の記事をご確認ください。
初めてでも簡単に使えるオススメの文字起こしアプリ・ソフトを紹介します。無料で始められるものが多く、PCでは、toruno・Pekoe・Notta・スマート書記・文字起こしさん・Rimo Voice。スマホアプリはLINE WORKS AiNoteなどを紹介します。
Googleドキュメントを使用する方法
最もシンプルな方法としては、Googleドキュメントで録音・文字起こしする方法もあります。詳細は以下の記事をご確認ください。
Googleドキュメントは会議や音声データなどから簡単に文字起こしすることができます。これにより議事録作成などの作業を効率化することができます。Googleドキュメントの使い方や、文字起こしの際の注意事項などを解説します。
プロンプトを作成しGeminiに指示を出す
文字起こしが完了したら、そのテキストデータをもとにGeminiに指示を出します。ここで重要なのが「プロンプト(入力する依頼文)」の設計です。
議事録作成を依頼する場合は、次のような情報を含めると精度の高い出力が得られます:
- ・会議の基本情報(日時、場所、参加者、議題など)
- ・議事録に含めたい要素(重要発言、結論、アクションアイテムなど)
- ・まとめ方の形式(箇条書き、簡潔な段落形式など)
適切なプロンプトを用意することで、より実用的で読みやすい議事録を自動生成できます。
※ プロンプトの具体例やテンプレートは、以下の記事をご参照ください。
ChatGPTなどの生成AIを活用して議事録作成や文章の要約を効率化する際に使える具体的なプロンプト(指示文)の例を紹介します。コピペですぐに使えるプロンプトも用意しています。品質の高い議事録を作成するためには生成AIにプロンプトで細かく指示することがポイントです。
Geminiの出力結果を見直して必要に応じて調整する
Geminiが作成した議事録は、そのままでもある程度整った形になっていますが、最終的には人の目で確認することが欠かせません。
誤字脱字、文法の揺れ、不自然な表現や意味の取り違えが残っている可能性もあるため、必要に応じて加筆・修正を行いましょう。また、気になる箇所はGeminiに再度プロンプトを送って修正を依頼することも可能です。
こうした工程を経ることで、高品質の議事録を効率よく完成させることができます。
Geminiで議事録を作成する際のポイント
Geminiに限らず、生成AIへの指示文(プロンプト)は可能な限り詳細な質問や指示をすることが重要です。
議事録の場合であれば、
「原文は変更せず意味のない音声だけ削除する」
「議事録には以下の内容を含める(項目を箇条書き)」
という具体的な指示をすることで、想定に近い形で議事録作成のステップを進めることができます。
Geminiの無料版と有料版の違い(価格・できること)
Geminiは無料で使い始めることができます。簡易的な議事録作成や、日常的な質問応答・要約には十分です。ただし、大量の文書処理や精度の高い生成を求める場合など、生成AIを本格的に活用するには、上位プランへのアップグレードが有効です。
ここでは、それぞれのプランの主な特徴と違いについて説明します。
Gemini無料版
Gemini無料版では、軽量かつ高速なモデルが提供されており、以下のような基本的なAI機能を無料で利用できます。
| 料金 | 無料(Googleアカウントがあれば誰でも利用可能) |
| 主な機能 | ・チャットによる質問応答 ・テキスト生成、要約、翻訳(多言語対応) ・コード生成 ・画像生成 |
ただし、Gemini無料版では、利用できるモデルや、利用可能なトークン数には一定の制限があります。
Google AI Pro
Google AI Proは、個人向けの上位プランで、より高性能なモデルへのアクセスが可能なプランです。
| 料金 | 2,900円 |
| 主な機能 | ・Gemini 2.5 Proモデルを使用 ・動画生成ツール「Flow」を限定利用可 ・画像から動画を生成する「Whisk」を拡張利用可 ・GmailやGoogleドキュメントなどの連携機能 ・2TBのストレージ容量 など |
Google AI Ultra
Google AI Ultraは、最上位プランであり、高性能のモデルへのアクセスが可能になります。
| 料金 | 36,400円 |
| 主な機能 | ・Google AI Proのすべての機能 ・Gemini 2.5 Pro Deep Thinkモデルを使用 ・動画生成ツール「Flow」を制限なしで利用可 ・画像から動画を生成する「Whisk」を最上限利用可 ・エージェント型リサーチツール「Project Mariner」の先行利用 ・30TBのストレージ容量 など |
Geminiで議事録作成に活用する時の注意事項と対策方法
Geminiは議事録作成の作業を簡略化・効率化することができますが、使い方を間違えると悪影響を及ぼすリスクがありますので、利用する前に注意すべきポイントを押さえておきましょう。
機密情報の入力によるプライバシーリスク
Geminiを利用するにあたっては、機密性の高い情報や個人情報の取り扱いには十分な注意が必要です。Geminiでは、入力情報がGoogleのレビュアーによってチェックされたり、モデルの品質向上のために学習に使われたりする可能性があります。
対策としては、設定メニューより、会話の記録やレビュアーによる確認を無効にすることが可能です。ただし、これにより一部機能が制限される場合があるため、目的に応じて設定を見直すことが大切です。
参考:プライバシーに関する設定 | Geminiアプリ ヘルプ
また、ビジネスや組織でのGemini導入を検討している場合には、より強固なセキュリティ管理が可能な「Gemini for Google Workspace」の利用を推奨します。この法人向けプランでは、管理者による利用制限やデータ保護ポリシーの適用、ユーザーデータの保持ポリシーの明確化など、ビジネス利用に求められるセキュリティ機能が充実しています。
Geminiの活用にあたっては、プライバシー設定や社内セキュリティポリシーの確認と準拠を徹底することが、安全かつ効果的な運用につながります。
不完全な文字起こしによる誤認識・誤要約のリスク
Geminiでは、文字起こしされたテキストデータをもとに議事録を生成します。したがって、元となる文字起こしデータの品質が、そのままGeminiの出力結果の正確さや分かりやすさに影響を及ぼします。
精度の高い議事録を作成するためには、文字起こしテキストの品質を高める前処理が非常に重要です。以下のポイントに注意することで、より正確な文字起こしデータを準備することができます。
- ・録音環境の整備:ノイズの少ないクリアな音声を録音することで、変換ミスを防ぎやすくなります。
- ・発言の明瞭化:話者をはっきりさせ、語尾まで丁寧に話すことで、誤変換が減少します。
- ・専門用語や固有名詞の整理:業界用語や社名・人名などは、あらかじめ用語集を作成したり、文字起こしツールに辞書登録しておくと効果的です。
- ・高品質な文字起こしツールの選定:認識精度が高く、辞書機能やタイムスタンプ付き出力などに対応したツールを使うことで、後工程の効率も大きく向上します。
こうした準備をしておくことで、Geminiによる要約や整形の精度を高め、確認・修正にかかる手間を大きく減らすことができます。
議事録はGeminiとtoruno(トルノ)で効率化しよう
議事録作成を効率化するには、文字起こしツールと、要約・整理に強いGeminiを組み合わせて活用する方法が効果的です。
文字起こしには、リコーが提供するツール「toruno(トルノ)」がおすすめです。torunoはリコーが開発・提供しているツールで、Web会議の録音、文字起こし、画面キャプチャができる機能があり、会議をまるごと記録できます。操作が非常に簡単で、誰でも利用できるのが大きな特徴です。
torunoで文字起こしをして、Geminiで内容を要約することで、わかりやすい議事録に仕上げることができるでしょう。
1クリックでAIが会議やセミナーの発言・会話をすぐにテキスト化して表示し、まるごと記録!会議やセミナーの振り返りや共有が劇的に変化します!
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